アストロアーツHPで星ナビ2024年7月号の内容が告知されています。発売は6月5日 水曜日です。

今月の内容は!?

「星空人生100年計画」で過去のS級天文現象を振り返りながら「星空未来チェックノート」で2100年までの大注目天文現象を網羅。天文人生必携の一冊です。

星ナビ7月号は「星空人生100年計画」と特別付録「星空未来チェックノート」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13586_hoshinavi

■表紙

今回の表紙はKAGAYAさん撮影の「本州からオーロラが見えた夜」。今大注目の「低緯度オーロラ」は記事内でも紹介しています。

今月の表紙は、KAGAYAさん撮影の5月11日の本州・青森県からのオーロラ。この夜は本州でも高緯度オーロラが目撃され、「オーロラ祭り」となったことは記憶に新しいかと思います。青森からは「肉眼でも淡い光が確認できた」とのことで、月明かりに負けることのない赤い光が印象的です。連載の「KAGAYA通信」と合わせてお読みください!

天リフ編集長はこの夜は愛知県・東栄町で眼視観望イベント「Deep Star Party」の場で、オーロラ祭りの中にいました。とはいっても、当方は半信半疑の中、寝てしまっていたのですが、、、やはり予断はいけませんね^^;;;



■一度は見たいS級天文現象 星空人生100年計画(解説/塚田 健)

地平線に屹立する大彗星、真珠のように輝くコロナ、絶え間なく降り注ぐ流星雨、昼間でも見えるほどの超新星……まだ見たことのない星空、もう一度見たい天文現象がたくさんあります! 付録とセットで活用して、S級天文現象をぜんぶ見つくすための星空人生プランニングをはじめてみませんか?

最近マニアックなネタにシフト中の星ナビ誌ですが、今月の特集は「一度は見たいS級天文現象全制覇」。14ページにわたって、「大彗星」「日食」「流星雨」「天体衝突」「超新星」など11個の「S級天文現象」を紹介。みなさんはいくつ「マル」が付きますか?ちなみに天リフ編集長はあと3個(オーロラ爆発、天体衝突、超新星)です(*)。

(*)1994年のシューメーカー・レビー第9彗星の木星衝突は天文活動休止期間(「ダークマター」)中で、起きたことも知りませんでした。残念、、、

■今月の付録 2100年までの厳選天文現象 星空未来チェックノート2024-2100(解説/塚田 健)

2024年から2100年までに起こる注目天文現象を総まとめ。条件が良いものやレア度が高いものを3段階でランク付けしました。S級天文現象だけをまとめたリストも掲載。あなたの気になる現象はどれ?

「S級天文現象」の特集はさらに念が入っています。なんと綴じ込み付録で「2100年までのレア現象」の「チェックノート」が。とはいっても、仮に「人生100年」としても、昭和世代の読者はこの半分くらいしか可能性がありませんが、、、(*)

(*)天リフ編集長的には、100歳カウントダウンまであと2週間の「2063年北海道皆既日食」まで生きたいと思いました^^
星ナビ編集部Fさんからは「自分だけじゃなくて『子どもと見に行きたい』『孫はどこまで見られるかな』みたいな楽しみ方もしてもらえると嬉しいなぁと思ってます!」とのコメントが。

中でも注目したいのが2030年、2035年、2041年の「日本での皆既日食・金環日食」と、2033〜37年のしし座流星群、2037・38年・41年の土星食・木星食でしょうか。これらを含め2030年〜2040年までの10年間はさまざまな「S級現象」が数多く起こります。来るべき「天文黄金期」に注目ですね!

■火星衛星探査ミッション映像化 上坂浩光監督「MMX」を語る(独白/上坂浩光)

「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」などの映像作品で知られる上坂浩光監督。最新作は火星の衛星・フォボスを目指す「MMX」プロジェクトがテーマ。監督自身に作品にかける想いを語っていただきました。

4月24日に完成披露試写会が行われた、上坂浩光監督の最新作「MMX火星探査計画」。「いつか自分たちの真実に辿り着くまで・・・」という監督の想いを、自ら語る4ページ。

「応援した全ての人々に、その活躍を届ける」「もっと大きな視野で」「引き継がれていくことをより大事にしたい」「サンプルリターンミッションで一番大事な解析結果を(一般の人にもわかりやすく)示す」「私たちはなぜ宇宙探査を続けるのか」。上坂監督の熱い想いを感じ取ってください!そして、上映館にGo!!

