アストロアーツHPで星ナビ2024年4月号の内容が告知されています。発売は3月5日 火曜日です。

今月の内容は!?

大特集の「ポン・ブルックス彗星」は観察ポイントから彗星の物理までまとめて解説。特別付録「1テーマ5分でわかる!天体画像処理4」も「彗星」編です。

星ナビ4月号は「ポン・ブルックス彗星」と特別付録「1テーマ5分でわかる!天体画像処理4」https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13482_hoshinavi

■表紙

今回の表紙は奥田一眞さん撮影の「スカイツリーと星の光跡」(星ナビギャラリー応募作品)。点灯中のスカイツリーと、消灯後の星の光跡のライブコンポジット撮影を合成した作品です。色や明るさにバリエーションのある光跡がスカイツリーに重なっています。

今月の表紙は星ナビギャラリー応募作品から。スカイツリーと星々の光跡を、OMデジタルの「E-M1 MarkIII」のライブコンポジット機能で撮影した作品です。大都会のど真ん中でも比較明合成なら色の豊かな星の姿を、都市の灯りに負けない形で捉えることができます。

空の暗い場所では、比較明合成では星は白つぶれしてしまうことが多く、逆に「長秒1枚撮り」の手法に軍配が上がります。さまざまな条件に撮影手法の切り替えによって対応できるのも、デジタル天体写真のメリットですね。



■人工天体撮影虎の巻 第一巻「概論」ISSと天宮を追いかける (解説・作例/加藤泰三)

天体写真の新しいジャンルになっている、人工天体の「狂拡大」撮影。人工天体を捉えるために試行錯誤を繰り返してきた3人がそれぞれの経験をもとに「虎の巻」をリレー方式で綴るシリーズです。初回は人工天体撮影で知っておきたいことをまとめました。

ISSと天宮。これら地球の周りを低高度で周回する人工天体を、天体望遠鏡で「狂拡大(*)」で撮影することが一部の天文アマチュアの中で静かなブームになっています。

(*)高倍率で拡大する「強拡大」撮影の手法において、拡大率がインフレーションしていくさまを誇りを持って?称したスラングですが、星ナビ誌でもこの呼称が使われるのかと胸熱^^

今月より始まったこの新連載では、この手法で人工天体を追いかけている3人のベテランが、リレー形式でその秘伝を解説。第1回は加藤泰三(@Taizo1953)さんです。撮影対象となる人工天体の概説にはじまって、天体の位置や人工天体の経過時刻の調べ方、撮影機材と方法の紹介、月面・太陽面の通過のスリリングな面白さと美しさなど、マニアックにたっぷり8ページ。貴方の天文ライフに新しい世界が開けるかもしれません。次号以降も楽しみですね(*)!

(*)ちなみに本連載企画のエピソードをCP+2024会場で川口編集人より伺いましたが、その中から1つだけ。本連載のタイトルの当初案は「人工天体撮影虎の穴」だったそうですが、若い編集部のメンバーが皆「何それ?同人誌売ってる店?」状態だったため「虎の巻」となったとか^^;

■次は71年後!春の宵のポン・ブルックス彗星(解説/小林仁美・吉本勝己)

すでに(3月3日現在)肉眼彗星になりつつある12P/ポン・ブルックス彗星。1812年に発見された公転周期70年の「ハレー型短周期(*)彗星」です。

(*)公転周期200年未満の彗星が「短周期彗星」です。人間の一生と比較すると十分長いのですが、彗星的にはこれでも「短い」のです。

本記事では前半6ページがポン・ブルックス彗星についての天文学的な解説。ひんぱんにバーストを繰り返す同彗星の謎に迫ります。

2024年は明るくなると予想される彗星が複数やってくる久々の「コメット・イヤー」。ポン・ブルックス彗星は3月から4月に観測好機となる彗星です。バーストを繰り返すのが特徴で、近日点通過前後にバーストを起こすともっと明るくなるかもしれません。70年ぶりに帰ってきたこの歴史的な周期彗星をみんなで観測しよう!

後半6ページはポン・ブルックス彗星の観察・撮影について。昨年以来すでに7回もバーストを繰り返しており、バーストした際のコマや尾の変化が特に見どころ。画像や星図、グラフなど豊富なビジュアルでたっぷり解説。

もうひとつ、公転周期70年のこの彗星はほとんどの人にとって「一生に一度の体験」となります。一期一会の彗星観測の醍醐味をエキサイティングに楽しんでください!

