この記事の内容星見屋.com Presents!
小型軽量で高感度。撮影に「電視」に大活躍の「天体用CMOSカメラ」。
今回のレビュー企画では、天リフ編集部以外にも2名のレビューアがASIシリーズを試用中です。
前回の千手さんに引き続き、今回はもう一人のレビューア、HUQさんの事例をご紹介します!

HUQさんってどんな人?

巨大掲示板で「変態」を名乗る「紳士」です。

デジタル時代の天文界で全方向にフロンティアを走るHUQさん。あらゆるデジタルアイテムとアナログパーツを駆使し、機材と手法は工夫の塊。HUQの前にも後にもHUQなし。

HUQさんの「合体ロボ」の異名を取る機材(の一例)。
ポータブル赤道儀にアルカプレートでフォークを組み、2軸オートガイド化。その上に載っているのがCMOSカメラASI385MC。CMOSカメラはガイド用兼「電視ファインダー」です。

「変態」とは最上級の褒め言葉(2)・HUQさん

昨年4月のHUQさんについての天リフ記事。
HUQさんの「超ド変態」っぷりの「ほんの一部」をご紹介しています。ぜひごらんください。

もっと感度を!

今回のレビュー企画のお話が星見屋さんからあったとき、早速HUQさんにもお声がけしてみました。お二人の会話をどうぞ。
(実際の会話を編集部で要約・脚色しています)

巨大掲示板で変態を名乗る「紳士」です。

当店では、お客様ひとりひとりのニーズに沿ったご提案を差し上げています。どんな機材・用途で使用されるんですか?


今、ポタ赤の電視ファインダー兼ガイダーとしてASI185MC を使ってます。画素が多すぎず非力な atom CPU のスティックPCでも運用できるし センサーサイズも手頃(1/1.9インチ)なんで。
でも 電視ファインダー用に0.5sec露出で使うとやっぱ暗いんです。もっと高感度のやつが欲しいんですが。

それなら、ASI385MCはいかがでしょうか。同じセンサーサイズ、画素ピッチの最新のソニー製センサーIMX385を搭載していて、ソニーの発表資料ではIMX185の倍の低照度感度です。


ソレ、いきます。

というわけで、ASI385MCの導入が決定。

ASI385MCの特徴

星見屋.com ASI385MC
http://hoshimiya.com/?pid=124594472

ASI385MCは、1/1.9インチサイズのソニー製カラーセンサーIMX385を搭載した天体用CMOSカメラ。元々このセンサーは産業用機器向けのもの。画素数は1936×1096=230万画素と少ないのですが、その分センサーのピクセスサイズが大きく(3.75μm)、暗所での性能を重視した設計になっています。

センサーサイズ1/1.9インチは、4/3サイズのセンサーと比較して面積比では6.4倍ほど小さいため、広い範囲を撮影する用途には向きませんが、小型のカメラレンズやCマウントレンズを使用してガイド用カメラや「電視ファインダー」用途にまさにうってつけといえるでしょう。

ソニーからIMX385が発表されたのが2017年の1月。それから1年も経たないうちにそのセンサーを搭載したCMOSカメラをリリースしてくる製品開発のスピードもZWO社の強みです。

ASI385MCファーストライト

 

とんとん拍子で導入が決まり、早速ファーストライト。
「曇り空」なのでぱっと見ではよくわかりませんが、

同一Gain でも ASI385MC のほうが明るい画面を得られ、最大 Gain では圧倒的に ASI385MC のほうが明るい画面を得られることがわかりました。


「従来比感度2倍」に偽りなし、という結論に。

オリオン大星雲を「電視」してみた

HUQさんは「星空をデジタルにライブで観望する」という「電視」に精力的に取り組んでいらっしゃいます。普段はフルサイズ一眼のα7Sを主に使用されているのですが、高感度に強いASI385でも電視にトライ。その結果が上の画像。

