【総力連載!】序章①全て見せます!全機材ご紹介【2023.4.20西オーストラリア皆既日食・大遠征記】
みなさんこんにちは!2023.4.20オーストラリア皆既日食・大遠征記の集中連載が開始しました。今回は「序章①」として、全ての持込機材をご紹介したいと思います!
連載予告記事はこちら。
(ほぼ)全機材・梱包単位
今回持っていく(ほぼ)全機材。預け入れが2個で約33kg、機内持込のカメラバッグが7kg、カウント外(後述)のPCとバッテリが4kg、総重量は44kgになりました。
今回使うシンガポール航空(SA)のチケットは、エコノミーの預け入れ荷物の重量上限は行きが30kg・帰りが25kgでしたが、35kgになるように増量しました。5kgの追加が約18,000円、10kgの追加が約36,000円です(*)。かなり痛い出費ですが、減らしようもないので仕方ありません。
(*)SAは予約画面から荷物の増量を指定・カード決済できるのですが、重量の変更がWeb画面ではできませんでした。サポート窓口の電話対応になるのですが、なんと発信地はシンガボール、ドコモの場合は150円/分の着信量がかかります。15分くらい通話するハメになり、これも無駄な出費。荷物の追加は出発の48時間前までなら同じ割引料金(現地でオーバーになるとかなり割高なになる)なので、荷物の総量がある程度見えてから追加を申し込むべきでした。
預け入れ荷物・ゴロゴロ
ゴロゴロ。収納状態で約20kg。このゴロゴロは薄手で軽量な方だとは思うのですが、それでも空の状態で重量3.8kg。ざっくり、「荷物の重量の2割強はケース」になることは認識しておいた方がよいかと思います(*)。
(*)今回の場合荷物重量40kgに対してケース重量は8.7kg。
三脚、小袋に入れた小物類、双眼鏡、着替え、寝袋、プレート・シャフトなどの金物を詰め込みました(*)。詰め込む際には金物は衣類にくるんでいます。アルミケースに入りきらなかったカメラボディ(EOS 6D)も入れています。
(*)ゴロゴロはあくまで輸送用のツールです。機材の出し入れには全く便利ではありません。
預け入れ荷物・カメラケース
今回のために新規購入。主にレンズなどの光学系を収納します。ケースの重量は2.8kgとけっこう重いのですが、現地での機材整理箱兼イスの意味もあり持参することに。
今回唯一持ち込む赤道儀、Star Adventurer GTiマウントはこのケースに収納。予想していたよりも小型で助かりました。この架台は本体重量2.9kgと軽量ながら自動導入が可能。あまり重い機材は搭載できませんが(最大搭載重量公称5kg)、お値段もとても値ごろ。日食遠征でオールマイティ?に使える架台であることを実証するのが大きな目標。
LLサイズのケースにはこのインナーボックスが6個ぴったり入ります。今回は2個購入。主にカメラバッグに入りきらなかったレンズを収納します。
機内持込・カメラバッグ
カメラバッグは昨年購入したLoweproのプロトレッカー BP350AWII 。本体重量2.1kgと軽くはなく、機内持込制限7kgの中では5kg弱しか機材を入れられません。しかしFC76DCUの対物部を機内持込にしたかったのでこちらをチョイス。
機内持込のカメラはα7SIII。機内での夜景や星空の撮影も視野に入れています。スマホ用のジンバルと全天カメラTHETAも機内持込です。
大きめのカメラバッグは重量的に不利ですが(*)、現地で機材を整理した状態で収納するには役立つと期待。
(*)機内持込のカメラバッグをもう一回り小さくし、預け入れのカメラケースを一回り大きくするか2個にするという戦略もあったかも。
機内持込・PCとバッテリ
一般に?パソコンの入った小バッグなど「身の回り品を入れる小さなポーチ、バッグ」は機内持込重量にはカウントされないそうです。また、リチウムイオンなどのバッテリは預け入れすることができず、機内に持ち込まなくてはなりません(*)。
(*)モバイルバッテリには持込数・Wh数などで制限があります。航空会社のHPで確認しておくことをオススメします。
上記の一式をPC用のケースに収納。総重量4kg、これらは重量ノーカウント(の想定)。
モバイルバッテリは全てUSD-PD対応。小型(60Wh弱)2個、中型(100Wh弱)2個。この4個のバッテリが生命線。一応グループ全体で発電機と大型モバイルバッテリがあるのですが、このバッテリをまめに充電して切らさないようにする予定。
USB-PDの出現で、モバイルバッテリの高速充電やトリガーケーブルによる指定電圧の取りだしが可能になり、大変便利になりました。今回も12Vのトリガーケーブルを持っていくのですが、ひとつ注意が。トリガーケーブルの電圧にバッテリが非対応だと、意図した電圧で取り出せません。
