ソニーから3kgを切る400mmF2.8(ヨンニッパ)レンズ
サプライズは重量。ソニー「FE 400mm F2.8 GM OSS」。重量2895gはヨンニッパとして画期的軽さ。価格は12000ドルで他社並。軽量化の鍵は大口径の前群レンズを1枚きりにした設計だが光学性能はいかに。フィルターサイズは40.5mm。
デジカメInfoよりピックアップ。https://t.co/Q3QYxRda9v— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) June 27, 2018
まもなく日本でも発表になるかと思いますが、ソニーがFEマウントの400mmF2.8レンズを海外で発表しています。
追記)日本でも発表されました。
SONY・SEL400F28GM
https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL400F28GM/
9月上旬出荷開始、希望小売価格160万円(税別)。三脚座にベアリングを使用、最前面レンズはフッ素コーティングです。
追記終わり)
「ヨンニッパ」で驚きの3kg切り。キヤノンの同スペック製品が3.8kgですから、1kg近く軽量になっています。さらに前の世代では5kg以上もあったヨンニッパがここまで軽くなると、超望遠の世界も一気に身近になるでしょう。
(価格は12000ドルらしいので全く身近ではありませんが)
ソニーUK・FE 400mm F2.8 GM OSS
https://www.sony.co.uk/electronics/camera-lenses/sel400f28gm#product_details_default
ここまでの軽量化を実現した理由の一つがレンズ構成。超望遠レンズでは、最前群の大口径レンズの重量がボトルネックでした。ソニーの製品では、前群を1枚きりとし、大きく離した3枚の蛍石レンズで色収差を始め諸収差を補正するというコンセプト。
巨大なテレコンの付いた中望遠レンズのようにもみえますね。
最前群のレンズは特殊硝子材ではありません。この設計のメリットは高価な蛍石のようなレンズが比較的小さなサイズで済むことにもあると推測されます。そのかわり、蛍石レンズを3枚使用しています。
キヤノン・EF400mm F2.8L IS II USM仕様
http://cweb.canon.jp/ef/lineup/super-tele/ef400-f28l-is-ii/spec.html
こちらのキヤノンの400mmF2.8と比較すれば、その設計コンセプトの違いは一目瞭然でしょう。
ソニーUK・FE 400mm F2.8 GM OSS
https://www.sony.co.uk/electronics/camera-lenses/sel400f28gm#product_details_default
「これまにないほど軽量化する」という設計目標は、光学性能にマイナスの影響を与えているのではないかと推測するのが自然ですが、MTFを見る限り性能も最高レベル。ほとんど直線です。
DPREVIEW・First Impressions: Sony FE 400 F2.8 GM OSS
https://www.dpreview.com/articles/1870760563/first-impressions-sony-fe-400-f2-8-gm-oss?slide=3
ただし、解放時のボケがいまひとつ汚いのではないかとの懸念もあります。マウント径の小さなFEマウントでは、口径食により周辺のボケの形状がキレイにならないせいでしょうか?このへんはより詳しい実写を待ちたいところです。
また、テレコン特性がどのようになるかにも注目。ソニーのEマウントはマウントによる最周辺のケラレがかなり深く、焦点距離が長くなるとその影響がかなり出てくるのでそのへんも気になります。
ネイチャーショップKYOEI・FSQ130ED
http://www.kyoei-osaka.jp/SHOP/takahashi-fsq130ed.html
天文ファン的には、120万あればCCAやTOA、FSQ130EDといったあたりが余裕で買える射程に入る(*)のでなかなか手が出ませんが、F2.8の明るさと3kgの重量を生かせば、ポータブル赤道儀のようなライト機材でディープスカイを撮るという超渋いスタイルが可能になります。宝くじが当たれば間違いなく買いでしょう^^
(*)訂正。FSQ130EDが実売税抜132万、CCAは同142万、TOA150は同128万でした。余裕では買えませんでした^^;;
もしその日がきたら、「40.5mm」という天文屋としては中途半端なフィルター径が悩みの種になりそうです。48mmフィルターを専門の方に依頼して40.5mmフィルター枠に入るように加工するのが一番の早道ですかね。宝くじも当たっていることですしw
追記)デジカメWatchに追加情報あり。
「高解像とボケ味の両立のために、ボケ味に影響する球面収差を製造工程で1本ごとに調整するという。」とありますが、ボケ味を調整するというよりも前玉が大きく離れているためシビアな調整が必要だということでしょう。調整が必要ということは狂う可能性があるということでもあります。製造歩留まりと個体差、経年変化については製品が出てみたいとわからないかもしれませんね。
ソニーのFE400mmF2.8GM。マグネシウム鏡筒のカットモデル、テレコンが2個入る付属トランクケース、本体の7個のスイッチの画像有り。フィルターボックスはかなりセンサー面に近い。天体用途ではゴーストが心配。
デジカメWatchよりピックアップ。https://t.co/dOCTRznUaK— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) June 28, 2018
