サイトロンジャパンより2段式のカーボン三脚「SCT-53/AD-SW set」の発売がアナウンスされています。12/26発売開始、価格は税込49,800円です。

https://www.syumitto.jp/SHOP/SP0001.html

税込5万円切りの衝撃

この製品の最大のポイントは価格といえるでしょう。これまで、「40mm径、2段式」の天文用途を想定したカーボン三脚は各社から発売されていましたが、税込で5万円を切るのは編集子の知る限りでは初めてです。

決してお安くはない製品ですが、このサイズのカーボン三脚はかなり重い架台も搭載することができ(*)、機材の軽量化を実現できるソリューションとなることでしょう。

(*)中型赤道儀を搭載している使用例をいくつか見かけます。編集部ではFSQ106ED(鏡筒7キロ)を搭載したことがありますが、不安は特に感じませんでした。

編集子はこの三脚は、試作段階のもの?を小海の星祭りで見ただけで、実機に実際に触れたことはありません。以下、賞品ページを見ただけの印象ですが、特徴をまとめてみます。

ちなみに編集部ではK社製の「40mm径2段式カーボン三脚」を3年ほど前から使用しています。本記事での「他社製品」はこちらを指すものです。

手荷物で飛行機に持ち込めるサイズ

縮長545mm、伸長940mm。これは航空機の手荷物で持ち込める55cmというサイズを意識したもの。重量は2140g(アダプタ含まず)。編集部所有の機材と比較したところ、石突付きでほぼ同じサイズでした。各部の形状はよく似ていますが、いくつか違いがあります。

大型のステンレス製石突

https://www.syumitto.jp/SHOP/SP0001.html

一般に、三脚の石突きは3/8インチネジ仕様で交換可能なものが多いのですが、この製品もそうなっているものと思われます。付属のステンレス製石突きは大型で安定している印象。

クランプ式の三脚座固定部

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スリック・ベルボンなどの一般用(*)カメラ用三脚と、天文用途を意識した三脚の最大の違いは三脚座。より大型でよじれにくい構造になっています。

(*)ジッツォなど、モデルにもよりますがさらに大型の三脚座を備えたものもあります。

この三脚座にアダプタを取り付けるのですが、取付はクランプネジをねじ込んで1方向から締める方式(*)になっています。他社製品では三脚座がスリ割りになっていて全周で締める形になっているのですが、この締め込みの固定力とクランプ時の微妙な動き方には注目したいところ(*)。

(*)2018/12/25追記。販売店様に確認がとれました。クランプの締め込みは赤い大きなつまみが1個で、45度角くらいのプレート全体を押さえつける形になっています。1点締めですが「面接触」での締め込みです。また、小さなつまみは「増し締めのためのクランプ」ではなく、三脚座の脱落防止用のロックピンだそうです。

(*)追記 12/22 22:07  この締め込みは「点接触」ではありません。45°角くらいのプレート全体をクランプで押さえつける形になっているようです。12/23 8:10 赤い2つ目のつまみも固定ネジのようです。

(*)編集子は他社製のスリ割り式三脚座のカーボン三脚に「極軸微動装置」を介さずにSWAT赤道儀を直付けしているのですが、締め込み加減を加減することで、微動なしでもそれなりに満足な極軸合わせが可能です。

三脚ネジは1/4インチ細ネジ、3/8インチ太ネジの両用になっています。https://www.syumitto.jp/SHOP/SP0001.html

接合部直径60mmの赤道儀に対応したアダプタが付属

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これもこの製品の大きな特長。Sky-WatcherのEQ3,5,35M、ビクセン旧SP,GP,GPD赤道儀を搭載できる三脚座が付属します。他社製の場合別売で用意されていますが、標準付属は大きい。該当する赤道儀で使用する方とっては、よりお買い得感が高いことでしょう。