今回持ち込むバッテリのうち2個はANKER社の製品ですが、ANKERはなんと12Vに対応していません(*)。なので、12Vにも対応したAlfoxのバッテリを2個新規購入しています。
(*)12Vのトリガーケーブルを接続すると9Vが出力されるようです。
ちなみに15Vのトリガーケーブルでは、ASIAIR Proは起動したものの、ASIAIR Plusではインジケーターランプが点灯しませんでした。ネットにはASIAIRは15Vでも動くという情報もありますが、事前にきちんと実機での運用確認が必要そうです。
機材ピックアップ・種別単位
鏡筒
FC76-DCU
日食用に購入したタカハシの「FC-76DCU」が今回の主砲。この鏡筒は前後に分割することができ(*)、海外遠征ではチョー便利です。x1.7のエクステンダーを付けて焦点距離954mm(f/12.6)にして皆既中の動画配信のメイン映像となる予定。
(*)一方で分割型はホコリが混入しやすいのが欠点。すでにいくつものホコリの侵入が。日常の運用ではあまりバラさないのが良さそう。
日食だけを考えれば口径60mmのFOA-60という選択肢もあったのですが、今回は眼視観望もじっくりやろうと考えているため、より大きな口径76mmでありながら小型・細身の「FC-76DCU」を選びました(*)。最近構想を温めている「F8クラスの小型アポ鏡筒は最高のフォトビジュアル入門機である」というコンセプトの検証でもあります。
(*)眼視は、写真と違って露出時間を延ばすことで光量不足をカバーすることができません。口径差はダイレクトに対象の見え方に効いてきます。できれば口径10cmくらい欲しいのですが、、さすがにそうなると架台も鏡筒もでかくなるので、その間の選択となりました。
90度視用にはRedCat51専用の正立プリズム(*)にアダプタリングを3つ!重ねてタカハシ仕様に変換して装着。接眼レンズは厳選して、ペンタックスのXW-20と賞月観星のSWA9mmの2本。
(*)日食のために購入したのにRedCat51は結局お留守番^^;
撮影用には「マルチフラットナーx1.04」も持参。焦点距離600mmで追尾撮影するにはStar Adventurer GTiマウントではかなり無理目なのですが、短時間露光の電視観望ならなんとかなるでしょう(*)。
(*)風が吹くと電視でもかなり厳しいかもしれませんが、その時はカメラレンズ撮影に切り替える予定。
FMA180
サブ鏡筒の選択には紆余曲折もあったのですが、最終的にサイトロンジャパン様からお借りしているFMA180を持っていくことにしました。有力だったRadCat51を見送ったのは、軽量化とセットアップをシンプルにするため。FMA180ならガイド鏡としても使えるので(*)、RC-76+FMA180のコンビは今回の遠征では鉄板のペアになります。このへんのセットアップのバリエーションは、この先の記事で詳しくご紹介します!
(*)最近のガイドスコープは軽量なのですが、それでもカメラ込みで500g弱になります。これを持っていかずに済むのは大きい。
ソーラーフィルター
ソーラーフィルター工作だん。以前部分日食のときにBRG76アクロ用に工作したのをサイズ変更。スリーブとプレート(笑 は現地でテープで貼り付けて固定する予定。 pic.twitter.com/mOwy3FiEWj
— 黒・天リフ (@black_tenref) April 7, 2023
日食撮影の定番、Baaderのソーラーフィルター。部分日食中はこれを鏡筒前に装着し、皆既の直前に取り外す形になります。ボール紙工作なのでスリーブとフィルター部を接着した最終形態にすると荷物の中で容易に「圧死」してしまうので、バラで持参し最終工作は現地で。
双眼鏡
何としてでも持っていきたかった、賞月観星の12×56APO+双眼鏡。重量1480gの機材を大盤振る舞い。皆既中はひたすら三脚に固定したこの双眼鏡で眺める作戦。
もう一つこの機材で大きく期待しているのが、南天の天の川銀河の散歩。前回はSVBONYの42mm10倍ダハを持参したのですが、この口径でもηカリーナ・南十字星・αβケンタウリにかけての入り組んだ暗黒部は見事のひと言でした。今回は56mmにパワーアップしたのでどんな姿が見られるでしょうか。
カメラ・レンズ
一眼カメラは星景・ディープスカイ兼用の改造EOS6D、動画撮影用のα7SIII、星空スナップ&お手軽ディープスカイ用のEOSマウント改造α7初代の3台。レンズはEF8-15魚眼、ソニー14mmGM 、ソニー20mmG、タムロン28-70mmズーム、タムロン35mmF1.4、タムロン15-30mmズーム。いろいろ焦点距離がかぶっていますが、それぞれちゃんと必然性があります(*)。これらの機材の活躍は、この後の遠征記で!
