この記事の内容星見屋.com 特別協賛!(*)
CMOSカメラをより簡単に便利に使うために。ZWO社から一昨年に発売されたスマートWiFiデバイス「ASI AIR(**)」がさらにパワーアップした第2世代の製品「ASI AIR PRO」が発売されました。今回星見屋.com様より機材をお借りすることができましたので、短期集中連載で「ASI AIR PRO」の全貌をご紹介していきたいと思います。第1回は「外観編」です!

(*)特別協賛とは、本記事のサムネイルおよび記事中にスポンサー様の特別広告枠を掲載することにより対価をいただく形です。記事そのものの編集ポリシーは通常の天リフ記事と同等です。

(**)「ASI AIR PRO」の発売にともなって前バージョンの製品「ASI AIR」は生産終了(終売)となっています。

ASI AIR PROとは?

左が従来製品のASI AIR、右が「ASI AIR PRO」。

「ASI AIR」は、これまで制御にパソコンが必須だった天体用CMOSカメラを、全てスマホ・タブレットのアプリからWiFi経由で操作できるようにした画期的な「スマートWiFiデバイス」です。

ガイドカメラ・撮影用カメラの両方をコントロールでき、オートガイドや対象を指定した自動導入、ピント合わせ・プレビュー表示や撮影シーケンスの管理だけでなく、撮像データから自動的に天体望遠鏡の向きを自動検出するPlate Solvingや、フィルターホイールの操作など「必要なことは全部できる」ことを目指しています。

撮影用カメラはZWO社のCMOSカメラだけでなく、ニコン・キヤノンのデジタル一眼カメラにも対応しています(一部未対応・動作確認中機種あり)。http://hoshimiya.com/?pid=147642367

このASI AIRの「第2世代」版が「ASI AIR PRO」です。筐体と基本システム(ラズパイ)が一新され、同時にアプリもバージョンアップされて、電視観望でも有用なライブスタック機能などのASI AIR PROだけで使える機能も追加されています(*)。

(*)前製品「ASI AIR」ではこれらの一部の追加機能は使用することはできません。今後の新機能は基本的に「PRO」が前提となるようですが、最新バージョン1.4の機能追加には前モデルでも使用できるものもあるようです。詳細は次回以降で解説予定です。

製品パッケージ

「ASI AIR PRO」の製品パッケージを開けると本体に加えて多数のケーブルが付属しています。

増加したのは主に12Vケーブル関連。5.5×2.1mm規格のオス・オスのケーブルが長短(50cmと1m)2本、1.5mの延長ケーブルが1本付属しています。

他にUSBケーブル3.0タイプA/Bのケーブルが1本、USBタイプAとシリアルの変換ケーブルが1本付属します。

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堅牢なアルミニウム製筐体

写真のUSBメモリスティックは付属で64GB。

筐体はアルミニウムのCNC削り出しで精密感の高いものです。プラ製だった「ASI AIR」と比較すると放熱効率もよいことでしょう(*)。

(*)「ASI AIR PRO」では大幅に処理能力が向上したラズパイ4が使用されています。このため、ラズパイ4ではヒートシンクなどの放熱対策が必要ですが、「ASI AIR PRO」でもCPUの熱が筐体で逃がされる構造になっています。

ネットで見るかぎり、この「ASI AIR PRO」と類似の削り出し加工で、これほどまでの質感を実現したラズパイ4用のアルミケースは見つけることができませんでした。オリジナル品なのかもしれません。

電源のON/OFFボタンとインジケーターLEDが新たに追加されています。

電源は「ASI AIR」では専用の12Vのコネクタ経由でUSB給電でしたが、「ASI AIR PRO」では12V給電となりました。

 

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柔軟になった鏡筒への取り付け

中央の太いネジ穴は1/4カメラネジ規格です。ネジ穴が若干浅いので適切な長さのネジを使用する必要があります。長すぎると内部パーツと干渉して締め込むことができないことがあります。

