星ナビ2023年8月号ご紹介
アストロアーツHPで星ナビ2023年8月号の内容が告知されています。発売は7月5日 水曜日です。
目次
今月の内容は!?
綴じ込み特別付録「星空ダイアリー2023」でこの夏の天文現象を楽しみつくそう!「星景写真用レンズの最新トレンド」は14ページ大特集で、レンズごとの使いこなしや作画のヒントを紹介。
星ナビ8月号は「星空ダイアリー2023夏」と「星景写真用レンズの最新トレンド」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13087_hoshinavi
■表紙
表紙はM101・回転花火銀河に出現した超新星 SN 2023ixf。青白く輝く11等級の姿を写真・眼視で確認された方も多いことでしょう。本誌の高橋進さんの解説記事によると、元の星は15太陽質量の赤色超巨星で、重力崩壊によるII型超新星と考えられるとのことです。
■星景写真用レンズの最新トレンド「この1本で撮る」(作例・解説/沼澤茂美)
話題の「シグマ14mm F1.4 DG DN 」、少し前に発売された「シグマ 20mm F1.4 DG DN 」など、星空の撮影に適した高性能なミラーレス用カメラレンズが数多く登場してきています。
本記事では、これら最近のレンズの傾向を概観するとともに、各社の12/14/20/24/50/85mmの各焦点距離のレンズの特徴や使いこなしのポイントが、豊富な作例とともに紹介されています。どんなレンズを選ぶか、選んだレンズをどう活用するかのよいヒントとなることでしょう。
以下、天リフ編集長の個人的な意見です。メーカー各社が「星景写真」用途によりフォーカスした素晴らしい製品を開発している中、本誌記事にも触れられているように「シートタイプのソフトフィルターの装着を考慮したレンズが開発されても、肝心のシートタイプフィルターが入手できない」問題があります。また、本記事の作例で使用されたソニー製カメラには、俗に「Statr Eater」と呼ばれる「天体に対しては必ずしも適切でない、OFFにすることができない(*1)長秒撮影時のノイズ処理」の問題(*2)があります。星に適した高性能なレンズが続々開発されていきていることは大歓迎なのですが、その一方でカメラ業界内での「星空を撮る人達に向けた製品開発」の足並みが必ずしも揃っていない現状は、大変残念なことだといわざるを得ません。
(*1)最新モデルの「α7RV」「ZV-E1」では、このStarEaterを発生させるノイズ処理をOFFにする設定がようやく実現されました。
(*2)αシリーズ第2世代以降では、バルブ撮影または露出時間が4秒より長い場合に発現します。なお、「StarEater問題(仕様)」に関して、本稿執筆時点でソニー社からの公式見解はアナウンスされていません。
※「StarEater」現象については上記記事を参照ください。
■デジタルカメラで高精細な月を撮る2「撮影方法と注意点」(撮影・解説/山野泰照)
山野泰照さんの連載2回目。「A0サイズのプリントにも耐えうる」という目標を設定し、そのためにご自身が実践されている撮影方法の詳細を解説。シーイングによる写り方の違いの比較や、月全体の画質最適化するためのピント合わせやカメラの画質設定、ブレの回避など、具体的な事例とともに解説されていておおいに参考になります。
天リフ編集長は月や惑星はあまり撮影経験がないのですが、本連載を拝見し自分もぜひ撮ってみたくなりました^^ シーイングが比較的良好な夏のシーズンにいろいろ試してみたいと思います。
◎天リフ独断ピックアップ
■広告ピックアップ・PlaneWave L型フォークダイレクトドライブマウントシリーズ / 天文ハウスTOMITA
日本ではまだ導入事例の少ない「PlaneWave」社のマウント「Lシリーズ」。「ダイレクトドライブ(*)」という他にない特徴を持ち、高速駆動と精密駆動を両立させています。
(*)赤緯・赤経の回転軸そのものが巨大なモーターになっています。
これまで日本には販売ルートがなかったため個人輸入するしかなかったのですが、福岡の天体望遠鏡販売店「天文ハウスTOMITA」が正規代理店として販売・店頭展示を開始されるそうです。観測所に設置して使うことが前提ですが、リモート操作との相性も良く、今後導入事例が増えてくることでしょう。
天リフ編集長も参加しているチリの共同リモート観測所でも「PlaneWave率」がとても高く、いくつものLシリーズが設置されています。本格運用はまさにこれからですが、そちらのレポートもお楽しみに!