(*)1kgもあるタムロン15-30mmの存在感が際立っています。。
CMOSカメラはASI294MC(非冷却)。電視用とガイド鏡の兼用。全天球カメラTHETA-Zは発売延期で2019年の遠征に間に合わず悔しい思いをしたのですが今回初参加。皆既前後の全天風景を4K動画で収録予定。
スマホ用ジンバルはVLOG用。最近のスマホは手持ちでもブレないキレイな動画が撮れるのですが、自撮りするにはジンバルが好適。
配信機材
ライブ配信関連の機材はまとめて小袋に。ケーブル・マイクなど小物ばかりですが、散らかると収拾がつかなくなるので整理整頓は重要。
今回新規導入したHDMIスイッチャ。定番の「ATEM-Mini」はAC電源が必要ですが、こちらはUSBバスパワー給電。HDMI入力は2つですが、カメラの台数的にはこれで充分。小型軽量でフィールド配信のためにある機材といっていいほど。これが不調になったら泣くどころでは済まない^^;;(*)
(*)12Vのトリガーケーブルとか「これが亡くなったら全て終わり」の機材がいくつかあって、けっこうコワイです・・・
ちなみにこのスイッチャ、入力毎の音声レベル調整ができないのと、PinPのときにトランジッション効果が入れられないのが玉に瑕・・・
ASIAIR
ASIAIRもケーブルとひとまとめにして小袋収納。今回のASIAIRは「Plus」です。Proなら15V給電でも動きそうなので迷ったのですが、、、撮影Planの設定をこの筐体に登録してしまったのでもうそのままで^^;
ASIAIRも今回大いに働いてもらう予定。電視観望(*)、Plate Solveによる眼視用電子ファインダー、カメラレンズやFMA180で広域モザイクの放置撮影など。
電源関連
ACアダプタ・充電器関連一式。カメラ用バッテリの充電器は、大した重量ではないものの嵩張るので「ハラの立つ系」のアイテム。USB-PD対応のカメラなら不要になりますが、レガシー10年選手のEOS6Dでは仕方ありません。
M1-MBAの充電器はPD対応なのが嬉しい(でも12V非対応が悲しい)。α7SIIIはUSB充電が可能なので充電器はお留守番。今回PD12V対応のACアダプタ(*)がないのがちょっと問題。でも気がつくのが遅かった!
(*)これがあるとAC100Vが使える場所で、トリガーケーブルで簡単に12Vが取り出せます。
よしみカメラさんで買ったパワードーナツ。これ、優れものです。USB、AC100V対応の電源タップですが、海外用に4タイプの変換プラグが付属しています。
電源コードはリール型に収納できるのでとってもコンパクト。筆者の旅行・出張・遠征の必需品になっています。
フィルター
ライブ配信・星景撮影用のソフトフィルター。フロント仕様はプロソフトンクリア、リア仕様はよしみカメラさんのクリップタイプソフトフィルター。ライブ配信では輝星が目立つ方が星座が分かりやすいのでNo.4をセレクト。もう一つ試用中のSTC製のブラックミスト系No1も持参。
ヒーター
乾燥したオーストラリアでは、日本ほどではないものの結露する日も普通にあります。露よけヒーターは稼働想定の最大数だけ持参。今回はエース候補としてビクセンの最新型ヒーターを新規購入。ベリベリしないのでレンズ交換が多く発生する星景撮影用に期待。
三脚
三脚は2本。上はK-ASTEC製の2段カーボン三脚。今回はStar Adventurer GTiマウント専属。下は星景・ライブ配信用のベルボンの3段カーボン。どちらも長年愛用している主力選手。
この2つは上の画像のように合体して収納できます。サイズ感的にもピッタリで、最新のトラベル三脚を導入しない理由でもあります^^
できればもう1本普通の三脚を持っていきたかったのですが、重量的に断念。その代わりにミニ三脚を2本。右のスリックのミニ三脚はチャチっぽい造りなのですがその分軽量(雲台込み280g)で、フリーストップで上下左右に動くのがとても便利。前回のオーストラリアでも撮影風景用に大活躍したもの。
皆既中の撮影風景はスマホで収録する予定ですが、三脚への固定はこちらのスマホホルダーを使用予定。単体でもこのように自立でき、脚をたたむとアルカプレート仕様に。
パノラマ撮影システム
星景撮影用のパノラマ雲台システム。総重量1kgとそれなりの重さですが、ステッチしない1コマ撮影の際にも、上下水平にフリーストップで動かせる便利さは自由雲台にはないもの。スリックのバル自由雲台が460gあることを考えればまあ許せるか。
これはセット品ではなく、手持ちのローテーター・プレート・クランプを適当に組み合わせたもの。水平のプレートがもう少し短いと軽くなるのですが、回転させるときの取っ手代わりになるので許しています^^
ガチャ物
既出のものもありますが、金属製の小物類。これだけで総重量約5kg。チリも積もれば山となるとはまさにこのこと。必要なものは仕方ないとはいえ、将来的にはまだまだ軽量化できそう。今後の進化に期待しましょう^^
一点ご紹介。RedCat51はお留守番になりましたが、ビクセンアリガタ・アルカスイス両対応のアリガタだけを持参。Star Adventurer GTiマウントにアルカスイス機材を装着するのに使用します。黒いクランプは両面アルカスイス。90度単位で角度を変えられるので重宝しています。
衣類
