星ナビ2022年7月号ご紹介
アストロアーツHPで星ナビ2022年6月号の内容が告知されています。発売は6月3日金曜日です。
目次
今月の内容は!?
星空を楽しむための月刊「星ナビ」2022年7月号は6月3日(金)発売です。13年ぶりに始まった「宇宙飛行士選抜」。異例の条件で注目を集めている選抜試験の現在とは?「いて座Aスターのブラックホールシャドウ」は記者会見の模様と合わせて解説します。
星ナビ7月号は「宇宙飛行士選抜」と「ブラックホールシャドウ」
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12560_hoshinavi
■表紙
今月の表紙は「いて座Aスター」の「ブラックホールシャドウ」かと思いきや、夏の天の川と灯台を写し込んだ「宙への道標」。15秒30枚の画像をSequatorでコンポジットしたものです。輝度差が大きく、星の重なりの処理が難しい条件ですが、違和感を感じさせない仕上がりになっています。
選者のコメントは特にありませんが、構図の右辺に「いて座Aスター」がギリ見切れているところからみて、少しひねったメッセージなのかもしれませんね^^(*)
(*)「深読みしすぎですw」とのことでした^^;;;
■NewsWatch いて座Aスターのブラックホールシャドウ
いて座Aスターのブラックホールシャドウの撮像、NewsWatch拡大版4ページ。2019年に公開されたM87のブラックホールシャドウに続く2例目の直接撮像の結果が、5月12日に世界7か国で同時発表されました。
観測そのものはM87と同時期(2017年)に終わっていたそうですが「小さなブラックホール」であるいて座Aスターの場合、ガスの自転周期が観測時間よりはるかに短いなど、データ解析に多くの困難があり、時間を要したそうです(*)。
(*)M87の画像公開は観測の2年後、今回のいて座Aスターは観測の5年後
今後さらなる分解能の向上と、それによるブラックホール研究の進歩に期待です。
■13年ぶりの宇宙飛行士選抜スタート 宇宙にエントリー
「学歴不問」など、大幅に募集要件が緩和された第六回の「日本人宇宙飛行士選抜試験」。4127名の応募があり、現在まさに何段階ものの選抜の真っ最中。ご自身も応募中である黒田有彩さんのレポートです。
アポロ計画の終了以降のこれまでの宇宙飛行士の「職場」は、主に地球周回軌道上のスペースシャトルやISSでしたが、有人月面探査である「アルテミス計画」が直近のものとなってきた現在では「月」そして「火星」も視野に入ってきます。
今後「発信力」が重視されるという宇宙飛行士。宇宙探査というミッションを遂行する科学者・スペシャリストであるよりも、宇宙探査の意義と成果を社会に伝える、スポークスマンでありシンボルとしての役割が求められてくるのでしょうか。来年2月頃の最終選抜で、どんなチームが結成されるのかが楽しみです。
https://twitter.com/KUROARI_RTTS/status/1527620822336438273
Twitterによると、黒田さんは無事5月8日の英語試験に通過されたそうです^^
■Deepな天体写真 市街地で星雲撮影8 明るさムラをフラット補正で平定する
まだまだ続く、あぷらなーとさんの連載。先月の輝点ノイズの「駆逐」(6月号)に続き今月は明るさムラの「平定」。ますます「らしく」なってきましたね^^(*)
(*)次回は「色ズレ(倍率色収差)」の「撃退」がテーマとなるようです。
キーワードの選択は「邪悪?」ですが、内容は今回も王道。記事中の『「ダーク補正」と「フラット補正」の概念(図3)』は、まさに基本中の基本概念のビジュアライズ。このロジックを「ステライメージ」でどう実現するかが、分かりやすく解説されています。
◎広告ピックアップ
シュミット開店15周年記念セール
天体望遠鏡ショップ「シュミット」の開店15周年セールが開催。目玉は予約限定の「ジャンク&アウトレット市」でしょうか。「ポチリヌス菌」が猛威を振るう梅雨どきなので、充分な「感染対策」が必要なのはもちろんですが^^;; 日頃のモチベーションをぶつけてみてはいかがでしょう^^
「初心者向けオンラインセミナー」も同時開催とのこと。こちらも楽しみですね!
