平昌オリンピック、見てますか?

スノーボードのハーフパイプ、平野歩夢選手の銀メダル、シビレましたね。編集部でも通常業務のかたわら、テレビで見てました

ところで、一連のスノーボードの中井孝治さんの解説に注目が集まっています。「かっこいい」の連発、「スタイリッシュ」「渋い」などの謎の?キーワード。一部にはスノーボード競技そのものに対する「印象重視」の採点基準へ批判もあるようですが・・・

そんな中、中井孝治さんご本人がブログを更新されました。
競技としての「スノーボード」だけでなく、もっと広く「表現」のありかたに通じる、一読の価値のあるエントリです。

中井孝治オフィシャルブログ・オリンピック解説のことで。
https://ameblo.jp/nakaitakaharu/entry-12352243647.html

僕が解説で使っていた言葉で意味がわからないという人が多かったと思うので、僕なりに説明したくて意味を書きました。



天体写真の「スタイル」

まったく関係のない「スノーボード」をテーマに引いてしまったのですが、中井孝治さんの記事の「スノーボード」を「天体(星景)写真」に読み替えても、そこには多くの示唆が含まれていることがわかります。

【スタイル、スタイリッシュ】 
パッと見ただけで誰だかわかるような個性的な動きをしている時、その人のこだわりが伝わってくるような動きをしている時によく使ったりします。

パッと見ただけで、「あ、あの人の作品だ!」ってわかる方がいらっしゃいますよね。

例として一つだけご紹介します。星景写真の世界では知らぬ人はいないくらい高名な大西浩次さんの作品です。(本当はもっと多くの方の作品を引き合いに出したかったのですが、筆者の力量不足で掘り下げられませんでした。)

形だけを作るのなら、ある程度上手になればそのスタイルをマネできると思いますが、
本当のスタイルとは作るものではなくて、滲み出るものだと思っています。

ダイナミックな枯れ木を入れて、背景を青くすれば、なんとなく大西さん風のスタイルをマネすることはできます。でも、中井孝治さんが「スタイルとは滲み出るもの」と書かれている通り、大西さんが日々更新される作品からは「滲み出るもの」を感じずにはいられません。

オリジナリティとスタイル

スノーボード以外でも1つのことを追求してきた人ならわかると思いますが、
なんでも長くやっていると、オリジナルか?そうではないか?
見せかけのスタイルや真似しているのはなんとなくですがわかってしまうんです。
なので重要なのは、オリジナリティなんです。

見せかけのスタイルやただのマネは、すぐ見抜かれてしまう。
ネットで多くの作品が多くの人の目に触れる今、オリジナリティを陳腐化させずに維持することは大変なこと。



純粋に自分がかっこいいと思うことを高い技術と完成度で表現できていれば、
スタイルが自然と出る、伝わってくると思っています。

でも、やるべきことはたった一つ。自分がいいと思ったことを表現する。そのために高い技術を身につけ、一つの作品を完成度高く仕上げる。「スタイル」とはその結果滲み出るもの。

進路を照らす仄かな灯台の光のようです。ハーフパイプの感動のシーンを思いだして、ちょっとウルウルしてしまいました。

印象を語る言葉の先にあるもの

技の難易度を元にさまざまな採点基準が細かく定められたフィギュアスケートと異なり、ハーフパイプ競技は採点者の「印象」が占める比重が高くなっています。

【かっこいい】

そのままです、思った時に使っていました。

【渋い】

わかりにくくて当然ですよね、すみません。
一見地味でわかりにくいところなんだけど、そういった場所でこだわった動きやうまさを感じた時。
技だけじゃなくて、ちょっとした動きにも感じるところはあります。スノーボーダーの中でも地味なところなどでかっこいいことや動きなどをやった時に渋っ!っていう人多いと思います。

そんな中で、今回の中井孝治さんの「かっこいい」「スタイリッシュ」「おしゃれ」「渋い」というキーワードの連呼の根底には、「ここでなされていることは、オリンピック競技であること以前に、俺たちがこれまで目指してきたスノーボードそのものなんだ、それを見てくれ」という静かな主張を感じました。

かっこいいですね。まさにスノーボードというスタイルです。

「僕の微妙な解説」

あと、選手の滑りを自分の解説で邪魔しないように、余計なことは話さない方がいいと思ってやっています。
スノーボーダーとして、解説する時は選手がなんていう技をしたのか、難しいことしたのか?だけはしっかりと伝えたいと思ってやらせて頂いてます。
以上、僕の微妙な解説で分かりにくくしてしまってすみませんでした。

編集者の眼からみても示唆に富んだ発言です。
弊サイト「今日の一枚」でも「僕の微妙な解説」についてはいつも悩みの種です。少なくとも「傑作を自分の変な説明で邪魔しないように」は心がけているつもりですが・・・