パンツや靴下、シャツを見てもしかたないので画像は省略。着替えは基本は梱包材として利用し、必要な分だけの最小限(3セット程度)にしています。着倒すのかマメに洗濯するのかは成り行き次第^^;;
4月のオーストラリアは日本では10月。日食のあるエクスマウスは南緯20度強なので暑いですが、内陸部では気温一桁に冷え込むことが予想されます。長丁場の夜は暖かい服装が何より重要。なので、薄手のダウンジャケット、長袖ヒートテック、フリース上着を準備しました。さらに、搭乗の際にはドラえもんポケット付きのスキー用ジャケットを着る予定。
生活用具
歯ブラシ、割り箸などは持ち込みますが、洗剤・シャンプー・石鹸・サンダル・マットなどは現地調達予定。このあたりも出たとこ勝負です。
STARLINK
今回の遠征のゲームチェンジャー、STARLINK(長方形のディッシュタイプ)は梱包重量8.5kg(上画像左)。10kgの追加料金を払って持ち込むとすると片道で約36,000円の出費になるため、それだけで2台買えてしまいます(*)。
(*)現在半額セール中で36,500円+送料とお安くなっているのもありますが、通常価格でも往復の輸送コストと本体価格はほぼ同じです。
そこで、持ち帰らずに現地(Waddi Firm)に置いてくることにしました。これで次回以降は輸送なしでSTARLINKが使えることになります。今回はラッキーなことに、同行する荷物の少ないビジネスクラスの方にお願いして預け入れできることになりました。これで輸送費が浮き、購入費とチャラになりました。
STARLINKを海外で使うには
個人でSTARLINKを使用する場合、同じ場所で運用する「レジデンシャル(月額6,600円)と、移動先でも使える「ROAM(以前はRVと呼ばれていた:月額9,900円)」の2つがあります。「ROAM」は通信の優先度が下がりますが「同じ大陸内」であれば海外でも使用可能。しかし、「アジア」で契約したSTARLINKを「オセアニア」で使うことはできません。
大陸またぎで使うには「国際ローミング(月額25,900円)」のオプションを申し込む必要があります。今回は自分のSTARLINKの月次支払サイクルの「3月28日〜4月27日」の期間だけを「国際ローミング」に変更しました。この追加費用が16,000円ということになります。
「ROAM」も「国際ローミング」も月単位で契約を停止可能。4月27日以降は利用を停止することで、次回使うときまでは費用は発生しない形にできます。つまり、次回以降は一ヶ月分の国際ローミングに再度申し込むことで、高速インターネットが使えることになります(*)。
(*)もう一つの選択肢として、オーストラリアに居住する知人の名義でSTARLINKを注文するという手がありました。通常のROAMで使用できるので通信量も安く、アンテナを自分で運ぶ必要もないメリットがあります。ただし、この場合は初期不良などの対応はすべて現地住所ベースで行う必要があるため、不測の事態に対応しきれないと判断して見送りました。そのへんまで含めて対応可能なら有力なオプションでしょう。
STARLINK専用トラベルケース
STARLINKを使うことは半ばあきらめていたのですが、国際ローミングが使用可能だと判明したのが3月下旬。何としてでも日食をライブで配信したかったので、いろいろなオプションを抑えておくべく、保留していた専用トラベルケース(36,600円)も発注しました。
でも結論からいうと「なくてもよかったかな」という感じです。収納状態の重量は9.3kgと、段ボール箱よりも800gほど重くなっていて軽量化のメリットはありません。
表面の材質はプラ。ジッパーは止水型に見えます。ある程度の雨なら大丈夫でしょう。ハードな気候下で移動するならメリットはありそうですが、自分の用途なら段ボールでもう少し引っ張ってもよかったような気がします(*)。
(*)あくまで「専用」トラベルケースなので、アンテナの形状が変わってしまうと使えません。STARLINKのアンテナはすでに2世代目。より高速な新型が近いうちに出る可能性も充分にありそうです。
このように、アンテナのパネル面が上を向いた状態でフタを閉める形になります。収納のしやすさも段ボール箱とさほど変わりません。
まとめ
いかがでしたか?!
海外遠征で一番頭を使う(ループする?)のが機材のチョイスと梱包です。これだけで丸3日くらい時間をかけています^^;;
今回改めて感じたのは「荷物追加料金をケチってもしかたない」ということです。第一に優先されるのは、なるべく「整理された状態(そのまま行動できる)で移動できること」だと感じました。でかいゴロゴロにあれこれ放り込むよりは、撮影状態に近い形で何個かのケース・バッグに分割できるようにするのがよい気がしました。その意味では、アルミケースをもう一つ追加してもよかったのかもしれません。
海外の天体観測・撮影の遠征は、目的や日程によって大きく違ってくるので、あくまでひとつの事例としてご参考になればと思って、できるだけ詳しくご紹介しました。皆様の海外遠征の際の情報源になれば幸いです。
さて、今回の機材セレクトはどこまで正解だったのか?その答は今後の遠征記で!この記事を書いているのは4月14日。出発は明日15日の朝、パース着は16日の早朝の予定です。はたしてこの後、どれくらいマメに更新できるか?お楽しみに!
