みなさんこんにちは!

今年の夏はひたすら天候不順でしたね。平日・休日関係なし?の「フルタイム天文ファン」の編集部でも、この夏は数えるほどしか遠征に行くことができませんでした。でもまあ、夏は「暑い」んですよ;; 特に夏の「近征」は汗だく^^;; やっぱり涼しくなって天気も安定して空が澄んでくる「秋」が一番です!

というわけで、10月上旬のある日、足を伸ばして熊本の「ヒゴタイ公園」まで撮影に行ってきました!翌日、天文ハウスTOMITAさん主催の星祭り「星宴2019inうぶやま」が開催される関係で、その前乗りです。



撮影のねらい

今回のテーマは 、いくつかの「機材テスト」です。おかげさまで天リフには各種機材の試用・レビュー依頼が殺到中(*)。ひとつひとつ、じっくり使用してしっかり使いこなし事例を読者の皆様にお届けするための「日常業務」の一貫であります^^

(*)割とほんとです。消化しきれなくて今年いっぱいはレビュー三昧?

FOT104

地道にじっくりピント合わせ中。なんとバーティノフマスクも忘れてきたという大失態^^;;

まずはスタークラウド様からお借りしている分離式3枚玉アポクロマート鏡筒。眼視性能の高さは天リフでもレビューしてきたものですが、この夏からはいろいろな補正レンズを使用した実写テストを行っています。

今回は台湾Long Perng社製の汎用フラットナーを使用した試写。ベランダでの撮影では好結果が出ているので、遠征地でのガチ撮り評価が目的。リザルトは本記事の後半で。

JILVA-170

嫁入り前の記念撮影。「商品はこれが全部です(三脚を除く)」

もうひとつは赤道儀JILVA-170。この製品は5年ほど前にSB工房のTaさんから購入した製品で、筆者がサラリーマン時代から長く主力機として使っているものです。一言でいうと「SWATシリーズをさらに尖らせた赤道儀」。直径170mmという「ばかでかい」ウォームホイールを使用し、ピリオディックモーションを極限まで減らそうというコンセプト。公称値は±4秒角。

実はこのJILVA-170、近日お嫁に出る予定なのです。JILVA-170の安定した性能は何の不満もなくできればずっと手元に置いておきたいのですが(*)、現在筆者はSWAT-310を含めてポータブル赤道儀が4台、ドイツ式赤道儀が改造APにSXPにEQ5GOTOの3台と過剰気味^^;; 赤道儀はあれどもカメラがその数だけない現状、機材のスリムアップを図る意味で活用していただけそうな方にお譲りすることを決心しました。そこで最後の動作確認の意味を含めて「お別れラストライト」に出動してもらいました。

(*)「買いたくてもなかなか買えない」幻の?逸品です。オク出せば買値以上で売れるかも知れませんが、それではTa様に顔向けできませんので、天リフ読者様のもとへ。売上金は次のレビュー機材の購入と家族サービスに充当されます^^;;;

バランスウェイトを忘れるの巻^^;;;

シャフトだけのドイツ式がもの悲しい、期せずして「ウェイトレス」運用されるはめになったJILVA嬢。大きなオフバランスにもかかわらず、SB工房の商品説明にあるように「グイグイ」追尾してくれました。

ところが・・・「星宴」の準備でバタバタしている中、なんとバランスウェイトと極軸望遠鏡支持金具というポータブル赤道儀の生命線の2つのアイテムを忘れてきてしまったのです。さすがに心が折れそうになりました(*)。

(*)まずウェイトがないのに気がつき、気を取り直して設置を終える直前、極望金具がないことに気がついたという2段ショック^^;;;。

いや、しかし。ここでくじけてはならない。短秒多数枚ならなんとかなるはずだ!JILVA-170の高い保持力があれば、子午線付近を外して低めの対象なら影響は小さくなるはず。極軸も覗き穴で慎重に追い込めば1°くらいの精度で設置できる。淡いところはあきらめて、流れない露出時間で多数枚!Taさんの顔となぜかアムロの顔が頭に去来する中、ベストを尽くそうと決意^^;;こちらもリザルトは記事後半で。

