天リフ眼視推進委員会がお送りする「アイピース探訪」シリーズ。第3回は「北軽井沢観測所」製のリアルプローセルシリーズ(以下、RPLと表記)です。

特徴と設計コンセプト

少ないレンズ枚数でヌケのよい像

RPLの断面図。http://www.geocities.jp/kitakaru_obs/LavenduraRoom/LavenduraRoomMain.html

RPLの設計コンセプトはとてもシンプル。一言でいえば「少ないレンズ(群)で良く見えるものを作る」の一点です。

マルチコート技術が進歩した現在では、枚数の多いレンズ構成でも十分実用になってはいるのですが、コントラストの良さ(いわゆるヌケの良さ)を追求するならレンズ枚数が少ないに越したことはありません。PRLの場合、反射面はわずか4面。これ以上反射面を減らすには「単群レンズ」にする以外はないシンプルさです。

プローセル型を改良する

アイピース設計の基本、ラムスデン式(右)とプローセル式。どちらも同じレンズ(の組)を使えるため製造コストが安くなるのがメリット。

RPLは昔から存在する「プローセル式オルソ」を改良したものです。プローセルとは、上の図のように同じ設計の2つの色消しレンズを向かい合わせて並べたもの。前群と後群が全く同じなので安価に製造することができるのですが、光学的には設計の自由度を放棄したことになってしまい、収差補正にやや劣るものでした。

RPLでは、このプローセルの弱点を改良するため、2群のレンズを別の大きさ・曲率とすることで(*)、より収差補正を改善しています。

(*)凹レンズの外側の面も平面ではなく凹面としています。これは1984年のA.ナグラーの設計にも見られます。

また、前群(対物側)のレンズを大きくした結果、見かけ視界62度という広い視野を実現しています。通常のプローセルは見かけ視野は40度〜50度程度ですから、こちらも大幅な改善です。

ある意味、このような改良は21世紀を待たずしても、もっと早く実現されていても何の不思議もないのですが、「プローセルは安物のオルソ」という先入観から、改良があまり試みられずに長く見捨てられていたせいもあるのかもしれません。「ちゃんと設計しなおしてきちんと作ってみたら、なかなかイケるものができたよ」といったところでしょうか。

ラインナップ

スタークラウド・RPLリアルプローセル
http://www.starcloud.jp/SHOP/RPL.html
RPLシリーズの総代理店スタークラウド様のHPより、RPLシリーズ全製品の外観とスペック一覧。

RPLのラインナップは全5本。一番焦点距離の短い18mmが9,000円、25mmが12,500円、30mmが15,000円、40mmと45mmが25,000円となっています。(いずれも税抜価格)

プローセルを含め、構成枚数の少ないアイピースの場合、焦点距離が短くなるほどどうしてもアイレリーフ(覗き口のレンズから眼を置くべき位置までの長さ)が短くなり、覗きにくくなってしまいます。短焦点側を18mmにとどめたのは妥当な判断でしょう。

RPLシリーズは、この焦点距離ラインナップからもわかるように、機材マニアでもなければ「フルセットを揃える」ような性格のものではありません。自分の用途に適した焦点距離のものを1本、または2本選ぶ、というスタイルが中心になることでしょう。

実視レビュー

スタークラウド様よりPRLをお借りして半年近く、様々な鏡筒でRPLを使用してきました。FSQ106ED、C8、BORG76、FOT85、5cmの屈折望遠鏡など。その印象を簡単にまとめてみます。

ヌケ

まず「ヌケの良さ」ですが、RPLのヌケの良さを最も感じるのは、月などの明るい対象を見た時です。しかし注意したいのは、コーティングと内面反射処理が同じレベルであれば単純な(収差によるハロなどを除いた)「ヌケ」は、同じ2群4枚の「クラシック」プローセルと大きな違いはないということです。その点では、RPLはあまり過剰な期待感を持って見るアイピースではありません。当たり前の(高)性能をしっかり発揮してくれるものと見るべきでしょう。

中心像

中心像は非常に良好です。「良くできた=きちんと製造された」アッベ・プローセルなどのクラシックアイピースは、最新設計の高級アイピースと比較して中心像の見え方では根本的な差はありません(*)。どちらも「すごく良く見えて当然」なものなのです。

(*)対物側のF値がある程度(6〜7)よりも大きい場合。もちろん対物側が「良く見える」ものであることも前提です。

周辺像

星を使用した周辺像のテストはアイピースにとってかなり厳しいテストです。最周辺部でも流れないアイピースは事実上皆無と言って良いのではないでしょうか。(前回レビューしたLavenduraなどまれに例外もありますが)。