次回の記事は、
第2回・[序章②]出国からパース、ワディファームの熱い夜
の予定です!目標は4月17日朝更新!
https://reflexions.jp/tenref/orig/2023/04/14/15103/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2023/04/702b92743ab30546e20cef077190b852-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2023/04/702b92743ab30546e20cef077190b852-150x150.jpg天文紀行オーストラリア遠征記みなさんこんにちは!2023.4.20オーストラリア皆既日食・大遠征記の集中連載が開始しました。今回は「序章①」として、全ての持込機材をご紹介したいと思います! 連載予告記事はこちら。 https://reflexions.jp/tenref/orig/2023/04/13/15088/ (ほぼ)全機材・梱包単位 今回持っていく(ほぼ)全機材。預け入れが2個で約33kg、機内持込のカメラバッグが7kg、カウント外(後述)のPCとバッテリが4kg、総重量は44kgになりました。 今回使うシンガポール航空(SA)のチケットは、エコノミーの預け入れ荷物の重量上限は行きが30kg・帰りが25kgでしたが、35kgになるように増量しました。5kgの追加が約18,000円、10kgの追加が約36,000円です(*)。かなり痛い出費ですが、減らしようもないので仕方ありません。 (*)SAは予約画面から荷物の増量を指定・カード決済できるのですが、重量の変更がWeb画面ではできませんでした。サポート窓口の電話対応になるのですが、なんと発信地はシンガボール、ドコモの場合は150円/分の着信量がかかります。15分くらい通話するハメになり、これも無駄な出費。荷物の追加は出発の48時間前までなら同じ割引料金(現地でオーバーになるとかなり割高なになる)なので、荷物の総量がある程度見えてから追加を申し込むべきでした。 預け入れ荷物・ゴロゴロ ゴロゴロ。収納状態で約20kg。このゴロゴロは薄手で軽量な方だとは思うのですが、それでも空の状態で重量3.8kg。ざっくり、「荷物の重量の2割強はケース」になることは認識しておいた方がよいかと思います(*)。 (*)今回の場合荷物重量40kgに対してケース重量は8.7kg。 三脚、小袋に入れた小物類、双眼鏡、着替え、寝袋、プレート・シャフトなどの金物を詰め込みました(*)。詰め込む際には金物は衣類にくるんでいます。アルミケースに入りきらなかったカメラボディ(EOS 6D)も入れています。 (*)ゴロゴロはあくまで輸送用のツールです。機材の出し入れには全く便利ではありません。 預け入れ荷物・カメラケース 今回のために新規購入。主にレンズなどの光学系を収納します。ケースの重量は2.8kgとけっこう重いのですが、現地での機材整理箱兼イスの意味もあり持参することに。 今回唯一持ち込む赤道儀、Star Adventurer GTiマウントはこのケースに収納。予想していたよりも小型で助かりました。この架台は本体重量2.9kgと軽量ながら自動導入が可能。あまり重い機材は搭載できませんが(最大搭載重量公称5kg)、お値段もとても値ごろ。日食遠征でオールマイティ?に使える架台であることを実証するのが大きな目標。 LLサイズのケースにはこのインナーボックスが6個ぴったり入ります。今回は2個購入。主にカメラバッグに入りきらなかったレンズを収納します。 機内持込・カメラバッグ カメラバッグは昨年購入したLoweproのプロトレッカー BP350AWII 。本体重量2.1kgと軽くはなく、機内持込制限7kgの中では5kg弱しか機材を入れられません。しかしFC76DCUの対物部を機内持込にしたかったのでこちらをチョイス。 機内持込のカメラはα7SIII。機内での夜景や星空の撮影も視野に入れています。スマホ用のジンバルと全天カメラTHETAも機内持込です。 大きめのカメラバッグは重量的に不利ですが(*)、現地で機材を整理した状態で収納するには役立つと期待。 (*)機内持込のカメラバッグをもう一回り小さくし、預け入れのカメラケースを一回り大きくするか2個にするという戦略もあったかも。 機内持込・PCとバッテリ 一般に?パソコンの入った小バッグなど「身の回り品を入れる小さなポーチ、バッグ」は機内持込重量にはカウントされないそうです。また、リチウムイオンなどのバッテリは預け入れすることができず、機内に持ち込まなくてはなりません(*)。 (*)モバイルバッテリには持込数・Wh数などで制限があります。航空会社のHPで確認しておくことをオススメします。 上記の一式をPC用のケースに収納。総重量4kg、これらは重量ノーカウント(の想定)。 モバイルバッテリは全てUSD-PD対応。小型(60Wh弱)2個、中型(100Wh弱)2個。この4個のバッテリが生命線。一応グループ全体で発電機と大型モバイルバッテリがあるのですが、このバッテリをまめに充電して切らさないようにする予定。 USB-PDの出現で、モバイルバッテリの高速充電やトリガーケーブルによる指定電圧の取りだしが可能になり、大変便利になりました。