■星空でつながる中高生の物語/本屋大賞作家・辻村深月さんインタビュー(聞き手●原智子 イラスト●スカイエマ)
「星空でつながる中高生の物語」。コロナ禍で制限された形で青春を過ごさざるを得ない少年少女たちが、星を見るという行為を通して物理的な距離を超えて繋がっていく。6月30日に発売されたばかりの書籍「この夏の星を見る」の作者、辻村深月さんのインタビュー記事。
天リフ編集長の周りでも、熱い感想を数多くSNSで観測中(*)。さきほどポチりましたので、感想は後ほどTwitter等で!
(*)「実は(知り合いの)あの人がモデル」とか「自分自身の体験と直接リンクしていて胸が熱くなった」などの感想も。
■ネットよ今夜もありがとう
今月は鳥取天文協会ブログ。天リフ編集長は初見でしたが、このような形で天文同好会で一つのブログを持ち、会員が投稿するというスタイルは最近多くみかけるようになってきました。鳥取天文協会ブログは更新頻度も高く、積極的に活動されているようです。
鳥取天文協会ブログ
https://toritenkyo.blogspot.com/
鳥取天文協会では、現在「活動展」を鳥取市の「さじアストロパーク」で9月18日まで開催中です。会員による天体写真パネルや手作りの「お役立ちグッズ」を展示されているそうです。
鳥取天文協会活動展開催中
https://toritenkyo.blogspot.com/2023/06/blog-post_23.html
■星ナビギャラリー
今回のトップ下はMさんの「オーストラリア日食 第2接触と第3接触連続写真」。ダイヤモンドリングと大きないくつものプロミネンスが見事。この見開きはオーストラリア皆既日食の作品3点で、いずれも見応えのある傑作です。
個人的イチオシはTさんの「雲上の銀河」。霧に包まれた中で一瞬姿を現した富士山と天の川です。霧に濡れながら1時間半待たれたとのこと、「一瞬の奇跡の瞬間」に出会えることは星に限らず、写真の醍醐味のひとつです。「夢を見たかのような5分間」は忘れられない体験になられたことでしょう。
■ウクライナの星あかり1「戦禍のプラネタリウムは今」(文/オレナ・ゼムリヤチェンコ)
戦争を逃れ日本に避難してきた、ウクライナ・ハルキウのプラネタリウム解説員オレナ・ゼムリヤチェンコさんによる連載記事第一回。ハルキウのプラネタリウムは現在閉鎖中で、再開か可能かどうかを考えることすら「全て戦争が終わってからの話」。そんな厳しい現実の中、ウクライナの現在のプラネタリウム事情がリアルに語られています。次回以降はウクライナの宇宙開発や宇宙産業、天文学、アマチュア天文家たちの活動などが紹介されるそうです。
ウクライナの地図。首都キーウやロシアに隣接した大都市の名前は、みなさんもニュース等で耳にしていることでしょう。記事中の大規模なプラネタリウムのある「七つの都市(キーウ、ハルキウ、ドネツク、ヘルソン、ドニプロ、ヴィンニツァ、オデーサ)」のうち、3つは閉鎖中ですが4つは開館中だそうです。
■綴じ込み特別付録「見る・撮る!星空ダイアリー2023夏」
8月恒例の綴じ込み付録。見開きで2週間分のカレンダーと天文現象などの解説、「月と惑星のランデブー」「夏の天の川」「ペルセウス座流星群」の1ページコラム解説も。アプリ「星空ナビ」とも連動。夏の星空観察のお供にどうぞ!
まとめ
いかがでしたか?
何年ぶりかの「マスクを着けなくても(たぶん)許されるかな?」的な夏がやってきました。良いことも起きる一方で酷いことも起きるのが人間の住む世界。それでも天文界隈には「星を見る」という共通の軸があります。この軸をぶらさず、それぞれの距離感で楽しんでいけるといいですね!皆様の夏が良いものとなりますように。
そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日は天文雑誌!8月号も楽しみですね!
