星ナビ2020年11月号ご紹介
アストロアーツHPで、星ナビ2020年11月号の内容が告知されています。発売は10月5日月曜日です。
目次
- 1 今月の内容は!?
- 1.1 ■表紙
- 1.2 ■20年をさきどり!星空未来カレンダー2021-2040(解説/早水 勉)
- 1.3 ■星空タイムリープ 過去×未来の40年(構成/川村 晶+星ナビ編集部)
- 1.4 ■Deepな天体写真 豪州遠征記4 必撮!南天ハイライト(報告・作例/三本松尚雄、崎山義夫、荒井俊也)
- 1.5 ■海洋生物学で探る うお座の「魚」の正体(解説/小島 敦)
- 1.6 ◎広告ピックアップ
- 1.7 ◎天リフ独断ピックアップ
- 1.8 ■マユコの星ナビch 突撃!ラボ訪問(紹介/マユコ)
- 1.9 ■星景写真テクニック ほどよく星が滲む ケンコー PRO1D プロソフトン クリア(W)(解説・作例/北山輝泰)
- 1.10 ■エーゲ海の風17 天馬不在のペルセウス英雄譚 ペガスス誕生と物語の変化(解説/早水 勉)
- 2 まとめ
今月の内容は!?
「星ナビ」創刊は20年前の2000年12月号。「星空タイムリープ」では、21世紀とともに歩んできた「星ナビ」の20年を振り返ります。特別綴じ込み付録「星空未来カレンダー2021-2040」は「未来」に目を向け、これから20年間に起こる見逃せない天文現象をまとめました。
星ナビ11月号は「星空未来カレンダー」と「星空タイムリープ」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11538_hoshinavi
■表紙
表紙は「Deepな天体写真 必撮!南天ハイライト」にも登場する崎山義夫さん撮影のオメガ星団。南半球オーストラリアで見るオメガ星団は地平高度が高く圧倒的にデカイ姿を見せてくれます。モノクロ冷却CMOSカメラ+タカハシε-160で、「星の色の表現」を重視した短時間露光(RGB各6〜7分)による作品。
球状星団は一般にはほとんど同じ時期に誕生した星々といわれていますが、長い年月の中で星の質量の差による進化の速度の差が、星の色の差となって現れるのでしょうか。「ただの星の集まり」であっても、ディテールが豊かになるほど宇宙の不思議さが見えてくるものですね。
■20年をさきどり!星空未来カレンダー2021-2040(解説/早水 勉)
星ナビ創刊20周年特別企画。32ページの大型付録。これまでの20年を振り返るだけでなく、未来の20年を見渡そうという斬新なコンセプトです。日食・月食や流星群、惑星現象などを20年分、1年1ページ形式で網羅。20年後まで使える超保存版です!
「20年後」は2040年。ハレー彗星はそのさらに20年以上先ですが、2035年の関東・北陸の皆既日食や火星大接近、2037年のしし座流星群はターゲットに入ってきます。彗星の明るさとお天気と超新星以外は、ほとんど全て予測できるというのが天文学の凄さ。「必ずやってくるその日」に向けて、あらためてライフプランを再チェックしてみましょう^^
この先20年の最大のイベントが2035年9月2日の皆既日食。その前哨戦が2030年6月1日の北海道金環日食です。多くの天文ファンが観察に出かけられることでしょう。気になるのはお天気と人出ですね^^;; 空前絶後の日食ブームとなることでしょう!
この2つの日食をはさむ2032年と2033年には、皆既月食が年2回、計4回も日本で見られるようです。10年後、天文界がさらに熱くなることに期待です。
■星空タイムリープ 過去×未来の40年(構成/川村 晶+星ナビ編集部)
2000年12月創刊の、まさに「21世紀の天文界の歴史」である星ナビを、表紙で振り返る企画記事。筆者は2013年以前のことは良く知らないのですが^^;;;、ついこの前のことのようだった3.11や9.11がもうそんな前の出来事なのかと驚きます。さらに後半では、主に「時系列」で未来をまとめた特別付録に対して、主な天文現象をジャンル別にまとめた形になっています。
この2本の記事だけで、ビール350mmリットル缶24本ぐらいは飲めそうな強力企画です。さらに20年後の2040年に、星ナビでどんな特別企画が組まれるのかも、今から楽しみですね!