◎天リフ独断ピックアップ
天文台マダムがゆく 戦略・挑戦・覚悟〜国立天文台水沢のクラウドファンディング〜
ブラックホールシャドウの撮像で大きな成果と話題をもたらした国立天文台水沢ですが、予算の大幅削減で財政的には危機的状況にあります。そんな中でクラウドファンディングで目標金額をハイ達成したというお話。
サイエンスを市民が支援するという構図には、一市民としては歓迎こそすれ文句を言うところではないのですが、国立天文台の副台長が「私個人としては歓迎します」とは、はたしてどうなのでしょうか?
予算を引っ張って来れない現状、若手研究者の雇用が期間限定の「ポスドク」にいつのまにか固定化されてしまった現状、そのポスドクのポストすら確保できない現状、日本の基礎研究が予算規模的に縮小する一方である現状を、研究機関のトップマネジメントの一人としてどのように考えられているのか、ぜひ伺いたいところです。
■ネットよ今夜もありがとう
今月は「フルフル」さんこと古海薫さんの「夜のおひさま」、天リフでもおなじみ。星ナビギャラリーの常連でもある「ガチ天」のお一人。
古海さんのホームグラウンドは暗い夜空の紀伊半島。晴れた新月期にはガッツリ撮影し、ブログにそのプロセスとリザルトをアップされています。「一度(ブログに)遊びにきてください!」とのこと、初見の方はぜひご覧ください!
■星ナビギャラリー
今月のトップ下はIさんの「M51」。冷却CCDカメラ「ST-8XME」に口径21cmF6のニュートン反射という、ある意味「枯れ果てた?機材」ですが、市街地でもひたすら露光を重ね、最新細心の画像処理で対象にじっくり取り組まれるスタイル。お見事の一言しかありません。
個人的イチオシは「春の桜祭り」特集の中のAさんの「一乗寺の桜」。Aさんは最近秀作を数多く発表されていらっしゃいますが、車のライトに照らされた、白く輝くごく淡いピンクの桜が薄明の空に鮮やかに映えています。
■小惑星アフティによる恒星食 ぎょしゃ座のマハシムが1.5秒消えた
これは素晴らしい観測記。20年前のリベンジ、緻密な準備とリハーサル、「なぜか今回に限って付き合ってくれた」奥様との天文マニア的に「あるある!」なやりとり、直前までの悪天候からの奇跡的な晴れ、そして見事な観測結果。「観測」の面白さの全てが詰まった、マニアでなくても読んで面白いレポートです!
小惑星による2.6等星の食、観測成功!
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12519_ahti
こちらのアストロアーツのWeb記事もご参考に!
■今月の注目 拡大版 月と全惑星集結・火星食
6月の下旬、明け方の東空に水金火木土天海の全ての惑星と月が見られるようになります。土星と水星はかなり離れているため、カメラで1枚に全て収めるには超広角や魚眼レンズが必要になりますが、日替わりで惑星の間を移動していく月を楽しむのも良いかもしれません。浅田英夫さんと谷川正夫さんの解説です。
■星座制定100年 まんがで読む「南天の星座」物語
88星座制定100周年記念企画。先日刊行された「新版 まんがで読む星のギリシア神話」に書き下ろされた作品の再構成版。東インド会社の創設者の一人でもあるオランダの天文学者・地図製作者のプランシウスと、その弟子ケイセルの南天観測の物語です。早水勉さんによる3ページの「大航海時代の幕開けと新しい星座の誕生」の解説記事付き。
まとめ
いかがでしたか?
コロナも小康状態。5月・6月にはリアルの天文イベントの開催の報もあり、ようやく天文ファンの活動も日常に戻りつつある昨今です。6月は梅雨でもあり好天に恵まれることは少ないとは思いますが、「ひさしぶりの普通の夏」に備えて心身ともにリフレッシュしていきたいものですね!
そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日、今月は3日の天文雑誌!7月号も楽しみですね!
