ブログ「星のつぶやき」で、天気予報サイトの気象衛星画像の読み方における注意点がわかりやすくまとめられています。ポイントは「撮影に使う波長の違い」です。

星のつぶやき・【追記あり】ひまわり8号からの画像
https://hpn.hatenablog.com/entry/2022/08/14/192415

気象衛星画像の波長による違い



きっかけは当方のこちらのツイート。ペルセウス座流星群の極大の日、どこに行けば晴れそうかをさんざん悩んだ際のツイートです。GPVやwindyのような「天気予報サイト」では、天候が不安定な状態では予報のぶれが大きく、現在の天気すら反映していないことがよくあります。そんな時に一番頼りになるのは「今」を性格に映している「衛星画像」。

ところが、Yahoo!の天気予報では中国地方が晴れっぽく見えるのに、SCWの観測画像では完全な曇り。

https://hpn.hatenablog.com/entry/2022/08/14/192415

 

この差の理由は元記事に書かれているとおり、撮影波長による違い。気象衛星ひまわり8号では、16種もの異なる波長域で地表を撮影していて、どの波長域であるかによって写しだされるものが違ってきます。このあたりの違いについては、元記事の解説をぜひごらんください。

SCWの公式からも同じ回答をいただきました。結論は、Yahoo!天気の衛星画像は赤外画像なので「低層雲がほとんど見えていない」一方で、SCWは「日中は可視画像で低層雲も表示される、夜間は(バンド7の)赤外画像を使用して低層雲も判読しやすくしている」です。

昼間のひまわり8号画像。左上からバンド1から16までを並べて見ました。可視光でも雲が写っています。

ポイントを再度箇条書きにしました。このあたりを抑えておけば、筆者のような誤解をすることは少なくなるでしょう。

  • 雲の様子を判別しやすいのは可視光画像だが、夜間は(暗くて)雲が写らないので使えない
  • 赤外線を使用すれば夜間、昼間双方で雲を写せる。主に使用されるのはバンド13とバンド7。
  • Yahoo!天気で使用される画像はバンド13の赤外線で、低層雲が写りにくい
  • SCWでは昼間は可視光(バンド1、2、3)、夜間はバンド13の赤外線に加えて低層雲が写るバンド7を併用している。
夜間のひまわり8号画像。左上からバンド1から16までを並べてみました。2.3μよりも短い光では夜間は何も写りません。バンド7では北朝鮮や九州南部が雲に覆われているのがわかりますが、バンド13では雲がないかのように見えています。

SCWの画像に対する要望

元記事では、SCWの夜間画像では市街地の雲が見にくい(市街光入りの衛星画像と重ね合わせられている)という指摘があります。これに反応してSCWの公式からは「運形」表示にすることで雲の有無が明瞭に表示できるよ、というツイートがありました(元記事でも追記されています)。

「雲形」表示の長所と短所にも触れられています。個人的には、「雲形」「雲量」の表示が広い範囲を表示することができず、「衛星画像」とサイズが異なるのがちょっと使いにくいなと感じました。 「衛星画像」「雲形」「雲量」の3つを同じサイズ・表示範囲で切り替えられるとさらに見やすいのですが。

また、衛星画像で陸地の輪郭が表示されるとさらに見やすくなると感じました。完全に雲に覆われている状態だと、どの場所を表示しているのかがわからないので・・(*)

(*)前述の「同じサイズ・表示範囲で切り替え」が実現するだけでもかなり改善しそうです。

「昨今のSNS時代には一枚ですべてが分かる図が求められている」とあるとおり、いかに手間をかけずに情報を一目で把握できるかが天気サイト(アプリ)の生命線でしょう。今後の継続的な進化に期待ですね。

まとめ

いかがでしたか?

