【連載第六回】保存版・星空撮影マナーガイド【天体撮影のトリセツ第二章】
「天体写真のトリセツ」第二章、第6回は「保存版・星空撮影マナーガイド」
今回はまだ記憶に生々しい新潟の棚田で起きた事故を教訓に、「星空撮影のマナー」について書かせていただきました。
目次
記事の内容
具体的な安全対策マニュアル
今回の記事は、できるだけ具体的な「マニュアル」であることを目指しました。星空撮影の現場での安全と事故防止。これがまず第一のテーマです。
人間は、生物学的には夜行生物の流れを汲んではいるもの、すっかり文明に染まってしまっているので、暗い所では明かりが必要です。そんな人間が、好きこのんでわざわざ、星空を見に明かりのない暗い場所に行く。そもそもの出発点に矛盾があるのです。ある程度の考え方とライトの使用法を整理して「使うべき時」と「使うべきでない時(=不用意に使うことによる周辺への影響)」を、できるだけ誰にでも理解できる形で書いてみたつもりです。
電球色問題と理想のライトとは
記事中で「赤色よりも電球色」という主張をしています(*)。これは今後、多くの方の体験と検証によって、より一般化しいずれ主流になるだろうと信じています。一方で「世の中の携帯用ライトは明るすぎる(**)」という問題があり、この問題が解決されなくてはならないと感じています。
(*)こういうことを書くと「天リフは写真に寄りすぎ!」という批判も頂戴するのですが、天リフは世の中の写真派比率の実態ほどには写真傾倒ではないつもりです。
(**)「首からぶら下げられる」「カールコードのように手に持っていっぱいに延ばしても使える」「指向性の高いごくごく弱い手元照明が可能」「足元までを最小限に照らすやや広い範囲の照明が可能」「電球色」この5条件が満たされるものがあると良い気がします。歩行用の照明は兼ねない前提です。
マナーの本質・皆が一歩踏み込んで考えること
鉄道や蛍の件を含めて、一部の「身勝手な写真愛好家」の存在が社会に浮き彫りになってきているのは多くの人の知るとおりです。しかし「まともであることを自認する人」がいくら声を大にしても「まともでない残念な人たち」にはその声は届きません。これについては筆者はほぼ諦めていますし、これについての怒りを表明してもそれは自己満足に過ぎないと感じています。
むしろ、本当に問題なのは「まともであるはずの人が、単なる無知や何かの勘違いによって、まともでないように振る舞ったり、まともでないように見えてしまう」ことではないでしょうか。
「やっちゃだめリスト」を作って「マナー警察で監視する」ような形は、本来あるべき姿ではないはずです。そのことをより多くの人に考えて欲しい、というのが筆者の願いです。
今回書かなかったこと
あまりいろんなことを詰め込むと趣旨が不明確になり、誰も読まないものになってしまいますので、いくつかのトピックは(重要であるけれども)除外しました。例えば「恒久的な夜間の明かりを減らす、少なくすること(ダークスカイ運動など)」「星空イベント・観望会などでの最適な照明の強さや安全対策について」「撮影地の公開と秘匿、有名地への集中の問題」「星空の下で意図的に被写体を照明する行為(*)」「山岳星景などの本質的に危険をはらむ行為」などです。
どれも、本気で取り組むとかなりのリサーチ・勉強・体験が必要なので、どこまで書けるかはわかりませんが、天リフのテーマとして今後も取り組んでいきたいと考えています。
若干の裏話
マナー・モラルに関する件は、これまでも散発的に書いてきたことがありましたが、最近はある理由から、ちょっと書く気が失せてきたところでした。
そもそも、人にはいろいろな考え方・価値観があります。特定の考え方の立場に立てば、ある程度矛盾しないロジックが組み立てられるのですが、それは別の立場からすれば「異論」になり、それが極端になると「許せん」となってしまいます。特定の立場に立って論を張ることで反感を買って読者を失いたくはないし、かといって多様な立場に立った論点の整理は難易度が高い。そんな理由で避けてきたのでした。
しかし、星峠の事件の報せを聞いて「これはやる気を出さねばならない」と思いました。そこで書いたのがこちらです。
この記事は明確に「星空愛好家」の立場を代弁することを意図しています。いろいろ毒も混ぜたつもりだったのですが、好感をもって受け止めていただいた方には毒はスルーされてしまったようです。この記事を書くことによって「やっちゃだめマニュアル」には自己満足以外の意味は乏しいことがよくわかりました。いろいろ不満の残る内容ですが、書いたものは仕方ないので当分はこのままです。
実は事故の直後、某キー局から電話取材の依頼があったのですが、その際に仲介いただいたのがトリセツのエマーク編集長でした(*)。
(*)局のリサーチャーのが記事をググって、トリセツさんの過去記事を見つけて連絡されたようです。
今回のトリセツさんへの記事は、まさに星峠の縁でした。それで、しばらくお休みしていたトリセツさんへの連載も、復活することになりました。次回からは3〜5回くらいで、中型?テーマの連載がスタートします。こちらもお楽しみに!