■Deepな天体写真 豪州遠征記4 必撮!南天ハイライト(報告・作例/三本松尚雄、崎山義夫、荒井俊也)
豪州遠征連載記の最終回。大小マゼラン雲やηカリーナ星雲などのメジャーどころに加えて、かなりマイナーな天体も含めた南天の星雲星団ハイライトの紹介です。作例はもちろん日本のトップレベル。
「理屈抜きに感動」「もうどこを撮影しても絵になる」「南半球に来たことを実感」「撮ってみたかったのです。この地味で気持ち悪い星雲を」。純粋な星好きとしての感動と、マニアならではのディープな感覚のたっぷり詰まった座談会と合わせてお楽しみください^^
■海洋生物学で探る うお座の「魚」の正体(解説/小島 敦)
来たっ!!「かに座の蟹」に続く「うお座の魚」。古星図に描かれた生物を、実際に存在する種と同定する試み。今回はさらに「みなみのうお座の子孫がうお座」という、ある神話の設定が古星図に反映されているか?の検証も同時に行われています。
筆者の小島さんが、生物学的な専門知識を元に魚の特徴(体型、ヒレ、色、模様、骨の本数など)を分析する過程をナナメから読むと、「きっと描いた人は何も考えてないよね」という感想がノドの奥から出かかります^^;; それでも何かの「繋がり」を模索する姿勢には、「これぞ好奇心の原点なり!」という快哉しか出てきません^^
元々、ちっとも魚に見えない「うお座」「みなみのうお座」ですが(個人の感想です)、昔の人はいったい星並びの何を「うお」に見立てたのでしょうか?むしろ、古代の人たちの「頭のなか」にあるものを、逆に星空にあてはめたのかもしれませんね。「星座」という存在の根源的なことを考えされられる記事でした^^
◎広告ピックアップ
■京都産業大学 神山天文台 開設10周年記念シンポジウム
今年で10周年を迎える京都産業大学の神山天文台ですが、10月17日(土)に記念シンポジウムが「オンライン」「視聴無料」で開催されます。事前申込も不要、QRコードを読み取るだけ。これはもう視聴するしかありませんね!リンクを貼っておきますので、こちらから直接クリックしてもOKです!
シンポジウム特別ページ
https://www.kyoto-su.ac.jp/observatory/10th_symposium/
神山天文台については、こちらの天リフ記事もごらんください!
京都産業大学神山天文台訪問記
https://reflexions.jp/tenref/orig/2018/09/01/5856/#i-3
◎天リフ独断ピックアップ
■こんなプラネタリウム・・・初めて(はーと)
(やっぱりな・・)そんなK編集長の声が聞こえてきそうですが、独断ピックアップしてしまいました。話題の?R18指定プラネタリウム番組です。いろんな意味で「恐れを知らぬ挑戦的な試み」とありますが、モザイクなしの画像はぜひ上映館でごらんください。ぜひ筆者の地元の福岡科学館でも上映してほしいものです^^
■ネットよ今夜もありがとう
今月は相川礼仁さんの「ぱずるすた – 積み星置き場」と、悠々遊さんの「悠々遊きまぐれ写真館」です。
ぱずるすた – 積み星置き場」は筆者は初見でしたが、Twitterの@akwr2さんはフォローさせていただいています。眼視派・スケッチ派の大ベテランで、主に彗星・小惑星による恒星食をひたすら更新されています。自分のやりたいことに、ぶれずに邁進されている印象ですね!
悠々遊きまぐれ写真館は天リフでも配信させていただいています。太陽の撮影頻度が超高。晴れればほとんど撮影されてらっしゃるようです。星ナビのショートコメントでさりげなく「どちらも24時間営業休日なし」とありますが、まさにそんな感じですね^^
■星ナビギャラリー
今月のトップ下は、常連・Kさんの「ペルセウス座流星群」。5時間に及ぶ追尾撮影で30個以上の流星を比較明合成したものです。選評にあるように、放射点を地平線すぐ上にした再現時刻の設定が斬新。
個人的イチオシはWさんの「月光を浴びる湿原」。月明かりの下の星景は、夜らしさと昼間っぽさのせめぎあいになりますが、これまた選評にあるようにこれまで見たことがないくらいの素晴らしいバランスです。一期一会を切り取る、さすがのベテランの力量ですね!