筆者はこれまで天気予報サイトは「windy.com」が最強と思っていて、有料登録(Premium)もしていました。しかし、今回をきっかけにSCWも有料登録しました(*1)。最大の理由はwindyでは「今現在の雲の状況」を正確に把握できないからです(*2)。

(*1)月間308円。無料では衛星画像は「3時間以前」しか表示できず「(ほぼ)今現在」を見ることができません。衛星画像と予測モデル(予報)が同じ画面で見られるのもメリット。

(*2)一方で、ユーザーインターフェースはWindyが優れています。海外の天気予報も見ることができるので、遠征にも便利。雲や降水量意外にも実に多彩な情報を見ることができます。

SCWを使用しなくても、元記事で紹介されているアプリ「ひまわり8号リアルタイム」を使用すれば、バンド1〜16全ての画像を見ることができます。ただ、個人的には「バンド7とバンド13の切替え(*)」がけっこう面倒で、前述の弱点はあるものの、予報と同じ画面で使用できるSCWの方が使いやすいなと感じました。

(*)「バンド7」「バンド13」というマジックナンバーを覚えていられるか、という高齢者特有の?問題もあります^^;;

現時点では、残念ながら「これひとつあればOK!」という決定版の天気予報サイト(アプリ)はまだない、というのが筆者の結論です。それぞれのサービスの違いや衛星画像がどの波長を使用しているかをしっかり把握することで、より確度の高いお天気の把握と予測ができるでしょう。