問題は「どのあたりから流れ始めるのか」「流れが全体の美観を損ねない程度におさまっているか」です。RPLの場合、視野の70%あたりから流れ始めます(FSQ106EDの場合)。超高価な超広視野アイピースとは比べることはできませんが、十分に楽しめるものだと感じました(*)。

(*)ここでひとつ注意したいのは、通常の(フラットフィールドでない)天体望遠鏡では、低倍率の周辺部はそもそも流れる(ボケる)ものである、ということです。2枚玉・3枚玉アポであっても、像面湾曲と非点収差は補正されていませんし、シュミカセもニュートンも周辺はコマ収差と像面湾曲があります。ネット上のレビュー記事を見る場合は、この点に注意する必要があると思います。

使いやすさ

RPLシリーズは鏡胴がカラフル。焦点距離によって色が皆違うので、暗い場所でアイピース交換する際は間違えにくくて便利です。(そもそも大きさもかなり異なりますが)

ゴムの見口は二段式になっていて、折りたためば18mmを除いてメガネをかけた状態でも視野全体を見渡せます(*)。形状はストレートで重すぎず軽すぎず、特に凝った構造はなく使い勝手もシンプルです。

(*)18mmのアイレリーフ9mmは若干短く、メガネを外した状態でも全視野を見るには眼の位置にややナーバスです。

歪曲収差と実視野の広さ

各画像の拡大率は全て同一です。撮影:編集部

スマホのコリメートで撮影した実視イメージを比較してみました。前回のLavenduraの記事で掲載した画像も含まれています。RPLの歪曲は短焦点側ほど糸巻が強くなっていますが、クラシックなプローセル25mmと比較するとRPL25mmの歪曲は少なくなっていることがわかります。また、45mmはスペック上は見かけ視野62°ですが、他よりも若干狭いように感じられました。

適した用途

眼視デビューの最初の1本にRPL25mmを

SWAT赤道儀にRPL25mmを装着したBORG76を装着。お手持ちのBORGを眼視用にもデビューさせてみてはいかが?

「これまで写真が中心で眼視用の機材を全く所有していない」人にオススメできるのが「25mm」です。600mmの屈折鏡筒なら24倍。散開星団や天の川を流すのにちょうどよい倍率です。天頂ミラー(プリズム)とセットでも2万円あれば眼視デビューできます(*)。「18mm」はややアイレリーフが短く、眼の位置がシビアになってくるので流し見には25mmの方が快適です。

低倍率用に30mm,40mm,45mm

シュミカセの低倍率・広視界用途にRPL45mmは有力な選択肢です。

30mmよりも焦点距離の長いアイピースは、低倍率用・導入用として重宝しますが、そのメリットを十分発揮するには「2インチ」サイズのスリーブが必要です。1.25インチでは見かけ視野が40度〜50度くらいに限られてしまうからです。

2インチ・長焦点・広視野のアイピースはどうしても高価なものになってしまいますが、その点RPLは40mmで25,000円と比較的安価。手軽に長焦点アイピースを使いたい場合に有力な選択肢になるでしょう。40mmの場合、焦点距離560mmで14倍(瞳径7mm)、800mmで20倍(瞳径5mm)となります。

特に、シュミカセなどの長焦点鏡筒の場合は、30mm、40mm、45mmが低倍率用途として適しています。40mmよりも長いアイピースの選択肢は極めて限られてしまうので、45mmの存在は貴重でしょう。

2インチのミラーないしはプリズムが必要になるため、初期投資が少し必要ですが、20cmの口径があれば惑星状星雲や系外銀河、球状星団などのディープスカイの観望対象は大きく広がります。シュミカセで眼視をするなら、2インチをぜひオススメします。

また、2インチ対応のバローレンズがあれば、高倍率側もある程度カバーできます。4倍のバローなら40mmを付けて、2000mmなら200倍。ちょっと高めのようにも見えますが、オリオン大星雲やM57などの惑星状星雲、球状星団などは、大口径ならこのくらいの高倍率のほうが楽しめる場合があります。

バローレンズと組み合わせた高倍率用に18mm

2000mmのシュミカセに2.5バローとRPL18mmを装着、倍率280倍。惑星用にはもう少し高倍率が欲しいところですが、4倍バローなら440倍です。

RPL18mmは、2.5倍のバローと組み合わせると換算7.2mm、5倍のバローと組み合わせると換算3.2mmとなります。少ないレンズ枚数でコントラストの高い高倍率像を得る目的では、18mmが効果的でしょう(*)。価格も9,000円とお手頃。すでにCMOSカメラ+バローレンズで惑星撮影を楽しんでいらっしゃる方にとっては、あまり多くない投資額で惑星観望が楽しめるはずです。