RedCat51

RedCat51は何に搭載しても絵になります。カシオペヤを撮影中。10月ともなると意外に早くオリオンが昇ってきてびっくり。右の車は宮崎から単騎、星景撮影に来られていた若い女性のもの。車を置いてあちこち移動して撮られていたようであまり話ができなくて残念^^;

もうひとつ。RedCat51です。こちらは天リフのレビューで使用した借用機とは別、自分用に自腹購入したものですが、4月のオーストラリア遠征に間に合わず、以降は他のレビューが混み合って未稼働だったもの。ようやく実戦投入です。他の方のブログを見ると4隅の周辺像がドンピシャといかない事例もあったので、その確認が主目的。こちらもこちらも、リザルトは記事後半で。

撮影記

月没、そして「明日から本気だす!」のあの方と遭遇

低層雲の上の月。この雲のおかげで阿蘇市方面の街灯りが「蓋」されたのか、この晩はいつになく暗い東天でした。

もう少し早く着いて月明かりで機材を撮りたかったのですが、ちょっと出遅れてヒゴタイ公園に着いたのは月がまさに沈まんとする夜の10時ごろ。FOT104を設置する時間はなく、大急ぎでRedCat51をカメラ三脚に載せ、沈みゆく月を記念撮影。

空を睨むBKP。なんとこの夜、彗星を15対象も撮られたとか。

ひとしきり月を撮り終えて、お隣さんにご挨拶。「明日のうぶやまは参加されるんですか?」「あー、天リフさんには行くって言ってるんだけどどうしようかなー」。えっ。もしやあなたは・・「けむけむです」。

いつかどこかでお会いするであろうと思っていたけむけむさん。今日も本気のけむけむさん。想像していたとおりの「楽しいオジサマ」でした!

寡黙に対象を追う漢の背中。「V-Tuberってほんと大変だよーー」「宇宙物理たんbotって、あれマジでガチだよね」

ここにもゆるゆる詐欺?ten.さんと遭遇

クローズアップレンズ使用の「自称」お手軽望遠鏡を操作するten. さん。「『白木峰に集まる人たち』はちょっと違うんですよフフフ。」と不適な笑み。

夜中ごろに登場したお隣さん。お話ししてみるとTwitterでしばしばリプをいただくten.さんでした!自作の望遠鏡を覗かせてもらったり、コーヒーをごちそうになったり。いろいろと話し込んで楽しい時間でした。

コーヒーは1杯分12gをフィルムケースに小分けされた豆をミルで轢き、自作アルコールランプとコーヒー用ポットでお湯を沸かして、あざやかな手つきでお湯を注ぎます。喫茶ten.の定番メニュー。

「昔は僕もガチだったんですけどねー」「今はゆるくやってます」うーむ。どっかで聞いたようなフレーズだぞ。こういう人に限って額面通り「ゆるい」はずがない。その直感は大当たり。出てくる言葉、出てくるブツ、全てがこだわりに貫かれたものばかり。これぞ「ゆる道」。


中でも渋さの極みが自作の13cm反射望遠鏡。全てがコンパクトな「キューブ」に収納(*)され、考え抜かれた設計、「なるほど!」が連発。

(*)収納時の姿は今のところ非公開^^とのことですが、ten.さんのtwitterをフォローすればいろいろチラ出しされるものと思われます^^

福岡市から来られた3人組

インスタのアドレスを交換して写真をお送りしました。こちらの画像は掲載許可済みです^^

こちらは対空双眼鏡?を持参されていた三人組の方。福岡市よりいらしたそうです。お願いして記念写真を撮らせていただきました。天リフ編集部行くところ「星空記念写真」あり。星空を楽しむ人の姿を撮るのは筆者のライフワーク。出会った方にはほぼ必ず記念撮影をお願いしております^^

これから出会うであろう皆様、よろしくお願いいたします!

