激安双眼鏡(プライム価格2080円)のレビューです。ポロ式口径22mm10倍(公称)。結論からいってこれはよいものです。

スペック的にはやや倍率が高いので星見には「最適」ではありません(*)。ただ、細かなところが工夫されていて、2000円で手に入る双眼鏡としては、買って損のない製品と感じました。

(*)後述しますが倍率は実測値で8.6倍なので、公称スペックよりは星見向きです。



ブレにくい、工夫された目当ての形状

この製品の最大の特徴はブレにくいということ。なぜか。その秘密は「目当て」にあります。

この曲線状の目当て(アイカップ)がブレにくい秘訣。親指の位置に貼り付けてあるゴムも、持ちやすく安定するのに貢献しています。

双眼鏡を使うとき、どのようにして安定させるか。メガネを着用していない方の場合、双眼鏡の「目当て」を顔にくっつけるのですが、このとき目当てが「どこに当たるか」で使い勝手が全く異なります。

フリー素材「pakutaso」を使用しています。[モデル:恭平] https://www.pakutaso.com/20120159018post-1106.html

 

目当ての径が小さい場合、まぶたに当たってしまいます。このとき、強く押しつけてしまうと眼球を圧迫してしまい、よく見えなくなってしまいます。

一方、ある程度目当ての径が大きい場合は硬い「眉骨」に押しつけることができ、安定して固定することができます。SuperSunnyの双眼鏡は、この目当ての形状が工夫されていて、眉骨を取り囲むようにして顔にしっかりと固定できるのです。

実際に使ってみると、これは非常に具合がよい。このクラスの小型双眼鏡は皆目当ての径が小さくて、眉骨で固定することができないのに対して、SuperSunnyは安定して眉骨で固定でき、手ぶれがずっと少なくなります。

値段以上に見える光学系・ただし倍率は10倍はない

対物レンズは1面のみマルチコートですが、この値段であれば標準的な仕様でしょう。

肝心の見え味はどうでしょうか。コントラストも悪くはなく、中心像はとてもシャープ。周辺は若干崩れますが、お値段の割には大健闘です。ビクセンのATREK 28mm10倍(実売1〜2万円)には負けますが、他の激安品と比べるとずっとよく見えます。

対物レンズの径は実測で20.6mm、瞳径は実測2.4mm。倍率は8.6倍となります。これはいただけません。JIS規格では5%まで許容されていますが、それ以上に違っています。倍率は正しく表記してほしいものです。

ただし、倍率8.6倍は実際のところは悪くない倍率です。設計にも無理がなく、像の明るさも十分。「9倍」と表記するよりも「10倍」と表記する方が売れるからでしょうが、これはユーザも含めた業界全体の問題かもしれません。大きく見たい気持ちもわかるのですが、口径22mmの場合は無理に10倍にするよりも8〜9倍の方がバランスがよい製品なのではないでしょうか。

ただし「非メガネ使用限定」

しかし。重要な注意事項があります。メガネを着用している場合、「手ぶれしにくい」という恩恵にあずかることができません。目当てが大きく湾曲しているので、メガネ着用時は眼が離れてしまい、視野全部を覗くことも安定して固定することもできません。

ストラップも工夫されていて、ワンタッチで取り外せるようになっています。

目当ては簡単に外せて、その中には一回り小さな目当てがあるのですが、材質が硬く折りたたむことができず、この状態では筆者は視野全体を覗くことができませんでした。SuperSunnyのメリットが生きるのは非メガネ着用時に限られると感じました。



ちなみに、筆者は「-10度」の超ド近眼なのですが、メガネを外しても無限遠のピントが出ました。これは素晴らしい(*)。メガネ着用者でも、普通の近視であればしっかりピントが合うと思います。

(*)低価格の双眼鏡では、ピントのストロークが短いものがあり、筆者の場合裸眼時にピントが出ないものがあります。

まとめ

ストラップはもう一種類、手首に巻くタイプのものも付属します。そのほかに取説、清掃クロス、ソフトケース付き。

2000円というお手頃な価格、それでいて安っぽさを感じないカワイイな外観。実測166g(*)とすごく軽くて全く持ち疲れしない。メガネ非着用の方にとっては、コスパ最高の双眼鏡といえるのではないでしょうか。

(*)初出時に重量が誤って記載されていましたので訂正しています。ストラップ・ゴム見口を合わせた重量は実測で166g、本体のみの重量は実測142gでした。

ただし、倍率は10倍ありません。でも、この製品の倍率(実測8.6倍)は、一般用途には一番オススメできる倍率です。メーカー様におかれましては、堂々とこの倍率の良さをアピールして欲しいと思います。

そして、最大の特徴「ぶれにくい」。これはもう絶賛級に素晴らしいです。こんなに覗きやすい・固定しやすい双眼鏡は、このクラスでは見たことがありません。星見にはちょっと暗いですが、コンサートやスポーツ観戦用にオススメできる製品と感じました。

この一回り大きなゴム目当てがこの製品の最大の特徴。接眼レンズはシングルコート。

・本記事は株式会社DEPOT様より機材の供与を受け、天文リフレクションズ編集部が独自の費用と判断で作成したものです。文責は全て天文リフレクションズ編集部にあります。