(*)最近の高性能アイピースは「バローレンズ」と同じ原理を持つ凹のレンズ群(スマイスレンズ)を対物側に配置する設計が多くなっていて、この場合バローレンズと組み合わせると性能が悪化しやすいといわれていますが、RPLのような構成枚数の少ない「クラシックアイピース」はその懸念がなく、バローレンズとの相性が良いといわれています。

双眼用途に

こちらはかなりコアな話になるのでさらりとだけ。双眼望遠鏡で問題になるのは「超高性能アイピースは鏡胴が太くなりすぎて2個並べると眼幅を超える」という点です。その点、構成が単純で比較的細身のRPLは双眼適性が高いといえます。

この用途のために30,40,45mmでは、筐体の外側を取り外し、さらに細身にするオプションも用意されているようです。詳しくはこちらをご参照の上、販売店様にご相談下さい。

開発元・販売元のご紹介

北軽井沢観測所

北軽井沢観測所
http://www.geocities.jp/kitakaru_obs/

このアイピースの設計元。RPLの鏡胴には「designed by KITAKARU」の文字が刻印してあります。北軽井沢観測所はRPLの他にも「Lavendura」や「Cosmic Blue」などのユニークなコンセプトの製品をデザインされています。

スタークラウド

スタークラウド
http://www.starcloud.jp

RPLアイピースをはじめ、北軽井沢製作所の販売代理店となっている天体望遠鏡ショップです。

まとめ

いかがでしたか?
RPLシリーズは「ヌケが良い」という特徴をもつ、構成枚数が少ない「クラシックアイピース」を、現代の設計技術・製造品質で改良し甦らせたものといえるでしょう。これから眼視デビューする人にとっても、どっぷり眼視にハマっている人にとっても、きっと「自分に合った1本」があるに違いありません。


  • この記事はスタークラウド様に機材貸与を受け、天文リフレクションズ編集部が独自の判断で執筆したものです。文責は全て天文リフレクションズ編集部にあります。
  • 本記事は極力客観的に実視をもとに作成していますが、本記事によって発生した読者様の事象についてはその一切について責任を負いかねますことをご了承下さい。
  • アイピースは使用する鏡筒や接続環、プリズムなどによってピントが出ない場合があります。購入をされる場合は十分に検討ください。接続の組み合わせについてのお問い合わせは、機材をご購入ないしはご購入予定の販売店様にお願いいたします。
  • 参考文献:「天文アマチュアのための望遠鏡光学・屈折編」 1989 吉田正太郎
  • 機材の価格・仕様は執筆時(2018/7/20)のものです。

 

 