ハッシュタグ#天体撮影のトリセツ
Twitterに投稿されたハッシュタグ「#天体撮影のトリセツ」で記事に対するご質問・ご感想をお待ちしています!もれなくリプライさせていただきます。
また、画像を添えていただければアドバイスもさせていただきます!
https://reflexions.jp/tenref/orig/2019/06/08/8980/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/06/0528_w008_tentai2_07_ogp-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/06/0528_w008_tentai2_07_ogp-150x150.jpg天体撮影のトリセツ星空入門「天体写真のトリセツ」第二章、第6回は「保存版・星空撮影マナーガイド」 今回はまだ記憶に生々しい新潟の棚田で起きた事故を教訓に、「星空撮影のマナー」について書かせていただきました。 記事の内容 クリックで「トリセツ」連載記事にジャンプします。 具体的な安全対策マニュアル 今回の記事は、できるだけ具体的な「マニュアル」であることを目指しました。星空撮影の現場での安全と事故防止。これがまず第一のテーマです。 人間は、生物学的には夜行生物の流れを汲んではいるもの、すっかり文明に染まってしまっているので、暗い所では明かりが必要です。そんな人間が、好きこのんでわざわざ、星空を見に明かりのない暗い場所に行く。そもそもの出発点に矛盾があるのです。ある程度の考え方とライトの使用法を整理して「使うべき時」と「使うべきでない時(=不用意に使うことによる周辺への影響)」を、できるだけ誰にでも理解できる形で書いてみたつもりです。 電球色問題と理想のライトとは 記事中で「赤色よりも電球色」という主張をしています(*)。これは今後、多くの方の体験と検証によって、より一般化しいずれ主流になるだろうと信じています。一方で「世の中の携帯用ライトは明るすぎる(**)」という問題があり、この問題が解決されなくてはならないと感じています。 (*)こういうことを書くと「天リフは写真に寄りすぎ!」という批判も頂戴するのですが、天リフは世の中の写真派比率の実態ほどには写真傾倒ではないつもりです。 (**)「首からぶら下げられる」「カールコードのように手に持っていっぱいに延ばしても使える」「指向性の高いごくごく弱い手元照明が可能」「足元までを最小限に照らすやや広い範囲の照明が可能」「電球色」この5条件が満たされるものがあると良い気がします。歩行用の照明は兼ねない前提です。 マナーの本質・皆が一歩踏み込んで考えること 鉄道や蛍の件を含めて、一部の「身勝手な写真愛好家」の存在が社会に浮き彫りになってきているのは多くの人の知るとおりです。しかし「まともであることを自認する人」がいくら声を大にしても「まともでない残念な人たち」にはその声は届きません。これについては筆者はほぼ諦めていますし、これについての怒りを表明してもそれは自己満足に過ぎないと感じています。 むしろ、本当に問題なのは「まともであるはずの人が、単なる無知や何かの勘違いによって、まともでないように振る舞ったり、まともでないように見えてしまう」ことではないでしょうか。 「やっちゃだめリスト」を作って「マナー警察で監視する」ような形は、本来あるべき姿ではないはずです。そのことをより多くの人に考えて欲しい、というのが筆者の願いです。 今回書かなかったこと あまりいろんなことを詰め込むと趣旨が不明確になり、誰も読まないものになってしまいますので、いくつかのトピックは(重要であるけれども)除外しました。例えば「恒久的な夜間の明かりを減らす、少なくすること(ダークスカイ運動など)」「星空イベント・観望会などでの最適な照明の強さや安全対策について」「撮影地の公開と秘匿、有名地への集中の問題」「星空の下で意図的に被写体を照明する行為(*)」「山岳星景などの本質的に危険をはらむ行為」などです。 