【星空動画へのいざない】本格?動画デビュー!「天リフVideo」始めました。
みなさんこんにちは!
しばらくブログ記事が更新できていなかった天リフですが、何をやっていたかというと動画を作っていました!この記事では、最近集中的に制作していた4本の動画のご紹介と、これから星空の動画をやってみたい方のために、動画デビューしてみて分かったこと・思ったことを簡単にまとめたいと思います!
目次
なぜ動画?
これまで天リフでは、記事を補足するための小さなクリップや、流星群などの天文イベント、断片的な開封動画などをやってはいたものの、動画そのもので完結するようなまとまったものは制作していませんでした。YouTubeはテキストメディアの世界以上に熾烈な格闘場であり、中途半端に手出ししても埋没するだけなので、天リフはあくまで「テキストメディア」に軸足を置くべき、との考えでした。
しかし、テキストメディアを3年半続ける中で、やはりテキストの限界を感じることも増えてきました。これはテキストメディアがダメということではなく、テキストではできないことがある、という意味です。上の動画でも少し語っていますが、それはより直感的な体験と臨場感の共有であり、どっぷり天文にはまった人たちが「当たり前と思っている日常の素晴らしい体験」を、より多くの一般の人たちに「素敵な非日常」として発信していくことだと感じています。
「天リフVideo」制作の動画ご紹介
第一作・【GoTo星空】くじゅう・ヒゴタイ公園編
そんなコンセプトでまず作ってみたのがこれです。遠征に向かう心躍る道中。現地での同好の人たちの交流。一晩の星空の体験。そして心地良い?疲労感と充実感にあふれる朝。そんな様子を動画にしてみました。
第二作・【Stay Home星空】火星接近特別企画・一晩で月・火星・木星・土星・金星
二作目は、自宅のベランダでの惑星観察の一晩(*)。動画による惑星撮像は、飛躍的に惑星写真のクオリティを向上させましたが、「肉眼の印象」を記録するよいツールでもあります。この動画では、惑星像の後処理を一切廃して、低価格の天体望遠鏡だけで可能な、惑星観察の体験を映像化してみました。
(*)収録の関係上実は2晩だったのですが^^;;
第三作・【GoTo星空】ナローバンドで網状星雲・ご近所近征撮影
三作目では、プロ?の映像クリエイターは決してテーマにしないであろう、ナローバンドという手法と暗闇でうごめくマニアの生態の記録です。徹底したマニア目線というテキスト版天リフの手法そのままです。
この動画を制作して「天文マニア」という生きものは実にマニアックな作業を地道にやっているものだと再認識しました。つくづく、極軸合わせとピント合わせが完全自動化する日が楽しみです^^;
第四作・【最強!高感度番長伝説】SONY α7SIIIで星空動画を撮影してみた!
第四作は、話題のカメラ「α7SIII」に便乗して、カメラファン層に天リフの存在のアピールしつつ、マニアックな世界を垣間見てもらおうというコンセプトです。 その目的が達成できたかどうかは若干疑問ではありますが・・・
第一作を制作したときは、「顔出しトーク」は基本的にはやらないつもりだったのですが、流れ的にこうなりました。やってみると、これはこれで一つの手段として構成上も効果があり、メインにはしないとは思いますが時折使っていこうと思っています。
これから動画を始めよう!何をすればいいの?