今日は朝まで・・・

9時ごろ起床、脱皮直後の状態^^

この晩は夜明けまで撮影して、銀マットの上に寝転んで、モンベルのウィンドストッパーEXP.ダウンワンピースを着たまま就寝。この服があればこの季節なら寝袋要らず。厳冬期の徹夜でもポカポカ暖かい逸品です。

南を見ると快晴の空に噴煙を上げた阿蘇山の姿が。いい夜、いい星空でした!



 

リザルト

今回の撮影対象は主にメジャー天体。本当はいろいろと撮ってみたい「変態」な対象があれこれあるのですが、レビュー作例はやっぱり北アメリカ星雲・M33など、メジャーなわかりやすい対象をわかりやすく撮る!のが一番です。では順にみていきましょう。

FOT104+台湾LongPerng製フラットナーでM33

FOT104(D=104mm,fl=650mm) +台湾LongPerng社製汎用フラットナー α7S(静音モード12bit raw) ISO12800 30秒*260 Lフィルター トリミング ダーク、フラットなし DSSでDrizzle x2処理 ビクセンSXP赤道儀オートガイド 熊本県ヒゴタイ公園

この日のベストリザルト。元々は60分くらいで済ませるつもりだったのですが、ten.さん、けむけむさんと話し込みながらの放置撮影、期せずして長時間露出になりました^^ 15分1セットで手動ディザリングをかけているのですが、ちょっと縞ノイズがでちゃいましたねえ。それでも10MPのα7Sとは思えない解像感が出て嬉しい^^

FOT104の撮影レポートはこちらの記事もご参照ください^^

【FOT104実写レポート(2)】台湾LongPerng社製汎用フラットナーで使用してみた

RedCat51+JILVA170

EOS6D(SEO-SP4) RedCat51 ISO12800 20秒×160、ISO800 10秒×10 JILVA-170 フラット・ダークなし FlatAidProで飽和復元合成 熊本県ヒゴタイ公園

この日のセカンドベストリザルト。RedCar51と「ウェイトレス」状態のJILVA-170赤道儀を使用。「お淡い」ところはあんまり出ませんでしたが、オリオン大星雲付近は基本的に「濃い」のでしっかり写りましたね^^

こういう「短秒多数枚」の撮影では、高感度に強い「α7S」を使いたかったのですが、RedCat51のEFカメラマウントが光映舎の改造ボディに装着することができず、6Dを使用しました。純正ボディにはちゃんと装着できるのですが、サードベンダー製のボディマウントはいろいろ相性の問題があるようです。手持ちのEF-M4/3アダプタにも装着できませんでした(*)。これは対策を何か考えないと・・・

(*)何かに引っかかるような状態で、勘合しても回すことができませんでした。レンズ側・ボディ側ともにメーカーによって微妙な差があります。例えばシグマのバックキャップは純正EFレンズにはゆるゆるだったりします。

 

EOS5DMarkIII(ノーマル) RedCat51 ISO6400 20秒×62、JILVA-170 フラット・ダークなし 熊本県ヒゴタイ公園

こちらは非改造の5D3で。総露出20分ですが、無理矢理あぶり出しました^^;;; 非改造でもある程度は赤い星雲は出せるものですね。ただし、オリオン大星雲とは違って青の成分が少ないせいか、あまり「非改造機ならでは」の写りにはなりませんでした。

【連載9】実践・天体写真撮影記 ノーマル機の実力「青い」オリオン大星雲を撮る

こちらの作例ではディザリングを行いませんでした。そのせいかけっこうな「縞ノイズ」が出てしまっています(上ツイート左)。Camera rawのノイズ低減であらかた縞は消えてくれるのですが(上ツイート左)、その代償として「大きなまだら状の色むら」が出てしまいます。厳密な検証は行っていないのですが、5D3mk3は6Dと比べて「固定バイアスノイズ(読み出しノイズ)」が多いような気がしていますが、たぶんダーク減算をすればある程度軽減できるでしょう。次回があれば試してみたいと思います。

オリオン座

EOS5DMarkIII(ノーマル) RedCat51 SIGMA24mmF1.4Art F2.2 25秒 Photo Mergeで上下2枚パノラマ合成 固定撮影 プロソフトンA 熊本県ヒゴタイ公園