どれも、本気で取り組むとかなりのリサーチ・勉強・体験が必要なので、どこまで書けるかはわかりませんが、天リフのテーマとして今後も取り組んでいきたいと考えています。 若干の裏話 マナー・モラルに関する件は、これまでも散発的に書いてきたことがありましたが、最近はある理由から、ちょっと書く気が失せてきたところでした。 そもそも、人にはいろいろな考え方・価値観があります。特定の考え方の立場に立てば、ある程度矛盾しないロジックが組み立てられるのですが、それは別の立場からすれば「異論」になり、それが極端になると「許せん」となってしまいます。特定の立場に立って論を張ることで反感を買って読者を失いたくはないし、かといって多様な立場に立った論点の整理は難易度が高い。そんな理由で避けてきたのでした。 しかし、星峠の事件の報せを聞いて「これはやる気を出さねばならない」と思いました。そこで書いたのがこちらです。 https://reflexions.jp/tenref/orig/2019/05/07/8588/ この記事は明確に「星空愛好家」の立場を代弁することを意図しています。いろいろ毒も混ぜたつもりだったのですが、好感をもって受け止めていただいた方には毒はスルーされてしまったようです。この記事を書くことによって「やっちゃだめマニュアル」には自己満足以外の意味は乏しいことがよくわかりました。いろいろ不満の残る内容ですが、書いたものは仕方ないので当分はこのままです。 実は事故の直後、某キー局から電話取材の依頼があったのですが、その際に仲介いただいたのがトリセツのエマーク編集長でした(*)。 (*)局のリサーチャーのが記事をググって、トリセツさんの過去記事を見つけて連絡されたようです。 今回のトリセツさんへの記事は、まさに星峠の縁でした。それで、しばらくお休みしていたトリセツさんへの連載も、復活することになりました。次回からは3〜5回くらいで、中型?テーマの連載がスタートします。こちらもお楽しみに! ハッシュタグ#天体撮影のトリセツ Twitterに投稿されたハッシュタグ「#天体撮影のトリセツ」で記事に対するご質問・ご感想をお待ちしています!もれなくリプライさせていただきます。 また、画像を添えていただければアドバイスもさせていただきます! 編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
山口さんのご提案に 2つ異論があります
ひとつは 頭につけるタイプの照明を推奨されていること
もうひとつは 赤色ライトではなく、電球色のライトを推奨されている点です
まず、頭につけるライトが操作性が良いのは夜間一般の作業において、その通りだと思います。
しかしながら、天体観測や天体撮影においては
頭につけたことによって、不用意に他人を照らす危険があります。
全ての夜間に活動する人にヘッドランプの点灯を規制することは不可能ですし、すべきではありませんが
明らかに星を見る、撮影するために集まっている集団ではマナーとして、頭にはヘッドランプを装着しない方が良いと思います
地域性があるのかもしれませんが、私の周りにはそのような人が多いですし、私も若い頃から、天文の先輩からそのように指導されてきました。
もうひとつの天体観測者だけに通用する理由は
頭にヘッドランプが装着していると、望遠鏡を覗いた時にファインダーにランプがぶつかってしまいます。
星景写真を撮る方には関係ない話ですし、
一度、望遠鏡を組み立てたら、ヘッドランプは外してしまうのかもしれませんが。
もうひとつのろんては 赤ライトではなく、電球色のライトという点です。
電球色のライトという表現は初めて見て驚きました。
これは元々は白色の電球を 減光して暗くしたイメージということでしょうか?
