セレストロン社から「焦点距離400mmF2.0」という極めて明るい写真専用の天体望遠鏡「Rowe-Ackermann Schmidt Astrograph」、RASA 8が発表されています。

8” Rowe-Ackermann Schmidt Astrograph (RASA 8)

https://www.celestron.com/products/8-rowe-ackermann-schmidt-astrograph-rasa-8

「RASA」というモデルは、2014年に「11インチF2.2」モデルが発売されていますが、この製品はそのダウンサイジング版。こちらのサイトでは1699ドル。11インチ版よりずっと安く小型軽量になっています。

大事なことなのでもう一度言います。1699ドル!円換算で20万切りです。(日本での正式な販売の有無、時期、価格は不明です)



 

https://www.celestron.com/products/8-rowe-ackermann-schmidt-astrograph-rasa-8

RASAは、いろいろな意味で従来の天体望遠鏡と異なった製品です。ベースはシュミカセ(シュミットカセグレン)望遠鏡ですが、副鏡も接眼部も存在せず、副鏡の位置に直接カメラを取り付けて使用します。

https://www.celestron.com/products/8-rowe-ackermann-schmidt-astrograph-rasa-8

 

こんな感じです。この方法だとカメラが大きいと筐体が光を遮ってしまうのですが、最近はミラーレスや天体用CMOSカメラなど、小さな筐体で十分な性能をもつカメラが一般化してきているため、十分実用になるのでしょう。

従来製品のRASA11はフルサイズ対応でしたが、8インチモデルのRASA8は「APS-C」以下のサイズのセンサーに特化しています。また、「F2.0」という明るさを生かした「ライブスタックによるリアルタイム観望」についても言及されており、写真撮影だけでない新しい利用方法を強く意識しているようです。

https://www.celestron.com/products/8-rowe-ackermann-schmidt-astrograph-rasa-8

 



上の画像は主鏡の後側。ピント合わせはシュミカセ同様の主鏡シフト方式のようです。デジカメの液晶モニターは反対側の筒先ですから、そのままではピント合わせは難しそう。外部のモニタに飛ばして行うのが本道でしょう。

他にも、裏像であること、ケーブルの取り回しなど、従来の天体望遠鏡とは大きく勝手が異なることには注意が必要です。

しかし、「焦点距離400mmF2.0」という夢のような明るさの光学系が普通の価格で入手できるとは、すごい時代になったものですね。

M31アンドロメダ銀河・F2.2の威力

ちなみに、11インチ版RASAを使用した作品をこちらで紹介させていただいています。

わずか65分の露出でこの写り。明るい光学系の威力ですね。

 

※初出時に「400mmF2.0」と表記していましたが、「焦点距離400mmF2.0」と修正しています。(カメラレンズ風に「400mmF2.0」と表記したのですが、天体望遠鏡では「(口径)mmF2.0」の表記も一般的であるため誤解をされかねない表記でした。) https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/09/f49e690122253758a1619b68933d464a-1024x683.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/09/f49e690122253758a1619b68933d464a-150x150.jpg編集部望遠鏡セレストロン社から「焦点距離400mmF2.0」という極めて明るい写真専用の天体望遠鏡「Rowe-Ackermann Schmidt Astrograph」、RASA 8が発表されています。 https://www.celestron.com/products/8-rowe-ackermann-schmidt-astrograph-rasa-8 「RASA」というモデルは、2014年に「11インチF2.2」モデルが発売されていますが、この製品はそのダウンサイジング版。こちらのサイトでは1699ドル。11インチ版よりずっと安く小型軽量になっています。 大事なことなのでもう一度言います。1699ドル!円換算で20万切りです。(日本での正式な販売の有無、時期、価格は不明です)   RASAは、いろいろな意味で従来の天体望遠鏡と異なった製品です。ベースはシュミカセ(シュミットカセグレン)望遠鏡ですが、副鏡も接眼部も存在せず、副鏡の位置に直接カメラを取り付けて使用します。   こんな感じです。この方法だとカメラが大きいと筐体が光を遮ってしまうのですが、最近はミラーレスや天体用CMOSカメラなど、小さな筐体で十分な性能をもつカメラが一般化してきているため、十分実用になるのでしょう。 従来製品のRASA11はフルサイズ対応でしたが、8インチモデルのRASA8は「APS-C」以下のサイズのセンサーに特化しています。また、「F2.0」という明るさを生かした「ライブスタックによるリアルタイム観望」についても言及されており、写真撮影だけでない新しい利用方法を強く意識しているようです。   上の画像は主鏡の後側。ピント合わせはシュミカセ同様の主鏡シフト方式のようです。デジカメの液晶モニターは反対側の筒先ですから、そのままではピント合わせは難しそう。外部のモニタに飛ばして行うのが本道でしょう。 他にも、裏像であること、ケーブルの取り回しなど、従来の天体望遠鏡とは大きく勝手が異なることには注意が必要です。 しかし、「焦点距離400mmF2.0」という夢のような明るさの光学系が普通の価格で入手できるとは、すごい時代になったものですね。 http://reflexions.jp/tenref/gallery/2018/09/10/5935/ ちなみに、11インチ版RASAを使用した作品をこちらで紹介させていただいています。 わずか65分の露出でこの写り。明るい光学系の威力ですね。   ※初出時に「400mmF2.0」と表記していましたが、「焦点距離400mmF2.0」と修正しています。(カメラレンズ風に「400mmF2.0」と表記したのですが、天体望遠鏡では「(口径)mmF2.0」の表記も一般的であるため誤解をされかねない表記でした。)編集部発信のオリジナルコンテンツ