ZWO社のHPにASIシリーズのダーク画像が公開されています。
ZWO社のHPに天体用CMOSカメラASIシリーズの「アンプグロー(*)」の実写画像が公開されています。
(*)英語ではAmp-glow、日本でざっくり「アンプノイズ」と呼ばれているものに含まれますが、厳密には異なるものです。
アンプグローの実画像
ZWO社HP Amp-glowとは何か、その回避法
https://astronomy-imaging-camera.com/usage-performance/what-is-amp-glow/
「アンプ・グロー」はCCD時代に生まれた用語です。 カメラが完全に暗い部屋の下にあっても、画像に輝きを生じさせます。 旧世代のセンサーの場合、文字どおりセンサーの増幅回路によって引き起こされるものでした。
しかし、CMOSカメラの「アンプ・グロー」はアンプからのものではありません。CMOSセンサは、通常、センサダイ上の読み出しエレクトロニクスと完全に統合されています。 そこにはADCとCDSユニットがあります。 最近では、センサダイ自体にクロックジェネレータや電源レギュレータなどのサポート回路が追加されています。
これらのサポート回路は熱を発生させ、あるいは近赤外光を発することさえあり、両方ともアンプ・グローの原因となります。
より長時間露光すると、センサーによってより多くの赤外線が検出され、アンプグローがより明るく見えます。(Google翻訳+編集部訳、文字修飾:編集部)
天体用CMOSカメラをお使いの方は、まさにこのような「アンプグロー」を眼にされたことでしょう。
ここではASI294の画像のみ引用しましたが、リンク先にはASI1600、183、178の画像も出ています。
アンプグローとその原因
今回のZWO社のアナウンスでは、この原因(全ての原因だとは書かれていない)は「センサダイ上にあるサポート回路が発する熱、または近赤外光」であると書かれています。
編集部でもこのダーク画像を見て「光る何かがどこかにあるかも?」と感じていましたが、この情報で腑に落ちました(*)。
(*)これを調べるために暗闇で筐体を開けてセンサーと周辺回路そのものを撮影してみたことがあるのですが、露出時間が不足していたのか全く検出できませんでした。
冷却すると減るのか
回路内の赤外光による「アンプグロー」は冷やしても減らないが「ダークカレント(暗電流、熱ノイズ)」は当然ながら減る、結果的に「アンプグロー」は冷やすと逆に顕著に見えるとあります。
前段ではアンプグローの原因は「熱または赤外光」とあったのに、冷やしても変わらないとあるということは、アンプグローの主要因は赤外光なのでしょうか。
回避方法
回避方法が書かれていますが、特に新しいことはありません。ダークを引くべし(*)。ただし、ちゃんと温度管理したマスターダークを使えば使い回しできるよ、とあります。
(*)一般的な話ですが「合わないダーク(ISO・ゲイン違い、温度差、機種の取り違え、など)」を引いた場合、逆に良くない結果になることもあります。うっかりミスはいろいろありますので注意が必要です。
今回の情報の意義
いわゆる「朗報」でも「悲報」でもない今回のアナウンスですが、ある意味メーカーにとっては「こういう問題(仕様)がある」という話であり、積極的に「言い回りたい」ようなものではないはず。
それがこういう形でちゃんと出てきたことは、ユーザーにとって有益なことではないでしょうか。
元記事中では、「Anti amp-glow function」によってASI224やASI385ではアンプグローがより改善されている、とあるのですがこれの実写画像も欲しかったところ。
ダークを引けば解決するとはいえ、今後さらに改善されてほしいものですね。
https://reflexions.jp/tenref/orig/2018/04/04/4491/天体用カメラZWO社のHPに天体用CMOSカメラASIシリーズの「アンプグロー(*)」の実写画像が公開されています。 (*)英語ではAmp-glow、日本でざっくり「アンプノイズ」と呼ばれているものに含まれますが、厳密には異なるものです。 アンプグローの実画像 ZWO社HP Amp-glowとは何か、その回避法 https://astronomy-imaging-camera.com/usage-performance/what-is-amp-glow/ 「アンプ・グロー」はCCD時代に生まれた用語です。 カメラが完全に暗い部屋の下にあっても、画像に輝きを生じさせます。 旧世代のセンサーの場合、文字どおりセンサーの増幅回路によって引き起こされるものでした。 しかし、CMOSカメラの「アンプ・グロー」はアンプからのものではありません。CMOSセンサは、通常、センサダイ上の読み出しエレクトロニクスと完全に統合されています。 そこにはADCとCDSユニットがあります。 最近では、センサダイ自体にクロックジェネレータや電源レギュレータなどのサポート回路が追加されています。 これらのサポート回路は熱を発生させ、あるいは近赤外光を発することさえあり、両方ともアンプ・グローの原因となります。 より長時間露光すると、センサーによってより多くの赤外線が検出され、アンプグローがより明るく見えます。(Google翻訳+編集部訳、文字修飾:編集部) 天体用CMOSカメラをお使いの方は、まさにこのような「アンプグロー」を眼にされたことでしょう。 