フルドーム映像作品 「MMX火星衛星探査計画」完成
https://www.live-net.co.jp/live/news/news.htm

◎天リフ独断ピックアップ

■広告ピックアップ・AP-WL

https://www.vixen.co.jp/lp/AP-WL/

ビクセンのAPマウントの「ワイヤレスユニット」版。自動導入に正式対応しスマホから操作可能となり、プレートソルビング可能なソフトとの組み合わせで「フリーストップ+自動導入」が可能に。小型赤道儀として新たな命が吹き込まれたといってよいのではないかと感じています。

ビクセン AP-WLマウント
https://www.vixen.co.jp/lp/AP-WL/

広告としても斬新。定番のスペック表や価格表示を廃し、画像中心で文字数は最小のシンプルなもの。QRコードでランディングページに誘引するという、ネット時代的なスタイルです。

■環をもつ土星が有明の月に隠される・7月25日早朝全国で土星食 構成/浅田英夫(あさだ考房)+石田智

7月の注目の天文現象、土星食。早朝・青空の中での現象ですが、月齢18.9の月は大きく見つけやすく、観測しやすい現象となるでしょう。ただし土星は表面輝度が小さいため「うっすら」としか見えないかもしれません。カメラで捉えるなら、濃い赤フィルターやIRパスフィルターを使用する手もあります(*)。ぜひチャレンジしてみたいですね!

(*)赤や近赤外などの長波長では、青空の輝度(大気の散乱光)を大幅に下げることができます。

■ネットよ今夜もありがとう

今月は「続37年目の日記」の坪井治さん。「1950年分点の全天恒星図片手に空を見始めた」という大ベテラン。天リフ編集長は初見ですが、本欄のご登場は12年ぶり二回目だそうです。

続37年目の日記
http://37nenme.seesaa.net/

内容は、日々の星見の記録を中心に観測風景が豊富で、「(簡単・お気楽なSNSとは違って)内容も記せるブログは背景情景の記録として残したい」とのこと。天文趣味をまさに「細く長く」楽しんでいらっしゃることが伝わってきます。

■星ナビギャラリー

今月のトップ下は今井さんの「北米皆既日食2024」。多段階露光と回転成分の強調処理を駆使し、複雑なコロナの流線を見事に描出されています。



個人的イチオシは、大ベテラン崎山さんの「M94銀河」。2重のリング構造が特徴的な銀河ですが、外部の淡いリングの構造の描写が素晴らしく「間違いなく星ナビギャラリー史上、過去最高のM94」という選評にふさわしい作品となっています。

■人工天体撮影 虎の巻 第四巻「ISS待ち伏せ撮影と画像処理」(解説/加藤純一)

人気シリーズのの最終回。今回は「ステラショット3」を使ってISSを「待ち伏せ撮影」する方法と、狂拡大で捉えたISS像をより鮮明にするための画像処理方法を解説します。

好評を博している「人工天体撮影 虎の巻」連載。最終回はステラショット3を使用した「待ち伏せ撮影」と、撮像画像の画像処理法の解説です。

高速で移動する人工天体を、最初から最後まで自動追尾(+手動修正)するのはかなり難易度が高い反面、「待ち伏せ撮影」なら通過点に正しく向けさえできれば「横切っていく人工天体」をより確実に捕捉することが可能になります。

人工天体の画像処理は基本的には惑星撮影と同じ「多数枚スタック(コンポジット)+シャープ系処理(*)」ですが、人工天体は大きさや姿勢が刻々と変わるため、短い時間の間に撮影した画像を使用しなければならない制約があります。

(*)ステライメージでいえば「マルチバンドシャープ」「復元」処理など。

天リフ編集長もすっかりハマってしまった「人工天体撮影」。みなさんもいかがですか?!

 

■当事者が追想する軌道計算 SL9木星衝突から30年(文/村松 修)

1994年、シューメーカー・レビー第9彗星の分裂核が次々に木星に衝突し、巨大な衝突痕を残すという前代未聞の大事件が起こりました。軌道計算により彗星の衝突を事前に知って世界中の観測者に知らせたのは日本のアマチュア天文家でした。

1994年7月のシューメーカー・レビー第9彗星(SL9)の木星衝突。この現象はレア度からみると「特S級」といってもいいくらいのものかもしれません。この現象を1年以上前から予測できたのには、日本のアマチュア天文家たちの貢献がありました。本記事ではその当事者である村松修さんと中野主一さんによる、日本の天文アマチュアによる天体の軌道計算と観測の取り組みの歴史と、SL9の発見から木星衝突までの記録です。