http://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/07/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-6-1024x538.jpghttp://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/07/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-6-150x150.jpg編集部アイピース探訪新着レビュー天リフ眼視推進委員会がお送りする「アイピース探訪」シリーズ。第3回は「北軽井沢観測所」製のリアルプローセルシリーズ(以下、RPLと表記)です。 特徴と設計コンセプト 少ないレンズ枚数でヌケのよい像 RPLの設計コンセプトはとてもシンプル。一言でいえば「少ないレンズ(群)で良く見えるものを作る」の一点です。 マルチコート技術が進歩した現在では、枚数の多いレンズ構成でも十分実用になってはいるのですが、コントラストの良さ(いわゆるヌケの良さ)を追求するならレンズ枚数が少ないに越したことはありません。PRLの場合、反射面はわずか4面。これ以上反射面を減らすには「単群レンズ」にする以外はないシンプルさです。 プローセル型を改良する RPLは昔から存在する「プローセル式オルソ」を改良したものです。プローセルとは、上の図のように同じ設計の2つの色消しレンズを向かい合わせて並べたもの。前群と後群が全く同じなので安価に製造することができるのですが、光学的には設計の自由度を放棄したことになってしまい、収差補正にやや劣るものでした。 RPLでは、このプローセルの弱点を改良するため、2群のレンズを別の大きさ・曲率とすることで(*)、より収差補正を改善しています。 (*)凹レンズの外側の面も平面ではなく凹面としています。これは1984年のA.ナグラーの設計にも見られます。 また、前群(対物側)のレンズを大きくした結果、見かけ視界62度という広い視野を実現しています。通常のプローセルは見かけ視野は40度〜50度程度ですから、こちらも大幅な改善です。 ある意味、このような改良は21世紀を待たずしても、もっと早く実現されていても何の不思議もないのですが、「プローセルは安物のオルソ」という先入観から、改良があまり試みられずに長く見捨てられていたせいもあるのかもしれません。「ちゃんと設計しなおしてきちんと作ってみたら、なかなかイケるものができたよ」といったところでしょうか。 ラインナップ スタークラウド・RPLリアルプローセル http://www.starcloud.jp/SHOP/RPL.html RPLのラインナップは全5本。一番焦点距離の短い18mmが9,000円、25mmが12,500円、30mmが15,000円、40mmと45mmが25,000円となっています。(いずれも税抜価格) プローセルを含め、構成枚数の少ないアイピースの場合、焦点距離が短くなるほどどうしてもアイレリーフ(覗き口のレンズから眼を置くべき位置までの長さ)が短くなり、覗きにくくなってしまいます。短焦点側を18mmにとどめたのは妥当な判断でしょう。 RPLシリーズは、この焦点距離ラインナップからもわかるように、機材マニアでもなければ「フルセットを揃える」ような性格のものではありません。自分の用途に適した焦点距離のものを1本、または2本選ぶ、というスタイルが中心になることでしょう。 実視レビュー スタークラウド様よりPRLをお借りして半年近く、様々な鏡筒でRPLを使用してきました。FSQ106ED、C8、BORG76、FOT85、5cmの屈折望遠鏡など。その印象を簡単にまとめてみます。 ヌケ まず「ヌケの良さ」ですが、RPLのヌケの良さを最も感じるのは、月などの明るい対象を見た時です。しかし注意したいのは、コーティングと内面反射処理が同じレベルであれば単純な(収差によるハロなどを除いた)「ヌケ」は、同じ2群4枚の「クラシック」プローセルと大きな違いはないということです。その点では、RPLはあまり過剰な期待感を持って見るアイピースではありません。当たり前の(高)性能をしっかり発揮してくれるものと見るべきでしょう。 中心像 中心像は非常に良好です。「良くできた=きちんと製造された」アッベ・プローセルなどのクラシックアイピースは、最新設計の高級アイピースと比較して中心像の見え方では根本的な差はありません(*)。どちらも「すごく良く見えて当然」なものなのです。 (*)対物側のF値がある程度(6〜7)よりも大きい場合。もちろん対物側が「良く見える」ものであることも前提です。 周辺像 星を使用した周辺像のテストはアイピースにとってかなり厳しいテストです。最周辺部でも流れないアイピースは事実上皆無と言って良いのではないでしょうか。(前回レビューしたLavenduraなどまれに例外もありますが)。 問題は「どのあたりから流れ始めるのか」「流れが全体の美観を損ねない程度におさまっているか」です。RPLの場合、視野の70%あたりから流れ始めます(FSQ106EDの場合)。超高価な超広視野アイピースとは比べることはできませんが、十分に楽しめるものだと感じました(*)。 (*)ここでひとつ注意したいのは、通常の(フラットフィールドでない)天体望遠鏡では、低倍率の周辺部はそもそも流れる(ボケる)ものである、ということです。2枚玉・3枚玉アポであっても、像面湾曲と非点収差は補正されていませんし、シュミカセもニュートンも周辺はコマ収差と像面湾曲があります。ネット上のレビュー記事を見る場合は、この点に注意する必要があると思います。 使いやすさ RPLシリーズは鏡胴がカラフル。焦点距離によって色が皆違うので、暗い場所でアイピース交換する際は間違えにくくて便利です。