「ASI AIR」では筐体はベロクロテープで鏡筒に貼り付ける想定でしたが、「ASI AIR PRO」ではビクセンファインダー規格のアリガタとなり、より柔軟な構成が可能になりました。アリガタはM4ネジ2本で取り付けられていて、上の画像のように簡単に外すことができ、装着位置と向きをカスタマイズすることができます。

ファインダーアリミゾに装着したところ。筆者の場合、ファインダーアリミゾにガイドカメラを装着していたので、この構成だと困ります。

そこで、付属のアリガタを取り外してアルカスイス互換のプレートを装着します。筐体はCNCで高精度に加工されているのでしっかりプレートを装着することができます。

鏡筒バンドの1/4ネジにアルカスイス互換クランプを装着しておけば、簡単に「ASI AIR PRO」を脱着できます。ちなみに「ASI AIR」のときは写真の位置にベロクロで筐体を取り付けていました。

「ASI AIR PRO」には側面にも1/4ネジ穴があります。こちらにアルカスイス互換プレートを装着すれば、

このように「ASI AIR PRO」の筐体上にガイドカメラを搭載することも可能になります。「ASI AIR PRO」の筐体の剛性は十分あるので重いガイドカメラでなければこの構成も割とアリかもしれません。ただし、写真のニュートン反射の場合は、ファインダーアリミゾと鏡筒の接続の剛性が不足気味(*)で、本格運用に耐えるかはちょっと心配な感じです。

(*)ファインダー台座部が鏡筒の鋼板にネジ止めされているのですが、上の画像の通り台座部のモーメント加重が大きくなり若干揺れる感じです。

こちらはK-ASTEC製の鏡筒バンドのトッププレートに「ASI AIR PRO」を搭載したところ。この構成なら剛性感は十分な感じ。

今回はまだ実写していないので、ご紹介した構成がどこまで実用になるかどうかは不明ですが、システム構成の自由度が上がったことは事実で、いろいろな工夫が可能になりました。引き続きいろいろ実写してみたいと思います。

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USB3.0対応

USBコネクタの数は前製品と同じ4個ですが、うち2つはUSB3.0対応となりました。カメラからの画像転送速度の高速化が期待できそうです。

64GBのUSBメモリスティックが付属します。内蔵のマイクロSDカードだけでなく、こちらを指定して撮影データを保存することも可能で、「ASI AIR」よりもデータ領域が大きくなりました。

ただし、USBメモリスティックを使用するとASI AIRの空きUSBポートは3個。撮影カメラ・ガイドカメラ・赤道儀で使ってしまうと、フィルターホイールやオートフォーカサー用の口が足りなくなります。非冷却モデルのカメラなど、カメラ側に拡張用のUSB端子のない場合は、USBハブで口数を増やすか、内蔵マイクロSDカードを使用するなどの対応が必要でしょう(*)。

(*)Sky-WatherのSynScanの場合はWiFiアダプタを使用して赤道儀とWiFi接続にすることで、USBの口を1個節約できます。

前製品と同様、OS・ファームウェアはマイクロSDカードに入っていて筐体に差し込まれています。撮影データの保存先をUSBメモリスティックに指定しておけば、このカードを抜き差しする必要はなくなります。この抜き差しは意外と面倒で神経を使うところだったので、けっこう便利になりそう(*)。

(*)実はアプリASI AIR1.4から追加された「ステーションモード」のWiFi接続を使用すれば、カードを取り出すことなくネットワーク上でSDカードのデータがアクセス可能になるようです。詳細は次回以降で解説予定です。

最新バージョンのアプリASI AIR 「1.4」から、撮影データの書き込み先をUSBメモリスティク側にす指定できるようになりました。上の画面を見ると外部記憶のアイコンの形状が変わっていることがわかります。

タップすると保存先を内蔵マイクロSDカードにするか、USBメモリスティックにするかを指定できます。

*注意)