SL9の木星衝突は、単なる天文現象を越えたインパクトがありました。この現象をきっかけに、地球に衝突する可能性のある小天体の観測ネットワークの必要性が認識され、現在も続く継続的な観測態勢が整備されたのです。

アマチュア天文学の偉大な成果として、あらためて歴史を振り返る意義深い記事です。

コスモプラネタリウム渋谷
https://shibu-cul.jp/planetarium
Wikipedia 村松修
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E6%9D%BE%E4%BF%AE
Wikipedia 中野主一
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E9%87%8E%E4%B8%BB%E4%B8%80

■日食カウントダウン アメリカ縦断皆既日食まとめ(まとめ/石井 馨)

2024年4月8日の皆既日食でもさまざまなドラマがありました。今回の日食がどのようなものであったかを振り返ってみましょう。

2024年4月の皆既日食、石井馨さんによる振り返り記事。「皆既帯の中の居住人口3100万人以上」という巨大な人口圏を通過した本皆既日食ですが、事前の天気予報が最悪だった割には、多くの方が何らかの形で日食を観測できたようです。同時に晴れ間を求めて多くの方の「大移動」があったようです。

皆既日食そのものでいえば「極大型コロナ」と「長い継続時間(4分程度)」の特徴を示すものでした(*)。天リフ編集長のライブ配信風景の画像も1枚使って頂きました。この場を借りまして御礼申し上げます^^

(*)天リフ編集長は前年の「継続時間1分以下」の全周プロミネンスにいたく感動し「長い皆既日食はね、、、」という感覚だったのですが、同行した石井さんに「いやいや、皆既日食はもっと奥の深いものですよ」と、本記事でも触れられている「プロミネンスの出現」の見どころについて教えていただきました。

天文講演会「太陽と月と人々が出会うとき 日食観測家のお話しと映像によるメキシコ皆既日食」
https://www.galaxcity.jp/future-creation-hall/event/20240622-006804.html
https://www.galaxcity.jp/future-creation-hall/event/20240622-006804.html

石井馨さんによる日食観測報告会が、6月22日(土)16:00〜東京・足立区のギャラクシティで開催されます。ご興味のある方はぜひどうぞ!

まとめ

いかがでしたか?

本欄で何度も触れていますが「宇宙の時間」と「人間の時間」の橋渡しとなるのが天文現象です。広大な宇宙のスケールの中にも、ちっぽけな人間のスケールの中にも、それぞれの「自分たちの真実」が存在します。そのことを実感するためにも、私たちは「S級天文現象」を追い求めるのかもしれませんね。

そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日は天文雑誌!今月号も楽しみですね!

星ナビ7月号は「星空人生100年計画」と特別付録「星空未来チェックノート」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13586_hoshinavi

