この記事の概要光害にも強くて処理も楽、そして星雲のモクモクが手軽に楽しめるモノクロナローバンド撮影。その唯一最大のキーパーツは「ナローバンドフィルター」です。連載第3回ではその特徴、光学系への装着方法、選び方を徹底ガイドします!

 

2017/12/30追記)
フィルターの表裏問題、クリップフィルターのマウント干渉問題について追記しました。



ナローバンドフィルターとはどんなもの?

特定の波長だけを通す

ナローバンドフィルターとは、ガラスの表面にフッ素化合物や金属酸化物などの薄い膜を何重にも蒸着し、特定の波長だけを鋭く通すようにつくられた「干渉フィルター」というカテゴリの製品です。

ネイチャーショップKYOEI 大阪店
アストロノミック Hα6nm CCDフィルター 2インチ用

上の図は、Hαナローバンドフィルターの「波長特性図」。
波長特性図とは、波長を横軸、透過率を縦軸にとったグラフ。
Hαナローバンドフィルターが、波長656nmの水素の輝線だけを鋭く通しているのがわかりますね。

アストロノミック CLS CCDフィルター Canon EOS用
http://www.kyoei-osaka.jp/SHOP/astronomik-clsccd-eos.html

ちなみに上の図はいわゆる「光害カットフィルター」の波長特性図。光害カットフィルターは、光害の主な成分である水銀・ナトリウムの輝線をカットし、Hα・OIII・Hβなどの輝線を通すように作られています。

しかし、赤い線に注目すると、ナローバンドフィルターと比較するとはるかに広い波長域を通していることがおわかりでしょう。

このように、ナローバンドフィルターは、特定の波長だけを「ごく狭く」透過するフィルターなのです。

星ナビ11月号に、荒井俊也さんの「ナローバンドで星雲を撮る」連載第2回が掲載されています。ぜひあわせてお読みください!

星雲だけを強調する効果

ナローバンドフィルターの最大の効果は、星雲の特定の輝線だけを透過させることで、それ以外の星や背景の光害の光をすべてカットしてしまうこと。

C8 α7S ISO12800 Hα2秒、rGB1秒露出。

上の画像はほぼ同一条件でHαフィルターあり・なしの撮影画像。星雲の出方はほぼ同じですが、星の明るさがまったく違っていますね。

ナローバンドフィルターはごく狭い波長の光しか通さないため、上の画像のように、星雲だけを相対的に大きく強調することができるのです。

前述の光害カットフィルターでも同じような効果はあるのですが、ナローバンドフィルターの効果はそれよりも圧倒的に大きいのです。

大事な半値幅

ナローバンドフィルターがどのくらい星雲を強調できるかは、「半値幅」という値で決まります。
半値幅とは、透過率が50%となる波長と、透過率が最大になる波長の幅のこと。

例えば、半値幅7nmのフィルターの場合、ざっくり全体の光の7*2=14nm分だけ光を通すことになります。

カメラの感光域を仮に400nm〜680nm=280nmとすると、透過する波長の帯域は14:280=1:20。

連続スペクトルの光は1/20しか通さないのに対して、星雲の光はそのほとんどを通すことになり、なんと約20倍の効果が得られることになります。

半値幅12nmの場合は280/(12*2)=11.5倍、半値幅3nmの場合は280/(3*)=47倍。半値幅が狭くなるほど、星雲を強調する効果は大きくなります。

後述しますが、市販されている天体撮影用のHαナローバンドフィルターの半値幅は3nm〜40nm程度。
勿論半値幅が小さいほど効果は高いのですが、3nmの製品は語り高め(10万円コース)。

筆者は比較的安価な7nmの製品を使用していますが、入門用にはこのあたりを使うのが良い気がします。

ちなみに、プロミネンスなどを観測するための太陽望遠鏡にもナローバンドフィルターが使用されています。こちらの半値幅は極端に狭くて0.1nm程度になっています。

フィルターはどこに付けるのが正解か?

ではこのフィルター、どこに付けるのがいいのでしょうか?

