本日リコーイメージング株式会社から発表されたAPS-C用ズームレンズ「HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED」が、「星景対応」を謳うスペックをいくつか搭載しています。

リコーイメージング株式会社・HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AWスペシャルサイト
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/star_lens/special/sp_da11-18/
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/lens/k/wide/hdpentax-da-11-18/

「星景対応」仕様とは

「星景対応」の仕様とはなんぞや?それを順に見ていきましょう。

レンズヒーター対応設計

http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/star_lens/special/sp_da11-18/

結露防止のためのレンズヒーターを装着をしやすい外装形状を採用。ベルトタイプのヒーターが巻きやすいようズーム、ピントリングとレンズ鏡筒に凹凸が目立たない形状とし、さらに先端付近にはワイヤータイプのヒーター用の溝を備えています。
また、光学系までは金属部品で接する構造となっており、熱伝導しやすい設計となっています。(文字修飾:編集部)

なるほど。これは驚いたね!



星景撮影ではフードの浅い広角レンズの前玉は曇りやすいもの。そのためにヒーターをレンズに巻き付けるのですが、熱の回りが悪いとすぐに曇ってしまいます。

「DA★11-18mmF2.8ED」では、鏡胴に「ワイヤータイプのヒーター」を巻き付けるための凹みが付けられています。えっ。星景ファンのために、ここまでしてくれるの!?

しかもベルト式のフィルターを巻き付けた際に鏡胴にヒーターが密着しやすいように、段差のないフラットな形状になっています。巻き付けてもうまく密着せず、イライラ・どぎまぎした経験がある人には実感できるありがたみでしょう。

フォーカスクランプ機構

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これも嬉しい。ピントリングにうっかり手を触れてしまうことはよくあります。特にヒーターを巻き付ける時に問題になります(*)。「DA★11-18mmF2.8ED」では、「フォーカスクランプ」をONにすることでフォーカスリングを回してもピント位置が移動しないようになります。

(*)このため「テープで固定せよ」というのが教科書の記述なのですが、ズームレンズの場合はズームのたびにピント合わせが必要で、このときにいちいちテープを剥がすのがまた面倒なんですよね・・・

このほかにも「-10℃~40℃での動作保証」「防塵防滴」あたりが星景・風景写真を意識した仕様です。



DA11-18mmF2.8EDの概要

その他のスペックも簡単に見ておきます。

高い光学性能

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各社がフルサイズにシフトする中で、APS-C用レンズでここまで「本気」なのは珍しい。MTF的にも、従来品の「DA 12-24mmF4」と比較するとはるかに高性能。

良好な周辺像

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周辺像も良好。流れも色にじみも少なくなっていて、F2.8解放でも何の心配もなく使えそう。ただし、周辺減光については現状HP上には記述はありません。

そのほか

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繰り返しになりますが「DA★11-18mmF2.8ED」レンズは「APS-Cフォーマット用」のレンズです。フルサイズ換算では17~27.5mm相当。広角側はもう一声広い画角が欲しいというのが一般的な声でしょう。

重量は704g。1キロ越えの15-30mmよりはずっと軽いですが、それでもそれなりの大きさと重さがあります。フィルターサイズは82mmとこれも大きめ。このあたりは光学性能とのトレードオフもあるので、仕方のないところではあります。

なお、価格はリコーイメージングの直販価格で¥180,900(税込)。なかなかのお値段ではありますが、このレンズを待ち焦がれていた人も多いことでしょう。発売は2月22日です。

まとめ

いかがでしたか?

熱烈なファンが多いもののシェア的には厳しい状況のペンタックス。しかし「アストロトレーサ」や、赤の感度が比較的高いセンサーなど、天文ファンには魅力的なカメラでもあります。今回の製品からも「天文ファンのことを真摯に考えた製品づくりをしている」ことがわかります。