星空のある風景の「リアルタイム動画」に取り組んでいらっしゃる、星景写真家の前田徳彦さんの動画。星景写真の延長として動画を始めるのは自然な流れですね。
最近のカメラでは動画機能はデフォルトです。誰でも簡単に、スマホだけでも動画の撮影は可能になりました。しかし、天文の世界では「タイムラプス」と「惑星撮像」を除けば、まだ動画の撮影は一般的ではありません。
その理由(課題)は3つあると思います。一つめは、星空が「暗い」ため、動画で記録するのがまだ難しいこと。二つめは、動画を使いこなすための技術の習得のハードルが高いこと。そして三つめは、動画というツール(遊び道具^^)を面白く使う方法がまだあまり認識されていないことです。
※詳しいことは別記事で書きますが、ガチのディープスカイにも使えるのが「α7S初代」です。中古なら12万円くらいから。
一つめの課題は、かなりクリアされてきています。筆者も使用している「SONY α7S」シリーズなら、リアルタイムの星空動画をそれなりの品質で撮ることができます。天文ファンに一番利用されている「EOS 6D」ではまだ難しいですが(*)、それでも薄明の空や月などの明るい被写体なら、十分に撮ることができます。
(*)動画の最高ISO感度が25600、最長シャッター速度が1/25秒では、残念ながらまばらにしか星が写りません。
二つめの課題ですが、動画の世界は静止画の世界とは様々な点で違います。ガチマニアならお手のものの「raw形式」がそもそも存在しなかったり(*)、記録形式やフレームレート、音声など、静止画には存在しないことがたくさんあります。
(*)高性能なカメラは外部機器と組み合わせればraw記録が可能ですが、より高性能な編集環境が必要だったり、まだまだ一般的ではないといえるでしょう。
しかし「あの」大変な「天体写真の画像処理」のハードルを越えられる人なら、余裕でクリアできるはずです。天リフではそういった方面でも、天文ファン向けの情報発信をしていきたいと考えています。
三つめの課題が一番大きいと思います。動画が撮れたとして、それで何をするのか。何をどう撮ると面白いのか。前項でご紹介した四つの動画には、筆者が「面白い」と思う要素を入れ込んだつもりですが、創造の可能性は無限にあります。この記事では明確な回答はないのですが、ぜひ読者の皆さんと一緒に、面白い動画の活用方法を考え実践していきたいと思います。
前置きが長くなりましたが「何をすればいいか」の答は、「とにかく、何でもいいから、動画ボタンを押して撮ってみよう」です。かの藤井旭先生の名著「天体写真の写し方」の前書きでは、多くの人の天体写真に「ハマる」きっかけとして、「何となく星空にカメラを向けてシャッターを押してみたら、意外と良く写った」ことが挙げられていますが、動画についても全く同じことがいえるのではないでしょうか。
お手持ちのカメラが何であれ、まずカメラを空に向けて動画を撮ってみる。全てがそこから始まります。「天体写真」というフィールドで遊び尽くしている方なら、それによって新しい扉が開くことでしょう。そして、失敗しては「うーむ」と考え込み、「なにくそっ」と夜になるとまたカメラを持ち出してしまう日々が訪れるに違いありません。
これからの動画への取り組み
ネオワイズ彗星を追いかけた記録。4月からフリーのタイムラプスクリエーターとして独立された成澤広幸さんの動画です。成澤さんは筆者の動画の師匠で、いつもお世話になっています^^
何本か動画を作ってみて感じたことですが、動画メディアの表現の可能性は想像以上です。再生数はまだまだ少ないものの、これまで「密かな楽しみ」であった天文趣味の醍醐味を、広く一般の人も含めてアピールするには、動画は最適な手段です。
しかし、予想していたとおり、動画の制作はテキスト記事とは別の意味で、時間と手間がかかります(*)。あまり無理せず、当分の間は月1本程度を目標に制作していきたいと思っています。
(*)毎日動画をアップするYouTuberがいかにスゴイかがよくわかりました^^
幸いにもやりたいテーマはたくさんあります。これまでになかった切り口と料理方法で、天文メディアの王道としての動画制作に注力していきます。ご期待ください!
天リフスポンサーの皆様へ
天リフの動画が何本再生されたところで、現在の各スポンサー様の広告はユーザーにはちっとも表示されません。動画の途中に広告を自動的に挿入することは、胴元であるYouTubeだけの特権なのです。このため、天リフが今のやり方で動画に傾注してしまうことは、広告メディアとしての天リフの価値を高めることにはならないという問題があります。
これについてはよいアイデアが浮かんでいないのが現状です。「番組の途中ですがここでお知らせがあります」的に宣伝することも可能なのですが、現在の料金体系の中で公平性を保ちつつ行うのは難しそうです。一方で、「協賛」のような形でプロモーションツールとしてご利用頂くのは大歓迎です。個別のご相談にはなりますが、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
とはいえ、全てはチャンネル登録者が一定数に達して、ユーザーリーチを確保してからのことです。それまでの間は、天リフの動画における活動は「天文ファンの裾野を広げるためのアウトリーチ」であるとご理解いただき、暖かく見守っていただけると幸いです。
まとめ
いかがでしたか!?
最後に、読者の皆様にお願いがあります。ぜひチャンネル登録をお願いします!YouTubeの世界では登録者数がチャンネルの存在感をほぼ決めてしまうので(*)、ぜひ読者の皆様のご協力をお願いいたします!