※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。

天文ガイドも合わせて読みたいですね!! https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2024/06/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2024/06/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-150x150.jpg編集部雑誌・書籍星ナビアストロアーツHPで星ナビ2024年7月号の内容が告知されています。発売は6月5日 水曜日です。 今月の内容は!? 「星空人生100年計画」で過去のS級天文現象を振り返りながら「星空未来チェックノート」で2100年までの大注目天文現象を網羅。天文人生必携の一冊です。 星ナビ7月号は「星空人生100年計画」と特別付録「星空未来チェックノート」https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13586_hoshinavi ■表紙 今月の表紙は、KAGAYAさん撮影の5月11日の本州・青森県からのオーロラ。この夜は本州でも高緯度オーロラが目撃され、「オーロラ祭り」となったことは記憶に新しいかと思います。青森からは「肉眼でも淡い光が確認できた」とのことで、月明かりに負けることのない赤い光が印象的です。連載の「KAGAYA通信」と合わせてお読みください! 天リフ編集長はこの夜は愛知県・東栄町で眼視観望イベント「Deep Star Party」の場で、オーロラ祭りの中にいました。とはいっても、当方は半信半疑の中、寝てしまっていたのですが、、、やはり予断はいけませんね^^;;; 愛知県東栄町0:21~2:15にかけて撮影したオーロラのタイムラプスです。#低緯度オーロラ pic.twitter.com/AgDenlsqCN — プロキオン (@PXhythfCloMmnmi) May 11, 2024 ■一度は見たいS級天文現象 星空人生100年計画(解説/塚田 健) 最近マニアックなネタにシフト中の星ナビ誌ですが、今月の特集は「一度は見たいS級天文現象全制覇」。14ページにわたって、「大彗星」「日食」「流星雨」「天体衝突」「超新星」など11個の「S級天文現象」を紹介。みなさんはいくつ「マル」が付きますか?ちなみに天リフ編集長はあと3個(オーロラ爆発、天体衝突、超新星)です(*)。 (*)1994年のシューメーカー・レビー第9彗星の木星衝突は天文活動休止期間(「ダークマター」)中で、起きたことも知りませんでした。残念、、、 ■今月の付録 2100年までの厳選天文現象 星空未来チェックノート2024-2100(解説/塚田 健) 「S級天文現象」の特集はさらに念が入っています。なんと綴じ込み付録で「2100年までのレア現象」の「チェックノート」が。とはいっても、仮に「人生100年」としても、昭和世代の読者はこの半分くらいしか可能性がありませんが、、、(*) (*)天リフ編集長的には、100歳カウントダウンまであと2週間の「2063年北海道皆既日食」まで生きたいと思いました^^星ナビ編集部Fさんからは「自分だけじゃなくて『子どもと見に行きたい』『孫はどこまで見られるかな』みたいな楽しみ方もしてもらえると嬉しいなぁと思ってます!」とのコメントが。 中でも注目したいのが2030年、2035年、2041年の「日本での皆既日食・金環日食」と、2033〜37年のしし座流星群、2037・38年・41年の土星食・木星食でしょうか。これらを含め2030年〜2040年までの10年間はさまざまな「S級現象」が数多く起こります。来るべき「天文黄金期」に注目ですね! ■火星衛星探査ミッション映像化 上坂浩光監督「MMX」を語る(独白/上坂浩光) 4月24日に完成披露試写会が行われた、上坂浩光監督の最新作「MMX火星探査計画」。「いつか自分たちの真実に辿り着くまで・・・」という監督の想いを、自ら語る4ページ。 「応援した全ての人々に、その活躍を届ける」「もっと大きな視野で」「引き継がれていくことをより大事にしたい」「サンプルリターンミッションで一番大事な解析結果を(一般の人にもわかりやすく)示す」「私たちはなぜ宇宙探査を続けるのか」。上坂監督の熱い想いを感じ取ってください!そして、上映館にGo!! フルドーム映像作品 「MMX火星衛星探査計画」完成https://www.live-net.co.jp/live/news/news.htm ◎天リフ独断ピックアップ ■広告ピックアップ・AP-WL ビクセンのAPマウントの「ワイヤレスユニット」版。自動導入に正式対応しスマホから操作可能となり、プレートソルビング可能なソフトとの組み合わせで「フリーストップ+自動導入」が可能に。小型赤道儀として新たな命が吹き込まれたといってよいのではないかと感じています。 ビクセン AP-WLマウントhttps://www.vixen.co.jp/lp/AP-WL/ 広告としても斬新。定番のスペック表や価格表示を廃し、画像中心で文字数は最小のシンプルなもの。QRコードでランディングページに誘引するという、ネット時代的なスタイルです。 ■環をもつ土星が有明の月に隠される・7月25日早朝全国で土星食 構成/浅田英夫(あさだ考房)+石田智 7月の注目の天文現象、土星食。早朝・青空の中での現象ですが、月齢18.9の月は大きく見つけやすく、観測しやすい現象となるでしょう。ただし土星は表面輝度が小さいため「うっすら」としか見えないかもしれません。カメラで捉えるなら、濃い赤フィルターやIRパスフィルターを使用する手もあります(*)。