■特別付録 1テーマ5分でわかる!天体画像処理4 彗星編(解説・作例/谷川正夫)

天体画像処理のポイントを一問一答形式で解説する特別付録。今回は「彗星編」。彗星は他の星と比べ動きが速いため、撮影・画像処理には特有のテクニックが必要になリます。3〜4月のポン・ブルックス彗星、9〜11月の紫金山・アトラス彗星に向けてチェックしたいトピックをまとめた一冊です。

好評連載。特別付録の「1テーマ5分でわかる」シリーズ、第4回は「彗星編」。彗星を写し込んだ「彗星星景」と、天体望遠鏡や望遠レンズを使用した「クローズアップ撮影」をそれぞれ解説。彗星の位置の調べ方など撮影計画の立て方は、春のポン・ブルックス彗星(12P)と秋の紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)を例に、具体的に示されていて参考になります。

撮影と画像処理はアストロアーツ社のステラシリーズを使用した手順を解説。移動する彗星が流れないようにスタックする「メトカーフ法」は、地球に接近する動きの速い彗星では特に有効。2024年の2つの「大彗星(候補)」に向けてしっかり準備しておきましょう。

◎天リフ独断ピックアップ

■広告ピックアップ・ビクセンVSD90SS

昨年12月に発売された、ビクセンのフラッグシップ鏡筒「VSD90SS」。希望小売価格68万円と価格もフラッグシップですが、性能もフラッグシップ。天リフでも試作機をお借りして試写しましたが、もう文句のつけようのない高性能でした。タカハシのε-160ED、CP+2024で参考出品された口径75mmのアストログラフなど「幾何光学的スポット径がエアリーディスクよりも小さくなるレベル」の高性能光学系が、各社から出そろいつつあります。

回折によるボケが、BlurXterminator(BXT)のような画像処理ソフトで補正できるようになった今、高性能天体望遠鏡の限界性能のベンチマークは「エアリーディスク以下」になる時代が来るのでしょうか。天体写真の限界を、VSD90SSがどこまで引き上げてくれるのかが楽しみです。

■CLIPBOARD/CANP2024を開催します



コロナでの休止期間があったものの、過去26回もの間にわたって開催されている「CANP」が今年も開催されます。CANPは「CAN(CCD Astronomy Network )」の会員の年次大会のような位置づけで、非常に熱心な天体写真ファンが多数集まることに特徴があります。

「星ナビひろば」にCANPの開催案内が掲載されるのは筆者の記憶の範囲では初めてではないでしょうか。ガチ天体写真マニアが多数集結しますが、これから天体写真に本格的に取り組んでみたいと考える初心者の方にとっても、大いに刺激になる場となることでしょう。

たまのページ・第26回 デジタル天体写真の集い「CANP 2024」へのお誘い
http://www.nuasa.org/~tama/ASTRO/BLOG/240225_canp2024info.html

CANPでは2日間にわたって18名の講師の方による講演、望遠鏡メーカー・販売店8社による展示会、1日目の夜には懇親会が行われます。アストロアーツ社からは川口星ナビ編集人とステラシリーズの開発責任者である上山さんが講演されます。なんと天リフ編集長も今回は「企業枠」で講演させていただくことになりました!ぜひふるってご参加ください!

■星ナビギャラリー

今回のトップ下はA井さんの「おおぐま座M81・M82・NGC3077」。リモート・ツイン鏡筒で総露光31.5時間。選評には明記されていませんが「過去最高」の作品ではないでしょうか。階調差の大きな銀河中心と淡い分子雲を両立させた上でのこの解像感と立体感。さすがのA井師です。

個人的イチオシは大ベテランW杉さんの「夜明け前の西天」なのですが、ページのピックアップは「玉ボケ」星景3作を。「星を点に写す」のが基本だった星景写真に「玉ボケ」を活用した作品が増えてきて、ひとつの手法として認知された感があります。さまざまな方のさまざまな感性に溢れる作品が(*)広がっていくといいですね!