望遠鏡のリングのどこかに装着する

望遠鏡の直焦点で撮影する場合、光路上のどこかのリングにフィルターを装着することになります。

カメラアダプタに装着する

カメラアダプタには48mmネジやT2ネジを切ってあるものが多いので、それを利用するのが確実で良い方法です。筆者はEOSの直焦点で撮影する場合はタカハシのカメラマウントに48mmフィルターを装着しています。

FSQ106/130のF3レデューサなど、カメラアダプタにフィルターを装着すると干渉してしまい使用できない(うっかり付けるとレンズが破損することすらあります)製品もあります。くれぐれもご注意を。

2インチスリーブに装着する

上の写真のように、カメラアダプタの2インチスリーブの末端にフィルターを付けることも可能ですが、フィルターとセンサーの距離はできるだけ短くしたい(長くなるほどゴーストが大きくなります)ので、この方法は避けたいところ。

専用のフィルターボックス

BORG フィルターBOXn【7519】
http://www.tomytec.co.jp/borg/products/partsDetail/summary/239


フィルターBOXn使用例:レデューサー0.72×DGQ【7872】に装着

BORGから「フィルターBOXn」という製品が出ています。
前後57mmネジで、48mmないしは52mmのフィルターをドロップインすることができます。複数のフィルターを使い分けたいときに特に便利。光路長は15mm。

デジタル一眼カメラのボディに装着する

カメラレンズで撮影する場合、レンズの先端のフィルター枠に装着できればいいのですが、48mmを越えるサイズはほとんど見かけませんし、大サイズのものほど高価になります。後述する入射角の問題もあり、レンズの前に装着するのは良い方法とはいえません。

そこで生まれたのがいわゆる「クリップオン」型のフィルター。カメラボディの中、ミラーボックスなどに装着する方法です。

ボディの形状・構造に依存するため、対応するカメラが限定されるのが欠点ですが、この方式が使えれば、望遠鏡の直焦点でもカメラレンズでも光学系を選ばず撮影できるのが大きなメリットです。

OPTOLONG オプトロン H-Alpha(7nm) for EOS APS-C
http://www.syumitto.jp/SHOP/opt0040.html

上の写真はオプトロンの製品。APS-C、キヤノン用。

OPTOLONG オプトロン H-Alpha(7nm) for Nikon D7000/D7100用 クリップタイプ
http://www.syumitto.jp/SHOP/opt0059.html

こちらはフルサイズ用の製品。
ミラーを上に跳ね上げた状態で装着するため、ライブビューで使用する前提になります。

フルサイズの場合注意しなくてはならないのはケラレ。製品によってはフィルターの枠による遮蔽によってけられてしまう可能性があります。

左;強調したフラット画像 右;フィルターを装着したところ

 

上の画像はAstronimik社のCLSクリップオンフィルターによるケラレの例。下側のミラーボックスけられほどは大きくありませんが、4方向とも暗くなってしまっているのがわかります。

このケラレは、ミラーボックスケラレと同様にFが暗く長焦点ほど影響が大きくなり、ミラーボックスケラレと同じようにやっかいです。フラット技術が問われるところ。

でも、カメラレンズでモザイク処理を前提とするならば、この程度のけられはさほど問題ではなくなります。モノクロHαナローバンドでは、SAOカラー合成と違ってより淡く広がった領域も対象となるため、カメラレンズで使用できるクリップオン型のフィルターは大いに有効ではないでしょうか。

2017/12/30追記)
一部のクリップフィルターとレンズの組み合わせの際にレンズが装着できないという事例が報告されています。製品の問題なのか個体差なのかについては現状不明です。購入される場合はよく確認されることをオススメします。

レンズ側のドロップインフィルターボックス

300mmF2.8や400mmF2.8などの大型の望遠レンズの場合は、「ドロップインフィルターボックス」が使用できるものがあります。

キヤノンのドロップインフィルターホルダー。52mmのねじ込み式フィルターが使用できます。

ただしニコン・キヤノンとも、最新の製品の場合は52mmフィルター対応なので、48mm径のフィルターを装着するのは一筋縄ではいきません。筆者の例ですが、次の記事をご参照ください。

キヤノン328に48mmフィルターは装着できるか
http://reflexions.jp/blog/star/archives/52
解決編・キヤノン328に48mmフィルターは装着できるか
http://reflexions.jp/blog/star/archives/65

ミラーレス一眼のマウントアダプタに装着する

バックフォーカスの短いミラーレスカメラの場合、マウントアダプタ部に48mmないしは52mmフィルターを挿入するという手があります。

IDAS OWL Drop-in-Filter (ドロップインフィルター)マウントアダプター
http://www.icas.to/space/owl/index.htm