いずれにしても、元記事は非常に有用です。ぜひ通読されることをオススメします。

星のつぶやき・【追記あり】ひまわり8号からの画像
https://hpn.hatenablog.com/entry/2022/08/14/192415

  https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2022/08/edd3f96e503498277b6615fc837f5f7f-1024x698.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2022/08/edd3f96e503498277b6615fc837f5f7f-150x150.jpg編集部特選ピックアップ天気予報ブログ「星のつぶやき」で、天気予報サイトの気象衛星画像の読み方における注意点がわかりやすくまとめられています。ポイントは「撮影に使う波長の違い」です。 星のつぶやき・【追記あり】ひまわり8号からの画像 https://hpn.hatenablog.com/entry/2022/08/14/192415 気象衛星画像の波長による違い 今日の11時。Yahooの衛星画像(左)とSCWの観測画像がなんでこんなに違うのだろう。。 pic.twitter.com/v30nYYtQFd — 黒・天リフ (@black_tenref) August 12, 2022 きっかけは当方のこちらのツイート。ペルセウス座流星群の極大の日、どこに行けば晴れそうかをさんざん悩んだ際のツイートです。GPVやwindyのような「天気予報サイト」では、天候が不安定な状態では予報のぶれが大きく、現在の天気すら反映していないことがよくあります。そんな時に一番頼りになるのは「今」を性格に映している「衛星画像」。 ところが、Yahoo!の天気予報では中国地方が晴れっぽく見えるのに、SCWの観測画像では完全な曇り。   この差の理由は元記事に書かれているとおり、撮影波長による違い。気象衛星ひまわり8号では、16種もの異なる波長域で地表を撮影していて、どの波長域であるかによって写しだされるものが違ってきます。このあたりの違いについては、元記事の解説をぜひごらんください。 Yahoo!は赤外画像を表示しており、低層雲がほとんど見えていません。 一般的な赤外画像で低層雲の多くが表示されないのが良くわかる対比になっています。 ※SCWでは日中は可視画像により低層雲も含め表示され、夜間は赤外画像を使用し低層雲の判読しやすい処理をしています。 https://t.co/NpdRYgBAsv — SCW (@supercweather) August 12, 2022 SCWの公式からも同じ回答をいただきました。結論は、Yahoo!天気の衛星画像は赤外画像なので「低層雲がほとんど見えていない」一方で、SCWは「日中は可視画像で低層雲も表示される、夜間は(バンド7の)赤外画像を使用して低層雲も判読しやすくしている」です。 ポイントを再度箇条書きにしました。このあたりを抑えておけば、筆者のような誤解をすることは少なくなるでしょう。 雲の様子を判別しやすいのは可視光画像だが、夜間は(暗くて)雲が写らないので使えない 赤外線を使用すれば夜間、昼間双方で雲を写せる。主に使用されるのはバンド13とバンド7。 Yahoo!天気で使用される画像はバンド13の赤外線で、低層雲が写りにくい SCWでは昼間は可視光(バンド1、2、3)、夜間はバンド13の赤外線に加えて低層雲が写るバンド7を併用している。 SCWの画像に対する要望 【衛星画像の夜間の市街地で雲が見づらい】 というご意見があります。 そのような時は、隣にある「雲形」ボタンを押しみてください。 夜間市街地でも雲の有無が明瞭にわかります。 「雲形」にはその他次の利点があります pic.twitter.com/ycH2OAwe7P — SCW (@supercweather) August 15, 2022 元記事では、SCWの夜間画像では市街地の雲が見にくい(市街光入りの衛星画像と重ね合わせられている)という指摘があります。これに反応してSCWの公式からは「運形」表示にすることで雲の有無が明瞭に表示できるよ、というツイートがありました(元記事でも追記されています)。 ただし「雲形」には誤判定という欠点があります. ときどき雪を雲と誤って判定してしまうなどです. 全てが1枚で済むのが理想ですが, 何かおかしい感じがあれば「雲形」と「衛星画像」を相互に補って見ていただきたいと思います. なお,雲は時間とともに移動しますが雪は動かないのそれでも判断できます — SCW (@supercweather) August 15, 2022 「雲形」表示の長所と短所にも触れられています。個人的には、「雲形」「雲量」の表示が広い範囲を表示することができず、「衛星画像」とサイズが異なるのがちょっと使いにくいなと感じました。 「衛星画像」「雲形」「雲量」の3つを同じサイズ・表示範囲で切り替えられるとさらに見やすいのですが。 また、衛星画像で陸地の輪郭が表示されるとさらに見やすくなると感じました。完全に雲に覆われている状態だと、どの場所を表示しているのかがわからないので・・(*) (*)前述の「同じサイズ・表示範囲で切り替え」が実現するだけでもかなり改善しそうです。 「昨今のSNS時代には一枚ですべてが分かる図が求められている」とあるとおり、いかに手間をかけずに情報を一目で把握できるかが天気サイト(アプリ)の生命線でしょう。今後の継続的な進化に期待ですね。 まとめ scw有料登録した。現在の天気を把握するにはscwが一番便利そう。yahoo! IDとウォレット必須という地雷があったが幸い登録してた^^;; ついでに解除したつもりでしてなかったYahooプレミアムを解除。3年分くらい無駄した・・(解除したつもりになってた) — 黒・天リフ (@black_tenref) August 16, 2022 いかがでしたか? 筆者はこれまで天気予報サイトは「windy.com」が最強と思っていて、有料登録(Premium)もしていました。しかし、今回をきっかけにSCWも有料登録しました(*1)。最大の理由はwindyでは「今現在の雲の状況」を正確に把握できないからです(*2)。 (*1)月間308円。無料では衛星画像は「3時間以前」しか表示できず「(ほぼ)今現在」を見ることができません。衛星画像と予測モデル(予報)が同じ画面で見られるのもメリット。 (*2)一方で、ユーザーインターフェースはWindyが優れています。海外の天気予報も見ることができるので、遠征にも便利。雲や降水量意外にも実に多彩な情報を見ることができます。 SCWを使用しなくても、元記事で紹介されているアプリ「ひまわり8号リアルタイム」を使用すれば、バンド1〜16全ての画像を見ることができます。ただ、個人的には「バンド7とバンド13の切替え(*)」がけっこう面倒で、前述の弱点はあるものの、予報と同じ画面で使用できるSCWの方が使いやすいなと感じました。 (*)「バンド7」「バンド13」というマジックナンバーを覚えていられるか、という高齢者特有の?問題もあります^^;; 現時点では、残念ながら「これひとつあればOK!」という決定版の天気予報サイト(アプリ)はまだない、というのが筆者の結論です。それぞれのサービスの違いや衛星画像がどの波長を使用しているかをしっかり把握することで、より確度の高いお天気の把握と予測ができるでしょう。 いずれにしても、元記事は非常に有用です。ぜひ通読されることをオススメします。 星のつぶやき・【追記あり】ひまわり8号からの画像 https://hpn.hatenablog.com/entry/2022/08/14/192415 https://hpn.hatenablog.com/entry/2022/08/14/192415  編集部発信のオリジナルコンテンツ