(*)選評では右下の「宿窓から」の作者に対して「次回はぜひ、夏の宿で浴衣を着て」とのリクエストが^^

■進むベテルギウス「分断食」の初期解析(解説/早水勉)

2023年12月12日、1000年に1度とも言われた「小惑星によるベテルギウス食」が観測されました。この現象は、観測してみないとわからないことが極めて多く、得られる観測データすべてが、天文学者にとって垂涎のもの。現時点までに明らかになりつつある天文学的成果をお届けします。

昨年12月にヨーロッパで観測された「小惑星レオーナ(319)」によるベテルギウスの食。事前の予想では両者の視直径がほぼ同じくらいであることから、完全に減光する皆既食になるのか、部分的に減光する「金環食」になるのかが注目されていました。

本記事では、61地点での観測データをもとに、現在までにわかったことがまとめられています。ひとことで言うと、記事タイトルのとおり「分断食(いびつな楕円径のレオーナがベテルギウスを二分する)」だったと推定されているのですが、これは過去の干渉計などの観測による値よりも「ベテルギウスの視直径がより大きい」ことを示していて、さらに謎が深まっています。

小惑星による恒星食の観測は、アマチュアでも天文学に貢献できる近年注目されている分野です。ご興味のある方はぜひ本誌記事をお読みください!

■日食カウントダウン アメリカ縦断皆既日食直前情報 (解説/石井 馨)

4月8日(現地時間)の皆既日食は米国の一般市民にも関心が高く、各地でイベントが催されます。今回は皆既日食直前情報として、最新観測地情報や渡航の注意点などをまとめました。

いよいよ来月8日に迫った北米大陸皆既日食。カウントダウンの連載も(たぶん)最終回。今月は観測地の気候や、渡航・安全に関する情報です。

メキシコやテキサス州で「降水量がやや減りそう」との情報は朗報。また、メキシコの場合標高が高く(メキシコシティで2,200m)空気がやや薄いことや、一日の気温変動も大きく体調管理には要注意。さらに治安が米国よりは良くないため、首都のメキシコシティにも「近寄ってはいけない場所」があるそうです。狂犬病やヘビ・サソリにも要注意。日食遠征を予定されている方はぜひ一読をオススメします。2月28日に発売された「エクリプスナビゲータ5」の最新情報も要チェック。

まとめ

いかがでしたか?

今月号は「人工天体」「彗星」「小惑星による恒星食」「皆既日食」など、天文の中でも「動きの速い」天体や現象の話題が多かったですね。人間の人生と比較すると圧倒的に「変わらない(時間変化が小さい)」のが宇宙ですが、そんな中でもこれら「瞬間」の現象にはまた別の面白さがあります。

幅広い時間と空間のスケールの中を、リアルと空想の両面で楽しめるのが天文趣味の醍醐味です。そんな視点でぜひ今月号をお読みになってください。

そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日は天文雑誌!今月号も楽しみですね!

星ナビ4月号は「ポン・ブルックス彗星」と特別付録「1テーマ5分でわかる!天体画像処理4」https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13482_hoshinavi