IDASのこの製品は、SONY-Eマウント/ニコン・キヤノンマウントアダプターに、フィルターをドロップインできるようにしたもの。

この製品で注意が必要なのはフィルター径と枠の厚み。
上の製品は52mmフィルター、厚み6mm以下。
このサイズのナローバンドフィルターは48mmねじ込み式なので、そのままでは装着できません。厚みの関係でステップダウンリングを使用して48mmフィルターを入れるのは難しいかもしれません。

左:購入時の状態 右:枠を削った後

 

価格的に入手しやすいBaaderやOPTOLONGの製品はともにフィルター枠が厚いのが困りものです。

筆者は光映舎の48mmフィルター対応マウントアダプタを使用しているのですが、枠が厚すぎて入らず、ヤスリで枠を削ってしまいました。でも、なるべくこんなことはやりたくないものですね・・

天体用カメラ(CCD、CMOS)に装着する

天体用カメラとフィルターホイールをお持ちであれば、そこにHαフィルターを追加するのが一番の王道の装着方法。

ただし、LRGBとセットで撮影される場合は、フィルターの厚みによるピントのずれがないように厚みの同じものを選ぶのが一点だけの注意です。

モノクロセンサーの天体用カメラは、第1回の連載でお話ししたように、ナローバンドでも全画素をフルに活用できるためデジカメよりも有利。思い切って冷却CMOSデビューするのも一つの選択肢です。センサーサイズの小さなタイプならフィルター込みでも10万円以下で入手できます。

天体用カメラは、フィルターホイールを使用しない場合でも、48mmや31.7mmのフィルターが使用可能なものが多いようです。適合するフィルターサイズは、センサーサイズやバックフォーカス、使用するリング・アダプタによって様々なので、販売店でよくご確認ください。

主なHαナローバンドフィルター製品

Baader、Astronomik、Astrodon、OPTOLONGあたりが国内で入手できる製品です。それぞれの製品の概要と代表的な商品をご紹介しましょう。

Baader

サイズが豊富で手頃なお値段、価格で選ぶならここかOPTOLONGとの2択でしょう。

 ネイチャーショップKYOEI OSAKA
バーダー B8384 Hα7nm ナローバンドフィルター 48mm(2インチ) [2458384]
http://www.kyoei-osaka.jp/SHOP/baader-ha7-48.html



この製品は半値幅7nmの48mmのねじ込み型で2.7万円弱。
半値幅35nmの製品もあり、こちらは48mmねじ込み式で1.7万円とさらに値頃ですが、35nmは少し広すぎて、モノクロHαナローバンド用としてはやや力不足の感があります。

Baader社のカタログには半値幅3.5nmの製品もあり、海外の通販サイトで見ることができますが、国内ではほぼ見かけません。唯一、国際光器の取り扱い製品リストに掲載されてました。

協栄産業、シュミット、国際光器で取り扱っています。

OPTOLONG

枠なしのタイプを扱っていませんが、クリップタイプの品揃えが豊富。7nmのEOSのフルサイズ用が2.8万円というのはなかなかお値頃感があります。(なぜかEOS APS-Cの方が3.5万円と高価なのが不思議です)

OPTOLONG オプトロン H-Alpha(7nm) for Canon EOS フルサイズ用 クリップタイプ
http://www.syumitto.jp/SHOP/opt0051.html

また、唯一Amazonで買えるナローバンドフィルターでもあります。

シュミット、協栄産業で扱っています。

2017/12/30追記)
一部のクリップフィルターとレンズの組み合わせの際にレンズが装着できないという事例が報告されています。製品の問題なのか個体差なのかについては現状不明です。購入される場合はよく確認されることをオススメします。

ZWO

同社の冷却CMOSカメラで使用することを想定した小サイズのものに限定されますが、7nmで2万円前後とリーズナブル。

星見屋.com
ZWO H-Alphaフィルター 7nm 31mm
http://hoshimiya.com/?pid=123150970

同社のフィルターホイールに装着できる半値幅7nm、31mm径の枠なし、19,500円。

カメラとフィルターホイール・RGBフィルターを組み合わせたセット品もあり、まとめて買えばかなりお得感があるかもしれません。

Astrodon

他にはあまり見ない半値幅5nm、3.5nmのラインナップ。
ナローバンドを極めるならここでしょう。

ただし、非常に高価(50mm円形3nmで15.8万円)で、冷却CCD前提の枠なしタイプ(50mm角、50mm円形、31mm円形)がほとんどです。

主に三基光学館で扱っています。

2017/11/11追記)
天文ハウスTOMITA様でも取り扱っています(国内正規代理店)。取扱商品・価格については直接お問い合わせ下さい。

星見屋.com
Astrodon ナローバンドフィルター Hα 5nm 31.7mm枠付き
http://www.hoshimiya.com/?pid=85719162

