2019年10月5/6日に、熊本県産山村で「星宴(せいえん)2019inうぶやま・九州大観望会」が開催され、編集部も参加してきました。以下、そのレポートです!

4年ぶりに開催された大観望会「星宴2019inうぶやま」

このイベントは2012年に開催された「九州大観望会in清和高原天文台」が最初です。翌2013年と2014年には九州北部豪雨で被災した星野村で開催され、この時から被災地に「声援を送る」意味を持つ「星宴(せいえん)」が名前に入っています。その後2016年の熊本地震の影響もあってしばらく開催がなかったのですが、今年4年ぶりに「星宴(せいえん)2019inうぶやま・九州大観望会」として開催の運びになりました。

天文ハウスTOMITAのブログ・星宴ホウコク!その① [観望会・イベント]
https://y-tomita.blog.ss-blog.jp/2019-10-08
天文ハウスTOMITAのブログ・星宴ホウコク!その② [観望会・イベント]
https://y-tomita.blog.ss-blog.jp/2019-10-08-1

【天文ショップ訪問】(1)天文ハウスTOMITA(福岡県)



主催は九州・福岡の天体望遠鏡ショップ「天文ハウスTOMITA」さん。日本の「星まつり」は新潟県胎内や長野県原村のような大規模で歴史もあるイベントがいくつかありますが、民間の天体望遠鏡ショップが開催する「星まつり」は珍しいのではないでしょうか。

今回筆者は傍らで見ていただけですが、大きなイベントを開催するのはさまざまな面で大変なものだと実感しました。このような素晴らしい企画を実行された天文ハウスTOMITA様に深い敬意を表するものです。

 

大人も子供も楽しめるプログラム

当日のプログラム。土曜日の夕方16時に開会し、翌朝10時に閉会。天文マニアから地元の子供たちまで、多種多様な参加者を想定したプログラムが準備されていました。

 

こちらは「ワークショップ」のランタン制作の成果物。同じように制作されたランタンが会場のところどころに灯っていました。星見の際にじゃまになりにくい、光量を抑えたものです。

一同に会した天体望遠鏡と大観望会

会場は広い草地になっていて、巨大なものから小さなものまで、さまざまな天体望遠鏡がずらりと並び、めいめいが思い思いに星空を眺めています。

夕方は雲が多く、時折顔を見せる月や木星、土星が見られる程度でしたが、夜半ごろから雲がなくなり、素晴らしい星空となりました。未確認情報ですが当日はSQM21.5だったという測定結果もあり、産山村の星空適性の高さを感じました。

こちらは主催社の出品、口径15cmアポクロマート鏡筒の三連装です。すごい迫力で多くの人の注目を集めていました。

ちなみに手前の鏡筒はあるカメラメーカーが「技術伝承」を目的に1台だけ制作した3枚玉アポクロマート。筆者も覗かせてもらいましたが、素晴らしい切れ味でした(*)。

(*)某Astec社のKさんによると、レンズの厚みが薄く軽量で最初2枚玉だと思ったほどだそうです。レンズは金属のリングにコーキング剤で貼り付けられて両側から押さえる構造で独自の工夫が凝らされているそうです。

中央のゴールドの鏡筒は、胎内星まつりなどでも展示されたWillium Optics社の15cmアポクロマートFLT156APOです。こちらも大変良く見えました!

会場には小さなお子さんも天体望遠鏡を覗いていました。こちらは土星を見ているところ。忘れられない思い出となったことでしょう。

協賛社の出展

高橋製作所

メーカー様からも出展があり、多数の機材が展示され、専門のスタッフに直接お話しを聞くことができました。こちらはタカハシのミューロン180C。実際に月を見せていただきましたが、さすがのタカハシ・長焦点の反射光学系とは思えない鋭い像でした。

写真のEM-11赤道儀が生産終了になったことと「胎内で新型赤道儀が出る」との噂がめぐったことについても訊いてみました。「いやあれは・・・(以下自粛)」。ここには書けない?ぶっちゃけ話が直接聞けるのも星祭りのいいところ^^ 内容は上のツイートの通りですが、「時間の問題」「かなり攻めてる」という印象を受けました。

他には最近発売された「FC-100DZ」の展示もありました。限定バージョンのFC-100DLと同等の性能を発揮しつつ焦点距離を短くおさえたモデルで、そのコンパクトさは一目瞭然。「Z」の名に恥じない「最終兵器」となることでしょう。

ビクセン

ビクセンブース。新型「ポラリエU」の展示です。剛性の高そうな極軸微動装置と赤経架頭ユニットに注目。FL55SSを搭載していますが、このくらいの焦点距離なら余裕でしょう。写真用赤道儀としてユーザーの選択肢がまたひとつ広がることに期待です。

他には「ビクセン70周年」記念仕様の「赤いR200SS(*)」や、近年特に重要になってきた「天体写真のフィルターワーク」のための「48mm/52mm互換フィルター接続リング」などが眼を引きました。

(*)後の成澤さんの天文講座でも出てくる「コレクタPH」のような高性能補正レンズの登場もあって、R200SSは最近人気急上昇だそうです。

リコーイメージング(PENTAX)

リコーイメージングからは「PENTAX-K1II」と360°カメラ「THETA」などが出展されていました。

天体写真マニアを悩ませる「ミラーボックスけられ」がK-1ではほとんど出ないという情報を最近聞いたのですが、それを確かめてみました。たしかに、ミラーが跳ね上がる部分が他社製品よりも大きく、左右のマージンもより広いようです(*)。これならミラーケラレが少ないのも納得です。

(*)カメラレンズの場合は、レンズに近い小さな後玉に光を集めることでマウントやミラーボックスのけられを少なくすることができますが、対物レンズからそのまま光が斜めに入射する天体望遠鏡の場合は、センサーよりもかなり大きなマージンがボディ内にないと、入射光を遮ってしまいます。

天文ハウスTOMITA

天文ハウスTOMITAからは、ハーモニックドライブのCRUXマウントや、RedCat51とそのさまざまなスペシャルモデルなどのWillium Optics製品が、多数展示されていました。写真はFSQ106ED用の「透明バーティノフマスク内蔵レンズキャップ」。産山入り前日の遠征で、見事バーティノフマスクを忘れてしまった筆者は「これ欲しい!」状態^^

他には高いコスパで注目の「賞月観星」ブランドの双眼鏡が多数並べられ、自由に見られるようになっていました(写真左端)。比較用にスワロフスキー製品もあったりとても贅沢な環境。チョイ見でしたのでつっこんだ評価はありませんが、負けず劣らず良く見えたことだけは事実です!



番外)星ナビの取材クルー

番外編。星ナビからも取材クルーが^^ 他にも熊本日日新聞も取材に来られていました。

天文講座