アストロアーツよりデジタル一眼EOSシリーズのミラーボックスに装着する「クリップタイプ」のソフトフィルターの発売が告知されています。

アストロアーツ・「クリップフレーム ソフトフィルター キット(キヤノン・フルサイズ用)」
http://www.astroarts.co.jp/shop/showcase/filter_aa_clipframe/index-j.shtml

キヤノンのフルサイズカメラのボディ内に取り付けられるクリップフレームと、「LEE 軟焦点効果用フィルター ソフトNo.3」のキット。

LEEフィルターをカットしフレームに貼り付けたクリップフレームを、カメラボディに組み込んで使用。レンズフィルターを取り付けられない超広角レンズも使えるほか、レンズ周辺の滲みが放射状に伸びるのを防ぎます。

出目金レンズでも使えるソフトフィルター

これまで「出目金レンズ」でフィルターを使いたいとき(*)の選択肢は2つありました。一つは「角形フィルターとホルダーを使う」もう一つは「レンズ後端にフィルターを装着する(**)」。

(*)「出目金」レンズでは、レンズ前玉が大きく飛び出しているため、ねじ込み式フィルターを装着することができないため。

(**)シグマ14mmF1.8ArtやキヤノンEF8-15mmF4Lのように、レンズ後端にシート型のフィルターを挟むホルダーの付いた製品の場合。

今回発表された製品は「第三の選択肢」。ディープスカイ撮影で使用される「ミラーボックスにはめ込むタイプ(クリップタイプ)のフィルター」です。

製品の概要

以下、商品ページを見ただけの感想です。実際に製品を使用したわけではないので、推測が混じる前提でお読み下さい。

製品キットに含まれるのは「フィルター枠」と「シートタイプ」のソフトフィルター(Lee No3)です。フィルターをカットして枠にはめ込む作業は自分で行う必要があるようです。

逆に、付属のフィルター以外のシートタイプフィルターも使用可能だと推測されます。

アストロアーツのHP上では「星ナビの”買う買う大作戦”で紹介した」との記載があり、今月5日発売の最新号に掲載されるのでしょう。

メリット

出目金レンズでも使える」のが最大の特徴ですが、もうひとつ「レンズ周辺のにじみが放射状に延びるのを防ぐ」というメリットが謳われています。

EOS5D Mark3 EF24mmF1.4L プロソフトンA ISO1600 30秒 ポラリエ恒星時追尾 編集部撮影

上の画像はレンズ先端にガラス製のソフトフィルターを装着して撮影したもの。左下の輝星(火星)が楕円状(放射状)に伸びているのがわかります(*)。

(*)微光星は点像ですから、この伸びはレンズ収差が原因ではなくソフトフィルターのにじみによるものです。

試写画像がまだないのでこの低減効果がどのくらいなのかはわかりませんが、そのとおりだとすると大きなメリットでしょう。

もうひとつ。レンズ交換してもフィルター交換する必要がない。実戦的にはこれは少なくないメリット(*)。

(*)さらにいえば「シートタイプのフィルターをレンズ後端の枠に挟む」のはまあ簡単なのですが「現場で取り外しする」のは実はかなりの難作業。外したフィルターの置き場所に困るわ、風が強いと飛ばされてしまうわ(経験者です)・・・クリップタイプは少なくとも風で飛ばないので取り外しがずっと楽です。

デメリット

デメリットとしては、2点考えられます。

一般にクリップタイプのフィルターは、枠によって周辺部がケラレることがあります。これまでの編集部での経験では望遠系のレンズで、光路が平行に近いほど強いようです(*)。星景写真の場合は広角レンズの使用が多いこと、ディープスカイ撮影ほど強調しないことから、これはあまり問題にはならないでしょう。

