ブログ「ホシミスト3013の天体撮影記」に、エリダヌス座のα星「アケルナル」とみなみじゅうじ座のγ星「ガクルックス」の北限チャレンジの記事がアップされています。

ホシミスト3013の天体撮影記・アケルナルを捉えました (2)
https://plaza.rakuten.co.jp/aabckenfuji/diary/20190104/
ホシミスト3013の天体撮影記・亡き星友に捧げるガクルックス
https://plaza.rakuten.co.jp/aabckenfuji/diary/20190106/

アケルナルもガクルックスも、場所と条件が良ければ、九州中部・四国・紀伊半島南部から見ることができますが、なかなか難しいチャレンジです。難度の高い対象に立て続けに成功されたブログ主様ですが、急逝された星友様とともに、胸に刻まれる思い出となったことでしょう。おめでとうございます。

アケルナルとガクルックスはどっちが低い?

この記事を天リフでピックアップさせていただいたのですが、「赤緯的にはアケルナルはガクルックスよりほんの少し南に低いが」という誤った情報をツイートしてしまいました(*)。

(*)ホシミスト3013様よりご指摘いただきました。ありがとうございました。

Wikipediaで赤緯を調べたんですが・・・でもそれは「2000年分点」だったんですよね。2019年時点では、アケルナルよりもガクルックスの方が南になっているのです。そう、歳差によって、星の位置は微妙にずれていきます。ふだんはほとんど意識することのない歳差ですが、アケルナルとガクルックスの南北関係はつい最近逆転したのです。



アケルナル、ガクルックス、ピーコックの赤緯の変化をグラフにしてみました。アケルナルとピーコックは年々北にずれていて、ガクルックスは逆に南にずれていっています。およそ50年間の間に0.5°ほども赤緯がずれていて、2013年ごろに両者の関係は逆転したことになります。

アケルナルの光度は0.5等、ガクルックスは1.6等。2019年時点では、明るさの差だけでなく高度もガクルックスの方が低く、難度はガクルックスの方がはるかに上であるといえるでしょう。

カノープスはどうか

カノープスも調べてみました。アケルナル・ガクルックスよりも4°ほど北にあり、九州では楽勝ですが東北あたりが北限です。しかし、カノープスの赤緯はこの50年で1.5分角ほどしか変わっていないようです(南にずれているので北限チャレンジ的には、ほんのわずか難しくなっています)。

まとめ

  • 星の位置は歳差で年々変化している。
  • 2019年時点では、アケルナルよりもガクルックスの方が南にある。
  • 2013年以前は、アケルナルの方がガクルックスより南にあった。
  • 「北限チャレンジ」の場合は「何年のチャレンジか」がけっこう重要(な場合がある)。
  • カノープスの赤緯は50年で1.5分程度しか変わっていない。

「歳差」の存在は、極軸望遠鏡を覗くときくらいしか意識しませんが、いろんなところに影響があるものですね^^今回新たな発見でした。ホシミスト3013様、ありがとうございました!

補足2019/1/8)

ホシミスト3013様のブログに追加記事がアップされています。2004年、14年,19年のアケルナル、2019年のガクルックスの比較画像が掲載されていて大いに参考になります。また、歳差によるずれが「なぜアケルナルは北側で、ガクルックスは南側なのか」についても解説されています。

ホシミスト3013の天体撮影記・星の位置はずっと同じ・・・ではない
https://plaza.rakuten.co.jp/aabckenfuji/diary/201901070000/
https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/01/a15d962dccf054425c4fae7f015bca55-1024x567.pnghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/01/a15d962dccf054425c4fae7f015bca55-150x150.png編集部天体観賞(観望)ブログ「ホシミスト3013の天体撮影記」に、エリダヌス座のα星「アケルナル」とみなみじゅうじ座のγ星「ガクルックス」の北限チャレンジの記事がアップされています。 ホシミスト3013の天体撮影記・アケルナルを捉えました (2) https://plaza.rakuten.co.jp/aabckenfuji/diary/20190104/ ホシミスト3013の天体撮影記・亡き星友に捧げるガクルックス https://plaza.rakuten.co.jp/aabckenfuji/diary/20190106/ アケルナルもガクルックスも、場所と条件が良ければ、九州中部・四国・紀伊半島南部から見ることができますが、なかなか難しいチャレンジです。難度の高い対象に立て続けに成功されたブログ主様ですが、急逝された星友様とともに、胸に刻まれる思い出となったことでしょう。おめでとうございます。 アケルナルとガクルックスはどっちが低い? https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1081389252733165568 この記事を天リフでピックアップさせていただいたのですが、「赤緯的にはアケルナルはガクルックスよりほんの少し南に低いが」という誤った情報をツイートしてしまいました(*)。 (*)ホシミスト3013様よりご指摘いただきました。ありがとうございました。 Wikipediaで赤緯を調べたんですが・・・でもそれは「2000年分点」だったんですよね。2019年時点では、アケルナルよりもガクルックスの方が南になっているのです。そう、歳差によって、星の位置は微妙にずれていきます。ふだんはほとんど意識することのない歳差ですが、アケルナルとガクルックスの南北関係はつい最近逆転したのです。 アケルナル、ガクルックス、ピーコックの赤緯の変化をグラフにしてみました。アケルナルとピーコックは年々北にずれていて、ガクルックスは逆に南にずれていっています。およそ50年間の間に0.5°ほども赤緯がずれていて、2013年ごろに両者の関係は逆転したことになります。 アケルナルの光度は0.5等、ガクルックスは1.6等。2019年時点では、明るさの差だけでなく高度もガクルックスの方が低く、難度はガクルックスの方がはるかに上であるといえるでしょう。 カノープスはどうか カノープスも調べてみました。アケルナル・ガクルックスよりも4°ほど北にあり、九州では楽勝ですが東北あたりが北限です。しかし、カノープスの赤緯はこの50年で1.5分角ほどしか変わっていないようです(南にずれているので北限チャレンジ的には、ほんのわずか難しくなっています)。 まとめ 星の位置は歳差で年々変化している。 2019年時点では、アケルナルよりもガクルックスの方が南にある。 2013年以前は、アケルナルの方がガクルックスより南にあった。 「北限チャレンジ」の場合は「何年のチャレンジか」がけっこう重要(な場合がある)。 カノープスの赤緯は50年で1.5分程度しか変わっていない。 「歳差」の存在は、極軸望遠鏡を覗くときくらいしか意識しませんが、いろんなところに影響があるものですね^^今回新たな発見でした。ホシミスト3013様、ありがとうございました! 補足2019/1/8) ホシミスト3013様のブログに追加記事がアップされています。2004年、14年,19年のアケルナル、2019年のガクルックスの比較画像が掲載されていて大いに参考になります。また、歳差によるずれが「なぜアケルナルは北側で、ガクルックスは南側なのか」についても解説されています。 ホシミスト3013の天体撮影記・星の位置はずっと同じ・・・ではない https://plaza.rakuten.co.jp/aabckenfuji/diary/201901070000/編集部発信のオリジナルコンテンツ