アストロアーツHPで星ナビ2025年8月号の内容が告知されています。発売は7月4日 金曜日です。

今月の内容は!?

特集「プラネタリーディフェンス」では、衝突する可能性のある小惑星から地球を防衛する最前線を紹介。付録は夏のイベントを一冊でまとめた「夏のおでかけダイアリー」です。

星ナビ8月号は「プラネタリーディフェンス」と特別付録「夏のおでかけダイアリー」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/14072_hoshinavi

■表紙

今回の表紙は露木孝範さん撮影の「夏も近づく」(星ナビギャラリー応募作)。新茶と富士山に北天の星の軌跡を合わせた夏らしい作品です。

今月の表紙は、星ナビギャラリー応募作から。富士山と茶畑を背景に北天の日周運動の軌跡。月齢は満月の翌日、月夜ならではの表現ですね。撮影者の露木さんは地元富士市のご出身、このエリアは富士市が「電線が入らない茶園越しの富士山撮影ポイント」として整備されているとのことです。

「お茶の爽やかな香り」を感じながら撮影されたとのこと。天文趣味は「視覚」だけでなく、「嗅覚」をふくめ五感を駆使する楽しみですね!



■コロナ禍の天文部映画「この夏の星を見る」(映画レポート/原 智子、星空シーン解説/竹本宗一郎)

辻村深月さんの青春小説「この夏の星を見る」が映画化され、7月4日に公開。天文ファンなら見逃せない星空シーン共感ポイントを紹介します。さらに、劇中で登場する「リアルな星空シーン」の舞台裏の解説も。

注目の映画「この夏の星を見る」が、本誌の発売日でもある7月4日に公開されます。天リフ編集長も早速封切り初日に見てきました。知人の評はどれも絶賛だったのですが、その期待を裏切らない素晴らしい映像と臨場感です。

この映画は直木賞作家である辻村深月さんが描く、コロナという「禍」に翻弄されながらも自分の生きる道を見つけていく、多感な若者たちの姿に対する共感と感動が柱としてある上に、山元環監督が「日本映画でここまで星空を追求した映画はそうない」と語る「ファンタジーではないリアリティのある星空」の映像の美しさが必見(*)。

(*)竹本宗一郎さんの言葉でいうと「素敵な違和感」

本記事では、星空映像を担当された竹本宗一郎さんが映像制作の舞台裏を解説されていて、昼間の映像と夜の星空の映像を画像処理で「本物よりもリアルに」仕上げる過程は「天文なう」的な星空スナップ・動画撮影の観点からも、大変興味深いものです。

この映画の美しい映像を楽しむには、映画館で見るのが一番!(*)。ぜひお近くの映画館でごらんください!

(*)と、成澤広幸が言っている。

こちらは星空映像を担当された竹本宗一郎さんと成澤広幸さんの対談動画です。

映画『この夏の星を見る』
https://www.konohoshi-movie.jp/

公式サイト。予告編動画が見られます。

ハラカド天文部
https://j-wave.podcast.sonicbowl.cloud/podcast/harakado-astronomy-club/

山元環監督と脚本の森野マッシュさんがホストの対談ポッドキャスト。竹本宗一郎さんや小説のモデルとなった土浦第三高校科学部顧問の岡村典夫さんも出演されています。

■プラネタリーディフェンス 地球防衛の最前線(解説/浦川聖太郎)

「地球にぶつかる可能性がある」としてニュースになった小惑星「2024 YR4」。このニュースを振り返りながらプラネタリーディフェンスとは何か?観測がどのくらい進んでいるのか?など、その最前線を紹介します。

「アトラス」「パンスターズ」「カタリナ」。いずれも彗星の名前でよく見かけるものですが、これらはすべて地球に衝突する可能性のある小惑星や彗星などの小天体(NEO:Near Earth Object)を網羅的に発見・観測する「プラネタリーディフェンス(PD)」のための観測プロジェクトの名称。本記事では、このPDの最前線を日本スペースガード協会の浦川聖太郎さんが解説します。

地球生物の大量絶滅の危険があるとされる「直径10km」級のNEOはいくつあるかご存じですか?上記のプロジェクトによる観測が進み、現時点では「全て発見されていて、その数は4個」と推定されているそうです。一方で「全地球的な被害」となる直径1km級のNEOの推定存在数は900個。うち95%が発見されているそうです。

本記事は、上記の「NEO観測の現状(これまでわかったこと)」だけでなく、「トリノスケール」に代表される危険度の客観的評価指標や、NEOが発見されてから軌道が徐々に明らかになり危険度が変遷していくプロセス、衝突がほぼ確実になったときの具体的な対策のシミュレーションなど、PDのさまざまな側面が多岐にわたって解説されています。ぜひ、ご一読をオススメします!