※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。

天文ガイドも合わせて読みたいですね!! https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2024/03/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2024/03/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-150x150.jpg編集部雑誌・書籍星ナビアストロアーツHPで星ナビ2024年4月号の内容が告知されています。発売は3月5日 火曜日です。 今月の内容は!? 大特集の「ポン・ブルックス彗星」は観察ポイントから彗星の物理までまとめて解説。特別付録「1テーマ5分でわかる!天体画像処理4」も「彗星」編です。 星ナビ4月号は「ポン・ブルックス彗星」と特別付録「1テーマ5分でわかる!天体画像処理4」https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13482_hoshinavi ■表紙 今月の表紙は星ナビギャラリー応募作品から。スカイツリーと星々の光跡を、OMデジタルの「E-M1 MarkIII」のライブコンポジット機能で撮影した作品です。大都会のど真ん中でも比較明合成なら色の豊かな星の姿を、都市の灯りに負けない形で捉えることができます。 空の暗い場所では、比較明合成では星は白つぶれしてしまうことが多く、逆に「長秒1枚撮り」の手法に軍配が上がります。さまざまな条件に撮影手法の切り替えによって対応できるのも、デジタル天体写真のメリットですね。 ■人工天体撮影虎の巻 第一巻「概論」ISSと天宮を追いかける (解説・作例/加藤泰三) ISSと天宮。これら地球の周りを低高度で周回する人工天体を、天体望遠鏡で「狂拡大(*)」で撮影することが一部の天文アマチュアの中で静かなブームになっています。 (*)高倍率で拡大する「強拡大」撮影の手法において、拡大率がインフレーションしていくさまを誇りを持って?称したスラングですが、星ナビ誌でもこの呼称が使われるのかと胸熱^^ 今月より始まったこの新連載では、この手法で人工天体を追いかけている3人のベテランが、リレー形式でその秘伝を解説。第1回は加藤泰三(@Taizo1953)さんです。撮影対象となる人工天体の概説にはじまって、天体の位置や人工天体の経過時刻の調べ方、撮影機材と方法の紹介、月面・太陽面の通過のスリリングな面白さと美しさなど、マニアックにたっぷり8ページ。貴方の天文ライフに新しい世界が開けるかもしれません。次号以降も楽しみですね(*)! (*)ちなみに本連載企画のエピソードをCP+2024会場で川口編集人より伺いましたが、その中から1つだけ。本連載のタイトルの当初案は「人工天体撮影虎の穴」だったそうですが、若い編集部のメンバーが皆「何それ?同人誌売ってる店?」状態だったため「虎の巻」となったとか^^; ■次は71年後!春の宵のポン・ブルックス彗星(解説/小林仁美・吉本勝己) すでに(3月3日現在)肉眼彗星になりつつある12P/ポン・ブルックス彗星。1812年に発見された公転周期70年の「ハレー型短周期(*)彗星」です。 (*)公転周期200年未満の彗星が「短周期彗星」です。人間の一生と比較すると十分長いのですが、彗星的にはこれでも「短い」のです。 本記事では前半6ページがポン・ブルックス彗星についての天文学的な解説。ひんぱんにバーストを繰り返す同彗星の謎に迫ります。 後半6ページはポン・ブルックス彗星の観察・撮影について。昨年以来すでに7回もバーストを繰り返しており、バーストした際のコマや尾の変化が特に見どころ。画像や星図、グラフなど豊富なビジュアルでたっぷり解説。 もうひとつ、公転周期70年のこの彗星はほとんどの人にとって「一生に一度の体験」となります。一期一会の彗星観測の醍醐味をエキサイティングに楽しんでください! ■特別付録 1テーマ5分でわかる!天体画像処理4 彗星編(解説・作例/谷川正夫) 好評連載。特別付録の「1テーマ5分でわかる」シリーズ、第4回は「彗星編」。彗星を写し込んだ「彗星星景」と、天体望遠鏡や望遠レンズを使用した「クローズアップ撮影」をそれぞれ解説。彗星の位置の調べ方など撮影計画の立て方は、春のポン・ブルックス彗星(12P)と秋の紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)を例に、具体的に示されていて参考になります。 撮影と画像処理はアストロアーツ社のステラシリーズを使用した手順を解説。移動する彗星が流れないようにスタックする「メトカーフ法」は、地球に接近する動きの速い彗星では特に有効。2024年の2つの「大彗星(候補)」に向けてしっかり準備しておきましょう。 ◎天リフ独断ピックアップ ■広告ピックアップ・ビクセンVSD90SS 昨年12月に発売された、ビクセンのフラッグシップ鏡筒「VSD90SS」。希望小売価格68万円と価格もフラッグシップですが、性能もフラッグシップ。天リフでも試作機をお借りして試写しましたが、もう文句のつけようのない高性能でした。タカハシのε-160ED、CP+2024で参考出品された口径75mmのアストログラフなど「幾何光学的スポット径がエアリーディスクよりも小さくなるレベル」の高性能光学系が、各社から出そろいつつあります。 VSD90SSでオリオン大星雲M42。あれこれ細かい話はレビュー記事で。