ただ、「かっこいい」「スタイリッシュ」「スタイル」「渋い」「おしゃれ」というキーワードは、今後積極的に使っていこうと思います^^

その中から、天リフなりの「スタイル」が滲み出てくるように・・


本記事で使用しているサムネイル画像は以下画像を改変しています。
https://www.flickr.com/photos/mbiddulph/128475484/

https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/02/76c4918196df703df22a5602f8955f1b-1024x512.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/02/76c4918196df703df22a5602f8955f1b-150x150.jpg編集部天文コラム平昌オリンピック、見てますか? スノーボードのハーフパイプ、平野歩夢選手の銀メダル、シビレましたね。編集部でも通常業務のかたわら、テレビで見てました ところで、一連のスノーボードの中井孝治さんの解説に注目が集まっています。「かっこいい」の連発、「スタイリッシュ」「渋い」などの謎の?キーワード。一部にはスノーボード競技そのものに対する「印象重視」の採点基準へ批判もあるようですが・・・ そんな中、中井孝治さんご本人がブログを更新されました。 競技としての「スノーボード」だけでなく、もっと広く「表現」のありかたに通じる、一読の価値のあるエントリです。 中井孝治オフィシャルブログ・オリンピック解説のことで。 https://ameblo.jp/nakaitakaharu/entry-12352243647.html 僕が解説で使っていた言葉で意味がわからないという人が多かったと思うので、僕なりに説明したくて意味を書きました。 天体写真の「スタイル」 まったく関係のない「スノーボード」をテーマに引いてしまったのですが、中井孝治さんの記事の「スノーボード」を「天体(星景)写真」に読み替えても、そこには多くの示唆が含まれていることがわかります。 【スタイル、スタイリッシュ】  パッと見ただけで誰だかわかるような個性的な動きをしている時、その人のこだわりが伝わってくるような動きをしている時によく使ったりします。 パッと見ただけで、「あ、あの人の作品だ!」ってわかる方がいらっしゃいますよね。 https://twitter.com/koujiohnishi/status/962943275039563782 例として一つだけご紹介します。星景写真の世界では知らぬ人はいないくらい高名な大西浩次さんの作品です。(本当はもっと多くの方の作品を引き合いに出したかったのですが、筆者の力量不足で掘り下げられませんでした。) 形だけを作るのなら、ある程度上手になればそのスタイルをマネできると思いますが、 本当のスタイルとは作るものではなくて、滲み出るものだと思っています。 ダイナミックな枯れ木を入れて、背景を青くすれば、なんとなく大西さん風のスタイルをマネすることはできます。でも、中井孝治さんが「スタイルとは滲み出るもの」と書かれている通り、大西さんが日々更新される作品からは「滲み出るもの」を感じずにはいられません。 オリジナリティとスタイル スノーボード以外でも1つのことを追求してきた人ならわかると思いますが、 なんでも長くやっていると、オリジナルか?そうではないか? 見せかけのスタイルや真似しているのはなんとなくですがわかってしまうんです。 なので重要なのは、オリジナリティなんです。 見せかけのスタイルやただのマネは、すぐ見抜かれてしまう。 ネットで多くの作品が多くの人の目に触れる今、オリジナリティを陳腐化させずに維持することは大変なこと。 純粋に自分がかっこいいと思うことを高い技術と完成度で表現できていれば、 スタイルが自然と出る、伝わってくると思っています。 でも、やるべきことはたった一つ。自分がいいと思ったことを表現する。そのために高い技術を身につけ、一つの作品を完成度高く仕上げる。「スタイル」とはその結果滲み出るもの。 進路を照らす仄かな灯台の光のようです。ハーフパイプの感動のシーンを思いだして、ちょっとウルウルしてしまいました。 印象を語る言葉の先にあるもの 技の難易度を元にさまざまな採点基準が細かく定められたフィギュアスケートと異なり、ハーフパイプ競技は採点者の「印象」が占める比重が高くなっています。 【かっこいい】 そのままです、思った時に使っていました。 【渋い】 わかりにくくて当然ですよね、すみません。 一見地味でわかりにくいところなんだけど、そういった場所でこだわった動きやうまさを感じた時。 技だけじゃなくて、ちょっとした動きにも感じるところはあります。スノーボーダーの中でも地味なところなどでかっこいいことや動きなどをやった時に渋っ!っていう人多いと思います。 そんな中で、今回の中井孝治さんの「かっこいい」「スタイリッシュ」「おしゃれ」「渋い」というキーワードの連呼の根底には、「ここでなされていることは、オリンピック競技であること以前に、俺たちがこれまで目指してきたスノーボードそのものなんだ、それを見てくれ」という静かな主張を感じました。 かっこいいですね。まさにスノーボードというスタイルです。 「僕の微妙な解説」 あと、選手の滑りを自分の解説で邪魔しないように、余計なことは話さない方がいいと思ってやっています。 スノーボーダーとして、解説する時は選手がなんていう技をしたのか、難しいことしたのか?だけはしっかりと伝えたいと思ってやらせて頂いてます。 以上、僕の微妙な解説で分かりにくくしてしまってすみませんでした。 編集者の眼からみても示唆に富んだ発言です。 弊サイト「今日の一枚」でも「僕の微妙な解説」についてはいつも悩みの種です。少なくとも「傑作を自分の変な説明で邪魔しないように」は心がけているつもりですが・・・ ただ、「かっこいい」「スタイリッシュ」「スタイル」「渋い」「おしゃれ」というキーワードは、今後積極的に使っていこうと思います^^ その中から、天リフなりの「スタイル」が滲み出てくるように・・ 本記事で使用しているサムネイル画像は以下画像を改変しています。 https://www.flickr.com/photos/mbiddulph/128475484/編集部発信のオリジナルコンテンツ