■ 大阪・関西万博 宇宙的見どころ(レポート/石川果奈、JAXA映像解説/上坂浩光)

現在開催中の大阪・関西万博。月の石や隕石、芸術作品といった「本物」に触れたり、没入感たっぷりの本格映像で宇宙を旅したり、各国や機関の誇る宇宙開発を学んだり。さらに、JAXAブースの映像を手がけた上坂浩光さんが今回の作品への想いを語ります。

関西万博、「宇宙的(星ナビ読者的)」みどころ解説。イタリア館の「アトラス像」、アメリカ館のアポロからアルテミスまでの宇宙開発の展示と映像体験、中国館の月面探査機、日本館の「火星の石」、等々。JAXAの常設展示では「HAYABUSA」の上坂さんの制作されたLEDカーブビジョン映像「月に立つ。その先へ」も注目。本記事では上坂さんが制作記を綴っておられます。

混みそうだし暑そうだし万博はパスかなあ・・と思っていた(私を含む^^;;)皆さん!この夏は万博にいかが?!

◎天リフ独断ピックアップ

■広告ピックアップ・Kenko×伊藤光学「星群Glass」

ケンコーからも「星用グラス」が登場。他社からも出ているこの手の製品は、ごく弱い凹レンズによって、星のような無限遠の物体のピントを合わせやすくするのが基本的な考え方ですが、本製品では「完全な透明」ではなく、ごくわずかに青い短波長域とナトリウム灯のようなオレンジの色をカットするようです(*)。

(*)「視感透過率83%」とのこと。

詳細は本紙広告またはケンコー・トキナー社のWebサイトでごらんください!

Kenko x 伊藤光学 星群Glass
https://www.kenko-tokina.co.jp/optics/tele_scope/accessories/seigun_glass.html

■星ナビひろば・吉岡一巳(かずみ)さん追悼/星空旅行記「星の運動会」

一昨年の10月に亡くなられた吉岡一巳さんを追悼する「星空旅行記」。吉岡さんの書かれた旅行エッセイを、吉岡さんとごく親しい方々が思い出を共有するためにまとめられたもの。



天リフ編集長は吉岡さんと直接の面識はありませんでしたが、吉岡さんが開拓された西オーストラリアの「ワディファーム」に過去2回行ったことがあり、素晴らしい星空と仲間との時間を過ごすことができました。本誌に抜粋された「ワディファーム物語」は共感度120%。時代や世代が違っても、星好きの考えることは皆同じなのでしょう^^

吉岡さんに深く感謝し追悼の意を表するとともに、吉岡さんの撒かれた種を次の世代に伝えていけたらと考えています。

■星ナビギャラリー

今回のトップ下はベテラン蒔田剛さんの「M104」。オーストラリアのリモート天文台での撮影です。口径50cmのCDK20の威力は凄まじく、わずか1時間54分の露光でこの解像感。口径の暴力もありますが、大陸の安定した好シーイングも大きく貢献しているのでしょう。

個人的イチオシは岸本弘さんの「M57」。口径20cmのRC望遠鏡による撮影ですが、たった1時間24分の露光時間でリング星雲の周辺の淡い領域がここまではっきりと描出されているのがスゴい。露光時間は基本的に正義ではありますが、短くてもよい作品は撮れるし、対象に合わせた「適正露光」も大事だ、ということでしょうか。

ネットよ今夜もありがとう〜野辺山宇宙電波観測所

今月は、な、な、な、なんと野辺山宇宙電波観測所!!こういうのもアリだったのですね^^ 所長の西村淳さんによるご紹介。

国立天文台野辺山
https://www.nro.nao.ac.jp/

天文ファンにとっては野辺山は「聖地」。今年は例の映画(『名探偵コナン・隻眼の残像(フラッシュバック)』)で大盛り上がりらしく、こちらのファンにとっても「聖地」となっているようです。混雑が予想される今年の特別公開日は8月30日です!

