星月夜・毎日新聞「余録」から
「星月夜(ほしづきよ)」という言葉をご存じでしょうか。
毎日新聞余録 「星月夜(ほしづきよ)」とは… |
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毎日新聞の1面のコラム、「余録」からのご紹介。
「星月夜」の本来の意味は多くの人に誤解されているようですが、「星と月の出ている夜」ではなく、「星の光が月のように明るく見える夜」のことです。
コラムでは、天文界の先達である野尻抱影(ほうえい)さんの著作から、戦時中の東京の星空の描写が引用されます。
「警戒管制の暗闇で、江戸時代の夜でもこうは暗くなかったろう……息を詰めている頭の上で、天の川が銀色の煙幕を引いたように輝いて、仲間の鉄かぶとにもその光が映っていた。あまりに明るくて、全市がそれに曝(さら)されていると思うと、不気味なくらいだった」
文字装飾;編集部
おそらく近代以降最も暗い空であったろう戦時下の東京。
不気味なほどに輝く星空。文明が無力化された中での原初の星空の迫力が伝わってくる文章です。
コラムではこの後、そんな星空が多くの地域で既に失われ、LED照明の普及でさらに拍車がかかってきていること、以前もご紹介した環境省の動きの話と続き、最後に正岡子規の次の短歌で締めくくられます。
真砂(まさご)なす数なき星の其(そ)の中に吾(われ)に向ひて光る星あり ー 正岡子規
圧倒的な存在感の星空の中にちっぽけな自分の身を委ねても、自分のために光っている星がきっとあると感じる瞬間。
そんな体験の素晴らしさを伝えていくためにも、われわれ天文ファンは「星月夜」という言葉とその本来の意味を心に留めておきたいものです。
6/7 12:56補足)
読者の方より指摘があり、星月夜の読みは「ほしづきよ」の他に「ほしづくよ」というものがあるそうです。
Goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/srch/all/ホシヅクヨ/m0u/
https://reflexions.jp/tenref/orig/2017/06/07/727/カルチャー「星月夜(ほしづきよ)」という言葉をご存じでしょうか。
毎日新聞余録
「星月夜(ほしづきよ)」とは…
「星月夜(ほしづきよ)」とは星と月の出ている夜ではない。星の光が月のように明るく見える夜のことである。今や多くの人にとって想像するのも難しかろうが、天文随筆家の野尻抱影(のじりほうえい)は戦時中の東京の星月夜をこう記す▲
毎日新聞の1面のコラム、「余録」からのご紹介。
「星月夜」の本来の意味は多くの人に誤解されているようですが、「星と月の出ている夜」ではなく、「星の光が月のように明るく見える夜」のことです。
コラムでは、天文界の先達である野尻抱影(ほうえい)さんの著作から、戦時中の東京の星空の描写が引用されます。
「警戒管制の暗闇で、江戸時代の夜でもこうは暗くなかったろう……息を詰めている頭の上で、天の川が銀色の煙幕を引いたように輝いて、仲間の鉄かぶとにもその光が映っていた。あまりに明るくて、全市がそれに曝(さら)されていると思うと、不気味なくらいだった」
文字装飾;編集部
おそらく近代以降最も暗い空であったろう戦時下の東京。
不気味なほどに輝く星空。文明が無力化された中での原初の星空の迫力が伝わってくる文章です。
コラムではこの後、そんな星空が多くの地域で既に失われ、LED照明の普及でさらに拍車がかかってきていること、以前もご紹介した環境省の動きの話と続き、最後に正岡子規の次の短歌で締めくくられます。
真砂(まさご)なす数なき星の其(そ)の中に吾(われ)に向ひて光る星あり ー 正岡子規
圧倒的な存在感の星空の中にちっぽけな自分の身を委ねても、自分のために光っている星がきっとあると感じる瞬間。
そんな体験の素晴らしさを伝えていくためにも、われわれ天文ファンは「星月夜」という言葉とその本来の意味を心に留めておきたいものです。
6/7 12:56補足)
読者の方より指摘があり、星月夜の読みは「ほしづきよ」の他に「ほしづくよ」というものがあるそうです。
Goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/srch/all/ホシヅクヨ/m0u/編集部山口
千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
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