「変態」とは最上級の褒め言葉(4)ぴんたんさん変態伝説

好評連載の「変態」さんご紹介シリーズ、第四回。
今回は超大御所にご登場いただきます。
ブログ「深夜道楽」のぴんたんさんです。

天文雑誌(某ナビ、某ガイド)を一度でも買ったことのある人であれば、おそらくぴんたんさんの傑作を目にされているはずです。
2016年の1月から2017年の6月までの18ヶ月で入選回数はなんと27回!打率.750です。(3冊買って3冊ともにぴんたんさんが載っていない確率はたったの1.1%!です)

これは将棋の羽生善治さんの生涯勝率(.7157:H29 5.10現在)や、田中将大投手のNPB時代の通算勝率(.739)よりも高い数字です。

ここでぴんたんさんのキャッチフレーズを一つ作りました。
ぴんたんさんが投げれば、マー君よりも勝つ!

そんな凄すぎる超有名人のぴんたんさんですが、その影には、人知れぬ?変態エピソードの数々が隠れています。


 

伝説1:月間総露出時間が100時間を越える(嘘)

ぴんたんさんの分かりやすい凄さは、作品の質・量ともに飛び抜けていること。

深夜道楽
https://blogs.yahoo.co.jp/toshiyaarai

おおぐま座NGC3718
総露出283分

しし座NGC2903
総露出136分
しし座 NGC3521
総露出358分
かみのけ座 M100、NGC4312
総露出314分
りょうけん座 M51 子持ち銀河
総露出215分
おおぐま座 M101
総露出168分

傑作揃いの上の画像は全て今年の1月に撮影されたもの。

1作品の露出時間は最低でも2時間、6時間に及ぶものも。
この時期、新兵器CCA250を入手された直後だったこともあって、ご本人曰く「撮るのが楽しくて楽しくてたまらない」状態だったそう。

これだけ大量に撮影されているのに、緻密な画像処理を経て作品が出てくるのがまた早いこと。たいていはその日のうちに処理してしまうそうです。
撮影量は真似できたとしてもこの処理のスピードとクオリティは真似できません。

天気の良い新月期には、次から次へと傑作が飛び出してくるぴんたんさん。そしてその中のベスト作品がほぼ毎月、天文雑誌を飾る、という神サイクルです。

ぴんたんさんにお伺いしたところ、2017年の1〜5月は、遠征回数33回、総露出時間6319分だったそう。月間100時間は誤りで、月間1000分超えでした^^;;

ぴんたんさんは晴れた夜はいつもどこかで撮影されているというイメージでしたが、「月平均6.6回、総露出1200分」というのは決して?異常といえるほどではありません。ぴんたんさんの凄さは単なる撮影時間の多さではなく、すべての機会を100%生かし成果に結びつける確実性というべきでしょうか。


 

伝説2:多少の光害はものともしない

昔、よい天体写真を撮るには、「1空2機材、34がなくて、5に技術」といわれたものですが、ぴんたんさんにはまったく当てはまりません。

ぴんたんさんの撮影風景。
ここで星撮るんですか?級の明るさです。
こんな明るい場所からあの傑作群が生まれているのです。

出撃頻度を上げつつ最大の成果を得るためには、少々の光害があっても、その日撮影する対象だけでもそこそこの条件で撮れる、晴れそうなエリアに神出鬼没。

そしてさっと仮眠して後は日常生活を平常運転。
ライフスタイルの全てが天体写真のために最適化されているようです。


 

伝説3:6色のカラー合成を得意とする

ぴんたんさんが独自の工夫で切り拓いてこられた分野に、ナローバンドのカラー合成があります。
それも、SII(赤色の硫黄輝線)、Hα(赤色の水素輝線)、OIII(酸素輝線)の一般的な(といってもじゅうぶん特殊なのですが)ナローバンドだけでなく、通常のRGBカラーも撮影し対象によってそれらのブレンド方法を変えるというテクニックです。

深夜道楽
https://blogs.yahoo.co.jp/toshiyaarai
さそり座 NGC6334 出目金星雲
総露出250分
さそり座 NGC6357 彼岸花星雲
総露出75分
へび座 M16 イーグル星雲
総露出138分
いて座 M8 干潟星雲
総露出150分

最近のぴんたんさんのナロー+RGB合成の作品群。

単純なナロー合成だと、どうしても星の色がよく出なかったり不自然になったりするのですが、RGB画像と組み合わせることで、星を自然に出しつつ、RGBのみでは撮れないような星雲の淡い部分の構造と色が表現されています。

先日「今日の一枚」でもご紹介しましたが、まさにこの分野の第一人者です。


 

伝説4:画像処理ソフトを自分で作って処理している

深夜道楽
天ガ・星ナビ3月号入選しました
今月は天ガ・星ナビダブル入選してました(^o^)
ことに天ガさんにはひさびさに1ページ掲載してもらい、超メジャー対象のM42だけにうれしいです。

ぴんたんさん撮影のこのオリオン座M42。これまでにないディテールと階調表現で、(変態)天体写真マニアだけでなく、ライトな天文ファンの間でも大いに話題になりました。

その秘密のひとつが、ぴんたんさん自らが開発された画像処理ソフトウェア。

天体画像処理ソフト
FlatAidPro(フラットエイドプロ)

天体写真の画像処理はステライメージやPhotoshopのような既製のソフトウェアを組み合わせることで、かなり細かなことができるのですが、ぴんたんさんはそれでは満足しません。

「ここをこうすれば、こういうやり方で処理すれば、もっといい結果がもっと簡単に得られるはずだ」。そのアイデアを地道な試行錯誤の繰り返しの中から実装し、誰もが簡単に使える製品にまで昇華させる。

うーん。これでは変態ではなくてただの?「すごい人伝説」になってしまうではないですか^^;


 

伝説5:HSTを本気でライバル視している

でも安心してください^^

ガックリですか。心折れますか^^;
日本にはぴんたんさんの作品を見て心折れている天文ファンがあまたいるのですが(編集子もその一人^^;)、ぴんたんさんが心折れる相手はなんとハッブル宇宙望遠鏡HST。

何百億円もかけた国家プロジェクトであるHSTを本気でライバル視しているんですよ。
これは見事な変態っぷりです。


 

伝説6:変態と言われると喜ぶ

さらに。
M45やオリオン大星雲のような誰が見ても美しい対象を誰よりも美しく撮られるぴんたんさんですが・・・

この作例のような「ちょっとグロい」対象にも嬉々として取組み、三夜もかけてノイズを減らそうとする情熱。

そして自らの変態性を競い合う^^
変態仲間を変態と呼んで喜び、呼ばれてそれを心から喜ぶ^^
この姿をなんと呼ぶか、そして何を意味するかは、もう皆さんご存じでしょう^^


いかがでしたか?

天体写真というほとんどお金にもならなければ、いい結果を出しても仲間うち以外ほどんど褒めてくれない世界で、ここまでストレートに情熱を注ぎ成果を出し、周囲の変態どもに貢献し、一般の人にまでインパクトを与える。

ぴんたんさんの存在は天体写真というカルチャーそのものであり、日本が世界に誇れる「超ド変態」であると編集部は確信しています^^

謝辞)
本稿では、関係者の方々のご快諾をいただき、Facebook非公開グループ「天彩-Astrography-」よりスレを抜粋させていただきました。また、ぴんたんさんには本記事の掲載にご快諾いただいたばかりか、撮影データ・入選回数の情報のご提供をいただきました。厚く御礼申し上げます。

 

 


関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)