 

■Deepな天体写真 CMOSカメラのノイズ研究3「ステライメージ10でノイズを駆逐する」(解説/あぷらなーと)

近年の天体用カメラは高性能になりましたが、星雲や銀河は非常に淡いので、画像処理を進めていくと自然現象やセンサーの仕様により生じた微小なノイズが目立ってきます。シリーズ最終回の今回は、「ステライメージ10」の新機能を用いて、画像処理の前半部分で行うべきノイズ処理について解説します。

CMOSカメラのノイズ研究、その3最終回。今回は「ステライメージ10」で新規に実装された「ピクセルマッピング」「クールファイル補正」「コスミカット法」などを駆使し、実際に撮影した画像から「ノイズを駆逐」するプロセスの実戦解説。基本ともいえる「コンポジット(スタック)」や「ダーク減算」、画像のストレッチ(強調)の処理方法も推奨設定を含め詳しく解説されているので、画像処理初心者でも処理過程を追っていくことができるでしょう。

記事末で「AIの活用など処理技術の進歩は凄まじいが、基礎的な処理でもできることがまだまだ残っている」と書かれていますが、天リフ編集長もまったく同感です。「枯れた技術」と思っていた分野でも、発想の転換と工夫で新しい発見があるものですね!本連載とステライメージ10で、天体写真ファンのみなさんの「画像処理技法の引き出し」がさらに増えることを願っております^^

あぷらなーと
https://apranat.exblog.jp/

■ 星の街道をゆく プラネタリウム はじまりへの旅 前編(紀行/中山満仁)

星空と鉄道が大好きなプラネタリウムライターが今回出かけるのは「プラネタリウムの始まりの姿を追い求める旅」。100年前の「イエナの驚異」からさらに時を遡り、ドイツ・オランダ・ギリシアを旅します。

1923年に製造された初の「近代プラネタリウム」、カールツァイスI型。実はそれよりもはるか前に「プラネタリウム」が作られています。今月号の「星の街道をゆく」は、そんな「近代プラネタリウム以前」を巡る旅です。

1781年に作られた6つの惑星の軌道を再現した「アイジンガープラネタリウム」、さらに遡る古代ギリシャ時代の「アンティキテラの機械」、キトラ古墳の天文図など、「プラネタリウムの始まりを追い求める旅」がたっぷり8ページ。そして今号はまだ「前編」。後編へと続きます!

■特別付録 夏のおでかけダイアリー(解説/谷川正夫)

ペルセウス座流星群やすばる食、月と惑星の共演など、7月~8月に起こる見逃せない現象を解説した夏の星空を楽しむのにぴったりの付録。

恒例の8月号特別付録。7月と8月の天文現象を見開き2ページのカレンダー形式で紹介した「おでかけダイアリー」です。ハイライトは8月16日のすばる食と、8月13日のペルセウス座流星群でしょうか。コンパクトな冊子なので、本誌から切り離して荷物の中に常備!

まとめ

いかがでしたか?

意表をついて7月を待たずに梅雨明けした2025年。とはいえもはや「亜熱帯」の日本列島はなかなか安定した晴れが続かない感じでもあります。そして昼間の暑さは耐え難いくらいなのですが、熱中症に注意して星空を楽しんでいきましょう!

そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、今月4日は天文雑誌!今月号も楽しみですね!

星ナビ8月号は「プラネタリーディフェンス」と特別付録「夏のおでかけダイアリー」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/14072_hoshinavi

※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。

天文ガイドも合わせて読みたいですね!!

 

 