今回も12Vのトリガーケーブルを持っていくのですが、ひとつ注意が。トリガーケーブルの電圧にバッテリが非対応だと、意図した電圧で取り出せません。 今回持ち込むバッテリのうち2個はANKER社の製品ですが、ANKERはなんと12Vに対応していません(*)。なので、12Vにも対応したAlfoxのバッテリを2個新規購入しています。 (*)12Vのトリガーケーブルを接続すると9Vが出力されるようです。 ちなみに15Vのトリガーケーブルでは、ASIAIR Proは起動したものの、ASIAIR Plusではインジケーターランプが点灯しませんでした。ネットにはASIAIRは15Vでも動くという情報もありますが、事前にきちんと実機での運用確認が必要そうです。 機材ピックアップ・種別単位 鏡筒 FC76-DCU 日食用に購入したタカハシの「FC-76DCU」が今回の主砲。この鏡筒は前後に分割することができ(*)、海外遠征ではチョー便利です。x1.7のエクステンダーを付けて焦点距離954mm(f/12.6)にして皆既中の動画配信のメイン映像となる予定。 (*)一方で分割型はホコリが混入しやすいのが欠点。すでにいくつものホコリの侵入が。日常の運用ではあまりバラさないのが良さそう。 日食だけを考えれば口径60mmのFOA-60という選択肢もあったのですが、今回は眼視観望もじっくりやろうと考えているため、より大きな口径76mmでありながら小型・細身の「FC-76DCU」を選びました(*)。最近構想を温めている「F8クラスの小型アポ鏡筒は最高のフォトビジュアル入門機である」というコンセプトの検証でもあります。 (*)眼視は、写真と違って露出時間を延ばすことで光量不足をカバーすることができません。口径差はダイレクトに対象の見え方に効いてきます。できれば口径10cmくらい欲しいのですが、、さすがにそうなると架台も鏡筒もでかくなるので、その間の選択となりました。 90度視用にはRedCat51専用の正立プリズム(*)にアダプタリングを3つ!重ねてタカハシ仕様に変換して装着。接眼レンズは厳選して、ペンタックスのXW-20と賞月観星のSWA9mmの2本。 (*)日食のために購入したのにRedCat51は結局お留守番^^; 撮影用には「マルチフラットナーx1.04」も持参。焦点距離600mmで追尾撮影するにはStar Adventurer GTiマウントではかなり無理目なのですが、短時間露光の電視観望ならなんとかなるでしょう(*)。 (*)風が吹くと電視でもかなり厳しいかもしれませんが、その時はカメラレンズ撮影に切り替える予定。 FMA180 サブ鏡筒の選択には紆余曲折もあったのですが、最終的にサイトロンジャパン様からお借りしているFMA180を持っていくことにしました。有力だったRadCat51を見送ったのは、軽量化とセットアップをシンプルにするため。FMA180ならガイド鏡としても使えるので(*)、RC-76+FMA180のコンビは今回の遠征では鉄板のペアになります。このへんのセットアップのバリエーションは、この先の記事で詳しくご紹介します! (*)最近のガイドスコープは軽量なのですが、それでもカメラ込みで500g弱になります。これを持っていかずに済むのは大きい。 ソーラーフィルター ソーラーフィルター工作だん。以前部分日食のときにBRG76アクロ用に工作したのをサイズ変更。スリーブとプレート(笑 は現地でテープで貼り付けて固定する予定。 pic.twitter.com/mOwy3FiEWj — 黒・天リフ (@black_tenref) April 7, 2023 日食撮影の定番、Baaderのソーラーフィルター。部分日食中はこれを鏡筒前に装着し、皆既の直前に取り外す形になります。ボール紙工作なのでスリーブとフィルター部を接着した最終形態にすると荷物の中で容易に「圧死」してしまうので、バラで持参し最終工作は現地で。 双眼鏡 何としてでも持っていきたかった、賞月観星の12×56APO+双眼鏡。重量1480gの機材を大盤振る舞い。皆既中はひたすら三脚に固定したこの双眼鏡で眺める作戦。 もう一つこの機材で大きく期待しているのが、南天の天の川銀河の散歩。前回はSVBONYの42mm10倍ダハを持参したのですが、この口径でもηカリーナ・南十字星・αβケンタウリにかけての入り組んだ暗黒部は見事のひと言でした。今回は56mmにパワーアップしたのでどんな姿が見られるでしょうか。 カメラ・レンズ 一眼カメラは星景・ディープスカイ兼用の改造EOS6D、動画撮影用のα7SIII、星空スナップ&お手軽ディープスカイ用のEOSマウント改造α7初代の3台。レンズはEF8-15魚眼、ソニー14mmGM 、ソニー20mmG、タムロン28-70mmズーム、タムロン35mmF1.4、タムロン15-30mmズーム。いろいろ焦点距離がかぶっていますが、それぞれちゃんと必然性があります(*)。これらの機材の活躍は、この後の遠征記で! (*)1kgもあるタムロン15-30mmの存在感が際立っています。。 CMOSカメラはASI294MC(非冷却)。電視用とガイド鏡の兼用。全天球カメラTHETA-Zは発売延期で2019年の遠征に間に合わず悔しい思いをしたのですが今回初参加。