(*)レンズの設計、絞り値にも大きく依存します。

フィルターをレンズとセンサーの間に入れると、光路長が引き延ばされる結果になり、レンズの収差補正に影響を与える場合があります。ただし、シートタイプのフィルターは非常に薄いため(0.1mm以下)ガラスフィルターと比較すればはるかに影響は小さいと推測されます(*)。

(*)それでも最近の明るい超広角レンズはバックフォーカスに非常にシビアです。全く影響がないとは言えないことに注意する必要があります。

もうひとつ、レンズの後側に装着するフィルターの宿命ですが、フィルターを外すためにはレンズを先に外す必要があります。フィルターあり・なしで撮り分けたいような場合は、レンズ先端側に装着する方がはるかに便利です。

対応機種

現状キヤノン用のみの対応です。対応機種は以下の3つ。外形上の制約・カメラの機構上の仕様から、5D Mark4や6DMarkII、5Dsでは使用できないことにご注意下さい。

  • EOS 5D Mark II
  • EOS 5D Mark III
  • EOS 6D

装着する際はミラーアップが必要なので、必然的に撮影はライブビューでの構図合わせが前提になります(*)。

(*)「ライブビューモードが必須」ではありません。キャノンの一部の改造機の場合は赤かぶりを防ぐためにライブビューモードをOFFにするのが推奨ですが、その場合でも問題なく使用できます。

価格

直販価格は10,800円(税込・送料無料)。フィルターサイズに関係なくこれ一つでソフトフィルター効果が得られるわけですから、場合によっては価格的にもメリットがあるかもしれません。

アストロアーツのHPでは、フィルターの単品は5,780円。フィルター枠のみの単体販売もあるといいのにな、と思います(*)

(*)筆者の場合、Lee No3.のハギレが余っているので特に・・

まとめ

いかがでしたか?

何で今までなかったんだろう?そんな思いのするこの製品。対応機種がかなり限定されますが、星景撮影におけるソフトフィルターのソリューションの一つとしてかなり有力ではないかと感じています。

星ナビ誌面で予定されているというレビューや実写作例が楽しみですね!