(*)チャンネル登録者数が1000人以上でないと収益化(広告を表示する)することができません。小規模なYouYubeチャンネルをしても、わずかなお小遣い程度しか見込めないので、収益化には何の期待もしていないのですが、収益化しないと動画の中から天リフ記事へのリンクが張れないなどの制限があります。
これからは動画の中でも皆さんにお会いできることを楽しみにしています!それでは、またお会いしましょう! https://reflexions.jp/tenref/orig/2020/10/22/11866/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2020/10/ac43bb0f481214cce340968ede8f9e60.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2020/10/ac43bb0f481214cce340968ede8f9e60-150x150.jpg星空動画みなさんこんにちは! しばらくブログ記事が更新できていなかった天リフですが、何をやっていたかというと動画を作っていました!この記事では、最近集中的に制作していた4本の動画のご紹介と、これから星空の動画をやってみたい方のために、動画デビューしてみて分かったこと・思ったことを簡単にまとめたいと思います! なぜ動画? これまで天リフでは、記事を補足するための小さなクリップや、流星群などの天文イベント、断片的な開封動画などをやってはいたものの、動画そのもので完結するようなまとまったものは制作していませんでした。YouTubeはテキストメディアの世界以上に熾烈な格闘場であり、中途半端に手出ししても埋没するだけなので、天リフはあくまで「テキストメディア」に軸足を置くべき、との考えでした。 しかし、テキストメディアを3年半続ける中で、やはりテキストの限界を感じることも増えてきました。これはテキストメディアがダメということではなく、テキストではできないことがある、という意味です。上の動画でも少し語っていますが、それはより直感的な体験と臨場感の共有であり、どっぷり天文にはまった人たちが「当たり前と思っている日常の素晴らしい体験」を、より多くの一般の人たちに「素敵な非日常」として発信していくことだと感じています。 「天リフVideo」制作の動画ご紹介 第一作・【GoTo星空】くじゅう・ヒゴタイ公園編 そんなコンセプトでまず作ってみたのがこれです。遠征に向かう心躍る道中。現地での同好の人たちの交流。一晩の星空の体験。そして心地良い?疲労感と充実感にあふれる朝。そんな様子を動画にしてみました。 第二作・【Stay Home星空】火星接近特別企画・一晩で月・火星・木星・土星・金星 二作目は、自宅のベランダでの惑星観察の一晩(*)。動画による惑星撮像は、飛躍的に惑星写真のクオリティを向上させましたが、「肉眼の印象」を記録するよいツールでもあります。この動画では、惑星像の後処理を一切廃して、低価格の天体望遠鏡だけで可能な、惑星観察の体験を映像化してみました。 (*)収録の関係上実は2晩だったのですが^^;; 第三作・【GoTo星空】ナローバンドで網状星雲・ご近所近征撮影 三作目では、プロ?の映像クリエイターは決してテーマにしないであろう、ナローバンドという手法と暗闇でうごめくマニアの生態の記録です。徹底したマニア目線というテキスト版天リフの手法そのままです。 この動画を制作して「天文マニア」という生きものは実にマニアックな作業を地道にやっているものだと再認識しました。つくづく、極軸合わせとピント合わせが完全自動化する日が楽しみです^^; 第四作・【最強!高感度番長伝説】SONY α7SIIIで星空動画を撮影してみた! 第四作は、話題のカメラ「α7SIII」に便乗して、カメラファン層に天リフの存在のアピールしつつ、マニアックな世界を垣間見てもらおうというコンセプトです。 その目的が達成できたかどうかは若干疑問ではありますが・・・ 第一作を制作したときは、「顔出しトーク」は基本的にはやらないつもりだったのですが、流れ的にこうなりました。やってみると、これはこれで一つの手段として構成上も効果があり、メインにはしないとは思いますが時折使っていこうと思っています。 これから動画を始めよう!何をすればいいの? 星空のある風景の「リアルタイム動画」に取り組んでいらっしゃる、星景写真家の前田徳彦さんの動画。星景写真の延長として動画を始めるのは自然な流れですね。 最近のカメラでは動画機能はデフォルトです。誰でも簡単に、スマホだけでも動画の撮影は可能になりました。しかし、天文の世界では「タイムラプス」と「惑星撮像」を除けば、まだ動画の撮影は一般的ではありません。 その理由(課題)は3つあると思います。一つめは、星空が「暗い」ため、動画で記録するのがまだ難しいこと。二つめは、動画を使いこなすための技術の習得のハードルが高いこと。そして三つめは、動画というツール(遊び道具^^)を面白く使う方法がまだあまり認識されていないことです。 ※詳しいことは別記事で書きますが、ガチのディープスカイにも使えるのが「α7S初代」です。中古なら12万円くらいから。 一つめの課題は、かなりクリアされてきています。筆者も使用している「SONY α7S」シリーズなら、リアルタイムの星空動画をそれなりの品質で撮ることができます。