ベランダから撮影したオリオン大星雲。コマ当たりの露出時間は2秒。カメラに接続したPC上でこれとおなじ映像がライブで見えるのです。

1/1.9インチの小型のセンサーの場合、フルサイズと比較して約6倍焦点距離が伸びた効果があります。上の画像は「Cマウント100mmF2.8」のレンズを使用していますが、フルサイズ換算約600mm相当になります。焦点距離が短いので星の数は少ないですが、オリオン大星雲がライブでここまではっきりと、大きく見えるのです。

Cマウントレンズ

ここで「Cマウント」をご存じでない方に簡単に説明しておきます。Cマウントは元々8mm幅のフィルムやビデオカメラなどのシネマ撮影用のレンズマウント規格でしたが、現在では防犯カメラや産業機器、内視鏡などで使用されている規格です。

HUQさん所有のCマウントレンズラインナップ。変態すぎるのはさておき、Cマウントレンズの特徴は小型で「超明るい」レンズが比較的安価で入手できること。

カメラレンズのような画質最優先の尖った設計ではありませんが、必要十分な性能が得られるコストパフォーマンスの高さが魅力。天文用途ではガイドカメラや流星・火球の無人撮影などでも使用されています。

「ライブスタック」でもっと淡い対象も

とことんチャレンジするのがHUQマインド。
なんとベランダから、ASI385MCとCマウント100mmF2.8レンズでらせん星雲NGC7293にチャレンジ。中央右上にうっすら写っています。

この作例の秘密は「ライブスタック」。1コマあたりの露出時間はたった1秒なのですが、その映像をカメラから取り込むPC上のソフトでリアルタイムでコンポジット。位置合わせは自動です。75枚(総露出時間75秒)でここまで浮かび上がってきました。

かなり淡めのらせん星雲でここまで出てくるのですから、小さな惑星状星雲を、長焦点の望遠鏡orカメラレンズ+ASI385MCで撮影するのもアリな感じですね。

α7Sと対決!

イケてるじゃないの、ASI385MC。
じゃあα7Sと対決だ!

ちょっと煽りました^^
センサー面積がまるで違う高感度の横綱α7S、ガチンコ勝負はさすがにキツイかなー。

その結果。

α7S の ISO16000 程度が ASI385MC の Gain600 に相当することが判りました。

「Gain600」というのはASI385MCの最大感度設定。これがISO16000相当とすると、最大ISO409600のα7Sとは4段強、25倍ほど違うことになります。これはほぼフルサイズセンサーと1/1.9インチセンサーの面積比に相当します。

ノイズ量などの画質の評価はさておき、「最大ISO値」だけで比較すると、センサー面積の差を考慮すればα7Sと互角といえるかもれません。

より詳しい分析は、HUQさんの元投稿をぜひごらんになってください。ライブスタックやより明るいレンズを使えるメリットを生かせば、α7Sに遜色のない・あるいは上回る結果が得られるという予想をされています。

そしてこれから!

HUQさんのASI385MCを使ったチャレンジはまだまだこれからも続きます。

特に、期待はこの鏡筒。セレストロンRASA。口径11インチ、F2.2、焦点距離620mmの大砲。
写真ではα7Sが装着されていますが、これにASI385MCを載せたらどうなるのか!α7Sとの比較はいかに?

今後に期待です。次回をお楽しみに!

ネイチャーショップKYOEI・セレストロン 11” F2.2 Rowe-Ackermann Schmidt Astrograph
http://www.kyoei-osaka.jp/SHOP/celestron-schmidtastrograph.html

・本記事は星見屋.com様およびHUQ様にご協力いただき、天文リフレクションズ編集部が独自の判断で作成したものです。文責は全て天文リフレクションズ編集部にあります。記事に関するご質問・お問い合わせなどは天文リフレクションズ編集部宛にお願いいたします。

・引用およびリンクしているSNS投稿内容および商品情報に関しては、その内容、およびそれによって読者様に発生した結果について、天文リフレクションズ編集部ではその一切を保証することができません。情報の利用については自己責任でお願いいたします。

・記事中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。

 