(そもそも大きさもかなり異なりますが) ゴムの見口は二段式になっていて、折りたためば18mmを除いてメガネをかけた状態でも視野全体を見渡せます(*)。形状はストレートで重すぎず軽すぎず、特に凝った構造はなく使い勝手もシンプルです。 (*)18mmのアイレリーフ9mmは若干短く、メガネを外した状態でも全視野を見るには眼の位置にややナーバスです。 歪曲収差と実視野の広さ スマホのコリメートで撮影した実視イメージを比較してみました。前回のLavenduraの記事で掲載した画像も含まれています。RPLの歪曲は短焦点側ほど糸巻が強くなっていますが、クラシックなプローセル25mmと比較するとRPL25mmの歪曲は少なくなっていることがわかります。また、45mmはスペック上は見かけ視野62°ですが、他よりも若干狭いように感じられました。 適した用途 眼視デビューの最初の1本にRPL25mmを 「これまで写真が中心で眼視用の機材を全く所有していない」人にオススメできるのが「25mm」です。600mmの屈折鏡筒なら24倍。散開星団や天の川を流すのにちょうどよい倍率です。天頂ミラー(プリズム)とセットでも2万円あれば眼視デビューできます(*)。「18mm」はややアイレリーフが短く、眼の位置がシビアになってくるので流し見には25mmの方が快適です。 低倍率用に30mm,40mm,45mm 30mmよりも焦点距離の長いアイピースは、低倍率用・導入用として重宝しますが、そのメリットを十分発揮するには「2インチ」サイズのスリーブが必要です。1.25インチでは見かけ視野が40度〜50度くらいに限られてしまうからです。 2インチ・長焦点・広視野のアイピースはどうしても高価なものになってしまいますが、その点RPLは40mmで25,000円と比較的安価。手軽に長焦点アイピースを使いたい場合に有力な選択肢になるでしょう。40mmの場合、焦点距離560mmで14倍(瞳径7mm)、800mmで20倍(瞳径5mm)となります。 特に、シュミカセなどの長焦点鏡筒の場合は、30mm、40mm、45mmが低倍率用途として適しています。40mmよりも長いアイピースの選択肢は極めて限られてしまうので、45mmの存在は貴重でしょう。 2インチのミラーないしはプリズムが必要になるため、初期投資が少し必要ですが、20cmの口径があれば惑星状星雲や系外銀河、球状星団などのディープスカイの観望対象は大きく広がります。シュミカセで眼視をするなら、2インチをぜひオススメします。 また、2インチ対応のバローレンズがあれば、高倍率側もある程度カバーできます。4倍のバローなら40mmを付けて、2000mmなら200倍。ちょっと高めのようにも見えますが、オリオン大星雲やM57などの惑星状星雲、球状星団などは、大口径ならこのくらいの高倍率のほうが楽しめる場合があります。 バローレンズと組み合わせた高倍率用に18mm RPL18mmは、2.5倍のバローと組み合わせると換算7.2mm、5倍のバローと組み合わせると換算3.2mmとなります。少ないレンズ枚数でコントラストの高い高倍率像を得る目的では、18mmが効果的でしょう(*)。価格も9,000円とお手頃。すでにCMOSカメラ+バローレンズで惑星撮影を楽しんでいらっしゃる方にとっては、あまり多くない投資額で惑星観望が楽しめるはずです。 (*)最近の高性能アイピースは「バローレンズ」と同じ原理を持つ凹のレンズ群(スマイスレンズ)を対物側に配置する設計が多くなっていて、この場合バローレンズと組み合わせると性能が悪化しやすいといわれていますが、RPLのような構成枚数の少ない「クラシックアイピース」はその懸念がなく、バローレンズとの相性が良いといわれています。 双眼用途に こちらはかなりコアな話になるのでさらりとだけ。双眼望遠鏡で問題になるのは「超高性能アイピースは鏡胴が太くなりすぎて2個並べると眼幅を超える」という点です。その点、構成が単純で比較的細身のRPLは双眼適性が高いといえます。 この用途のために30,40,45mmでは、筐体の外側を取り外し、さらに細身にするオプションも用意されているようです。詳しくはこちらをご参照の上、販売店様にご相談下さい。 開発元・販売元のご紹介 北軽井沢観測所 北軽井沢観測所 http://www.geocities.jp/kitakaru_obs/ このアイピースの設計元。RPLの鏡胴には「designed by KITAKARU」の文字が刻印してあります。北軽井沢観測所はRPLの他にも「Lavendura」や「Cosmic Blue」などのユニークなコンセプトの製品をデザインされています。 スタークラウド スタークラウド http://www.starcloud.jp RPLアイピースをはじめ、北軽井沢製作所の販売代理店となっている天体望遠鏡ショップです。 まとめ いかがでしたか? RPLシリーズは「ヌケが良い」という特徴をもつ、構成枚数が少ない「クラシックアイピース」を、現代の設計技術・製造品質で改良し甦らせたものといえるでしょう。これから眼視デビューする人にとっても、どっぷり眼視にハマっている人にとっても、きっと「自分に合った1本」があるに違いありません。 この記事はスタークラウド様に機材貸与を受け、天文リフレクションズ編集部が独自の判断で執筆したものです。文責は全て天文リフレクションズ編集部にあります。 本記事は極力客観的に実視をもとに作成していますが、本記事によって発生した読者様の事象についてはその一切について責任を負いかねますことをご了承下さい。 アイピースは使用する鏡筒や接続環、プリズムなどによってピントが出ない場合があります。購入をされる場合は十分に検討ください。接続の組み合わせについてのお問い合わせは、機材をご購入ないしはご購入予定の販売店様にお願いいたします。 参考文献:「天文アマチュアのための望遠鏡光学・屈折編」 1989 吉田正太郎 機材の価格・仕様は執筆時(2018/7/20)のものです。    編集部発信のオリジナルコンテンツ