星ナビ8月号は「星空ダイアリー2023夏」と「星景写真用レンズの最新トレンド」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13087_hoshinavi
※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。
天文ガイドも合わせて読みたいですね!!
https://reflexions.jp/tenref/orig/2023/07/04/15530/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2023/07/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2023/07/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-150x150.jpg雑誌・書籍星ナビアストロアーツHPで星ナビ2023年8月号の内容が告知されています。発売は7月5日 水曜日です。 今月の内容は!? 綴じ込み特別付録「星空ダイアリー2023」でこの夏の天文現象を楽しみつくそう!「星景写真用レンズの最新トレンド」は14ページ大特集で、レンズごとの使いこなしや作画のヒントを紹介。 星ナビ8月号は「星空ダイアリー2023夏」と「星景写真用レンズの最新トレンド」 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13087_hoshinavi ■表紙 表紙はM101・回転花火銀河に出現した超新星 SN 2023ixf。青白く輝く11等級の姿を写真・眼視で確認された方も多いことでしょう。本誌の高橋進さんの解説記事によると、元の星は15太陽質量の赤色超巨星で、重力崩壊によるII型超新星と考えられるとのことです。 ■星景写真用レンズの最新トレンド「この1本で撮る」(作例・解説/沼澤茂美) 話題の「シグマ14mm F1.4 DG DN 」、少し前に発売された「シグマ 20mm F1.4 DG DN 」など、星空の撮影に適した高性能なミラーレス用カメラレンズが数多く登場してきています。 本記事では、これら最近のレンズの傾向を概観するとともに、各社の12/14/20/24/50/85mmの各焦点距離のレンズの特徴や使いこなしのポイントが、豊富な作例とともに紹介されています。どんなレンズを選ぶか、選んだレンズをどう活用するかのよいヒントとなることでしょう。 以下、天リフ編集長の個人的な意見です。メーカー各社が「星景写真」用途によりフォーカスした素晴らしい製品を開発している中、本誌記事にも触れられているように「シートタイプのソフトフィルターの装着を考慮したレンズが開発されても、肝心のシートタイプフィルターが入手できない」問題があります。また、本記事の作例で使用されたソニー製カメラには、俗に「Statr Eater」と呼ばれる「天体に対しては必ずしも適切でない、OFFにすることができない(*1)長秒撮影時のノイズ処理」の問題(*2)があります。星に適した高性能なレンズが続々開発されていきていることは大歓迎なのですが、その一方でカメラ業界内での「星空を撮る人達に向けた製品開発」の足並みが必ずしも揃っていない現状は、大変残念なことだといわざるを得ません。 (*1)最新モデルの「α7RV」「ZV-E1」では、このStarEaterを発生させるノイズ処理をOFFにする設定がようやく実現されました。 (*2)αシリーズ第2世代以降では、バルブ撮影または露出時間が4秒より長い場合に発現します。なお、「StarEater問題(仕様)」に関して、本稿執筆時点でソニー社からの公式見解はアナウンスされていません。 https://reflexions.jp/tenref/orig/2020/11/04/11933/#7SStarEater ※「StarEater」現象については上記記事を参照ください。 ■デジタルカメラで高精細な月を撮る2「撮影方法と注意点」(撮影・解説/山野泰照) 山野泰照さんの連載2回目。「A0サイズのプリントにも耐えうる」という目標を設定し、そのためにご自身が実践されている撮影方法の詳細を解説。シーイングによる写り方の違いの比較や、月全体の画質最適化するためのピント合わせやカメラの画質設定、ブレの回避など、具体的な事例とともに解説されていておおいに参考になります。 天リフ編集長は月や惑星はあまり撮影経験がないのですが、本連載を拝見し自分もぜひ撮ってみたくなりました^^ シーイングが比較的良好な夏のシーズンにいろいろ試してみたいと思います。 ◎天リフ独断ピックアップ ■広告ピックアップ・PlaneWave L型フォークダイレクトドライブマウントシリーズ / 天文ハウスTOMITA 日本ではまだ導入事例の少ない「PlaneWave」社のマウント「Lシリーズ」。「ダイレクトドライブ(*)」という他にない特徴を持ち、高速駆動と精密駆動を両立させています。 (*)赤緯・赤経の回転軸そのものが巨大なモーターになっています。 