オリオン座と冬の大三角。オリオンが高くなってくると、心躍るものがあります。ソフトフィルターを付けてお手軽パノラマ合成。

2〜4枚程度の短秒のパノラマ撮影は、撮影も処理もあまり面倒でなく、レンズの明るさを生かして短時間露出でもそれなりの画質を得ることができます。コマ間の重ね合わせも目分量でOK。しかも、ソフトフィルターを使用したときの周辺の星像が「楕円」になりにくい(*)というメリットもあります。

(*)もちろん、パノラマ合成の際の投射方法によっては楕円になります。

まとめ

けむけむ号と沈む夏の大三角。α7S サムヤン35mmF1.4 F2.8 15秒 Photo Mergeで上下2枚パノラマ合成 固定撮影 熊本県ヒゴタイ公園

いかがでしたか?

今回の撮影記は「いろいろやろうぜ」モードで一貫したテーマはなかったのですが、いろいろな人との出会いがあっていつもとは違う楽しい時間を過ごすことができました。(けむけむさん、ten.さん、atamakiさん、ありがとうございました!)

旅は道連れ、世は情け。星も道連れ、世は情け。「人との出会い」は人間の永遠のエネルギー源ですね!

それでは皆様のご武運をお祈りしております。また次回お会いしましょう!

この晩の全天写真。西側は阿蘇・熊本・久留米・小国・日田・福岡と連なる市街地の灯り。でもなんとなく対日照も写っているような?

 


機材協力:

  • スタークラウド [FOT104、台湾LongPerng社製汎用フラットナー]