・眼の形状、眉骨の形状には大きく個人差があります。また、メガネも製品によって大きく形状が異なります。本記事は筆者個人の例であることをお断りしておきます。

・記事に関するご質問・お問い合わせなどは天文リフレクションズ編集部宛にお願いいたします。

・製品の購入およびお問い合わせはAmazon.co.jpの商品ページでお願いいたします。

・本記事によって読者様に発生した事象については、その一切について編集部では責任を取りかねますことをご了承下さい。

・特に注記のない画像は編集部で撮影したものです。

・記事中の製品仕様および価格は執筆時(2018年11月)のものです。

・記事中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。 https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/11/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-2-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/11/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-2-150x150.jpg編集部レビュー双眼鏡双眼鏡激安双眼鏡(プライム価格2080円)のレビューです。ポロ式口径22mm10倍(公称)。結論からいってこれはよいものです。 スペック的にはやや倍率が高いので星見には「最適」ではありません(*)。ただ、細かなところが工夫されていて、2000円で手に入る双眼鏡としては、買って損のない製品と感じました。 (*)後述しますが倍率は実測値で8.6倍なので、公称スペックよりは星見向きです。 ブレにくい、工夫された目当ての形状 この製品の最大の特徴はブレにくいということ。なぜか。その秘密は「目当て」にあります。 双眼鏡を使うとき、どのようにして安定させるか。メガネを着用していない方の場合、双眼鏡の「目当て」を顔にくっつけるのですが、このとき目当てが「どこに当たるか」で使い勝手が全く異なります。   目当ての径が小さい場合、まぶたに当たってしまいます。このとき、強く押しつけてしまうと眼球を圧迫してしまい、よく見えなくなってしまいます。 一方、ある程度目当ての径が大きい場合は硬い「眉骨」に押しつけることができ、安定して固定することができます。SuperSunnyの双眼鏡は、この目当ての形状が工夫されていて、眉骨を取り囲むようにして顔にしっかりと固定できるのです。 実際に使ってみると、これは非常に具合がよい。このクラスの小型双眼鏡は皆目当ての径が小さくて、眉骨で固定することができないのに対して、SuperSunnyは安定して眉骨で固定でき、手ぶれがずっと少なくなります。 値段以上に見える光学系・ただし倍率は10倍はない 肝心の見え味はどうでしょうか。コントラストも悪くはなく、中心像はとてもシャープ。周辺は若干崩れますが、お値段の割には大健闘です。ビクセンのATREK 28mm10倍(実売1〜2万円)には負けますが、他の激安品と比べるとずっとよく見えます。 対物レンズの径は実測で20.6mm、瞳径は実測2.4mm。倍率は8.6倍となります。これはいただけません。JIS規格では5%まで許容されていますが、それ以上に違っています。倍率は正しく表記してほしいものです。 ただし、倍率8.6倍は実際のところは悪くない倍率です。設計にも無理がなく、像の明るさも十分。「9倍」と表記するよりも「10倍」と表記する方が売れるからでしょうが、これはユーザも含めた業界全体の問題かもしれません。大きく見たい気持ちもわかるのですが、口径22mmの場合は無理に10倍にするよりも8〜9倍の方がバランスがよい製品なのではないでしょうか。 ただし「非メガネ使用限定」 しかし。重要な注意事項があります。メガネを着用している場合、「手ぶれしにくい」という恩恵にあずかることができません。目当てが大きく湾曲しているので、メガネ着用時は眼が離れてしまい、視野全部を覗くことも安定して固定することもできません。 目当ては簡単に外せて、その中には一回り小さな目当てがあるのですが、材質が硬く折りたたむことができず、この状態では筆者は視野全体を覗くことができませんでした。SuperSunnyのメリットが生きるのは非メガネ着用時に限られると感じました。 ちなみに、筆者は「-10度」の超ド近眼なのですが、メガネを外しても無限遠のピントが出ました。これは素晴らしい(*)。メガネ着用者でも、普通の近視であればしっかりピントが合うと思います。 (*)低価格の双眼鏡では、ピントのストロークが短いものがあり、筆者の場合裸眼時にピントが出ないものがあります。 まとめ 2000円というお手頃な価格、それでいて安っぽさを感じないカワイイな外観。実測166g(*)とすごく軽くて全く持ち疲れしない。メガネ非着用の方にとっては、コスパ最高の双眼鏡といえるのではないでしょうか。 (*)初出時に重量が誤って記載されていましたので訂正しています。ストラップ・ゴム見口を合わせた重量は実測で166g、本体のみの重量は実測142gでした。 ただし、倍率は10倍ありません。でも、この製品の倍率(実測8.6倍)は、一般用途には一番オススメできる倍率です。メーカー様におかれましては、堂々とこの倍率の良さをアピールして欲しいと思います。 そして、最大の特徴「ぶれにくい」。これはもう絶賛級に素晴らしいです。こんなに覗きやすい・固定しやすい双眼鏡は、このクラスでは見たことがありません。星見にはちょっと暗いですが、コンサートやスポーツ観戦用にオススメできる製品と感じました。 ・本記事は株式会社DEPOT様より機材の供与を受け、天文リフレクションズ編集部が独自の費用と判断で作成したものです。文責は全て天文リフレクションズ編集部にあります。 ・眼の形状、眉骨の形状には大きく個人差があります。また、メガネも製品によって大きく形状が異なります。本記事は筆者個人の例であることをお断りしておきます。 ・記事に関するご質問・お問い合わせなどは天文リフレクションズ編集部宛にお願いいたします。 ・製品の購入およびお問い合わせはAmazon.co.jpの商品ページでお願いいたします。 ・本記事によって読者様に発生した事象については、その一切について編集部では責任を取りかねますことをご了承下さい。 ・特に注記のない画像は編集部で撮影したものです。 ・記事中の製品仕様および価格は執筆時(2018年11月)のものです。 ・記事中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。編集部発信のオリジナルコンテンツ