今日は土星が衝を迎えますが、土星の輪は「衝」の前後が一番明るくなるってご存じでしたか?

2018/6/24追記)この現象を「土星のプラチナリング」と呼ぶことを提唱します^^

星への誘い
土星の輪の衝効果(ハイリゲンシャイン効果)

2007年2月の画像の測定結果

土星の環の衝効果とは、土星が衝の時期に土星の環が通常よりが明るくなる現象です。
この現象は、太陽の光が当たっている方向から見ることになる衝付近では、環を構成している粒子の反射光が
他の粒子に邪魔されない為に起きると考えられており、ハイリゲンシャイン効果とも呼ばれています。



HP「星への誘い」より。
2006年とかなり古い画像ですが、わずか10日ほどの間に土星の輪の明るさが本体を逆転し、その後元に戻っているのが確認できます。

この現象を「ハイリゲンシャイン効果」と呼ぶそうです。
直感的にはwikipediaのこの画像がわかりやすいでしょう。

wikipedia
稲田の後光

稲田の御光がバルーンの周りに見える

稲田の後光(いなだのごこう)は、太陽を背にして露のある草原や水面などを見るとき、見る人など影の周囲に見られる光輪大気光学現象の一つ。ドイツ語における呼称から「ハイリゲンシャイン (Heiligenschein)」(「光背」の意)ともいう。微小水滴による太陽光線の回折現象。船から水面に影を映したときにも、同様の御光が見られる。



この「稲田の後光」は、小さな球状の水滴による反射が、光源をちょうど背にしたときに顕著であるというものです。
土星の輪の構成物質が透明な氷塊や石つぶのようなものであれば、同様の現象が発生することが類推されます。

一方で、厳密には「ハイリゲンシャイン効果」とは異なるとされる現象に「衝効果」というものもあります。

ほんのり光房
衝を迎える土星と衝効果のおはなし

衝効果(Opposition Effect)って聞き慣れない言葉ですが、簡単に言うと「光源を背にしながらデコボコしたものを見たとき、光源と視点を結ぶ直線上が最も明るく見える」現象です。対象が土星の場合、この研究をした19世紀ドイツの天文学者Hugo von Seeligerさんの名を取って「Seeliger Effect」とも呼ばれます。
(中略)
もし土星の環が水や氷、ガラス質などでできているなら、衝で環が明るくなる理由が衝効果では説明つきませんね。かといってハイリゲンシャイン効果は全く起こってないとも言えないでしょう。両方が組み合わさったもの、という見方が良いかも知れません。実は上の草原の例でも、ハイリゲンシャイン効果が出ている付近では草の影が最小となりますから、衝効果も同時に見ていることになっていますよ。衝効果、ハイリゲンシャイン効果とも、天文に限らない、地上の気象光学分野にも出てくる身近な現象です。

上の記事でいうところの衝効果もハイリゲンシャイン効果同様、光源をちょうど背にしたとき物体が一番明るく見える現象ですが、ハイリゲンシャイン効果とは違って凸凹した不透明な物質でも発生します。

上記記事では、衝前後で土星の輪が明るく見えるのは、この両方が原因ではないか、と推察されています。
また、一般には両者は混同して使われることも多いようです。

 

いかがでしたか?
原因の究明はともかく、土星の輪の明るさが衝の前後の数週間、本体を越える輝度になることは事実。
そんな視点で日々の土星を見るもまた興味深いですね。 https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2017/06/4746f4296d3475d69b7eaec6853e61ae-1024x570.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2017/06/4746f4296d3475d69b7eaec6853e61ae-150x150.jpg編集部サイエンス今日は土星が衝を迎えますが、土星の輪は「衝」の前後が一番明るくなるってご存じでしたか? 2018/6/24追記)この現象を「土星のプラチナリング」と呼ぶことを提唱します^^ 星への誘い 土星の輪の衝効果(ハイリゲンシャイン効果) 2007年2月の画像の測定結果 土星の環の衝効果とは、土星が衝の時期に土星の環が通常よりが明るくなる現象です。 この現象は、太陽の光が当たっている方向から見ることになる衝付近では、環を構成している粒子の反射光が 他の粒子に邪魔されない為に起きると考えられており、ハイリゲンシャイン効果とも呼ばれています。 HP「星への誘い」より。 2006年とかなり古い画像ですが、わずか10日ほどの間に土星の輪の明るさが本体を逆転し、その後元に戻っているのが確認できます。 この現象を「ハイリゲンシャイン効果」と呼ぶそうです。 直感的にはwikipediaのこの画像がわかりやすいでしょう。 wikipedia 稲田の後光 稲田の御光がバルーンの周りに見える 稲田の後光(いなだのごこう)は、太陽を背にして露のある草原や水面などを見るとき、見る人など影の周囲に見られる光輪。大気光学現象の一つ。ドイツ語における呼称から「ハイリゲンシャイン (Heiligenschein)」(「光背」の意)ともいう。微小水滴による太陽光線の回折現象。船から水面に影を映したときにも、同様の御光が見られる。 この「稲田の後光」は、小さな球状の水滴による反射が、光源をちょうど背にしたときに顕著であるというものです。 土星の輪の構成物質が透明な氷塊や石つぶのようなものであれば、同様の現象が発生することが類推されます。 一方で、厳密には「ハイリゲンシャイン効果」とは異なるとされる現象に「衝効果」というものもあります。 ほんのり光房 衝を迎える土星と衝効果のおはなし 衝効果(Opposition Effect)って聞き慣れない言葉ですが、簡単に言うと「光源を背にしながらデコボコしたものを見たとき、光源と視点を結ぶ直線上が最も明るく見える」現象です。対象が土星の場合、この研究をした19世紀ドイツの天文学者Hugo von Seeligerさんの名を取って「Seeliger Effect」とも呼ばれます。 (中略) もし土星の環が水や氷、ガラス質などでできているなら、衝で環が明るくなる理由が衝効果では説明つきませんね。かといってハイリゲンシャイン効果は全く起こってないとも言えないでしょう。両方が組み合わさったもの、という見方が良いかも知れません。実は上の草原の例でも、ハイリゲンシャイン効果が出ている付近では草の影が最小となりますから、衝効果も同時に見ていることになっていますよ。衝効果、ハイリゲンシャイン効果とも、天文に限らない、地上の気象光学分野にも出てくる身近な現象です。 上の記事でいうところの衝効果もハイリゲンシャイン効果同様、光源をちょうど背にしたとき物体が一番明るく見える現象ですが、ハイリゲンシャイン効果とは違って凸凹した不透明な物質でも発生します。 上記記事では、衝前後で土星の輪が明るく見えるのは、この両方が原因ではないか、と推察されています。 また、一般には両者は混同して使われることも多いようです。   いかがでしたか? 原因の究明はともかく、土星の輪の明るさが衝の前後の数週間、本体を越える輝度になることは事実。 そんな視点で日々の土星を見るもまた興味深いですね。編集部発信のオリジナルコンテンツ