星見屋では半値幅5nmですが、同社の31.7mm枠付きが5.5万円で販売されています。冷却CMOSカメラで光害地での直球勝負をするなら狙い目かも。

Astronomik

サイズが豊富で、T2マウント用・シュミカセ用や、クリップオンタイプにソニー用・EOS Mシリーズ用を揃えているのが特徴的です。

その一方、お値段は高めで半値幅6nmの48mm枠付きで6.6万円。お値段だけで決めると、特殊サイズ以外は選択肢にあがりにくいかもしれません。

ネイチャーショップKYOEI OSAKA
アストロノミック Hα CCDフィルター Canon EOS用
http://www.kyoei-osaka.jp/SHOP/astronomik-haccd-eos.html

APS-C用EOSのクリップ型、半値幅12nm。こちらは税抜27,500円とお手頃。ちなみに6nmは46,500円。

Astro Imaging Labs

2010/10/10追記しました)

Electric Sheep Co. Ltd.
http://www.electricsheep.co.jp/astroshop/?brand=アストロ・イメージング・ラボ(Astro%20Imaging%20Labs)

10nmの31.7mmねじ込み式、お値段はクラス最安の 11,800円。(税込)。10nmは他で見ない半値幅なので、独自製造なのでしょう。

天体写真はじめるよ・OIIIが届いた。
http://tentaip.seesaa.net/article/454050655.html

こちらのブログ主様が購入されています。試写結果がアップされるのが楽しみです。

ナローバンドフィルターの弱点

星雲を劇的に強調できるナローバンドフィルターですが、いくつか弱点があることに注意が必要です。

ナナメ光線には弱い

干渉フィルターの性質上、ナナメに入射した光に対しては波長特性が変化してしまいます。

筆者は半幅7nmのものを使用していますが、今のところ50mmのカメラレンズでも望遠鏡でも問題を感じたことはありませんが、より半値幅の狭いフィルターを使用する場合は問題になる可能性があります。

IDAS LPS-P2  光害カットフィルター
http://icas.to/space/optical-filter/LPS-P2/LPS-P2.htm


※ 本製品は干渉フィルターです。光線入射角による分光特性の変化があります。

上の図はIDAS社のLPS-P2の例ですが、入射光が10度傾くと5nmほどずれていることがわかります。

この影響が大きくなるのは、フィルターをレンズの前面に付ける場合・望遠鏡のようなテレセントリック性の低い光学系の場合・F値の極めて明るい光学系の場合などです。
(ちなみに、F値3の場合、最大入射角はセンサー中心部で最大10度ほどになります)

ゴースト問題

ナローバンドだからという意味は薄いのですが、平面のフィルターを光学系の途中に入れると、センサーから反射した光がフィルター面で反射して戻ってくるため、明るい星の回りにゴーストが出ることがあります。

α7S シグマ85mmF1.4Art F2.0 Baader Hα7nm

 

シリウスの回りに発生したゴーストの例。

干渉フィルターはその特性上、透過しない光は全て反射してしまうのですが、2つの反射面の特性をうまくコントロールすればゴーストは軽減できるのかもしれません(後述の表裏問題参照)。

「安物はゴーストが出やすい」という会話はちょくちょく耳にするのですが、その真偽は不明です。

対策としては、なるべくフィルターをセンサー面に近い位置にセットする(ゴーストの径が小さくなる)方法が考えられます。

追記10/6)
読者の方より「むしろ遠ざける方がゴースト・内面反射の影響が少ないのではないか」とのご指摘がありました。
輝星のゴーストの「径」を小さくするには近づけるのが有利ですが、センサー・フィルター間の乱反射については遠ざけた方が有利になり、一概に言えない可能性があります。