  https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/10/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/10/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-150x150.jpg編集部天体写真実践・天体写真撮影記みなさんこんにちは! 今年の夏はひたすら天候不順でしたね。平日・休日関係なし?の「フルタイム天文ファン」の編集部でも、この夏は数えるほどしか遠征に行くことができませんでした。でもまあ、夏は「暑い」んですよ;; 特に夏の「近征」は汗だく^^;; やっぱり涼しくなって天気も安定して空が澄んでくる「秋」が一番です! というわけで、10月上旬のある日、足を伸ばして熊本の「ヒゴタイ公園」まで撮影に行ってきました!翌日、天文ハウスTOMITAさん主催の星祭り「星宴2019inうぶやま」が開催される関係で、その前乗りです。 撮影のねらい 今回のテーマは 、いくつかの「機材テスト」です。おかげさまで天リフには各種機材の試用・レビュー依頼が殺到中(*)。ひとつひとつ、じっくり使用してしっかり使いこなし事例を読者の皆様にお届けするための「日常業務」の一貫であります^^ (*)割とほんとです。消化しきれなくて今年いっぱいはレビュー三昧? FOT104 まずはスタークラウド様からお借りしている分離式3枚玉アポクロマート鏡筒。眼視性能の高さは天リフでもレビューしてきたものですが、この夏からはいろいろな補正レンズを使用した実写テストを行っています。 今回は台湾Long Perng社製の汎用フラットナーを使用した試写。ベランダでの撮影では好結果が出ているので、遠征地でのガチ撮り評価が目的。リザルトは本記事の後半で。 JILVA-170 もうひとつは赤道儀JILVA-170。この製品は5年ほど前にSB工房のTaさんから購入した製品で、筆者がサラリーマン時代から長く主力機として使っているものです。一言でいうと「SWATシリーズをさらに尖らせた赤道儀」。直径170mmという「ばかでかい」ウォームホイールを使用し、ピリオディックモーションを極限まで減らそうというコンセプト。公称値は±4秒角。 実はこのJILVA-170、近日お嫁に出る予定なのです。JILVA-170の安定した性能は何の不満もなくできればずっと手元に置いておきたいのですが(*)、現在筆者はSWAT-310を含めてポータブル赤道儀が4台、ドイツ式赤道儀が改造APにSXPにEQ5GOTOの3台と過剰気味^^;; 赤道儀はあれどもカメラがその数だけない現状、機材のスリムアップを図る意味で活用していただけそうな方にお譲りすることを決心しました。そこで最後の動作確認の意味を含めて「お別れラストライト」に出動してもらいました。 (*)「買いたくてもなかなか買えない」幻の?逸品です。オク出せば買値以上で売れるかも知れませんが、それではTa様に顔向けできませんので、天リフ読者様のもとへ。売上金は次のレビュー機材の購入と家族サービスに充当されます^^;;; バランスウェイトを忘れるの巻^^;;; ところが・・・「星宴」の準備でバタバタしている中、なんとバランスウェイトと極軸望遠鏡支持金具というポータブル赤道儀の生命線の2つのアイテムを忘れてきてしまったのです。さすがに心が折れそうになりました(*)。 (*)まずウェイトがないのに気がつき、気を取り直して設置を終える直前、極望金具がないことに気がついたという2段ショック^^;;;。 いや、しかし。ここでくじけてはならない。短秒多数枚ならなんとかなるはずだ!JILVA-170の高い保持力があれば、子午線付近を外して低めの対象なら影響は小さくなるはず。極軸も覗き穴で慎重に追い込めば1°くらいの精度で設置できる。淡いところはあきらめて、流れない露出時間で多数枚!Taさんの顔となぜかアムロの顔が頭に去来する中、ベストを尽くそうと決意^^;;こちらもリザルトは記事後半で。 RedCat51 もうひとつ。RedCat51です。こちらは天リフのレビューで使用した借用機とは別、自分用に自腹購入したものですが、4月のオーストラリア遠征に間に合わず、以降は他のレビューが混み合って未稼働だったもの。ようやく実戦投入です。他の方のブログを見ると4隅の周辺像がドンピシャといかない事例もあったので、その確認が主目的。こちらもこちらも、リザルトは記事後半で。 撮影記 月没、そして「明日から本気だす!」のあの方と遭遇 もう少し早く着いて月明かりで機材を撮りたかったのですが、ちょっと出遅れてヒゴタイ公園に着いたのは月がまさに沈まんとする夜の10時ごろ。FOT104を設置する時間はなく、大急ぎでRedCat51をカメラ三脚に載せ、沈みゆく月を記念撮影。 ひとしきり月を撮り終えて、お隣さんにご挨拶。「明日のうぶやまは参加されるんですか?」「あー、天リフさんには行くって言ってるんだけどどうしようかなー」。えっ。もしやあなたは・・「けむけむです」。 いつかどこかでお会いするであろうと思っていたけむけむさん。今日も本気のけむけむさん。想像していたとおりの「楽しいオジサマ」でした! ここにもゆるゆる詐欺?ten.さんと遭遇 夜中ごろに登場したお隣さん。お話ししてみるとTwitterでしばしばリプをいただくten.さんでした!自作の望遠鏡を覗かせてもらったり、コーヒーをごちそうになったり。いろいろと話し込んで楽しい時間でした。 