トリセツの文中で気がついたのは
眼の暗順応にたいしてのセーフライトとしての赤いライトと
デジカメでの撮影に際してのサーフライトとしての赤いライトを混同されているのではないかと思えました。
白黒印画紙のサーフライトのようなものは
デジタルカメラには存在しません。
例え弱くした白色ライト(電球色?)であっても、デジタルカメラにはセーフライトにはなりません
赤色ライトを 印画紙現像のサーフライトのような使い方をすることに問題があるのであって、
電球色のライトが赤色ライトにとってかわることは絶対にありません
まだまだ話は尽きることはありませんが
この問題については私自身のブログに過去何回も書いてありますし、昨年の星の広場でも発表したことがあります
リンクを貼らなくて申し訳ありませんが、私のブログ ムササビの星空ノートで検索していただければ
すぐに見つかると思います。
長々と山口さんの、御見解を否定するコメントを書かせていただき失礼しました
もし、胎内星まつりなどでお会いすることがあれば
一度、ゆっくりとお話ししてみたいと思いました
長文になり申し訳ありませんでした。
補足です
頭にライトをつけないのならば、どうやって暗闇で作業をするのか?
と 言われそうですね
腕時計のように ヘッドランプを腕に巻きつけます
右利きならば左腕が良いと思います
もうひとつ、天文機材のユニバーサルデザイン化のような取り組みが必要だと思います
例えば、赤道儀のケーブルの接続や
アリガタ・アリミゾの接続など、白いラインなどの目印を付けて、夜間のライトが最小限で済むように工夫がまだまだ足りない製品が多いと思います
私のように自作されて補っている方も多いと思います
都会で月や惑星を主な対象にされている方たちには
暗順応の経験もないかもしれませんから、
そのような環境で普段から星を見ていた方には
このような工夫は必要無かったのかもしれないですね
事実、高橋製作所のリングレベルの刻印は何十年も赤色でした
おそらく高橋製作所の方たちは赤色のライトを使っていなかったのでしょう。
日本を代表する望遠鏡メーカーさんでもこの状況ですから一般的な天文ファンの方たちが知らないのも無理もないかもしれませんね
実は彗星の眼視観測や変光星の眼視観測を長年やってきたベテランの方でも、暗順応の知識は詳しくはありません
はっきり言えば、
暗い天体の眼視観測のベテランの方で 私以外に暗順応の問題を真剣に考えている人を知りません
暗順応の知識がないのに赤色ライトのことを議論しても論点が噛み合わないわけです
ライトは2つ持って使い分けましょう、とするのが理想的なのかもしれません。両手を自由にできる頭装着型の光量の大きなライトと、操作・手元照明用のごく弱い指向性の強いライトの2つです。ただし現実的には頭装着型の1個になるのではないでしょうか。
撮影や観望などのポイントで「頭に着けるな(こちらに照らすな)」という論点はよく聞きますし、それはその通りかと思います。
自分がルールを決めてよい立場ならそうするでしょうが、不用意に灯される光は頭に着けようが手で持とうが邪魔なものです。あえて「頭から外しなさい」とは書きませんでした(頭に着けたままにしなさい、とも書いていません)。自分が発する光の影響を考えましょう、その結果としてより他に影響を与えない使い方を自分で考えてみましょう、という趣旨です。これはまあ「だったらそう書いてよ」という話かもしれませんね。
電球色のライトとは長波長側にピークをもつ白熱電球と同じ2500K程度の色温度のライトを想定しています。
市販のLEDランプの多くは650nm〜700nm前後の人間の眼がほとんど感じないような光も強く出しています。その点で赤セロファンをかぶせた豆電球とはかなり特性が異なります。眼視だけならあまり問題にならない赤色LEDは、写真においてはかなり大きな影響がある、というのが本記事の主張の一つです。
もうひとつ、ライトをどこまで暗くできるかという問題があります。
人間の眼の視覚能力をある一定レベル確保するまで暗くしたとき、「赤色」と「電球色」でどちらがより絶対光量が少ないのか。それは実は「電球色ではないか」というのが本稿が主張するもう一つの論点です。
その意味では市販のライトのほとんどは明るすぎます。明るい白いライトよりは明るい赤いライトのほうがまだマシ、という意味であればそれにはまったく合意します。
胎内は・・・九州からはとても遠いので、今年も不参加の見込みです。
どこかの機会でお会いしたいですね^^
ご返事ありがとうございます
山口さんも私と
考える手段は違っても、目的は同じですね。
他人の迷惑にならず、互いに気持ち良く星を見たり、撮影したりすることを目指している点で、考え方は一致していると思います。
頭にライトを付けるべきかどうかとか
電球色のライトが良いかどうかとかとか
楽しみながら、様々な方法を検討したいものですね
私の暗順応する目的は 目で彗星を見るためです
ですから、 天体撮影に軸足を置いた方とでは 優先することも変わってくるかもしれません。
目的は同じなのに 方法がこんな違うのはそんなところに原因があるのではないでしょう?