  https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2025/07/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2025/07/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-150x150.jpg編集部雑誌・書籍星ナビアストロアーツHPで星ナビ2025年8月号の内容が告知されています。発売は7月4日 金曜日です。 今月の内容は!? 特集「プラネタリーディフェンス」では、衝突する可能性のある小惑星から地球を防衛する最前線を紹介。付録は夏のイベントを一冊でまとめた「夏のおでかけダイアリー」です。 星ナビ8月号は「プラネタリーディフェンス」と特別付録「夏のおでかけダイアリー」https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/14072_hoshinavi ■表紙 今月の表紙は、星ナビギャラリー応募作から。富士山と茶畑を背景に北天の日周運動の軌跡。月齢は満月の翌日、月夜ならではの表現ですね。撮影者の露木さんは地元富士市のご出身、このエリアは富士市が「電線が入らない茶園越しの富士山撮影ポイント」として整備されているとのことです。 「お茶の爽やかな香り」を感じながら撮影されたとのこと。天文趣味は「視覚」だけでなく、「嗅覚」をふくめ五感を駆使する楽しみですね! ■コロナ禍の天文部映画「この夏の星を見る」(映画レポート/原 智子、星空シーン解説/竹本宗一郎) 注目の映画「この夏の星を見る」が、本誌の発売日でもある7月4日に公開されます。天リフ編集長も早速封切り初日に見てきました。知人の評はどれも絶賛だったのですが、その期待を裏切らない素晴らしい映像と臨場感です。 この映画は直木賞作家である辻村深月さんが描く、コロナという「禍」に翻弄されながらも自分の生きる道を見つけていく、多感な若者たちの姿に対する共感と感動が柱としてある上に、山元環監督が「日本映画でここまで星空を追求した映画はそうない」と語る「ファンタジーではないリアリティのある星空」の映像の美しさが必見(*)。 (*)竹本宗一郎さんの言葉でいうと「素敵な違和感」 本記事では、星空映像を担当された竹本宗一郎さんが映像制作の舞台裏を解説されていて、昼間の映像と夜の星空の映像を画像処理で「本物よりもリアルに」仕上げる過程は「天文なう」的な星空スナップ・動画撮影の観点からも、大変興味深いものです。 この映画の美しい映像を楽しむには、映画館で見るのが一番!(*)。ぜひお近くの映画館でごらんください! (*)と、成澤広幸が言っている。 こちらは星空映像を担当された竹本宗一郎さんと成澤広幸さんの対談動画です。 映画『この夏の星を見る』https://www.konohoshi-movie.jp/ 公式サイト。予告編動画が見られます。 ハラカド天文部https://j-wave.podcast.sonicbowl.cloud/podcast/harakado-astronomy-club/ 山元環監督と脚本の森野マッシュさんがホストの対談ポッドキャスト。竹本宗一郎さんや小説のモデルとなった土浦第三高校科学部顧問の岡村典夫さんも出演されています。 ■プラネタリーディフェンス 地球防衛の最前線(解説/浦川聖太郎) 「アトラス」「パンスターズ」「カタリナ」。いずれも彗星の名前でよく見かけるものですが、これらはすべて地球に衝突する可能性のある小惑星や彗星などの小天体(NEO:Near Earth Object)を網羅的に発見・観測する「プラネタリーディフェンス(PD)」のための観測プロジェクトの名称。本記事では、このPDの最前線を日本スペースガード協会の浦川聖太郎さんが解説します。 地球生物の大量絶滅の危険があるとされる「直径10km」級のNEOはいくつあるかご存じですか?上記のプロジェクトによる観測が進み、現時点では「全て発見されていて、その数は4個」と推定されているそうです。一方で「全地球的な被害」となる直径1km級のNEOの推定存在数は900個。うち95%が発見されているそうです。 本記事は、上記の「NEO観測の現状(これまでわかったこと)」だけでなく、「トリノスケール」に代表される危険度の客観的評価指標や、NEOが発見されてから軌道が徐々に明らかになり危険度が変遷していくプロセス、衝突がほぼ確実になったときの具体的な対策のシミュレーションなど、PDのさまざまな側面が多岐にわたって解説されています。ぜひ、ご一読をオススメします! ■ 大阪・関西万博 宇宙的見どころ(レポート/石川果奈、JAXA映像解説/上坂浩光) 関西万博、「宇宙的(星ナビ読者的)」みどころ解説。イタリア館の「アトラス像」、アメリカ館のアポロからアルテミスまでの宇宙開発の展示と映像体験、中国館の月面探査機、日本館の「火星の石」、等々。JAXAの常設展示では「HAYABUSA」の上坂さんの制作されたLEDカーブビジョン映像「月に立つ。その先へ」も注目。本記事では上坂さんが制作記を綴っておられます。 混みそうだし暑そうだし万博はパスかなあ・・と思っていた(私を含む^^;;)皆さん!この夏は万博にいかが?! ◎天リフ独断ピックアップ ■広告ピックアップ・Kenko×伊藤光学「星群Glass」 ケンコーからも「星用グラス」が登場。