これまで日本には販売ルートがなかったため個人輸入するしかなかったのですが、福岡の天体望遠鏡販売店「天文ハウスTOMITA」が正規代理店として販売・店頭展示を開始されるそうです。観測所に設置して使うことが前提ですが、リモート操作との相性も良く、今後導入事例が増えてくることでしょう。 天リフ編集長も参加しているチリの共同リモート観測所でも「PlaneWave率」がとても高く、いくつものLシリーズが設置されています。本格運用はまさにこれからですが、そちらのレポートもお楽しみに! ■星空でつながる中高生の物語/本屋大賞作家・辻村深月さんインタビュー(聞き手●原智子 イラスト●スカイエマ) 「星空でつながる中高生の物語」。コロナ禍で制限された形で青春を過ごさざるを得ない少年少女たちが、星を見るという行為を通して物理的な距離を超えて繋がっていく。6月30日に発売されたばかりの書籍「この夏の星を見る」の作者、辻村深月さんのインタビュー記事。 天リフ編集長の周りでも、熱い感想を数多くSNSで観測中(*)。さきほどポチりましたので、感想は後ほどTwitter等で! (*)「実は(知り合いの)あの人がモデル」とか「自分自身の体験と直接リンクしていて胸が熱くなった」などの感想も。 ■ネットよ今夜もありがとう 今月は鳥取天文協会ブログ。天リフ編集長は初見でしたが、このような形で天文同好会で一つのブログを持ち、会員が投稿するというスタイルは最近多くみかけるようになってきました。鳥取天文協会ブログは更新頻度も高く、積極的に活動されているようです。 鳥取天文協会ブログ https://toritenkyo.blogspot.com/ 鳥取天文協会では、現在「活動展」を鳥取市の「さじアストロパーク」で9月18日まで開催中です。会員による天体写真パネルや手作りの「お役立ちグッズ」を展示されているそうです。 鳥取天文協会活動展開催中 https://toritenkyo.blogspot.com/2023/06/blog-post_23.html ■星ナビギャラリー 今回のトップ下はMさんの「オーストラリア日食 第2接触と第3接触連続写真」。ダイヤモンドリングと大きないくつものプロミネンスが見事。この見開きはオーストラリア皆既日食の作品3点で、いずれも見応えのある傑作です。 個人的イチオシはTさんの「雲上の銀河」。霧に包まれた中で一瞬姿を現した富士山と天の川です。霧に濡れながら1時間半待たれたとのこと、「一瞬の奇跡の瞬間」に出会えることは星に限らず、写真の醍醐味のひとつです。「夢を見たかのような5分間」は忘れられない体験になられたことでしょう。 ■ウクライナの星あかり1「戦禍のプラネタリウムは今」(文/オレナ・ゼムリヤチェンコ) 戦争を逃れ日本に避難してきた、ウクライナ・ハルキウのプラネタリウム解説員オレナ・ゼムリヤチェンコさんによる連載記事第一回。ハルキウのプラネタリウムは現在閉鎖中で、再開か可能かどうかを考えることすら「全て戦争が終わってからの話」。そんな厳しい現実の中、ウクライナの現在のプラネタリウム事情がリアルに語られています。次回以降はウクライナの宇宙開発や宇宙産業、天文学、アマチュア天文家たちの活動などが紹介されるそうです。 ウクライナの地図。首都キーウやロシアに隣接した大都市の名前は、みなさんもニュース等で耳にしていることでしょう。記事中の大規模なプラネタリウムのある「七つの都市(キーウ、ハルキウ、ドネツク、ヘルソン、ドニプロ、ヴィンニツァ、オデーサ)」のうち、3つは閉鎖中ですが4つは開館中だそうです。 ■綴じ込み特別付録「見る・撮る!星空ダイアリー2023夏」 8月恒例の綴じ込み付録。見開きで2週間分のカレンダーと天文現象などの解説、「月と惑星のランデブー」「夏の天の川」「ペルセウス座流星群」の1ページコラム解説も。アプリ「星空ナビ」とも連動。夏の星空観察のお供にどうぞ! まとめ いかがでしたか? 何年ぶりかの「マスクを着けなくても(たぶん)許されるかな?」的な夏がやってきました。良いことも起きる一方で酷いことも起きるのが人間の住む世界。それでも天文界隈には「星を見る」という共通の軸があります。この軸をぶらさず、それぞれの距離感で楽しんでいけるといいですね!皆様の夏が良いものとなりますように。 そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日は天文雑誌!8月号も楽しみですね! 星ナビ8月号は「星空ダイアリー2023夏」と「星景写真用レンズの最新トレンド」 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13087_hoshinavi ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!! 編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
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