ぜひチャレンジしてみたいですね! (*)赤や近赤外などの長波長では、青空の輝度(大気の散乱光)を大幅に下げることができます。 ■ネットよ今夜もありがとう 今月は「続37年目の日記」の坪井治さん。「1950年分点の全天恒星図片手に空を見始めた」という大ベテラン。天リフ編集長は初見ですが、本欄のご登場は12年ぶり二回目だそうです。 続37年目の日記http://37nenme.seesaa.net/ 内容は、日々の星見の記録を中心に観測風景が豊富で、「(簡単・お気楽なSNSとは違って)内容も記せるブログは背景情景の記録として残したい」とのこと。天文趣味をまさに「細く長く」楽しんでいらっしゃることが伝わってきます。 ■星ナビギャラリー 今月のトップ下は今井さんの「北米皆既日食2024」。多段階露光と回転成分の強調処理を駆使し、複雑なコロナの流線を見事に描出されています。 個人的イチオシは、大ベテラン崎山さんの「M94銀河」。2重のリング構造が特徴的な銀河ですが、外部の淡いリングの構造の描写が素晴らしく「間違いなく星ナビギャラリー史上、過去最高のM94」という選評にふさわしい作品となっています。 ■人工天体撮影 虎の巻 第四巻「ISS待ち伏せ撮影と画像処理」(解説/加藤純一) 好評を博している「人工天体撮影 虎の巻」連載。最終回はステラショット3を使用した「待ち伏せ撮影」と、撮像画像の画像処理法の解説です。 高速で移動する人工天体を、最初から最後まで自動追尾(+手動修正)するのはかなり難易度が高い反面、「待ち伏せ撮影」なら通過点に正しく向けさえできれば「横切っていく人工天体」をより確実に捕捉することが可能になります。 人工天体の画像処理は基本的には惑星撮影と同じ「多数枚スタック(コンポジット)+シャープ系処理(*)」ですが、人工天体は大きさや姿勢が刻々と変わるため、短い時間の間に撮影した画像を使用しなければならない制約があります。 (*)ステライメージでいえば「マルチバンドシャープ」「復元」処理など。 天リフ編集長もすっかりハマってしまった「人工天体撮影」。みなさんもいかがですか?!   ■当事者が追想する軌道計算 SL9木星衝突から30年(文/村松 修) 1994年7月のシューメーカー・レビー第9彗星(SL9)の木星衝突。この現象はレア度からみると「特S級」といってもいいくらいのものかもしれません。この現象を1年以上前から予測できたのには、日本のアマチュア天文家たちの貢献がありました。本記事ではその当事者である村松修さんと中野主一さんによる、日本の天文アマチュアによる天体の軌道計算と観測の取り組みの歴史と、SL9の発見から木星衝突までの記録です。 SL9の木星衝突は、単なる天文現象を越えたインパクトがありました。この現象をきっかけに、地球に衝突する可能性のある小天体の観測ネットワークの必要性が認識され、現在も続く継続的な観測態勢が整備されたのです。 アマチュア天文学の偉大な成果として、あらためて歴史を振り返る意義深い記事です。 コスモプラネタリウム渋谷https://shibu-cul.jp/planetarium Wikipedia 村松修https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E6%9D%BE%E4%BF%AE Wikipedia 中野主一https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E9%87%8E%E4%B8%BB%E4%B8%80 ■日食カウントダウン アメリカ縦断皆既日食まとめ(まとめ/石井 馨) 2024年4月の皆既日食、石井馨さんによる振り返り記事。「皆既帯の中の居住人口3100万人以上」という巨大な人口圏を通過した本皆既日食ですが、事前の天気予報が最悪だった割には、多くの方が何らかの形で日食を観測できたようです。同時に晴れ間を求めて多くの方の「大移動」があったようです。 皆既日食そのものでいえば「極大型コロナ」と「長い継続時間(4分程度)」の特徴を示すものでした(*)。天リフ編集長のライブ配信風景の画像も1枚使って頂きました。この場を借りまして御礼申し上げます^^ (*)天リフ編集長は前年の「継続時間1分以下」の全周プロミネンスにいたく感動し「長い皆既日食はね、、、」という感覚だったのですが、同行した石井さんに「いやいや、皆既日食はもっと奥の深いものですよ」と、本記事でも触れられている「プロミネンスの出現」の見どころについて教えていただきました。 天文講演会「太陽と月と人々が出会うとき 日食観測家のお話しと映像によるメキシコ皆既日食」https://www.galaxcity.jp/future-creation-hall/event/20240622-006804.html 石井馨さんによる日食観測報告会が、6月22日(土)16:00〜東京・足立区のギャラクシティで開催されます。ご興味のある方はぜひどうぞ! まとめ いかがでしたか? 本欄で何度も触れていますが「宇宙の時間」と「人間の時間」の橋渡しとなるのが天文現象です。広大な宇宙のスケールの中にも、ちっぽけな人間のスケールの中にも、それぞれの「自分たちの真実」が存在します。そのことを実感するためにも、私たちは「S級天文現象」を追い求めるのかもしれませんね。 そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日は天文雑誌!今月号も楽しみですね! 星ナビ7月号は「星空人生100年計画」と特別付録「星空未来チェックノート」https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13586_hoshinavi ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!!編集部発信のオリジナルコンテンツ