互いに情報を交換する中で 自分に合ったスタイルを選べば良いだけで
相手を論破する性質の議論ではないと考えています。
ところで、山口さんは ご自身の目の暗順応をどのようにして確認されていますか?
>互いに情報を交換する中で 自分に合ったスタイルを選べば良いだけで
>相手を論破する性質の議論ではないと考えています。
まったく同意です。
渡辺さんがご指摘されているとおり、本当の意味での暗順応を実践されている方は自分も含めて少ないのではないかと感じています。眼視派の観望会であっても、けっこう赤ライトを含め周辺は明るいですし意外とみなさん「弱い明かり」には寛容ですね。
当方、暗順応を徹底して実践したことはありません。ネビュラフィルターを着けた眼視などのときに、手や布で眼の周りをおおって、数分〜10分じっと見続けるくらいです。渡辺さんのご指摘で、「暗順応」について、もう少し勉強しないといけないと感じました。
西豪で思ったのですが、人工光がほとんどない場所では星明かり・大気光が明るいので(草地ならライトなしで十分歩ける)、黒布をかぶらないと完全な暗順応はできないのではないかと感じました。
瞳径7mmの光学系では、完全な暗順応はそもそも不可能なのかも知れませんね。渡辺さんの体験的にはどんなお考えでしょうか。
山口さん
ご返事ありがとうござい
私の暗順応体験について お話します。
今から20数年前の 胎内平で 私は興味深い体験をしました。
星がよく見えた夜でした。
朝方、私は自分の服装がおかしいことに気がつきました。
こんな服、着てたっけ?
私は着だ覚えのない服を着ていました。
違和感の理由はすぐにわかりました。
たまたま私は赤と青のビビットなツートン・カラーのシャツを着ていたのですか その濃淡が 逆転していたのです。
昼間、明るいところで見ると、赤色の方が明るく、青色の方が暗く感じたのですが、
暗闇で見ると青が明るく、赤が暗くなって見えていたのですを
例えると、それまで103aFのような感色性で見ていたのに、突然に103aOの世界に行ったような変化です。
山口さんや私たちの世代には レギュラーやパンクロというよりも、このイメージの方が直感的にお解りいただけると思います。
赤と青の色濃淡が逆転した世界を体験したのです。
これが私がプルキンエ現象を認識した最初の体験です。
暗順応に伴って、目の細胞の感度域が青にシフトする現象がプルキンエ現象です。
私たちの目が 最大感度を発揮する状態になると、青の感度が上昇し、赤の感度が低下のです
つまり、プルキンエ現象を利用すれば、私たちは自分自身の目の細胞の感度上昇を認識することが出来るわけです。
私はカラーチャートを持ち歩いて、夜間の自分の目の暗順応の状態を認識するようにしています
カラーチャートとは
地元のサッカーチームのアルビレックス新潟のマークのことです
鮮やかなオレンジ色と青色のチームカラーですが、暗順応すると青色が明るくなり、オレンジ色が黒く見えるようになりま。
これはみなさんのお好み次第だと思います。