ここではASI294の画像のみ引用しましたが、リンク先にはASI1600、183、178の画像も出ています。 アンプグローとその原因 今回のZWO社のアナウンスでは、この原因(全ての原因だとは書かれていない)は「センサダイ上にあるサポート回路が発する熱、または近赤外光」であると書かれています。 編集部でもこのダーク画像を見て「光る何かがどこかにあるかも?」と感じていましたが、この情報で腑に落ちました(*)。 (*)これを調べるために暗闇で筐体を開けてセンサーと周辺回路そのものを撮影してみたことがあるのですが、露出時間が不足していたのか全く検出できませんでした。 冷却すると減るのか 回路内の赤外光による「アンプグロー」は冷やしても減らないが「ダークカレント(暗電流、熱ノイズ)」は当然ながら減る、結果的に「アンプグロー」は冷やすと逆に顕著に見えるとあります。 前段ではアンプグローの原因は「熱または赤外光」とあったのに、冷やしても変わらないとあるということは、アンプグローの主要因は赤外光なのでしょうか。 回避方法 回避方法が書かれていますが、特に新しいことはありません。ダークを引くべし(*)。ただし、ちゃんと温度管理したマスターダークを使えば使い回しできるよ、とあります。 (*)一般的な話ですが「合わないダーク(ISO・ゲイン違い、温度差、機種の取り違え、など)」を引いた場合、逆に良くない結果になることもあります。うっかりミスはいろいろありますので注意が必要です。 今回の情報の意義 いわゆる「朗報」でも「悲報」でもない今回のアナウンスですが、ある意味メーカーにとっては「こういう問題(仕様)がある」という話であり、積極的に「言い回りたい」ようなものではないはず。 それがこういう形でちゃんと出てきたことは、ユーザーにとって有益なことではないでしょうか。 元記事中では、「Anti amp-glow function」によってASI224やASI385ではアンプグローがより改善されている、とあるのですがこれの実写画像も欲しかったところ。 ダークを引けば解決するとはいえ、今後さらに改善されてほしいものですね。 編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
こんばんは、
このグローはCMOSデジカメでライブビューから撮影に入った場合に生じるタイプのものと同じでしょうか?EOS X5では、いったんライブビューをやめてから、シャッター切れば消えましたけど。
何はともあれ、CMOS特有なのですね。
おはようございます^^
6Dでもライブビューだと酷いカブリがでますね。X5がそれと同じものだとすると、原因は不明ですがちょっと出方は違うような気がします。こちらのグローはコンポジットして相当に強調しないと出てきません。6Dのものは1コマ画像で強調しなくても明瞭で、コマ毎に微妙に形も違っています。
でも「どこかが(赤っぽい光で)光っていてそれでかぶっている」意味では同じような原因なのかな? Before/Afterで比較していないのですが改造するとでやすくなるのなら赤外光なのかもしれませんね。
撮像素子を撮影してアンプグローの『熱源』を写し取る!
アイディアを拝見しただけでワクワクしちゃいました。
ぜひ実現して欲しいです♪
ともあれ、メーカーさんが『弱点』を公開されるのは、マニアにとって朗報とも言えますね。
遅コメ失礼します^^;
これやるには完全な暗黒じゃないとだめで、カメラのLEDやASIに繋いだパソコン、電源のLEDなどあらゆるものを消灯(目張り)せねばならず、それがやりきれなくて頓挫中です・・根性出すだけなんですけど^^;;
経験的に、アンプグローは、ダークで引いても完全には無くならなかったです。想像するに、冷却温度・露出時間依存でない部分があるためらしいです。天文用ソフトではそれらによって補正をかけるので、どうしてもズレてしまいます。いろいろとやってみましたが、ソニー系はものによってはかなり目立ち、パナソニックはほとんど問題にならない印象です。どの機種がどうとか言うのは、コメントを控えますが、今のところの解決策はカメラを冷却CCDに変えるか、ソニー系CMOSを敬遠してパナソニックにするのが一番ではないかと思います。つきあってしまうとかなり時間を浪費するので、ほどほどにするのが良いと思います。
183MMに付き合っている人たちによると、ゲインはあまり上げない事。せいぜいユニティゲイン止まり。露出時間を短く切り上げること。5分以下。場合によっては10分。 ネイティブドライバーで動作できる撮像ソフトを使うこと。など、苦労の末にたどりついたノウハウがあるようです。それでも放射状のアンプグロー(彼らは星型と言いますが)は消せないので、お化粧で消す作業は不可欠といいます。私も別系統のソニーセンサーでしたが、アンプグローのサプレスにとても苦労しました。ソニーのものは、天体用途には想定していないセンサー群かもしれないです。そんな印象持ちました。惑星用途であれば、このような問題は発生しないので、ビデオ・監視カメラが本来の用途なのだと思います。メリットは冷却CCDより圧倒的に安いことでその価値はやはり無視できません。感度に関しても、古い世代のCCDよりはCMOSのほうがずっと良い印象ですから、使いこなせる人向けのセンサーなのだろうと思います。