「昔は僕もガチだったんですけどねー」「今はゆるくやってます」うーむ。どっかで聞いたようなフレーズだぞ。こういう人に限って額面通り「ゆるい」はずがない。その直感は大当たり。出てくる言葉、出てくるブツ、全てがこだわりに貫かれたものばかり。これぞ「ゆる道」。 中でも渋さの極みが自作の13cm反射望遠鏡。全てがコンパクトな「キューブ」に収納(*)され、考え抜かれた設計、「なるほど!」が連発。 (*)収納時の姿は今のところ非公開^^とのことですが、ten.さんのtwitterをフォローすればいろいろチラ出しされるものと思われます^^ 福岡市から来られた3人組 こちらは対空双眼鏡?を持参されていた三人組の方。福岡市よりいらしたそうです。お願いして記念写真を撮らせていただきました。天リフ編集部行くところ「星空記念写真」あり。星空を楽しむ人の姿を撮るのは筆者のライフワーク。出会った方にはほぼ必ず記念撮影をお願いしております^^ これから出会うであろう皆様、よろしくお願いいたします! 今日は朝まで・・・ この晩は夜明けまで撮影して、銀マットの上に寝転んで、モンベルのウィンドストッパーEXP.ダウンワンピースを着たまま就寝。この服があればこの季節なら寝袋要らず。厳冬期の徹夜でもポカポカ暖かい逸品です。 南を見ると快晴の空に噴煙を上げた阿蘇山の姿が。いい夜、いい星空でした!   リザルト 今回の撮影対象は主にメジャー天体。本当はいろいろと撮ってみたい「変態」な対象があれこれあるのですが、レビュー作例はやっぱり北アメリカ星雲・M33など、メジャーなわかりやすい対象をわかりやすく撮る!のが一番です。では順にみていきましょう。 FOT104+台湾LongPerng製フラットナーでM33 この日のベストリザルト。元々は60分くらいで済ませるつもりだったのですが、ten.さん、けむけむさんと話し込みながらの放置撮影、期せずして長時間露出になりました^^ 15分1セットで手動ディザリングをかけているのですが、ちょっと縞ノイズがでちゃいましたねえ。それでも10MPのα7Sとは思えない解像感が出て嬉しい^^ FOT104の撮影レポートはこちらの記事もご参照ください^^ https://reflexions.jp/tenref/orig/2019/10/13/9576/ RedCat51+JILVA170 この日のセカンドベストリザルト。RedCar51と「ウェイトレス」状態のJILVA-170赤道儀を使用。「お淡い」ところはあんまり出ませんでしたが、オリオン大星雲付近は基本的に「濃い」のでしっかり写りましたね^^ こういう「短秒多数枚」の撮影では、高感度に強い「α7S」を使いたかったのですが、RedCat51のEFカメラマウントが光映舎の改造ボディに装着することができず、6Dを使用しました。純正ボディにはちゃんと装着できるのですが、サードベンダー製のボディマウントはいろいろ相性の問題があるようです。手持ちのEF-M4/3アダプタにも装着できませんでした(*)。これは対策を何か考えないと・・・ (*)何かに引っかかるような状態で、勘合しても回すことができませんでした。レンズ側・ボディ側ともにメーカーによって微妙な差があります。例えばシグマのバックキャップは純正EFレンズにはゆるゆるだったりします。   こちらは非改造の5D3で。総露出20分ですが、無理矢理あぶり出しました^^;;; 非改造でもある程度は赤い星雲は出せるものですね。ただし、オリオン大星雲とは違って青の成分が少ないせいか、あまり「非改造機ならでは」の写りにはなりませんでした。 https://reflexions.jp/tenref/orig/2019/02/05/7905/ https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1182579058493681664 こちらの作例ではディザリングを行いませんでした。そのせいかけっこうな「縞ノイズ」が出てしまっています(上ツイート左)。Camera rawのノイズ低減であらかた縞は消えてくれるのですが(上ツイート左)、その代償として「大きなまだら状の色むら」が出てしまいます。厳密な検証は行っていないのですが、5D3mk3は6Dと比べて「固定バイアスノイズ(読み出しノイズ)」が多いような気がしていますが、たぶんダーク減算をすればある程度軽減できるでしょう。次回があれば試してみたいと思います。 オリオン座 オリオン座と冬の大三角。オリオンが高くなってくると、心躍るものがあります。ソフトフィルターを付けてお手軽パノラマ合成。 2〜4枚程度の短秒のパノラマ撮影は、撮影も処理もあまり面倒でなく、レンズの明るさを生かして短時間露出でもそれなりの画質を得ることができます。コマ間の重ね合わせも目分量でOK。しかも、ソフトフィルターを使用したときの周辺の星像が「楕円」になりにくい(*)というメリットもあります。 (*)もちろん、パノラマ合成の際の投射方法によっては楕円になります。 まとめ いかがでしたか? 今回の撮影記は「いろいろやろうぜ」モードで一貫したテーマはなかったのですが、いろいろな人との出会いがあっていつもとは違う楽しい時間を過ごすことができました。(けむけむさん、ten.さん、atamakiさん、ありがとうございました!) 旅は道連れ、世は情け。星も道連れ、世は情け。「人との出会い」は人間の永遠のエネルギー源ですね! それでは皆様のご武運をお祈りしております。また次回お会いしましょう!   機材協力: スタークラウド  編集部発信のオリジナルコンテンツ