アストロアーツHPで、星ナビ2019年10月号の内容が告知されています。発売は9月5日木曜日、すでに発売中です。

今月号は編集部海外出張のため本記事のリリースが遅れてしまいましたが、その分ネットでの反応なども合わせてご紹介します!

今月の内容は!?

星雲・星団が見ごろになるこの季節、望遠鏡の新調を考えている方におすすめなのが、特集『全ラインナップ研究「タカハシ屈折望遠鏡大全」』。「天文外史」では、20年を迎える「すばる望遠鏡」の歴史と展望を紹介しています。

星ナビ10月号は「タカハシ屈折望遠鏡大全」と「すばる望遠鏡の20年」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10813_hoshinavi



■表紙

スターベース東京の新宿健さん撮影のエータカリーナ星雲です。ニュージーランド・テカポ湖周辺で見るエータカリーナ星雲は圧巻の姿。機内持ち込みが可能なタカハシの小型鏡筒(FSQ-85EDP)とフルサイズ一眼レフでの撮影です。

これは見事なηカリーナ星雲。タカハシが誇るイケメン若手のホープ、新宿さんの撮影。海外遠征では機内持込の可否が機材の重要なファクターになりますが、手軽に持ち込める最大サイズがFSQ85でしょう。

■タカハシ屈折望遠鏡大全(解説・作例新宿 健)

これまで多くの特徴的な屈折望遠鏡を世に送り続けてきたタカハシ。複雑な製品群のようだが、実は様々な用途に対応できるラインナップが揃っている。直営店のスタッフが各製品の特長を案内する。

これまでありそうでなかった「タカハシ屈折望遠鏡」の全10ページ総まくり解説。スターベース東京の新宿健さんが、歴史・設計思想から使いこなしまでを、収差図や作例を織り交ぜながら全てを語ります。

メーカー側がこのような形で製品紹介の記事を書くというのは珍しいのではないでしょうか。下手をすると「お手盛り」「カタログ」に陥る危険のある手法ですが、それが全くそうなっていないのが「高橋製作所」の良心でありDNAではないでしょうか(*)。

(*)なんでこれまでなかったの?というところも高橋製作所「らしかった」と言えるかも?

川口編集長が編集後記で「何がなんだか記号だらけで整理しようと思った」と書かれている通り、タカハシの屈折はバリエーションが大杉ですが、「どれを選べばいいの?フローチャート」は秀逸^^ YES/NOに答えるだけで全15本の鏡筒からあなたにぴったりの鏡筒が見つかります。「口径の大きさ重視:YES」→「何に使う?:撮影をしたい」でいきなり行き着く鏡筒は?ぜひごらんください。

twitterでディープな機材関連情報を発信されている@fmasaさんも早速反応。FOA-60のレンズ構成、収差図は本記事が初公開だったようです。

■画像処理で星雲を描出・都会で星雲を撮る3(画像・解説根本泰人)

3回目となる今回は、安定した作品作りを目指すために必要な画像処理のプロセスについて解説する。基本となるスタック処理や画像処理ソフトでの仕上げをマスターして、都会の空で星雲を撮ろう。

根本泰人さんの連載最終回。都会で天体写真を撮るには、光害に埋もれた元画像から、画像処理で天体のわずかの輝度差や色彩を絞り出さなくてはなりませんが、そのための画像処理ソフトウェアと処理手順の解説です。

一部の天体写真フリークに愛用されている「Deep Sky Stacker」についての詳しい解説が天文雑誌に特集されるのは初めてではないでしょうか。筆者も愛用していますが「Median Kappa-sigma clippingは処理時間が長くなる上S/Nが悪くなる」など鋭い指摘が満載です。

他にも背景をフラット化するPhotoshopプラグイン「GradientXterminater(GXT)」や、ノイズ処理ソフト「Defile 2」など、さまざまな画像処理ソフトの紹介や実戦的な使い方が解説されています。

こちらは古いツイートですが、「都会で星雲を撮る」エキスパート、本記事執筆の根本さん。

◎広告ピックアップ

■星宴2019inうぶやま(天文ハウスTOMITA)

3ヶ月連続の自己都合の宣伝ですみません^^

10月25/26日に天文ハウスTOMITA様が主催される星祭り「星宴(せいえん)2019 inうぶやま」。こちらで不肖・天リフ編集長が講座を担当させていただきます。題して「星空を10倍楽しむ方法」。

内容は「マニアから初心者まで、星空を遊び尽くすためのちょっとしたノウハウを語ります。キーワードは”五感”と”五欲”」 です。内容はこれから考えます!

「星宴(せいえん)2019 inうぶやま」
https://astro-shop-tomita.wixsite.com/seien2019

◎天リフ独断ピックアップ

■「宇宙物理たんbot」研究会デビュー News Watch(P5)より 紹介●松岡義一

ツイッタランドとYouTubeに君臨する宇宙系美少女アウトリーチャー「宇宙物理たんbot」が「日本天文教育普及研究会(天教)」で基調講演!

天リフでも何度もご紹介しているので、「宇宙物理たんbot」についてはもうご存じかと思いますが「学会で講演(*)」というのはスゴイ。

(*)星ナビ誌上では「研究会」となっています。さすが言葉を正確に用いる専門誌です。Wikipediaによる「学会」の定義を読むと、天教は国が指定した「公的学会」である「日本学術会議協力学術研究団体」です。学会と呼んでも差し支えはありません。