星ナビ7月号は「宇宙飛行士選抜」と「ブラックホールシャドウ」
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12560_hoshinavi
※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。
天文ガイドも合わせて読みたいですね!!
https://reflexions.jp/tenref/orig/2022/06/02/13806/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2022/06/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2022/06/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1-150x150.jpg雑誌・書籍アストロアーツHPで星ナビ2022年6月号の内容が告知されています。発売は6月3日金曜日です。 今月の内容は!? 星空を楽しむための月刊「星ナビ」2022年7月号は6月3日(金)発売です。13年ぶりに始まった「宇宙飛行士選抜」。異例の条件で注目を集めている選抜試験の現在とは?「いて座Aスターのブラックホールシャドウ」は記者会見の模様と合わせて解説します。 星ナビ7月号は「宇宙飛行士選抜」と「ブラックホールシャドウ」 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12560_hoshinavi ■表紙 今月の表紙は「いて座Aスター」の「ブラックホールシャドウ」かと思いきや、夏の天の川と灯台を写し込んだ「宙への道標」。15秒30枚の画像をSequatorでコンポジットしたものです。輝度差が大きく、星の重なりの処理が難しい条件ですが、違和感を感じさせない仕上がりになっています。 選者のコメントは特にありませんが、構図の右辺に「いて座Aスター」がギリ見切れているところからみて、少しひねったメッセージなのかもしれませんね^^(*) (*)「深読みしすぎですw」とのことでした^^;;; ■NewsWatch いて座Aスターのブラックホールシャドウ いて座Aスターのブラックホールシャドウの撮像、NewsWatch拡大版4ページ。2019年に公開されたM87のブラックホールシャドウに続く2例目の直接撮像の結果が、5月12日に世界7か国で同時発表されました。 観測そのものはM87と同時期(2017年)に終わっていたそうですが「小さなブラックホール」であるいて座Aスターの場合、ガスの自転周期が観測時間よりはるかに短いなど、データ解析に多くの困難があり、時間を要したそうです(*)。 (*)M87の画像公開は観測の2年後、今回のいて座Aスターは観測の5年後 今後さらなる分解能の向上と、それによるブラックホール研究の進歩に期待です。 ■13年ぶりの宇宙飛行士選抜スタート 宇宙にエントリー 「学歴不問」など、大幅に募集要件が緩和された第六回の「日本人宇宙飛行士選抜試験」。4127名の応募があり、現在まさに何段階ものの選抜の真っ最中。ご自身も応募中である黒田有彩さんのレポートです。 アポロ計画の終了以降のこれまでの宇宙飛行士の「職場」は、主に地球周回軌道上のスペースシャトルやISSでしたが、有人月面探査である「アルテミス計画」が直近のものとなってきた現在では「月」そして「火星」も視野に入ってきます。 今後「発信力」が重視されるという宇宙飛行士。宇宙探査というミッションを遂行する科学者・スペシャリストであるよりも、宇宙探査の意義と成果を社会に伝える、スポークスマンでありシンボルとしての役割が求められてくるのでしょうか。来年2月頃の最終選抜で、どんなチームが結成されるのかが楽しみです。 https://twitter.com/KUROARI_RTTS/status/1527620822336438273 Twitterによると、黒田さんは無事5月8日の英語試験に通過されたそうです^^ ■Deepな天体写真 市街地で星雲撮影8 明るさムラをフラット補正で平定する まだまだ続く、あぷらなーとさんの連載。先月の輝点ノイズの「駆逐」(6月号)に続き今月は明るさムラの「平定」。ますます「らしく」なってきましたね^^(*) (*)次回は「色ズレ(倍率色収差)」の「撃退」がテーマとなるようです。 キーワードの選択は「邪悪?」ですが、内容は今回も王道。記事中の『「ダーク補正」と「フラット補正」の概念(図3)』は、まさに基本中の基本概念のビジュアライズ。このロジックを「ステライメージ」でどう実現するかが、分かりやすく解説されています。 ◎広告ピックアップ シュミット開店15周年記念セール 天体望遠鏡ショップ「シュミット」の開店15周年セールが開催。