EQ35M赤道儀がようやく「ポータブル」に

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この三脚を使用することで、「EQM35」赤道儀が、ようやく本来の「ポータブル赤道儀仕様」のメリットを生かせる形になります。EQM35付属のステンレス三脚は非常に堅牢なのですが、大きく重く、ちょっと「ポータブル」からは遠いものでした。写真の構成であれば「ポータブル赤道儀」としてのメリットが大きくなることでしょう(*)

(*)2018_12_25追記まとめ。販売店様に確認がとれました。別売の「WiFiアダプタ」とスマホ・タブレットアプリの「SynScan」を使用することで、三脚の右の脚に取り付けられた「ハンドコントローラ」が不要になり、さらにコンパクトになります。SynScanは1軸駆動状態の赤道儀でも使用可能です(自動導入は使用できませんが、アプリから赤経軸をコントロールできます)。

(*)1軸ガイドの場合自動導入ではないので、ハンドコントローラが若干嵩張るように思えますが「WiFiアダプタ」を追加すればさらにコンパクトになるはず。その状態でも問題なく稼働するかどうかは現在確認中です。

まとめ・小型軽量三脚の存在意義

天文機材の運搬に車を使用する人にとっては、2キログラムの三脚も、5キログラムの三脚も、負担という意味ではあまり変わりません。一方で、三脚も架台も、重いほど物理的に安定します。「クソ重い」三脚は正義。そんな中、小型軽量三脚の存在意義はどこにあるのか。

飛行機で海外や離島に行くケースでは、検討の余地なく軽量三脚一択です。5キロの三脚を飛行機に持ち込むなら、三脚を2キロにしてレンズとカメラをもう1セット持っていきたくなります。また、車を使用するにしても、荷物の積み降ろしはやっぱりしんどいものです。軽いのは楽。これも真実です。

ビクともしない重くても堅牢な三脚を選ぶか、小型軽量な(でもちょっとお値段の張る)軽量三脚を選ぶのか。それは貴方の目的と用途次第。1ランクお値頃になったサイトロンの三脚はその選択の可能性を広げてくれるはずです。

 

ソフトケースが付属します。フリー素材「ぱくたそ」を使用しています。

 

 

 