とりあえずいい感じに撮れて良かったです^^VSD90SS(496mmF5.5) ASI2400MCP gain140 3min*40 SXP赤道儀オートガイド 熊本県産山村 SPCC、BXT、飽和復元、NXT、PSで処理 pic.twitter.com/0h0GGhhrJh — 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) February 14, 2024 回折によるボケが、BlurXterminator(BXT)のような画像処理ソフトで補正できるようになった今、高性能天体望遠鏡の限界性能のベンチマークは「エアリーディスク以下」になる時代が来るのでしょうか。天体写真の限界を、VSD90SSがどこまで引き上げてくれるのかが楽しみです。 ■CLIPBOARD/CANP2024を開催します コロナでの休止期間があったものの、過去26回もの間にわたって開催されている「CANP」が今年も開催されます。CANPは「CAN(CCD Astronomy Network )」の会員の年次大会のような位置づけで、非常に熱心な天体写真ファンが多数集まることに特徴があります。 「星ナビひろば」にCANPの開催案内が掲載されるのは筆者の記憶の範囲では初めてではないでしょうか。ガチ天体写真マニアが多数集結しますが、これから天体写真に本格的に取り組んでみたいと考える初心者の方にとっても、大いに刺激になる場となることでしょう。 たまのページ・第26回 デジタル天体写真の集い「CANP 2024」へのお誘いhttp://www.nuasa.org/~tama/ASTRO/BLOG/240225_canp2024info.html 天リフ編集長山口もCANP2024でお話させていただきます。お楽しみに! https://t.co/o7bDp7CAyj pic.twitter.com/D0Ow44DPvo — 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) March 3, 2024 CANPでは2日間にわたって18名の講師の方による講演、望遠鏡メーカー・販売店8社による展示会、1日目の夜には懇親会が行われます。アストロアーツ社からは川口星ナビ編集人とステラシリーズの開発責任者である上山さんが講演されます。なんと天リフ編集長も今回は「企業枠」で講演させていただくことになりました!ぜひふるってご参加ください! ■星ナビギャラリー 今回のトップ下はA井さんの「おおぐま座M81・M82・NGC3077」。リモート・ツイン鏡筒で総露光31.5時間。選評には明記されていませんが「過去最高」の作品ではないでしょうか。階調差の大きな銀河中心と淡い分子雲を両立させた上でのこの解像感と立体感。さすがのA井師です。 個人的イチオシは大ベテランW杉さんの「夜明け前の西天」なのですが、ページのピックアップは「玉ボケ」星景3作を。「星を点に写す」のが基本だった星景写真に「玉ボケ」を活用した作品が増えてきて、ひとつの手法として認知された感があります。さまざまな方のさまざまな感性に溢れる作品が(*)広がっていくといいですね! (*)選評では右下の「宿窓から」の作者に対して「次回はぜひ、夏の宿で浴衣を着て」とのリクエストが^^ ■進むベテルギウス「分断食」の初期解析(解説/早水勉) 昨年12月にヨーロッパで観測された「小惑星レオーナ(319)」によるベテルギウスの食。事前の予想では両者の視直径がほぼ同じくらいであることから、完全に減光する皆既食になるのか、部分的に減光する「金環食」になるのかが注目されていました。 本記事では、61地点での観測データをもとに、現在までにわかったことがまとめられています。ひとことで言うと、記事タイトルのとおり「分断食(いびつな楕円径のレオーナがベテルギウスを二分する)」だったと推定されているのですが、これは過去の干渉計などの観測による値よりも「ベテルギウスの視直径がより大きい」ことを示していて、さらに謎が深まっています。 小惑星による恒星食の観測は、アマチュアでも天文学に貢献できる近年注目されている分野です。ご興味のある方はぜひ本誌記事をお読みください! ■日食カウントダウン アメリカ縦断皆既日食直前情報 (解説/石井 馨) いよいよ来月8日に迫った北米大陸皆既日食。カウントダウンの連載も(たぶん)最終回。今月は観測地の気候や、渡航・安全に関する情報です。 メキシコやテキサス州で「降水量がやや減りそう」との情報は朗報。また、メキシコの場合標高が高く(メキシコシティで2,200m)空気がやや薄いことや、一日の気温変動も大きく体調管理には要注意。さらに治安が米国よりは良くないため、首都のメキシコシティにも「近寄ってはいけない場所」があるそうです。狂犬病やヘビ・サソリにも要注意。日食遠征を予定されている方はぜひ一読をオススメします。2月28日に発売された「エクリプスナビゲータ5」の最新情報も要チェック。 まとめ いかがでしたか? 今月号は「人工天体」「彗星」「小惑星による恒星食」「皆既日食」など、天文の中でも「動きの速い」天体や現象の話題が多かったですね。人間の人生と比較すると圧倒的に「変わらない(時間変化が小さい)」のが宇宙ですが、そんな中でもこれら「瞬間」の現象にはまた別の面白さがあります。 幅広い時間と空間のスケールの中を、リアルと空想の両面で楽しめるのが天文趣味の醍醐味です。そんな視点でぜひ今月号をお読みになってください。 そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日は天文雑誌!今月号も楽しみですね! 星ナビ4月号は「ポン・ブルックス彗星」と特別付録「1テーマ5分でわかる!天体画像処理4」https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13482_hoshinavi ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!!編集部発信のオリジナルコンテンツ