9月25日早朝、日本各地で「夜明け前の細い月の水平反転現象」が見られました。「星ナビ」誌の2022年10月号で特集されていた現象で、ネット上に多くの画像がアップされています。

各地で撮影された画像

星ナビ10月号の記事を執筆された@hoshirokuman先生自らの撮影。

おなじみKAGAYAさん撮影。糸のように細い月。台風一過の透明な空ですね。

ニコンの超望遠コンデジ「COOLPIX P1000」で。

「願いがこぼれず叶う」受け月。広くこの現象を一般に認知してもらうには、こういう「御利益」を推すのがよいかも?

「水平反転現象」という名前は天文学的に正式に認知されたものではないこと、18.6年に一度というかなりレア現象であることから、「反転」の面白さよりもまずは「受け月」の美しさの認知を広める方がアウトリーチ戦略としては正しいのかもしれませんね。

ニコン社の「毎月の星空案内」を担当されている「星三昧」様のブログより。金星も合わせて捉えられています。

「受け月」とはどんな現象か

太陽に照らされている細い月の「弦」は、月と太陽の角度に応じて傾いたり水平になったりします。上の画像の左が今回の「受け月」。月のほぼ真下に太陽があるため、弦は「受け」形になります。上画像の右はその3日後の夕空の細い月。太陽は月の右下にあるため、月の弦はナナメに立った形になります。

日本のような中緯度地域では、明け方の細い月は9月ごろに、夕方の細い月は3月ごろに「受け月」の形になります。

さらに、月の軌道は地球の公転面に対して少し傾いていて、18.6年周期で「受け」の角度が微妙に「逆転」することがあります。長くなるので、詳しくはこちらの星ナビ誌をご参照ください^^;;

ほんのり光房・横たわる有明月を観よう・Part1
https://kuusou.asablo.jp/blog/2021/08/31/9417430

こちらの「ほんのり光房」ブログにも詳しく解説されています。

まとめ

いかがでしたか?

夜明け前の早朝の現象にもかかわらず、多くの方の注目を集めた今回の現象。「弦が反転」という観点はかなりマニアックではありますが、「受け月」が見られるという条件は、同時に「ものすごく細い月を好条件で見られる(*)」ことでもあります。

(*)月と太陽の角度が水平線に対して垂直になる時期が月の地平高度が最も高い状態となるため

「糸のように細い月」は、その気になったとしても、なかなか見られるものではありません。今回「星ナビ」というメジャー天文雑誌に「受け月」という現象が特集されたことは、大いに意義があったといえるのではないでしょうか。

基本的に「受け月」は毎年見ることができます。「逆転」はしないまでも(*)来月10月24日早朝も「細い受け月」を見るチャンス。来月の「細い月」にも注目ですね!

(*)奄美大島以南で水平反転(逆転)します。 https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2022/09/a8a9cba4738aa97d156754048e0f04bc-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2022/09/a8a9cba4738aa97d156754048e0f04bc-150x150.jpg編集部特選ピックアップ天文現象9月25日早朝、日本各地で「夜明け前の細い月の水平反転現象」が見られました。「星ナビ」誌の2022年10月号で特集されていた現象で、ネット上に多くの画像がアップされています。 #今日のそらナビ 明朝=25日(日)未明 東の空から昇った「受け月」は、 いつもとは逆に右下側が光っている 秋の朝方、黄道が地平線に立っていて しかも白道が北に寄っている時期限定のレア現象 ※「受け月」は、伊集院 静氏の短編のタイトル 詳しくは #星ナビ 10月号で ➡️https://t.co/ehNiFi8Bnn https://t.co/HaV5Gzm3nc pic.twitter.com/d0AIAAtDY8 — 「星ナビ」10月号発売中!☄️ (@Hoshinavi) September 24, 2022 各地で撮影された画像 みんな、おはよう。おぢさんは今朝、月を撮ったよ。 日の出25分前でギリ雲ヌケ。水平垂直が判る構造物がないと証拠にならないので、送電線の鉄塔をフレーミング。でも、方位の見積もりが甘くて、望遠レンズを付けたAP赤道儀を担いで150m走ったのは秘密だ。太陽離角12度もあるとそこそこ太いなあ。 pic.twitter.com/N2mpiYrQ4t — hoshirokuman (@hoshirokuman) September 25, 2022 星ナビ10月号の記事を執筆された@hoshirokuman先生自らの撮影。 明日新月になる、糸のように細い月が、 夜明けのほんのひと時見えました。 今朝は月の傾きがほぼ水平で、いっそう珍しい光景でした。 (先ほど、茨城県にて撮影) おはようございます。 pic.twitter.com/Mr8jVhB513 — KAGAYA (@KAGAYA_11949) September 24, 2022 おなじみKAGAYAさん撮影。糸のように細い月。台風一過の透明な空ですね。 今日の究極に細い受け月🌙 新月🌑一日前 今日は起きれました5:15頃 Nikon COOLPIX P1000📷 おはようニャン🐈️ pic.twitter.com/0Gwmkj0TyH — はーろっく (@qZg77ZR3QpE0A2i) September 24, 2022 ニコンの超望遠コンデジ「COOLPIX P1000」で。 2022年9月25日午前5時頃、月齢28.5、夜明けの #受け月 です。 ふつう新月に近い細い #月 は南に傾いていますが、この9月末は盃のように水平に近く見えています。 願いがこぼれず叶うそうですよ。 家族皆が健康に長生き出来ますように!! pic.twitter.com/i1z5uZx1kE — AKMTレーシング (@AkmtRacing) September 24, 2022 「願いがこぼれず叶う」受け月。広くこの現象を一般に認知してもらうには、こういう「御利益」を推すのがよいかも? 逆転月? アストロアーツさんの記事に依ると水平反転現象と言うらしい 水平反転月? 正しい呼び方、わかりません 「朝なのにどっちかというと右側が光ってる月」 水平線と撮ってみた かろうじて右?? それにしても、こんない細っこい月を見るのは、はじめてです pic.twitter.com/Ne6AnuUJfk — AymLib 🎹ピアノ&⭐️星 (@AymLib) September 25, 2022 「水平反転現象」という名前は天文学的に正式に認知されたものではないこと、18.6年に一度というかなりレア現象であることから、「反転」の面白さよりもまずは「受け月」の美しさの認知を広める方がアウトリーチ戦略としては正しいのかもしれませんね。 9月25日早朝、極細の「受け月」と外合間近の金星。月だけでも難度高だが金星まで収められるとはさすが。 「星三昧」よりピックアップ。 https://t.co/Glnc6LYwld...編集部発信のオリジナルコンテンツ