 

http://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/01/40c4c0070bc082cb0630eb2bebabfbef-1024x538.jpghttp://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/01/40c4c0070bc082cb0630eb2bebabfbef-150x150.jpg編集部天体用カメラ  この記事の内容星見屋.com Presents! 小型軽量で高感度。撮影に「電視」に大活躍の「天体用CMOSカメラ」。 今回のレビュー企画では、天リフ編集部以外にも2名のレビューアがASIシリーズを試用中です。 前回の千手さんに引き続き、今回はもう一人のレビューア、HUQさんの事例をご紹介します! HUQさんってどんな人? 巨大掲示板で「変態」を名乗る「紳士」です。 デジタル時代の天文界で全方向にフロンティアを走るHUQさん。あらゆるデジタルアイテムとアナログパーツを駆使し、機材と手法は工夫の塊。HUQの前にも後にもHUQなし。 HUQさんの「合体ロボ」の異名を取る機材(の一例)。 ポータブル赤道儀にアルカプレートでフォークを組み、2軸オートガイド化。その上に載っているのがCMOSカメラASI385MC。CMOSカメラはガイド用兼「電視ファインダー」です。 http://reflexions.jp/blog/ed_tenmon/archives/210 昨年4月のHUQさんについての天リフ記事。 HUQさんの「超ド変態」っぷりの「ほんの一部」をご紹介しています。ぜひごらんください。 もっと感度を! 今回のレビュー企画のお話が星見屋さんからあったとき、早速HUQさんにもお声がけしてみました。お二人の会話をどうぞ。 (実際の会話を編集部で要約・脚色しています) 巨大掲示板で変態を名乗る「紳士」です。 当店では、お客様ひとりひとりのニーズに沿ったご提案を差し上げています。どんな機材・用途で使用されるんですか? 今、ポタ赤の電視ファインダー兼ガイダーとしてASI185MC を使ってます。画素が多すぎず非力な atom CPU のスティックPCでも運用できるし センサーサイズも手頃(1/1.9インチ)なんで。 でも 電視ファインダー用に0.5sec露出で使うとやっぱ暗いんです。もっと高感度のやつが欲しいんですが。 それなら、ASI385MCはいかがでしょうか。同じセンサーサイズ、画素ピッチの最新のソニー製センサーIMX385を搭載していて、ソニーの発表資料ではIMX185の倍の低照度感度です。 ソレ、いきます。 というわけで、ASI385MCの導入が決定。 ASI385MCの特徴 星見屋.com ASI385MC http://hoshimiya.com/?pid=124594472 ASI385MCは、1/1.9インチサイズのソニー製カラーセンサーIMX385を搭載した天体用CMOSカメラ。元々このセンサーは産業用機器向けのもの。画素数は1936×1096=230万画素と少ないのですが、その分センサーのピクセスサイズが大きく(3.75μm)、暗所での性能を重視した設計になっています。 センサーサイズ1/1.9インチは、4/3サイズのセンサーと比較して面積比では6.4倍ほど小さいため、広い範囲を撮影する用途には向きませんが、小型のカメラレンズやCマウントレンズを使用してガイド用カメラや「電視ファインダー」用途にまさにうってつけといえるでしょう。 ソニーからIMX385が発表されたのが2017年の1月。それから1年も経たないうちにそのセンサーを搭載したCMOSカメラをリリースしてくる製品開発のスピードもZWO社の強みです。 ASI385MCファーストライト   とんとん拍子で導入が決まり、早速ファーストライト。 「曇り空」なのでぱっと見ではよくわかりませんが、 同一Gain でも ASI385MC のほうが明るい画面を得られ、最大 Gain では圧倒的に ASI385MC のほうが明るい画面を得られることがわかりました。 「従来比感度2倍」に偽りなし、という結論に。 オリオン大星雲を「電視」してみた HUQさんは「星空をデジタルにライブで観望する」という「電視」に精力的に取り組んでいらっしゃいます。普段はフルサイズ一眼のα7Sを主に使用されているのですが、高感度に強いASI385でも電視にトライ。