皆既前後の全天風景を4K動画で収録予定。 スマホ用ジンバルはVLOG用。最近のスマホは手持ちでもブレないキレイな動画が撮れるのですが、自撮りするにはジンバルが好適。 配信機材 ライブ配信関連の機材はまとめて小袋に。ケーブル・マイクなど小物ばかりですが、散らかると収拾がつかなくなるので整理整頓は重要。 今回新規導入したHDMIスイッチャ。定番の「ATEM-Mini」はAC電源が必要ですが、こちらはUSBバスパワー給電。HDMI入力は2つですが、カメラの台数的にはこれで充分。小型軽量でフィールド配信のためにある機材といっていいほど。これが不調になったら泣くどころでは済まない^^;;(*) (*)12Vのトリガーケーブルとか「これが亡くなったら全て終わり」の機材がいくつかあって、けっこうコワイです・・・ ちなみにこのスイッチャ、入力毎の音声レベル調整ができないのと、PinPのときにトランジッション効果が入れられないのが玉に瑕・・・ ASIAIR ASIAIRもケーブルとひとまとめにして小袋収納。今回のASIAIRは「Plus」です。Proなら15V給電でも動きそうなので迷ったのですが、、、撮影Planの設定をこの筐体に登録してしまったのでもうそのままで^^; ASIAIRも今回大いに働いてもらう予定。電視観望(*)、Plate Solveによる眼視用電子ファインダー、カメラレンズやFMA180で広域モザイクの放置撮影など。 電源関連 ACアダプタ・充電器関連一式。カメラ用バッテリの充電器は、大した重量ではないものの嵩張るので「ハラの立つ系」のアイテム。USB-PD対応のカメラなら不要になりますが、レガシー10年選手のEOS6Dでは仕方ありません。 M1-MBAの充電器はPD対応なのが嬉しい(でも12V非対応が悲しい)。α7SIIIはUSB充電が可能なので充電器はお留守番。今回PD12V対応のACアダプタ(*)がないのがちょっと問題。でも気がつくのが遅かった! (*)これがあるとAC100Vが使える場所で、トリガーケーブルで簡単に12Vが取り出せます。 よしみカメラさんで買ったパワードーナツ。これ、優れものです。USB、AC100V対応の電源タップですが、海外用に4タイプの変換プラグが付属しています。 電源コードはリール型に収納できるのでとってもコンパクト。筆者の旅行・出張・遠征の必需品になっています。 フィルター ライブ配信・星景撮影用のソフトフィルター。フロント仕様はプロソフトンクリア、リア仕様はよしみカメラさんのクリップタイプソフトフィルター。ライブ配信では輝星が目立つ方が星座が分かりやすいのでNo.4をセレクト。もう一つ試用中のSTC製のブラックミスト系No1も持参。 ヒーター 乾燥したオーストラリアでは、日本ほどではないものの結露する日も普通にあります。露よけヒーターは稼働想定の最大数だけ持参。今回はエース候補としてビクセンの最新型ヒーターを新規購入。ベリベリしないのでレンズ交換が多く発生する星景撮影用に期待。 三脚 三脚は2本。上はK-ASTEC製の2段カーボン三脚。今回はStar Adventurer GTiマウント専属。下は星景・ライブ配信用のベルボンの3段カーボン。どちらも長年愛用している主力選手。 この2つは上の画像のように合体して収納できます。サイズ感的にもピッタリで、最新のトラベル三脚を導入しない理由でもあります^^ できればもう1本普通の三脚を持っていきたかったのですが、重量的に断念。その代わりにミニ三脚を2本。右のスリックのミニ三脚はチャチっぽい造りなのですがその分軽量(雲台込み280g)で、フリーストップで上下左右に動くのがとても便利。前回のオーストラリアでも撮影風景用に大活躍したもの。 皆既中の撮影風景はスマホで収録する予定ですが、三脚への固定はこちらのスマホホルダーを使用予定。単体でもこのように自立でき、脚をたたむとアルカプレート仕様に。 パノラマ撮影システム 星景撮影用のパノラマ雲台システム。総重量1kgとそれなりの重さですが、ステッチしない1コマ撮影の際にも、上下水平にフリーストップで動かせる便利さは自由雲台にはないもの。スリックのバル自由雲台が460gあることを考えればまあ許せるか。 これはセット品ではなく、手持ちのローテーター・プレート・クランプを適当に組み合わせたもの。水平のプレートがもう少し短いと軽くなるのですが、回転させるときの取っ手代わりになるので許しています^^ ガチャ物 既出のものもありますが、金属製の小物類。これだけで総重量約5kg。チリも積もれば山となるとはまさにこのこと。必要なものは仕方ないとはいえ、将来的にはまだまだ軽量化できそう。今後の進化に期待しましょう^^ 一点ご紹介。RedCat51はお留守番になりましたが、ビクセンアリガタ・アルカスイス両対応のアリガタだけを持参。Star Adventurer GTiマウントにアルカスイス機材を装着するのに使用します。黒いクランプは両面アルカスイス。90度単位で角度を変えられるので重宝しています。 衣類 パンツや靴下、シャツを見てもしかたないので画像は省略。着替えは基本は梱包材として利用し、必要な分だけの最小限(3セット程度)にしています。着倒すのかマメに洗濯するのかは成り行き次第^^;; 4月のオーストラリアは日本では10月。