追加の情報があれば逐次アップしていきます。

ナローバンドフィルターの謎

48mm(2インチ)フィルター問題

最近SNSでもぽつぽつ話題になっているのですが、48mmフィルターのネジはメーカーによって微妙に仕様が異なり、全くねじ込めない・途中までしかねじ込めないという症例が報告されています。

筆者のシステムの場合、フィルター側の雄ネジ、アダプタやリング側の雌ネジともに「微妙に」加減が違っていて、普通にねじ込めたり途中までしかねじ込めなかったりしました。

ナローフィルターはBaaderなのですが、タカハシのカメラアダプタには普通にねじ込めるのに、タカハシの2インチスリーブと光映舎のマウントアダプタには1〜半回転分くらいしか入りません。

別の48mmフィルターは全てに問題なく入ります。
他の機材ですが全くねじ込めなかったという組み合わせの経験もあります。

いったい何がどう違うのでしょうか・・・ネジピッチが違うのか?製造誤差なのか?

他のユーザ様の事例をぜひお聞かせください。
情報をこの記事の中で蓄積できればと考えています。

追記10/10)
こちらへのコメントで読者の方からの情報を頂戴しました。製造上の微妙な違いがオスメス双方にあって、その組み合わせでねじ込みが渋いものがある、とのことです。

表裏問題

干渉フィルターは表裏があります。
フィルターの2つの面は同じ構造ではありません。

出典:ZWOホームページ
https://astronomy-imaging-camera.com/products/accessories/zwo-narrowband-36mm-filter/

ZWOのHPに表裏の判別方法が最近アップされました。
これが反対になると、輝星が写野内にあった時など、ゴーストが発生することがあるそうです。

2022/7/7追記)

情報が錯綜していて申し訳ありません。協栄産業様のHPの最新の情報を引用します。どの面を「カメラのセンサー側にすべきか」については、確たる情報を得られておらず申し訳ありません。最近各社からアナウンスされている「CMOSカメラ用に最適化した」製品ではまた違った状況があるかもしれません。お買い求めの製品についての情報を販売店などで確認くださるようお願いします。

http://www.kyoei-tokyo.jp/shopdetail/000000007517/

2017/12/30追記)

ZWOホームページの記述と弊サイトの記述が逆になっていました。大変申し訳ありません。
ただ、以下の協栄産業のHPでも弊サイト同様に逆になっています。真偽については現在調査中です。
http://www.kyoei-tokyo.jp/shopdetail/000000007517/

追記終わり)

実は筆者の環境はこれまで上記の「逆」で撮影していました!
それで大きな問題は起きていなかったのですが、正しい向きにするとゴーストが少なくなるのでしょうか?一度きちんと検証したいと考えています。

追記10/10)
速報。正逆を試写してみましたが、FSQ106直焦点では顕著な違いは見られませんでした。(若干、正の方がよい気がしなくもない程度)

FSQ106ED F5 EOS6D改 30秒 ISO6400 Baader Hα7nm

「遠」はカメラアダプター延長筒の先に装着した場合、「近」はカメラアダプタに装着した場合です。

まとめ

いかがでしたか?
まだまだ創生期のナローバンド、フィルター選びには色々注意が必要です。逆に機材選びで注意するのはここだけです。
フィルターさえ手に入れればもうこっちのもの!

ぜひご自分のシステムにあったフィルターを入手して、Hαモノクロナローバンドにチャレンジしてみてください!

