ブログ「ミッチーの、半笑い! 天体写真!」で、「Lo-Fi天体写真」という概念が提唱されています。なお、Lo-Fiとは音楽などで使用される「Hi-Fi(High Fidelity:高忠実度)」の逆を意味する言葉です。

ミッチーの、半笑い! 天体写真!・Lo-Fi天体写真と花火!
http://maruja.cocolog-nifty.com/blog/2022/08/post-bab808.html

「言い訳」としての?Lo-Fi天体写真

そして期待のM8アンドM20と思ったのですが、さっさと木にお隠れに。撮影できたのは4枚。
といったわけで、このような話はまあ頻繁にあるわけです。

あるあるですよね。「たっぷり露出をかけて仕上げるつもりだったけど(諸事情で)少ししか撮れなかった。でも折角撮ったのだし、リザルトはアップしたい。」



「条件が悪くて写真の出来がよくないです」って言い訳は書き飽きたので笑、こういうものを堂々と黙って出していく概念として「Lo-Fi天体写真」という言葉を使っていこうと。(文字強調:編集部)

こういう時って、やっぱり普段の自分の指向するリザルトには及ばないわけで、毎回「〜のせいで露出時間が短くなりました」とか、つい言い訳しちゃうんです。「堂々と黙って出して行く概念」ってステキですね。低忠実度だけど、文句あるか。いや、低忠実度ですけど、お目汚しですみませんねえ。そんな社交辞令は一切不要。

機能としては「言い訳」なんですけども笑、ちょっとかっこよく言ってみただけなのと、ちまちまと「木が」とか「雲が」とか「霧が」とか書きたくないときは省略できるというのが便利です。

こういう暗黙のやりとり?を「Lo-Fi」っていう、なんとなくカッコよさげ?な言葉で一言で済ませられると、とても「便利」ですね、というお話でした。

音楽におけるLo-Fi

https://jp.freepik.com/free-vector/gradient-lo-fi-illustrations_23784575.htm#query=lofi&position=1&from_view=keyword
Wikipedia Lo-Fi
https://ja.wikipedia.org/wiki/Lo-Fi

それまでのポピュラー音楽は「現場の音をいかに正確に録音・パッケージングすることができるか」ということに焦点が当てられていたが、

むしろ「実際にはアンプやスピーカーからそのような音は鳴らないが、いかにそれを越えたキャッチーな録音ができるか」ということに重点が置かれていった。



こうした現実感のないサウンドによる豪華主義・商業主義に反発し、その流れの中でLo-Fiサウンドは見直されていくこととなった。

ところで、音楽シーンでの「Lo-Fi」の歴史には興味深いものがあります。Wikipediaによると、1980年代に急速に進歩した録音技術(Hi-Fiの起こり)の副作用として「実際にはそんな音は鳴らない」キャッチーな音に走る流れがあったようです。その「反発」として、あえて「普通の」録音を主張するという価値観として、Lo-Fiが生まれたそうです。

音楽は、デジタル写真よりも30年ほど先輩だったのですね。

積極的Lo-Fi天体写真

ミッチーさんは「言い訳」と書かれていますが、おそらく「これはこれでいいんじゃね?」という感覚も含めて「言い訳」とされているのだと推測しました。最近流行の「電視観望」も、得られる映像は「Lo-Fi」です。上の画像は最近編集部で撮影したものですが、15秒露出の「積極的Lo-Fi」です。

とりあえずの「Lo-Fi天体写真」のメリットは二つ。「まだ足りない」という強迫観念から逃れられることと、限られた時間でたくさんの対象を撮れることです。1対象に10時間かけるのか、10時間で100対象を撮るのか。それはあなたがお決めになることです。

まとめ

いかがでしたか?