一眼であれミラーレスであれ、スマホ以外のカメラの市場は今後縮小するとの予測がありますが、その時に必要になることは「縮小した市場」の中から、いかにして「コアなファン」を維持し続けるかではないでしょうか。ペンタックスの今回の製品が「星景写真」の新しいファン層をも引きつけて、マーケットが拡大(もしくは維持)してゆくといいですね! ペンタックスの「星景対応」新ズームレンズhttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/01/main_img_01.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/01/main_img_01-150x150.jpg編集部カメラレンズ本日リコーイメージング株式会社から発表されたAPS-C用ズームレンズ「HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED」が、「星景対応」を謳うスペックをいくつか搭載しています。 リコーイメージング株式会社・HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AWスペシャルサイト http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/star_lens/special/sp_da11-18/ 「星景対応」仕様とは 「星景対応」の仕様とはなんぞや?それを順に見ていきましょう。 レンズヒーター対応設計 結露防止のためのレンズヒーターを装着をしやすい外装形状を採用。ベルトタイプのヒーターが巻きやすいようズーム、ピントリングとレンズ鏡筒に凹凸が目立たない形状とし、さらに先端付近にはワイヤータイプのヒーター用の溝を備えています。 また、光学系までは金属部品で接する構造となっており、熱伝導しやすい設計となっています。(文字修飾:編集部) なるほど。これは驚いたね! 星景撮影ではフードの浅い広角レンズの前玉は曇りやすいもの。そのためにヒーターをレンズに巻き付けるのですが、熱の回りが悪いとすぐに曇ってしまいます。 「DA★11-18mmF2.8ED」では、鏡胴に「ワイヤータイプのヒーター」を巻き付けるための凹みが付けられています。えっ。星景ファンのために、ここまでしてくれるの!? しかもベルト式のフィルターを巻き付けた際に鏡胴にヒーターが密着しやすいように、段差のないフラットな形状になっています。巻き付けてもうまく密着せず、イライラ・どぎまぎした経験がある人には実感できるありがたみでしょう。 フォーカスクランプ機構 これも嬉しい。ピントリングにうっかり手を触れてしまうことはよくあります。特にヒーターを巻き付ける時に問題になります(*)。「DA★11-18mmF2.8ED」では、「フォーカスクランプ」をONにすることでフォーカスリングを回してもピント位置が移動しないようになります。 (*)このため「テープで固定せよ」というのが教科書の記述なのですが、ズームレンズの場合はズームのたびにピント合わせが必要で、このときにいちいちテープを剥がすのがまた面倒なんですよね・・・ このほかにも「-10℃~40℃での動作保証」「防塵防滴」あたりが星景・風景写真を意識した仕様です。 DA★11-18mmF2.8EDの概要 その他のスペックも簡単に見ておきます。 高い光学性能 各社がフルサイズにシフトする中で、APS-C用レンズでここまで「本気」なのは珍しい。MTF的にも、従来品の「DA 12-24mmF4」と比較するとはるかに高性能。 良好な周辺像 周辺像も良好。流れも色にじみも少なくなっていて、F2.8解放でも何の心配もなく使えそう。ただし、周辺減光については現状HP上には記述はありません。 そのほか 繰り返しになりますが「DA★11-18mmF2.8ED」レンズは「APS-Cフォーマット用」のレンズです。フルサイズ換算では17~27.5mm相当。広角側はもう一声広い画角が欲しいというのが一般的な声でしょう。 重量は704g。1キロ越えの15-30mmよりはずっと軽いですが、それでもそれなりの大きさと重さがあります。フィルターサイズは82mmとこれも大きめ。このあたりは光学性能とのトレードオフもあるので、仕方のないところではあります。 なお、価格はリコーイメージングの直販価格で¥180,900(税込)。なかなかのお値段ではありますが、このレンズを待ち焦がれていた人も多いことでしょう。発売は2月22日です。 まとめ いかがでしたか? 熱烈なファンが多いもののシェア的には厳しい状況のペンタックス。しかし「アストロトレーサ」や、赤の感度が比較的高いセンサーなど、天文ファンには魅力的なカメラでもあります。今回の製品からも「天文ファンのことを真摯に考えた製品づくりをしている」ことがわかります。 一眼であれミラーレスであれ、スマホ以外のカメラの市場は今後縮小するとの予測がありますが、その時に必要になることは「縮小した市場」の中から、いかにして「コアなファン」を維持し続けるかではないでしょうか。ペンタックスの今回の製品が「星景写真」の新しいファン層をも引きつけて、マーケットが拡大(もしくは維持)してゆくといいですね!編集部発信のオリジナルコンテンツ