http://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/02/clipsoft-1024x585.jpghttp://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/02/clipsoft-150x150.jpg編集部新着天文機材特選ピックアップアストロアーツよりデジタル一眼EOSシリーズのミラーボックスに装着する「クリップタイプ」のソフトフィルターの発売が告知されています。 アストロアーツ・「クリップフレーム ソフトフィルター キット(キヤノン・フルサイズ用)」 http://www.astroarts.co.jp/shop/showcase/filter_aa_clipframe/index-j.shtml キヤノンのフルサイズカメラのボディ内に取り付けられるクリップフレームと、「LEE 軟焦点効果用フィルター ソフトNo.3」のキット。 LEEフィルターをカットしフレームに貼り付けたクリップフレームを、カメラボディに組み込んで使用。レンズフィルターを取り付けられない超広角レンズも使えるほか、レンズ周辺の滲みが放射状に伸びるのを防ぎます。 出目金レンズでも使えるソフトフィルター これまで「出目金レンズ」でフィルターを使いたいとき(*)の選択肢は2つありました。一つは「角形フィルターとホルダーを使う」もう一つは「レンズ後端にフィルターを装着する(**)」。 (*)「出目金」レンズでは、レンズ前玉が大きく飛び出しているため、ねじ込み式フィルターを装着することができないため。 (**)シグマ14mmF1.8ArtやキヤノンEF8-15mmF4Lのように、レンズ後端にシート型のフィルターを挟むホルダーの付いた製品の場合。 今回発表された製品は「第三の選択肢」。ディープスカイ撮影で使用される「ミラーボックスにはめ込むタイプ(クリップタイプ)のフィルター」です。 製品の概要 以下、商品ページを見ただけの感想です。実際に製品を使用したわけではないので、推測が混じる前提でお読み下さい。 製品キットに含まれるのは「フィルター枠」と「シートタイプ」のソフトフィルター(Lee No3)です。フィルターをカットして枠にはめ込む作業は自分で行う必要があるようです。 逆に、付属のフィルター以外のシートタイプフィルターも使用可能だと推測されます。 アストロアーツのHP上では「星ナビの”買う買う大作戦”で紹介した」との記載があり、今月5日発売の最新号に掲載されるのでしょう。 メリット 「出目金レンズでも使える」のが最大の特徴ですが、もうひとつ「レンズ周辺のにじみが放射状に延びるのを防ぐ」というメリットが謳われています。 上の画像はレンズ先端にガラス製のソフトフィルターを装着して撮影したもの。左下の輝星(火星)が楕円状(放射状)に伸びているのがわかります(*)。 (*)微光星は点像ですから、この伸びはレンズ収差が原因ではなくソフトフィルターのにじみによるものです。 試写画像がまだないのでこの低減効果がどのくらいなのかはわかりませんが、そのとおりだとすると大きなメリットでしょう。 もうひとつ。レンズ交換してもフィルター交換する必要がない。実戦的にはこれは少なくないメリット(*)。 (*)さらにいえば「シートタイプのフィルターをレンズ後端の枠に挟む」のはまあ簡単なのですが「現場で取り外しする」のは実はかなりの難作業。外したフィルターの置き場所に困るわ、風が強いと飛ばされてしまうわ(経験者です)・・・クリップタイプは少なくとも風で飛ばないので取り外しがずっと楽です。 デメリット デメリットとしては、2点考えられます。 一般にクリップタイプのフィルターは、枠によって周辺部がケラレることがあります。これまでの編集部での経験では望遠系のレンズで、光路が平行に近いほど強いようです(*)。星景写真の場合は広角レンズの使用が多いこと、ディープスカイ撮影ほど強調しないことから、これはあまり問題にはならないでしょう。 (*)レンズの設計、絞り値にも大きく依存します。 フィルターをレンズとセンサーの間に入れると、光路長が引き延ばされる結果になり、レンズの収差補正に影響を与える場合があります。ただし、シートタイプのフィルターは非常に薄いため(0.1mm以下)ガラスフィルターと比較すればはるかに影響は小さいと推測されます(*)。 (*)それでも最近の明るい超広角レンズはバックフォーカスに非常にシビアです。全く影響がないとは言えないことに注意する必要があります。 もうひとつ、レンズの後側に装着するフィルターの宿命ですが、フィルターを外すためにはレンズを先に外す必要があります。フィルターあり・なしで撮り分けたいような場合は、レンズ先端側に装着する方がはるかに便利です。 対応機種 現状キヤノン用のみの対応です。対応機種は以下の3つ。外形上の制約・カメラの機構上の仕様から、5D Mark4や6DMarkII、5Dsでは使用できないことにご注意下さい。 EOS 5D Mark II EOS 5D Mark III EOS 6D 装着する際はミラーアップが必要なので、必然的に撮影はライブビューでの構図合わせが前提になります(*)。 (*)「ライブビューモードが必須」ではありません。キャノンの一部の改造機の場合は赤かぶりを防ぐためにライブビューモードをOFFにするのが推奨ですが、その場合でも問題なく使用できます。 価格 直販価格は10,800円(税込・送料無料)。フィルターサイズに関係なくこれ一つでソフトフィルター効果が得られるわけですから、場合によっては価格的にもメリットがあるかもしれません。 アストロアーツのHPでは、フィルターの単品は5,780円。フィルター枠のみの単体販売もあるといいのにな、と思います(*) (*)筆者の場合、Lee No3.のハギレが余っているので特に・・ まとめ いかがでしたか? 何で今までなかったんだろう?そんな思いのするこの製品。対応機種がかなり限定されますが、星景撮影におけるソフトフィルターのソリューションの一つとしてかなり有力ではないかと感じています。 星ナビ誌面で予定されているというレビューや実写作例が楽しみですね!編集部発信のオリジナルコンテンツ