■マユコの星ナビch 突撃!ラボ訪問(紹介/マユコ)
今月のゲストは、スペインのカナリア諸島にある研究所(IAC)で小惑星の分光観測を行われている巽さん。小惑星の「含水鉱物」を見つけることがテーマだそうです。博士課程時代には、小惑星リュウグウのデータ解析も行われていました。巽さんがなぜ、何を考え、今に「流れ着いた」のかにマユコさんが迫ります。
■星景写真テクニック ほどよく星が滲む ケンコー PRO1D プロソフトン クリア(W)(解説・作例/北山輝泰)
「このくらいがちょうどいい」滲み効果。先月の拙記事「広告ピックアップ」でも取り上げたケンコーの「プロソフトンクリア」。星景写真家の北山輝泰さんによるレビュー記事です。
先月も貼りましたが、こちらもぜひご参考に!
これくらいがちょうどいい!星景写真の新標準・ケンコー プロソフトンクリア
https://reflexions.jp/tenref/orig/2020/08/05/11475/
■エーゲ海の風17 天馬不在のペルセウス英雄譚 ペガスス誕生と物語の変化(解説/早水 勉)
今回は勇者ペルセウスにまつわるお話。アンドロメダ・カシオペア・ケフェウスなど秋の星座の物語ですが、「天馬ペガスス」は実は「後付け」のお話で、古典期の神話には含まれていないとのこと。解説の早水さんの調査では、14世紀初めの史料に初めて記述がみられるそうです。他にも「しっぽの長いおおぐま・こぐま」がガリレオ時代の作家のジョークから生まれたことや、「リボンで結ばれたアフロディーテとエロス母子が化けた魚」が、「日本ローカル」のエピソードである可能性などが指摘されています。
「神話」をプロットとして「物語」が生まれ、それがまた新たな「神話」となる。前出の「うお座の魚」とぜひ合わせて読みたい記事です。
まとめ
いかがでしたか?
「十年一昔」といいますが、それに則せば20年は二昔。しかし、中高年がマジョリティを占める今の日本では、20年は「ついこの前」くらいの感覚ではないでしょうか。裏を返せば、20年後は「すぐに」訪れてしまうことになります。たかが20年、されど20年。適度に過去を振り返りつつ、未来は「すぐにやってくる」くらいの感覚でいるのが、一番いいバランスかもしれませんね!天文ファンにとって、未来と過去をつなぐ確固たる道標でもある「大きな天文現象」を、あらためて人生の予定表に刻んでおきましょう!
そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ。そして毎月5日は天文雑誌!11月号も楽しみですね!
星ナビ11月号は「星空未来カレンダー」と「星空タイムリープ」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11538_hoshinavi
※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。
天文ガイドも合わせて読みたいですね!!
https://reflexions.jp/tenref/orig/2020/10/04/11832/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2020/10/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2020/10/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-150x150.jpg雑誌・書籍アストロアーツHPで、星ナビ2020年11月号の内容が告知されています。発売は10月5日月曜日です。 今月の内容は!? 「星ナビ」創刊は20年前の2000年12月号。「星空タイムリープ」では、21世紀とともに歩んできた「星ナビ」の20年を振り返ります。特別綴じ込み付録「星空未来カレンダー2021-2040」は「未来」に目を向け、これから20年間に起こる見逃せない天文現象をまとめました。 星ナビ11月号は「星空未来カレンダー」と「星空タイムリープ」 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11538_hoshinavi ■表紙 表紙は「Deepな天体写真 必撮!南天ハイライト」にも登場する崎山義夫さん撮影のオメガ星団。南半球オーストラリアで見るオメガ星団は地平高度が高く圧倒的にデカイ姿を見せてくれます。モノクロ冷却CMOSカメラ+タカハシε-160で、「星の色の表現」を重視した短時間露光(RGB各6〜7分)による作品。 球状星団は一般にはほとんど同じ時期に誕生した星々といわれていますが、長い年月の中で星の質量の差による進化の速度の差が、星の色の差となって現れるのでしょうか。