日食のあるエクスマウスは南緯20度強なので暑いですが、内陸部では気温一桁に冷え込むことが予想されます。長丁場の夜は暖かい服装が何より重要。なので、薄手のダウンジャケット、長袖ヒートテック、フリース上着を準備しました。さらに、搭乗の際にはドラえもんポケット付きのスキー用ジャケットを着る予定。 生活用具 歯ブラシ、割り箸などは持ち込みますが、洗剤・シャンプー・石鹸・サンダル・マットなどは現地調達予定。このあたりも出たとこ勝負です。 STARLINK 今回の遠征のゲームチェンジャー、STARLINK(長方形のディッシュタイプ)は梱包重量8.5kg(上画像左)。10kgの追加料金を払って持ち込むとすると片道で約36,000円の出費になるため、それだけで2台買えてしまいます(*)。 (*)現在半額セール中で36,500円+送料とお安くなっているのもありますが、通常価格でも往復の輸送コストと本体価格はほぼ同じです。 そこで、持ち帰らずに現地(Waddi Firm)に置いてくることにしました。これで次回以降は輸送なしでSTARLINKが使えることになります。今回はラッキーなことに、同行する荷物の少ないビジネスクラスの方にお願いして預け入れできることになりました。これで輸送費が浮き、購入費とチャラになりました。 STARLINKを海外で使うには 個人でSTARLINKを使用する場合、同じ場所で運用する「レジデンシャル(月額6,600円)と、移動先でも使える「ROAM(以前はRVと呼ばれていた:月額9,900円)」の2つがあります。「ROAM」は通信の優先度が下がりますが「同じ大陸内」であれば海外でも使用可能。しかし、「アジア」で契約したSTARLINKを「オセアニア」で使うことはできません。 大陸またぎで使うには「国際ローミング(月額25,900円)」のオプションを申し込む必要があります。今回は自分のSTARLINKの月次支払サイクルの「3月28日〜4月27日」の期間だけを「国際ローミング」に変更しました。この追加費用が16,000円ということになります。 「ROAM」も「国際ローミング」も月単位で契約を停止可能。4月27日以降は利用を停止することで、次回使うときまでは費用は発生しない形にできます。つまり、次回以降は一ヶ月分の国際ローミングに再度申し込むことで、高速インターネットが使えることになります(*)。 (*)もう一つの選択肢として、オーストラリアに居住する知人の名義でSTARLINKを注文するという手がありました。通常のROAMで使用できるので通信量も安く、アンテナを自分で運ぶ必要もないメリットがあります。ただし、この場合は初期不良などの対応はすべて現地住所ベースで行う必要があるため、不測の事態に対応しきれないと判断して見送りました。そのへんまで含めて対応可能なら有力なオプションでしょう。 STARLINK専用トラベルケース STARLINKを使うことは半ばあきらめていたのですが、国際ローミングが使用可能だと判明したのが3月下旬。何としてでも日食をライブで配信したかったので、いろいろなオプションを抑えておくべく、保留していた専用トラベルケース(36,600円)も発注しました。 でも結論からいうと「なくてもよかったかな」という感じです。収納状態の重量は9.3kgと、段ボール箱よりも800gほど重くなっていて軽量化のメリットはありません。 表面の材質はプラ。ジッパーは止水型に見えます。ある程度の雨なら大丈夫でしょう。ハードな気候下で移動するならメリットはありそうですが、自分の用途なら段ボールでもう少し引っ張ってもよかったような気がします(*)。 (*)あくまで「専用」トラベルケースなので、アンテナの形状が変わってしまうと使えません。STARLINKのアンテナはすでに2世代目。より高速な新型が近いうちに出る可能性も充分にありそうです。 このように、アンテナのパネル面が上を向いた状態でフタを閉める形になります。収納のしやすさも段ボール箱とさほど変わりません。 まとめ いかがでしたか?! 海外遠征で一番頭を使う(ループする?)のが機材のチョイスと梱包です。これだけで丸3日くらい時間をかけています^^;; 今回改めて感じたのは「荷物追加料金をケチってもしかたない」ということです。第一に優先されるのは、なるべく「整理された状態(そのまま行動できる)で移動できること」だと感じました。でかいゴロゴロにあれこれ放り込むよりは、撮影状態に近い形で何個かのケース・バッグに分割できるようにするのがよい気がしました。その意味では、アルミケースをもう一つ追加してもよかったのかもしれません。 海外の天体観測・撮影の遠征は、目的や日程によって大きく違ってくるので、あくまでひとつの事例としてご参考になればと思って、できるだけ詳しくご紹介しました。皆様の海外遠征の際の情報源になれば幸いです。 さて、今回の機材セレクトはどこまで正解だったのか?その答は今後の遠征記で!この記事を書いているのは4月14日。出発は明日15日の朝、パース着は16日の早朝の予定です。はたしてこの後、どれくらいマメに更新できるか?お楽しみに! 次回の記事は、 第2回・出国からパース、ワディファームの熱い夜 の予定です!目標は4月17日朝更新! 編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
コメントを残す