  https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2017/10/df9f9267cab87e65f229155afa8875aa-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2017/10/df9f9267cab87e65f229155afa8875aa-150x150.jpg編集部モノクロナローバンドで星雲を撮るフィルターこの記事の概要光害にも強くて処理も楽、そして星雲のモクモクが手軽に楽しめるモノクロHαナローバンド撮影。その唯一最大のキーパーツは「Hαナローバンドフィルター」です。連載第3回ではその特徴、光学系への装着方法、選び方を徹底ガイドします!   2017/12/30追記) フィルターの表裏問題、クリップフィルターのマウント干渉問題について追記しました。 ナローバンドフィルターとはどんなもの? 特定の波長だけを通す ナローバンドフィルターとは、ガラスの表面にフッ素化合物や金属酸化物などの薄い膜を何重にも蒸着し、特定の波長だけを鋭く通すようにつくられた「干渉フィルター」というカテゴリの製品です。 ネイチャーショップKYOEI 大阪店 アストロノミック Hα6nm CCDフィルター 2インチ用 上の図は、Hαナローバンドフィルターの「波長特性図」。 波長特性図とは、波長を横軸、透過率を縦軸にとったグラフ。 Hαナローバンドフィルターが、波長656nmの水素の輝線だけを鋭く通しているのがわかりますね。 アストロノミック CLS CCDフィルター Canon EOS用 http://www.kyoei-osaka.jp/SHOP/astronomik-clsccd-eos.html ちなみに上の図はいわゆる「光害カットフィルター」の波長特性図。光害カットフィルターは、光害の主な成分である水銀・ナトリウムの輝線をカットし、Hα・OIII・Hβなどの輝線を通すように作られています。 しかし、赤い線に注目すると、ナローバンドフィルターと比較するとはるかに広い波長域を通していることがおわかりでしょう。 このように、ナローバンドフィルターは、特定の波長だけを「ごく狭く」透過するフィルターなのです。 星ナビ11月号に、荒井俊也さんの「ナローバンドで星雲を撮る」連載第2回が掲載されています。ぜひあわせてお読みください! 星雲だけを強調する効果 ナローバンドフィルターの最大の効果は、星雲の特定の輝線だけを透過させることで、それ以外の星や背景の光害の光をすべてカットしてしまうこと。 上の画像はほぼ同一条件でHαフィルターあり・なしの撮影画像。星雲の出方はほぼ同じですが、星の明るさがまったく違っていますね。 ナローバンドフィルターはごく狭い波長の光しか通さないため、上の画像のように、星雲だけを相対的に大きく強調することができるのです。 前述の光害カットフィルターでも同じような効果はあるのですが、ナローバンドフィルターの効果はそれよりも圧倒的に大きいのです。 大事な半値幅 ナローバンドフィルターがどのくらい星雲を強調できるかは、「半値幅」という値で決まります。 半値幅とは、透過率が50%となる波長と、透過率が最大になる波長の幅のこと。 例えば、半値幅7nmのフィルターの場合、ざっくり全体の光の7*2=14nm分だけ光を通すことになります。 カメラの感光域を仮に400nm〜680nm=280nmとすると、透過する波長の帯域は14:280=1:20。 連続スペクトルの光は1/20しか通さないのに対して、星雲の光はそのほとんどを通すことになり、なんと約20倍の効果が得られることになります。 半値幅12nmの場合は280/(12*2)=11.5倍、半値幅3nmの場合は280/(3*)=47倍。半値幅が狭くなるほど、星雲を強調する効果は大きくなります。 後述しますが、市販されている天体撮影用のHαナローバンドフィルターの半値幅は3nm〜40nm程度。 勿論半値幅が小さいほど効果は高いのですが、3nmの製品は語り高め(10万円コース)。 筆者は比較的安価な7nmの製品を使用していますが、入門用にはこのあたりを使うのが良い気がします。 ちなみに、プロミネンスなどを観測するための太陽望遠鏡にもナローバンドフィルターが使用されています。こちらの半値幅は極端に狭くて0.1nm程度になっています。 フィルターはどこに付けるのが正解か? ではこのフィルター、どこに付けるのがいいのでしょうか? 望遠鏡のリングのどこかに装着する 望遠鏡の直焦点で撮影する場合、光路上のどこかのリングにフィルターを装着することになります。 カメラアダプタに装着する カメラアダプタには48mmネジやT2ネジを切ってあるものが多いので、それを利用するのが確実で良い方法です。筆者はEOSの直焦点で撮影する場合はタカハシのカメラマウントに48mmフィルターを装着しています。 FSQ106/130のF3レデューサなど、カメラアダプタにフィルターを装着すると干渉してしまい使用できない(うっかり付けるとレンズが破損することすらあります)製品もあります。