ちなみに、この機能はアプリを1.4にアップデートすれば「ASI AIR PRO」だけでなく、前バージョンのASI AIR筐体でも使用することができるようです。だだし、アプリASI AIR 1.4は1/28日現在、不具合があるらしくアップデートは推奨されていません。中国は現在春節の休暇中で、次回の更新日は不明です。

12V推し・4ポートの12V電源ハブとして

左端の「DSLR」のミニジャックはシャッターコントロール用。ラズパイ4では、通常は右のスリットの奥に見えるUSB-Cポートから給電するのですが、ASI AIRでは画像の通りこの端子は隠れて使用できないようになっています。別の電源用ボードから給電されているようです。

「ASI AIR PRO」では4つの12V出力端子が追加されました。天体撮影ではヒーターやカメラなど何かとケーブルが増えてしまい引き回しを整理するのに苦労しますが、鏡筒に取り付けた「ASI AIR PRO」を電源ハブとすることで引き回し量も減らすことができるでしょう。

この4口の12Vジャックは、ラズパイ4のメイン基板とは別の電源系専用?基板に装着されています。添付されている説明書によるとASI AIR本体を駆動するだけなら給電側は12V2Aあれば充分だが他のデバイスに電力を供給するなら12V5Aが推奨と書かれていました。最大でどれくらいこの4つの端子から電流を取り出せるかは現時点では不明ですが、分かり次第追記する予定です。

5.5×2.1mm規格のオス・オスのケーブルが長短(50cmと1m)2本、

5.5×2.1mm規格の1.5mの延長ケーブルも1本付属していました。ケーブルは決して高いものではないのですが、製品に付属しているのはとてもありがたいですね^^

まとめ・よりスマートになったASI AIR PRO

いかがでしたか?

「ASI AIR PRO」の外観はますますクールになりました。コンパクトで剛性感のある筐体は予想以上。マニア的には触っているだけでも楽しくなるレベルです。給電を含めたケーブルの引き回しを最小にできるのも魅力。新規に購入するなら「ASI AIR PRO」一択といってよいと思います(*)。

(*)旧バージョンのASI AIR筐体は販売終了となるようです。

今後アプリ側の新規機能追加は基本的にPROが前提となるとのことで、既存ユーザー的には新しいハードにアップグレードするのか、前モデルを使い続けるのかの選択を迫られることになります。

(広告)申込期限は2020年3月31日まで。天体用CMOSカメラの星見屋

費用的には、例えば星見屋.comでは税込2.6万円でアップグレードが可能になっています。「ASI AIR PRO」を新規に購入すると税込3.91万円、「ASI AIR」からは1.5万円ほどの価格上昇。この差額をどう判断するかですが、個人的には今回ご紹介した外観的な部分だけでも一定の納得感はあるような気がします(*)。

(*)いずれにしても、旧製品を使い続けるユーザーのために、旧モデルに対してもバグフィックスとサポートが続くことを希望したいところです。

なお、アップグレードの申込期限は2020年3月末までになっています。この期限を過ぎてしまうと、新規に購入するしかなくなる可能性が大ですのでご注意ください!

次回以降、アップデートされたソフトウェアの機能の詳細や実写作例をご紹介していく予定です。お楽しみに!

 

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  • 本連載は星見屋.com様に機材貸与および特別協賛をいただき、天文リフレクション編集部が独自の責任で企画・制作したものです。文責は全て天文リフレクションズ編集部にあります。
  • 記事に関するご質問・お問い合わせなどは天文リフレクションズ編集部宛にお願いいたします。
  • 本記事は極力客観的に実視をもとに作成していますが、本記事によって発生した読者様の事象についてはその一切について責任を負いかねますことをご了承ください。
  • 文中の商品名・会社名は各社の商標および登録商標です。
  • 機材の価格・仕様は執筆時(2020年1月)のものです。
  • 「ASI AIR PRO」のご購入およびご購入のご相談は星見屋.com様にお願いいたします。

 

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