追記終わり) https://reflexions.jp/tenref/orig/2018/06/28/5635/ソニーから3kgを切る400mmF2.8(ヨンニッパ)レンズhttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/06/0628.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/06/0628-150x150.jpgカメラレンズhttps://twitter.com/tenmonReflexion/status/1012079904718852096 まもなく日本でも発表になるかと思いますが、ソニーがFEマウントの400mmF2.8レンズを海外で発表しています。 追記)日本でも発表されました。 SONY・SEL400F28GM https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL400F28GM/ 9月上旬出荷開始、希望小売価格160万円(税別)。三脚座にベアリングを使用、最前面レンズはフッ素コーティングです。 追記終わり) 「ヨンニッパ」で驚きの3kg切り。キヤノンの同スペック製品が3.8kgですから、1kg近く軽量になっています。さらに前の世代では5kg以上もあったヨンニッパがここまで軽くなると、超望遠の世界も一気に身近になるでしょう。 (価格は12000ドルらしいので全く身近ではありませんが) ソニーUK・FE 400mm F2.8 GM OSS https://www.sony.co.uk/electronics/camera-lenses/sel400f28gm#product_details_default ここまでの軽量化を実現した理由の一つがレンズ構成。超望遠レンズでは、最前群の大口径レンズの重量がボトルネックでした。ソニーの製品では、前群を1枚きりとし、大きく離した3枚の蛍石レンズで色収差を始め諸収差を補正するというコンセプト。 巨大なテレコンの付いた中望遠レンズのようにもみえますね。 最前群のレンズは特殊硝子材ではありません。この設計のメリットは高価な蛍石のようなレンズが比較的小さなサイズで済むことにもあると推測されます。そのかわり、蛍石レンズを3枚使用しています。 キヤノン・EF400mm F2.8L IS II USM仕様 http://cweb.canon.jp/ef/lineup/super-tele/ef400-f28l-is-ii/spec.html こちらのキヤノンの400mmF2.8と比較すれば、その設計コンセプトの違いは一目瞭然でしょう。 ソニーUK・FE 400mm F2.8 GM OSS https://www.sony.co.uk/electronics/camera-lenses/sel400f28gm#product_details_default 「これまにないほど軽量化する」という設計目標は、光学性能にマイナスの影響を与えているのではないかと推測するのが自然ですが、MTFを見る限り性能も最高レベル。ほとんど直線です。 DPREVIEW・First Impressions: Sony FE 400 F2.8 GM OSS https://www.dpreview.com/articles/1870760563/first-impressions-sony-fe-400-f2-8-gm-oss?slide=3 ただし、解放時のボケがいまひとつ汚いのではないかとの懸念もあります。マウント径の小さなFEマウントでは、口径食により周辺のボケの形状がキレイにならないせいでしょうか?このへんはより詳しい実写を待ちたいところです。 また、テレコン特性がどのようになるかにも注目。ソニーのEマウントはマウントによる最周辺のケラレがかなり深く、焦点距離が長くなるとその影響がかなり出てくるのでそのへんも気になります。 ネイチャーショップKYOEI・FSQ130ED http://www.kyoei-osaka.jp/SHOP/takahashi-fsq130ed.html 天文ファン的には、120万あればCCAやTOA、FSQ130EDといったあたりが余裕で買える射程に入る(*)のでなかなか手が出ませんが、F2.8の明るさと3kgの重量を生かせば、ポータブル赤道儀のようなライト機材でディープスカイを撮るという超渋いスタイルが可能になります。宝くじが当たれば間違いなく買いでしょう^^ (*)訂正。FSQ130EDが実売税抜132万、CCAは同142万、TOA150は同128万でした。余裕では買えませんでした^^;; もしその日がきたら、「40.5mm」という天文屋としては中途半端なフィルター径が悩みの種になりそうです。48mmフィルターを専門の方に依頼して40.5mmフィルター枠に入るように加工するのが一番の早道ですかね。宝くじも当たっていることですしw 追記)デジカメWatchに追加情報あり。 「高解像とボケ味の両立のために、ボケ味に影響する球面収差を製造工程で1本ごとに調整するという。」とありますが、ボケ味を調整するというよりも前玉が大きく離れているためシビアな調整が必要だということでしょう。調整が必要ということは狂う可能性があるということでもあります。製造歩留まりと個体差、経年変化については製品が出てみたいとわからないかもしれませんね。 https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1012267193948467200 追記終わり)編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
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