「ただの星の集まり」であっても、ディテールが豊かになるほど宇宙の不思議さが見えてくるものですね。 ■20年をさきどり!星空未来カレンダー2021-2040(解説/早水 勉) 星ナビ創刊20周年特別企画。32ページの大型付録。これまでの20年を振り返るだけでなく、未来の20年を見渡そうという斬新なコンセプトです。日食・月食や流星群、惑星現象などを20年分、1年1ページ形式で網羅。20年後まで使える超保存版です! 「20年後」は2040年。ハレー彗星はそのさらに20年以上先ですが、2035年の関東・北陸の皆既日食や火星大接近、2037年のしし座流星群はターゲットに入ってきます。彗星の明るさとお天気と超新星以外は、ほとんど全て予測できるというのが天文学の凄さ。「必ずやってくるその日」に向けて、あらためてライフプランを再チェックしてみましょう^^ この先20年の最大のイベントが2035年9月2日の皆既日食。その前哨戦が2030年6月1日の北海道金環日食です。多くの天文ファンが観察に出かけられることでしょう。気になるのはお天気と人出ですね^^;; 空前絶後の日食ブームとなることでしょう! この2つの日食をはさむ2032年と2033年には、皆既月食が年2回、計4回も日本で見られるようです。10年後、天文界がさらに熱くなることに期待です。 ■星空タイムリープ 過去×未来の40年(構成/川村 晶+星ナビ編集部) 2000年12月創刊の、まさに「21世紀の天文界の歴史」である星ナビを、表紙で振り返る企画記事。筆者は2013年以前のことは良く知らないのですが^^;;;、ついこの前のことのようだった3.11や9.11がもうそんな前の出来事なのかと驚きます。さらに後半では、主に「時系列」で未来をまとめた特別付録に対して、主な天文現象をジャンル別にまとめた形になっています。 この2本の記事だけで、ビール350mmリットル缶24本ぐらいは飲めそうな強力企画です。さらに20年後の2040年に、星ナビでどんな特別企画が組まれるのかも、今から楽しみですね! ■Deepな天体写真 豪州遠征記4 必撮!南天ハイライト(報告・作例/三本松尚雄、崎山義夫、荒井俊也) 豪州遠征連載記の最終回。大小マゼラン雲やηカリーナ星雲などのメジャーどころに加えて、かなりマイナーな天体も含めた南天の星雲星団ハイライトの紹介です。作例はもちろん日本のトップレベル。 「理屈抜きに感動」「もうどこを撮影しても絵になる」「南半球に来たことを実感」「撮ってみたかったのです。この地味で気持ち悪い星雲を」。純粋な星好きとしての感動と、マニアならではのディープな感覚のたっぷり詰まった座談会と合わせてお楽しみください^^ ■海洋生物学で探る うお座の「魚」の正体(解説/小島 敦) 来たっ!!「かに座の蟹」に続く「うお座の魚」。古星図に描かれた生物を、実際に存在する種と同定する試み。今回はさらに「みなみのうお座の子孫がうお座」という、ある神話の設定が古星図に反映されているか?の検証も同時に行われています。 筆者の小島さんが、生物学的な専門知識を元に魚の特徴(体型、ヒレ、色、模様、骨の本数など)を分析する過程をナナメから読むと、「きっと描いた人は何も考えてないよね」という感想がノドの奥から出かかります^^;; それでも何かの「繋がり」を模索する姿勢には、「これぞ好奇心の原点なり!」という快哉しか出てきません^^ 元々、ちっとも魚に見えない「うお座」「みなみのうお座」ですが(個人の感想です)、昔の人はいったい星並びの何を「うお」に見立てたのでしょうか?むしろ、古代の人たちの「頭のなか」にあるものを、逆に星空にあてはめたのかもしれませんね。「星座」という存在の根源的なことを考えされられる記事でした^^ ◎広告ピックアップ ■京都産業大学 神山天文台 開設10周年記念シンポジウム 今年で10周年を迎える京都産業大学の神山天文台ですが、10月17日(土)に記念シンポジウムが「オンライン」「視聴無料」で開催されます。事前申込も不要、QRコードを読み取るだけ。これはもう視聴するしかありませんね!リンクを貼っておきますので、こちらから直接クリックしてもOKです! シンポジウム特別ページ https://www.kyoto-su.ac.jp/observatory/10th_symposium/ 神山天文台については、こちらの天リフ記事もごらんください! 京都産業大学神山天文台訪問記 https://reflexions.jp/tenref/orig/2018/09/01/5856/#i-3 ◎天リフ独断ピックアップ ■こんなプラネタリウム・・・初めて(はーと) (やっぱりな・・)そんなK編集長の声が聞こえてきそうですが、独断ピックアップしてしまいました。