その結果が上の画像。 ベランダから撮影したオリオン大星雲。コマ当たりの露出時間は2秒。カメラに接続したPC上でこれとおなじ映像がライブで見えるのです。 1/1.9インチの小型のセンサーの場合、フルサイズと比較して約6倍焦点距離が伸びた効果があります。上の画像は「Cマウント100mmF2.8」のレンズを使用していますが、フルサイズ換算約600mm相当になります。焦点距離が短いので星の数は少ないですが、オリオン大星雲がライブでここまではっきりと、大きく見えるのです。 Cマウントレンズ ここで「Cマウント」をご存じでない方に簡単に説明しておきます。Cマウントは元々8mm幅のフィルムやビデオカメラなどのシネマ撮影用のレンズマウント規格でしたが、現在では防犯カメラや産業機器、内視鏡などで使用されている規格です。 HUQさん所有のCマウントレンズラインナップ。変態すぎるのはさておき、Cマウントレンズの特徴は小型で「超明るい」レンズが比較的安価で入手できること。 カメラレンズのような画質最優先の尖った設計ではありませんが、必要十分な性能が得られるコストパフォーマンスの高さが魅力。天文用途ではガイドカメラや流星・火球の無人撮影などでも使用されています。 「ライブスタック」でもっと淡い対象も とことんチャレンジするのがHUQマインド。 なんとベランダから、ASI385MCとCマウント100mmF2.8レンズでらせん星雲NGC7293にチャレンジ。中央右上にうっすら写っています。 この作例の秘密は「ライブスタック」。1コマあたりの露出時間はたった1秒なのですが、その映像をカメラから取り込むPC上のソフトでリアルタイムでコンポジット。位置合わせは自動です。75枚(総露出時間75秒)でここまで浮かび上がってきました。 かなり淡めのらせん星雲でここまで出てくるのですから、小さな惑星状星雲を、長焦点の望遠鏡orカメラレンズ+ASI385MCで撮影するのもアリな感じですね。 α7Sと対決! イケてるじゃないの、ASI385MC。 じゃあα7Sと対決だ! ちょっと煽りました^^ センサー面積がまるで違う高感度の横綱α7S、ガチンコ勝負はさすがにキツイかなー。 その結果。 α7S の ISO16000 程度が ASI385MC の Gain600 に相当することが判りました。 「Gain600」というのはASI385MCの最大感度設定。これがISO16000相当とすると、最大ISO409600のα7Sとは4段強、25倍ほど違うことになります。これはほぼフルサイズセンサーと1/1.9インチセンサーの面積比に相当します。 ノイズ量などの画質の評価はさておき、「最大ISO値」だけで比較すると、センサー面積の差を考慮すればα7Sと互角といえるかもれません。 より詳しい分析は、HUQさんの元投稿をぜひごらんになってください。ライブスタックやより明るいレンズを使えるメリットを生かせば、α7Sに遜色のない・あるいは上回る結果が得られるという予想をされています。 そしてこれから! HUQさんのASI385MCを使ったチャレンジはまだまだこれからも続きます。 特に、期待はこの鏡筒。セレストロンRASA。口径11インチ、F2.2、焦点距離620mmの大砲。 写真ではα7Sが装着されていますが、これにASI385MCを載せたらどうなるのか!α7Sとの比較はいかに? 今後に期待です。次回をお楽しみに! ネイチャーショップKYOEI・セレストロン 11” F2.2 Rowe-Ackermann Schmidt Astrograph http://www.kyoei-osaka.jp/SHOP/celestron-schmidtastrograph.html ・本記事は星見屋.com様およびHUQ様にご協力いただき、天文リフレクションズ編集部が独自の判断で作成したものです。文責は全て天文リフレクションズ編集部にあります。記事に関するご質問・お問い合わせなどは天文リフレクションズ編集部宛にお願いいたします。 ・引用およびリンクしているSNS投稿内容および商品情報に関しては、その内容、およびそれによって読者様に発生した結果について、天文リフレクションズ編集部ではその一切を保証することができません。情報の利用については自己責任でお願いいたします。 ・記事中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。    編集部発信のオリジナルコンテンツ