http://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/12/132122eaf99415d437b06a3eb54415e4-1024x556.jpghttp://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/12/132122eaf99415d437b06a3eb54415e4-150x150.jpg編集部新着天文機材TPODサイトロンジャパンより2段式のカーボン三脚「SCT-53/AD-SW set」の発売がアナウンスされています。12/26発売開始、価格は税込49,800円です。 税込5万円切りの衝撃 この製品の最大のポイントは価格といえるでしょう。これまで、「40mm径、2段式」の天文用途を想定したカーボン三脚は各社から発売されていましたが、税込で5万円を切るのは編集子の知る限りでは初めてです。 決してお安くはない製品ですが、このサイズのカーボン三脚はかなり重い架台も搭載することができ(*)、機材の軽量化を実現できるソリューションとなることでしょう。 (*)中型赤道儀を搭載している使用例をいくつか見かけます。編集部ではFSQ106ED(鏡筒7キロ)を搭載したことがありますが、不安は特に感じませんでした。 編集子はこの三脚は、試作段階のもの?を小海の星祭りで見ただけで、実機に実際に触れたことはありません。以下、賞品ページを見ただけの印象ですが、特徴をまとめてみます。 ちなみに編集部ではK社製の「40mm径2段式カーボン三脚」を3年ほど前から使用しています。本記事での「他社製品」はこちらを指すものです。 手荷物で飛行機に持ち込めるサイズ 縮長545mm、伸長940mm。これは航空機の手荷物で持ち込める55cmというサイズを意識したもの。重量は2140g(アダプタ含まず)。編集部所有の機材と比較したところ、石突付きでほぼ同じサイズでした。各部の形状はよく似ていますが、いくつか違いがあります。 大型のステンレス製石突 一般に、三脚の石突きは3/8インチネジ仕様で交換可能なものが多いのですが、この製品もそうなっているものと思われます。付属のステンレス製石突きは大型で安定している印象。 クランプ式の三脚座固定部 スリック・ベルボンなどの一般用(*)カメラ用三脚と、天文用途を意識した三脚の最大の違いは三脚座。より大型でよじれにくい構造になっています。 (*)ジッツォなど、モデルにもよりますがさらに大型の三脚座を備えたものもあります。 この三脚座にアダプタを取り付けるのですが、取付はクランプネジをねじ込んで1方向から締める方式(*)になっています。他社製品では三脚座がスリ割りになっていて全周で締める形になっているのですが、この締め込みの固定力とクランプ時の微妙な動き方には注目したいところ(*)。 (*)2018/12/25追記。販売店様に確認がとれました。クランプの締め込みは赤い大きなつまみが1個で、45度角くらいのプレート全体を押さえつける形になっています。1点締めですが「面接触」での締め込みです。また、小さなつまみは「増し締めのためのクランプ」ではなく、三脚座の脱落防止用のロックピンだそうです。 (*)追記 12/22 22:07  この締め込みは「点接触」ではありません。45°角くらいのプレート全体をクランプで押さえつける形になっているようです。12/23 8:10 赤い2つ目のつまみも固定ネジのようです。 (*)編集子は他社製のスリ割り式三脚座のカーボン三脚に「極軸微動装置」を介さずにSWAT赤道儀を直付けしているのですが、締め込み加減を加減することで、微動なしでもそれなりに満足な極軸合わせが可能です。 接合部直径60mmの赤道儀に対応したアダプタが付属 これもこの製品の大きな特長。Sky-WatcherのEQ3,5,35M、ビクセン旧SP,GP,GPD赤道儀を搭載できる三脚座が付属します。他社製の場合別売で用意されていますが、標準付属は大きい。該当する赤道儀で使用する方とっては、よりお買い得感が高いことでしょう。 EQ35M赤道儀がようやく「ポータブル」に この三脚を使用することで、「EQM35」赤道儀が、ようやく本来の「ポータブル赤道儀仕様」のメリットを生かせる形になります。EQM35付属のステンレス三脚は非常に堅牢なのですが、大きく重く、ちょっと「ポータブル」からは遠いものでした。写真の構成であれば「ポータブル赤道儀」としてのメリットが大きくなることでしょう(*) (*)2018_12_25追記まとめ。販売店様に確認がとれました。別売の「WiFiアダプタ」とスマホ・タブレットアプリの「SynScan」を使用することで、三脚の右の脚に取り付けられた「ハンドコントローラ」が不要になり、さらにコンパクトになります。SynScanは1軸駆動状態の赤道儀でも使用可能です(自動導入は使用できませんが、アプリから赤経軸をコントロールできます)。 (*)1軸ガイドの場合自動導入ではないので、ハンドコントローラが若干嵩張るように思えますが「WiFiアダプタ」を追加すればさらにコンパクトになるはず。その状態でも問題なく稼働するかどうかは現在確認中です。 まとめ・小型軽量三脚の存在意義 天文機材の運搬に車を使用する人にとっては、2キログラムの三脚も、5キログラムの三脚も、負担という意味ではあまり変わりません。一方で、三脚も架台も、重いほど物理的に安定します。「クソ重い」三脚は正義。そんな中、小型軽量三脚の存在意義はどこにあるのか。 飛行機で海外や離島に行くケースでは、検討の余地なく軽量三脚一択です。5キロの三脚を飛行機に持ち込むなら、三脚を2キロにしてレンズとカメラをもう1セット持っていきたくなります。また、車を使用するにしても、荷物の積み降ろしはやっぱりしんどいものです。軽いのは楽。これも真実です。 ビクともしない重くても堅牢な三脚を選ぶか、小型軽量な(でもちょっとお値段の張る)軽量三脚を選ぶのか。それは貴方の目的と用途次第。1ランクお値頃になったサイトロンの三脚はその選択の可能性を広げてくれるはずです。        編集部発信のオリジナルコンテンツ