話題の?R18指定プラネタリウム番組です。いろんな意味で「恐れを知らぬ挑戦的な試み」とありますが、モザイクなしの画像はぜひ上映館でごらんください。ぜひ筆者の地元の福岡科学館でも上映してほしいものです^^ ■ネットよ今夜もありがとう 今月は相川礼仁さんの「ぱずるすた - 積み星置き場」と、悠々遊さんの「悠々遊きまぐれ写真館」です。 ぱずるすた - 積み星置き場」は筆者は初見でしたが、Twitterの@akwr2さんはフォローさせていただいています。眼視派・スケッチ派の大ベテランで、主に彗星・小惑星による恒星食をひたすら更新されています。自分のやりたいことに、ぶれずに邁進されている印象ですね! 悠々遊きまぐれ写真館は天リフでも配信させていただいています。太陽の撮影頻度が超高。晴れればほとんど撮影されてらっしゃるようです。星ナビのショートコメントでさりげなく「どちらも24時間営業休日なし」とありますが、まさにそんな感じですね^^ ■星ナビギャラリー 今月のトップ下は、常連・Kさんの「ペルセウス座流星群」。5時間に及ぶ追尾撮影で30個以上の流星を比較明合成したものです。選評にあるように、放射点を地平線すぐ上にした再現時刻の設定が斬新。 個人的イチオシはWさんの「月光を浴びる湿原」。月明かりの下の星景は、夜らしさと昼間っぽさのせめぎあいになりますが、これまた選評にあるようにこれまで見たことがないくらいの素晴らしいバランスです。一期一会を切り取る、さすがのベテランの力量ですね! ■マユコの星ナビch 突撃!ラボ訪問(紹介/マユコ) 今月のゲストは、スペインのカナリア諸島にある研究所(IAC)で小惑星の分光観測を行われている巽さん。小惑星の「含水鉱物」を見つけることがテーマだそうです。博士課程時代には、小惑星リュウグウのデータ解析も行われていました。巽さんがなぜ、何を考え、今に「流れ着いた」のかにマユコさんが迫ります。 ■星景写真テクニック ほどよく星が滲む ケンコー PRO1D プロソフトン クリア(W)(解説・作例/北山輝泰) 「このくらいがちょうどいい」滲み効果。先月の拙記事「広告ピックアップ」でも取り上げたケンコーの「プロソフトンクリア」。星景写真家の北山輝泰さんによるレビュー記事です。 先月も貼りましたが、こちらもぜひご参考に! これくらいがちょうどいい!星景写真の新標準・ケンコー プロソフトンクリア https://reflexions.jp/tenref/orig/2020/08/05/11475/ ■エーゲ海の風17 天馬不在のペルセウス英雄譚 ペガスス誕生と物語の変化(解説/早水 勉) 今回は勇者ペルセウスにまつわるお話。アンドロメダ・カシオペア・ケフェウスなど秋の星座の物語ですが、「天馬ペガスス」は実は「後付け」のお話で、古典期の神話には含まれていないとのこと。解説の早水さんの調査では、14世紀初めの史料に初めて記述がみられるそうです。他にも「しっぽの長いおおぐま・こぐま」がガリレオ時代の作家のジョークから生まれたことや、「リボンで結ばれたアフロディーテとエロス母子が化けた魚」が、「日本ローカル」のエピソードである可能性などが指摘されています。 「神話」をプロットとして「物語」が生まれ、それがまた新たな「神話」となる。前出の「うお座の魚」とぜひ合わせて読みたい記事です。 まとめ いかがでしたか? 「十年一昔」といいますが、それに則せば20年は二昔。しかし、中高年がマジョリティを占める今の日本では、20年は「ついこの前」くらいの感覚ではないでしょうか。裏を返せば、20年後は「すぐに」訪れてしまうことになります。たかが20年、されど20年。適度に過去を振り返りつつ、未来は「すぐにやってくる」くらいの感覚でいるのが、一番いいバランスかもしれませんね!天文ファンにとって、未来と過去をつなぐ確固たる道標でもある「大きな天文現象」を、あらためて人生の予定表に刻んでおきましょう! そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ。そして毎月5日は天文雑誌!11月号も楽しみですね! 星ナビ11月号は「星空未来カレンダー」と「星空タイムリープ」 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11538_hoshinavi ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!! 編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
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