他社からも出ているこの手の製品は、ごく弱い凹レンズによって、星のような無限遠の物体のピントを合わせやすくするのが基本的な考え方ですが、本製品では「完全な透明」ではなく、ごくわずかに青い短波長域とナトリウム灯のようなオレンジの色をカットするようです(*)。 (*)「視感透過率83%」とのこと。 詳細は本紙広告またはケンコー・トキナー社のWebサイトでごらんください! Kenko x 伊藤光学 星群Glasshttps://www.kenko-tokina.co.jp/optics/tele_scope/accessories/seigun_glass.html ■星ナビひろば・吉岡一巳(かずみ)さん追悼/星空旅行記「星の運動会」 一昨年の10月に亡くなられた吉岡一巳さんを追悼する「星空旅行記」。吉岡さんの書かれた旅行エッセイを、吉岡さんとごく親しい方々が思い出を共有するためにまとめられたもの。 天リフ編集長は吉岡さんと直接の面識はありませんでしたが、吉岡さんが開拓された西オーストラリアの「ワディファーム」に過去2回行ったことがあり、素晴らしい星空と仲間との時間を過ごすことができました。本誌に抜粋された「ワディファーム物語」は共感度120%。時代や世代が違っても、星好きの考えることは皆同じなのでしょう^^ 吉岡さんに深く感謝し追悼の意を表するとともに、吉岡さんの撒かれた種を次の世代に伝えていけたらと考えています。 ■星ナビギャラリー 今回のトップ下はベテラン蒔田剛さんの「M104」。オーストラリアのリモート天文台での撮影です。口径50cmのCDK20の威力は凄まじく、わずか1時間54分の露光でこの解像感。口径の暴力もありますが、大陸の安定した好シーイングも大きく貢献しているのでしょう。 個人的イチオシは岸本弘さんの「M57」。口径20cmのRC望遠鏡による撮影ですが、たった1時間24分の露光時間でリング星雲の周辺の淡い領域がここまではっきりと描出されているのがスゴい。露光時間は基本的に正義ではありますが、短くてもよい作品は撮れるし、対象に合わせた「適正露光」も大事だ、ということでしょうか。 ネットよ今夜もありがとう〜野辺山宇宙電波観測所 今月は、な、な、な、なんと野辺山宇宙電波観測所!!こういうのもアリだったのですね^^ 所長の西村淳さんによるご紹介。 国立天文台野辺山https://www.nro.nao.ac.jp/ 天文ファンにとっては野辺山は「聖地」。今年は例の映画(『名探偵コナン・隻眼の残像(フラッシュバック)』)で大盛り上がりらしく、こちらのファンにとっても「聖地」となっているようです。混雑が予想される今年の特別公開日は8月30日です!   ■Deepな天体写真 CMOSカメラのノイズ研究3「ステライメージ10でノイズを駆逐する」(解説/あぷらなーと) CMOSカメラのノイズ研究、その3最終回。今回は「ステライメージ10」で新規に実装された「ピクセルマッピング」「クールファイル補正」「コスミカット法」などを駆使し、実際に撮影した画像から「ノイズを駆逐」するプロセスの実戦解説。基本ともいえる「コンポジット(スタック)」や「ダーク減算」、画像のストレッチ(強調)の処理方法も推奨設定を含め詳しく解説されているので、画像処理初心者でも処理過程を追っていくことができるでしょう。 記事末で「AIの活用など処理技術の進歩は凄まじいが、基礎的な処理でもできることがまだまだ残っている」と書かれていますが、天リフ編集長もまったく同感です。「枯れた技術」と思っていた分野でも、発想の転換と工夫で新しい発見があるものですね!本連載とステライメージ10で、天体写真ファンのみなさんの「画像処理技法の引き出し」がさらに増えることを願っております^^ あぷらなーとhttps://apranat.exblog.jp/ ■ 星の街道をゆく プラネタリウム はじまりへの旅 前編(紀行/中山満仁) 1923年に製造された初の「近代プラネタリウム」、カールツァイスI型。実はそれよりもはるか前に「プラネタリウム」が作られています。今月号の「星の街道をゆく」は、そんな「近代プラネタリウム以前」を巡る旅です。 1781年に作られた6つの惑星の軌道を再現した「アイジンガープラネタリウム」、さらに遡る古代ギリシャ時代の「アンティキテラの機械」、キトラ古墳の天文図など、「プラネタリウムの始まりを追い求める旅」がたっぷり8ページ。そして今号はまだ「前編」。後編へと続きます! ■特別付録 夏のおでかけダイアリー(解説/谷川正夫) 恒例の8月号特別付録。7月と8月の天文現象を見開き2ページのカレンダー形式で紹介した「おでかけダイアリー」です。ハイライトは8月16日のすばる食と、8月13日のペルセウス座流星群でしょうか。コンパクトな冊子なので、本誌から切り離して荷物の中に常備! まとめ いかがでしたか? 意表をついて7月を待たずに梅雨明けした2025年。とはいえもはや「亜熱帯」の日本列島はなかなか安定した晴れが続かない感じでもあります。そして昼間の暑さは耐え難いくらいなのですが、熱中症に注意して星空を楽しんでいきましょう! そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、今月4日は天文雑誌!今月号も楽しみですね! 星ナビ8月号は「プラネタリーディフェンス」と特別付録「夏のおでかけダイアリー」https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/14072_hoshinavi ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!!      編集部発信のオリジナルコンテンツ