目玉は予約限定の「ジャンク&アウトレット市」でしょうか。「ポチリヌス菌」が猛威を振るう梅雨どきなので、充分な「感染対策」が必要なのはもちろんですが^^;; 日頃のモチベーションをぶつけてみてはいかがでしょう^^ 「初心者向けオンラインセミナー」も同時開催とのこと。こちらも楽しみですね! ◎天リフ独断ピックアップ 天文台マダムがゆく 戦略・挑戦・覚悟〜国立天文台水沢のクラウドファンディング〜 ブラックホールシャドウの撮像で大きな成果と話題をもたらした国立天文台水沢ですが、予算の大幅削減で財政的には危機的状況にあります。そんな中でクラウドファンディングで目標金額をハイ達成したというお話。 サイエンスを市民が支援するという構図には、一市民としては歓迎こそすれ文句を言うところではないのですが、国立天文台の副台長が「私個人としては歓迎します」とは、はたしてどうなのでしょうか? 予算を引っ張って来れない現状、若手研究者の雇用が期間限定の「ポスドク」にいつのまにか固定化されてしまった現状、そのポスドクのポストすら確保できない現状、日本の基礎研究が予算規模的に縮小する一方である現状を、研究機関のトップマネジメントの一人としてどのように考えられているのか、ぜひ伺いたいところです。 ■ネットよ今夜もありがとう 今月は「フルフル」さんこと古海薫さんの「夜のおひさま」、天リフでもおなじみ。星ナビギャラリーの常連でもある「ガチ天」のお一人。 古海さんのホームグラウンドは暗い夜空の紀伊半島。晴れた新月期にはガッツリ撮影し、ブログにそのプロセスとリザルトをアップされています。「一度(ブログに)遊びにきてください!」とのこと、初見の方はぜひご覧ください! ■星ナビギャラリー 今月のトップ下はIさんの「M51」。冷却CCDカメラ「ST-8XME」に口径21cmF6のニュートン反射という、ある意味「枯れ果てた?機材」ですが、市街地でもひたすら露光を重ね、最新細心の画像処理で対象にじっくり取り組まれるスタイル。お見事の一言しかありません。 個人的イチオシは「春の桜祭り」特集の中のAさんの「一乗寺の桜」。Aさんは最近秀作を数多く発表されていらっしゃいますが、車のライトに照らされた、白く輝くごく淡いピンクの桜が薄明の空に鮮やかに映えています。 ■小惑星アフティによる恒星食 ぎょしゃ座のマハシムが1.5秒消えた これは素晴らしい観測記。20年前のリベンジ、緻密な準備とリハーサル、「なぜか今回に限って付き合ってくれた」奥様との天文マニア的に「あるある!」なやりとり、直前までの悪天候からの奇跡的な晴れ、そして見事な観測結果。「観測」の面白さの全てが詰まった、マニアでなくても読んで面白いレポートです! 小惑星による2.6等星の食、観測成功! https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12519_ahti こちらのアストロアーツのWeb記事もご参考に! ■今月の注目 拡大版 月と全惑星集結・火星食 6月の下旬、明け方の東空に水金火木土天海の全ての惑星と月が見られるようになります。土星と水星はかなり離れているため、カメラで1枚に全て収めるには超広角や魚眼レンズが必要になりますが、日替わりで惑星の間を移動していく月を楽しむのも良いかもしれません。浅田英夫さんと谷川正夫さんの解説です。 ■星座制定100年 まんがで読む「南天の星座」物語 88星座制定100周年記念企画。先日刊行された「新版 まんがで読む星のギリシア神話」に書き下ろされた作品の再構成版。東インド会社の創設者の一人でもあるオランダの天文学者・地図製作者のプランシウスと、その弟子ケイセルの南天観測の物語です。早水勉さんによる3ページの「大航海時代の幕開けと新しい星座の誕生」の解説記事付き。 まとめ いかがでしたか? コロナも小康状態。5月・6月にはリアルの天文イベントの開催の報もあり、ようやく天文ファンの活動も日常に戻りつつある昨今です。6月は梅雨でもあり好天に恵まれることは少ないとは思いますが、「ひさしぶりの普通の夏」に備えて心身ともにリフレッシュしていきたいものですね! そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日、今月は3日の天文雑誌!7月号も楽しみですね! 星ナビ7月号は「宇宙飛行士選抜」と「ブラックホールシャドウ」 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12560_hoshinavi https://youtu.be/9gMAPV5TJsc ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!! 編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
コメントを残す