天文ファンに一番利用されている「EOS 6D」ではまだ難しいですが(*)、それでも薄明の空や月などの明るい被写体なら、十分に撮ることができます。 (*)動画の最高ISO感度が25600、最長シャッター速度が1/25秒では、残念ながらまばらにしか星が写りません。 二つめの課題ですが、動画の世界は静止画の世界とは様々な点で違います。ガチマニアならお手のものの「raw形式」がそもそも存在しなかったり(*)、記録形式やフレームレート、音声など、静止画には存在しないことがたくさんあります。 (*)高性能なカメラは外部機器と組み合わせればraw記録が可能ですが、より高性能な編集環境が必要だったり、まだまだ一般的ではないといえるでしょう。 しかし「あの」大変な「天体写真の画像処理」のハードルを越えられる人なら、余裕でクリアできるはずです。天リフではそういった方面でも、天文ファン向けの情報発信をしていきたいと考えています。 三つめの課題が一番大きいと思います。動画が撮れたとして、それで何をするのか。何をどう撮ると面白いのか。前項でご紹介した四つの動画には、筆者が「面白い」と思う要素を入れ込んだつもりですが、創造の可能性は無限にあります。この記事では明確な回答はないのですが、ぜひ読者の皆さんと一緒に、面白い動画の活用方法を考え実践していきたいと思います。 前置きが長くなりましたが「何をすればいいか」の答は、「とにかく、何でもいいから、動画ボタンを押して撮ってみよう」です。かの藤井旭先生の名著「天体写真の写し方」の前書きでは、多くの人の天体写真に「ハマる」きっかけとして、「何となく星空にカメラを向けてシャッターを押してみたら、意外と良く写った」ことが挙げられていますが、動画についても全く同じことがいえるのではないでしょうか。 お手持ちのカメラが何であれ、まずカメラを空に向けて動画を撮ってみる。全てがそこから始まります。「天体写真」というフィールドで遊び尽くしている方なら、それによって新しい扉が開くことでしょう。そして、失敗しては「うーむ」と考え込み、「なにくそっ」と夜になるとまたカメラを持ち出してしまう日々が訪れるに違いありません。 これからの動画への取り組み ネオワイズ彗星を追いかけた記録。4月からフリーのタイムラプスクリエーターとして独立された成澤広幸さんの動画です。成澤さんは筆者の動画の師匠で、いつもお世話になっています^^ 何本か動画を作ってみて感じたことですが、動画メディアの表現の可能性は想像以上です。再生数はまだまだ少ないものの、これまで「密かな楽しみ」であった天文趣味の醍醐味を、広く一般の人も含めてアピールするには、動画は最適な手段です。 しかし、予想していたとおり、動画の制作はテキスト記事とは別の意味で、時間と手間がかかります(*)。あまり無理せず、当分の間は月1本程度を目標に制作していきたいと思っています。 (*)毎日動画をアップするYouTuberがいかにスゴイかがよくわかりました^^ 幸いにもやりたいテーマはたくさんあります。これまでになかった切り口と料理方法で、天文メディアの王道としての動画制作に注力していきます。ご期待ください! 天リフスポンサーの皆様へ 天リフの動画が何本再生されたところで、現在の各スポンサー様の広告はユーザーにはちっとも表示されません。動画の途中に広告を自動的に挿入することは、胴元であるYouTubeだけの特権なのです。このため、天リフが今のやり方で動画に傾注してしまうことは、広告メディアとしての天リフの価値を高めることにはならないという問題があります。 これについてはよいアイデアが浮かんでいないのが現状です。「番組の途中ですがここでお知らせがあります」的に宣伝することも可能なのですが、現在の料金体系の中で公平性を保ちつつ行うのは難しそうです。一方で、「協賛」のような形でプロモーションツールとしてご利用頂くのは大歓迎です。個別のご相談にはなりますが、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。 とはいえ、全てはチャンネル登録者が一定数に達して、ユーザーリーチを確保してからのことです。それまでの間は、天リフの動画における活動は「天文ファンの裾野を広げるためのアウトリーチ」であるとご理解いただき、暖かく見守っていただけると幸いです。 まとめ いかがでしたか!? 最後に、読者の皆様にお願いがあります。ぜひチャンネル登録をお願いします!YouTubeの世界では登録者数がチャンネルの存在感をほぼ決めてしまうので(*)、ぜひ読者の皆様のご協力をお願いいたします! (*)チャンネル登録者数が1000人以上でないと収益化(広告を表示する)することができません。小規模なYouYubeチャンネルをしても、わずかなお小遣い程度しか見込めないので、収益化には何の期待もしていないのですが、収益化しないと動画の中から天リフ記事へのリンクが張れないなどの制限があります。 これからは動画の中でも皆さんにお会いできることを楽しみにしています!それでは、またお会いしましょう!編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
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