くれぐれもご注意を。 2インチスリーブに装着する 上の写真のように、カメラアダプタの2インチスリーブの末端にフィルターを付けることも可能ですが、フィルターとセンサーの距離はできるだけ短くしたい(長くなるほどゴーストが大きくなります)ので、この方法は避けたいところ。 専用のフィルターボックス BORG フィルターBOXn【7519】 http://www.tomytec.co.jp/borg/products/partsDetail/summary/239 フィルターBOXn使用例:レデューサー0.72×DGQ【7872】に装着 BORGから「フィルターBOXn」という製品が出ています。 前後57mmネジで、48mmないしは52mmのフィルターをドロップインすることができます。複数のフィルターを使い分けたいときに特に便利。光路長は15mm。 デジタル一眼カメラのボディに装着する カメラレンズで撮影する場合、レンズの先端のフィルター枠に装着できればいいのですが、48mmを越えるサイズはほとんど見かけませんし、大サイズのものほど高価になります。後述する入射角の問題もあり、レンズの前に装着するのは良い方法とはいえません。 そこで生まれたのがいわゆる「クリップオン」型のフィルター。カメラボディの中、ミラーボックスなどに装着する方法です。 ボディの形状・構造に依存するため、対応するカメラが限定されるのが欠点ですが、この方式が使えれば、望遠鏡の直焦点でもカメラレンズでも光学系を選ばず撮影できるのが大きなメリットです。 OPTOLONG オプトロン H-Alpha(7nm) for EOS APS-C http://www.syumitto.jp/SHOP/opt0040.html 上の写真はオプトロンの製品。APS-C、キヤノン用。 OPTOLONG オプトロン H-Alpha(7nm) for Nikon D7000/D7100用 クリップタイプ http://www.syumitto.jp/SHOP/opt0059.html こちらはフルサイズ用の製品。 ミラーを上に跳ね上げた状態で装着するため、ライブビューで使用する前提になります。 フルサイズの場合注意しなくてはならないのはケラレ。製品によってはフィルターの枠による遮蔽によってけられてしまう可能性があります。   上の画像はAstronimik社のCLSクリップオンフィルターによるケラレの例。下側のミラーボックスけられほどは大きくありませんが、4方向とも暗くなってしまっているのがわかります。 このケラレは、ミラーボックスケラレと同様にFが暗く長焦点ほど影響が大きくなり、ミラーボックスケラレと同じようにやっかいです。フラット技術が問われるところ。 でも、カメラレンズでモザイク処理を前提とするならば、この程度のけられはさほど問題ではなくなります。モノクロHαナローバンドでは、SAOカラー合成と違ってより淡く広がった領域も対象となるため、カメラレンズで使用できるクリップオン型のフィルターは大いに有効ではないでしょうか。 2017/12/30追記) 一部のクリップフィルターとレンズの組み合わせの際にレンズが装着できないという事例が報告されています。製品の問題なのか個体差なのかについては現状不明です。購入される場合はよく確認されることをオススメします。 レンズ側のドロップインフィルターボックス 300mmF2.8や400mmF2.8などの大型の望遠レンズの場合は、「ドロップインフィルターボックス」が使用できるものがあります。 ただしニコン・キヤノンとも、最新の製品の場合は52mmフィルター対応なので、48mm径のフィルターを装着するのは一筋縄ではいきません。筆者の例ですが、次の記事をご参照ください。 キヤノン328に48mmフィルターは装着できるか http://reflexions.jp/blog/star/archives/52 解決編・キヤノン328に48mmフィルターは装着できるか http://reflexions.jp/blog/star/archives/65 ミラーレス一眼のマウントアダプタに装着する バックフォーカスの短いミラーレスカメラの場合、マウントアダプタ部に48mmないしは52mmフィルターを挿入するという手があります。 IDAS OWL Drop-in-Filter (ドロップインフィルター)マウントアダプター http://www.icas.to/space/owl/index.htm IDASのこの製品は、SONY-Eマウント/ニコン・キヤノンマウントアダプターに、フィルターをドロップインできるようにしたもの。 この製品で注意が必要なのはフィルター径と枠の厚み。 上の製品は52mmフィルター、厚み6mm以下。 このサイズのナローバンドフィルターは48mmねじ込み式なので、そのままでは装着できません。厚みの関係でステップダウンリングを使用して48mmフィルターを入れるのは難しいかもしれません。   価格的に入手しやすいBaaderやOPTOLONGの製品はともにフィルター枠が厚いのが困りものです。 