筆者の直感的予測は、100時間露光してHi-Fiを極める価値観と、即席短時間露光でLo-Fiな映像を楽しむ価値観は、両立するはずです。「Lo-Fiな天体写真」という言葉が定義されることで、より意識的な「両立」の考え方が広まることを期待しています。 https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2022/08/478f6dd54c44bab2fd1d1a17a9824be7-1024x574.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2022/08/478f6dd54c44bab2fd1d1a17a9824be7-150x150.jpg編集部特選ピックアップLo-Fi天体写真ブログ「ミッチーの、半笑い! 天体写真!」で、「Lo-Fi天体写真」という概念が提唱されています。なお、Lo-Fiとは音楽などで使用される「Hi-Fi(High Fidelity:高忠実度)」の逆を意味する言葉です。 ミッチーの、半笑い! 天体写真!・Lo-Fi天体写真と花火! http://maruja.cocolog-nifty.com/blog/2022/08/post-bab808.html 「言い訳」としての?Lo-Fi天体写真 そして期待のM8アンドM20と思ったのですが、さっさと木にお隠れに。撮影できたのは4枚。 といったわけで、このような話はまあ頻繁にあるわけです。 あるあるですよね。「たっぷり露出をかけて仕上げるつもりだったけど(諸事情で)少ししか撮れなかった。でも折角撮ったのだし、リザルトはアップしたい。」 「条件が悪くて写真の出来がよくないです」って言い訳は書き飽きたので笑、こういうものを堂々と黙って出していく概念として「Lo-Fi天体写真」という言葉を使っていこうと。(文字強調:編集部) こういう時って、やっぱり普段の自分の指向するリザルトには及ばないわけで、毎回「〜のせいで露出時間が短くなりました」とか、つい言い訳しちゃうんです。「堂々と黙って出して行く概念」ってステキですね。低忠実度だけど、文句あるか。いや、低忠実度ですけど、お目汚しですみませんねえ。そんな社交辞令は一切不要。 機能としては「言い訳」なんですけども笑、ちょっとかっこよく言ってみただけなのと、ちまちまと「木が」とか「雲が」とか「霧が」とか書きたくないときは省略できるというのが便利です。 こういう暗黙のやりとり?を「Lo-Fi」っていう、なんとなくカッコよさげ?な言葉で一言で済ませられると、とても「便利」ですね、というお話でした。 音楽におけるLo-Fi Wikipedia Lo-Fi https://ja.wikipedia.org/wiki/Lo-Fi それまでのポピュラー音楽は「現場の音をいかに正確に録音・パッケージングすることができるか」ということに焦点が当てられていたが、 むしろ「実際にはアンプやスピーカーからそのような音は鳴らないが、いかにそれを越えたキャッチーな録音ができるか」ということに重点が置かれていった。 こうした現実感のないサウンドによる豪華主義・商業主義に反発し、その流れの中でLo-Fiサウンドは見直されていくこととなった。 ところで、音楽シーンでの「Lo-Fi」の歴史には興味深いものがあります。Wikipediaによると、1980年代に急速に進歩した録音技術(Hi-Fiの起こり)の副作用として「実際にはそんな音は鳴らない」キャッチーな音に走る流れがあったようです。その「反発」として、あえて「普通の」録音を主張するという価値観として、Lo-Fiが生まれたそうです。 音楽は、デジタル写真よりも30年ほど先輩だったのですね。 積極的Lo-Fi天体写真 積極的Lo-Fi天体写真。全て15秒1枚撮りです。 SONYα7S ISO12800-25600 FSQ106ED(530mm F5) 山口県長門市 pic.twitter.com/5Bv6B14Bii — 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) August 2, 2022 ミッチーさんは「言い訳」と書かれていますが、おそらく「これはこれでいいんじゃね?」という感覚も含めて「言い訳」とされているのだと推測しました。最近流行の「電視観望」も、得られる映像は「Lo-Fi」です。上の画像は最近編集部で撮影したものですが、15秒露出の「積極的Lo-Fi」です。 とりあえずの「Lo-Fi天体写真」のメリットは二つ。「まだ足りない」という強迫観念から逃れられることと、限られた時間でたくさんの対象を撮れることです。1対象に10時間かけるのか、10時間で100対象を撮るのか。それはあなたがお決めになることです。 まとめ いかがでしたか? 筆者の直感的予測は、100時間露光してHi-Fiを極める価値観と、即席短時間露光でLo-Fiな映像を楽しむ価値観は、両立するはずです。「Lo-Fiな天体写真」という言葉が定義されることで、より意識的な「両立」の考え方が広まることを期待しています。編集部発信のオリジナルコンテンツ