筆者は光映舎の48mmフィルター対応マウントアダプタを使用しているのですが、枠が厚すぎて入らず、ヤスリで枠を削ってしまいました。でも、なるべくこんなことはやりたくないものですね・・ 天体用カメラ(CCD、CMOS)に装着する 天体用カメラとフィルターホイールをお持ちであれば、そこにHαフィルターを追加するのが一番の王道の装着方法。 ただし、LRGBとセットで撮影される場合は、フィルターの厚みによるピントのずれがないように厚みの同じものを選ぶのが一点だけの注意です。 モノクロセンサーの天体用カメラは、第1回の連載でお話ししたように、ナローバンドでも全画素をフルに活用できるためデジカメよりも有利。思い切って冷却CMOSデビューするのも一つの選択肢です。センサーサイズの小さなタイプならフィルター込みでも10万円以下で入手できます。 天体用カメラは、フィルターホイールを使用しない場合でも、48mmや31.7mmのフィルターが使用可能なものが多いようです。適合するフィルターサイズは、センサーサイズやバックフォーカス、使用するリング・アダプタによって様々なので、販売店でよくご確認ください。 主なHαナローバンドフィルター製品 Baader、Astronomik、Astrodon、OPTOLONGあたりが国内で入手できる製品です。それぞれの製品の概要と代表的な商品をご紹介しましょう。 Baader サイズが豊富で手頃なお値段、価格で選ぶならここかOPTOLONGとの2択でしょう。  ネイチャーショップKYOEI OSAKA バーダー B8384 Hα7nm ナローバンドフィルター 48mm(2インチ) http://www.kyoei-osaka.jp/SHOP/baader-ha7-48.html この製品は半値幅7nmの48mmのねじ込み型で2.7万円弱。 半値幅35nmの製品もあり、こちらは48mmねじ込み式で1.7万円とさらに値頃ですが、35nmは少し広すぎて、モノクロHαナローバンド用としてはやや力不足の感があります。 Baader社のカタログには半値幅3.5nmの製品もあり、海外の通販サイトで見ることができますが、国内ではほぼ見かけません。唯一、国際光器の取り扱い製品リストに掲載されてました。 協栄産業、シュミット、国際光器で取り扱っています。 OPTOLONG 枠なしのタイプを扱っていませんが、クリップタイプの品揃えが豊富。7nmのEOSのフルサイズ用が2.8万円というのはなかなかお値頃感があります。(なぜかEOS APS-Cの方が3.5万円と高価なのが不思議です) OPTOLONG オプトロン H-Alpha(7nm) for Canon EOS フルサイズ用 クリップタイプ http://www.syumitto.jp/SHOP/opt0051.html また、唯一Amazonで買えるナローバンドフィルターでもあります。 シュミット、協栄産業で扱っています。 2017/12/30追記) 一部のクリップフィルターとレンズの組み合わせの際にレンズが装着できないという事例が報告されています。製品の問題なのか個体差なのかについては現状不明です。購入される場合はよく確認されることをオススメします。 ZWO 同社の冷却CMOSカメラで使用することを想定した小サイズのものに限定されますが、7nmで2万円前後とリーズナブル。 星見屋.com ZWO H-Alphaフィルター 7nm 31mm http://hoshimiya.com/?pid=123150970 同社のフィルターホイールに装着できる半値幅7nm、31mm径の枠なし、19,500円。 カメラとフィルターホイール・RGBフィルターを組み合わせたセット品もあり、まとめて買えばかなりお得感があるかもしれません。 Astrodon 他にはあまり見ない半値幅5nm、3.5nmのラインナップ。 ナローバンドを極めるならここでしょう。 ただし、非常に高価(50mm円形3nmで15.8万円)で、冷却CCD前提の枠なしタイプ(50mm角、50mm円形、31mm円形)がほとんどです。 主に三基光学館で扱っています。 2017/11/11追記) 天文ハウスTOMITA様でも取り扱っています(国内正規代理店)。取扱商品・価格については直接お問い合わせ下さい。 星見屋.com Astrodon ナローバンドフィルター Hα 5nm 31.7mm枠付き http://www.hoshimiya.com/?pid=85719162 星見屋では半値幅5nmですが、同社の31.7mm枠付きが5.5万円で販売されています。冷却CMOSカメラで光害地での直球勝負をするなら狙い目かも。 Astronomik サイズが豊富で、T2マウント用・シュミカセ用や、クリップオンタイプにソニー用・EOS Mシリーズ用を揃えているのが特徴的です。 その一方、お値段は高めで半値幅6nmの48mm枠付きで6.6万円。お値段だけで決めると、特殊サイズ以外は選択肢にあがりにくいかもしれません。 ネイチャーショップKYOEI OSAKA アストロノミック Hα...編集部発信のオリジナルコンテンツ