アストロアーツHPで星ナビ2023年1月号の内容が告知されています。発売は1月5日木曜日です。

今月の内容は!?

晴天に恵まれた「八ヶ岳 星と自然のフェスタ in こうみ」は天文マニアが大集合。仲間で集まって同じ天体を撮影し一枚の作品にする「みんなで合作!天体写真」は楽しさ満載です。

星ナビ2月号は「マニアが集う!八ヶ岳 星と自然のフェスタ」と「みんなで合作!天体写真」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12888_hoshinavi

■表紙

今回の表紙は星沼会・丹羽雅彦さん撮影の「いっせいに同じ夜空に向かう鏡筒たち」。皆の鏡筒が同じ方向を向いているのが熱い! ワイワイ楽しく撮影をする様子が写真からも伝わってきます。

 

今月の表紙は星沼会・丹羽雅彦さんによる「合作撮影」風景です。ずらりと並んだ様々な望遠鏡が同じ向きに。単に総露出時間を稼ぐだけではない「合作」の楽しさ、面白さが伝わるものになっています。



本誌記事「みんなで合作!天体写真 前編」の撮影に参加された6名の方々によるレポートもぜひじっくりお読みください!

■秋空にマニアが集う 八ヶ岳 星と自然のフェスタ in こうみ(取材レポート/飯島 裕+編集部)

2夜連続快晴となった「星フェス」。今回で5回目の開催となり、地域にもすっかり定着しました。愛用天文機材をネタに語り合う「古スコ懇親会」や講演会など楽しい催しが目白押しでした。

5回目の開催となった星まつり「星と自然のフェスタ in こうみ2022(小海星フェス)」の詳細のレポート。近年の星まつり紹介記事の中では最大限に気合の入った濃い6ページ、天文趣味に熱中する愛好家たちの等身大の姿がたっぷりと紹介されています。

天リフ編集長は残念ながら今年は不参加だったのですが、年々盛り上がりが大きくなる「小海星フェス」。天文マニアだけでなくバードウォッチングやクラフトショップなど間口も広く、これからの星まつりのあり方を示しているのかもしれません。「秋空にマニアが集う」というリード文も天リフ的には胸熱。来年にも大いに期待したいですね!

■みんなで合作!天体写真 前編(レポート/阿部将典、小林武嗣、永弘進一郎、丹羽雅彦、松濤誠之、渡邊尚登(星沼会))

ネット上の天文仲間で結成した「星沼会」で行っている天体写真の合作。皆で集まって同じ天体を撮影することで、お祭り気分で楽しめ仲間同士で協力できるのも魅力です。合作天体写真の魅力やノウハウを紹介します。

深宇宙の天体写真の世界では、10時間を越える露光時間はザラ、30時間、100時間と、どんどん「インフレ」が進んでいます。しかし晴天率の低い日本で遠征撮影をする限りは、なかなか10時間を越えることは難しいのが現状。そこで「仲間で同じ対象を撮影して共同で作品を作り上げればいいのではないか?」という発想が生まれました。

その発想を現実に落とし込んで実行されたのがこの記事の「星沼会」様の事例。「合作は単なる露光時間稼ぎではない」「完成した作品にみんなのストーリーが加わることが最大の魅力」という言葉には、「天体写真」だけでなく「天文趣味」全てに通じる楽しみ方の提案があるように感じました。

今回はまだ「前編」。後編でさらにどんな展開と「ストーリー」が待っているのか?次号も楽しみです!

◎天リフ独断ピックアップ

■広告ピックアップ

「いつかは・・」級の名機、スワロフスキーの光学製品。日本総代理店のハクバ写真産業株式会社のご出広。上の画像は双眼タイプの「BTX 35×115」、天リフ編集長は一昨年の小海星フェスで覗かせていただきましたが、素晴らしい見え味です。11月の皆既月食×天王星食をこのフィールドスコープで見てみたかった!4月20日の金環皆既日食でいかが?

スワロフスキーオプティック
https://swarovskioptik-j.jp/

■北天を駆け抜けるズィーティーエフ彗星(構成/浅田英夫(あさだ工房)+石田智

年末年始かんむり座の近傍で、扇形のダストテールと細く長いイオンテールをたなびかせていたズィーティーエフ彗星C/2022 E3が2月2日に地球に最接近(0.284AU)します。予想光度は4等から5等。勝手な推測ですが、イオンテールは10度以上、ごく淡い部分はさらに長く伸びることでしょう。

2月6日が満月のためその前後数日は月明かりに邪魔されますが、そのころは北天の周極星となって一晩中見ることができます。短い撮影時間でもチャンスを生かせば彗星の姿を追い続けることができるでしょう。本誌P73の「Ovserber’s NAVI」には1月の動きも掲載されていますので合わせてお読みください!

■ネットよ今夜もありがとう

今月はykwk さんの「ベランダ天体観測の記録」。天リフでもおなじみ、ykwk さんにはブログ開設当初からお世話になっています。「まずは試してみる精神で爆走中」とありますが、まさにその通りで小ネタ大ネタ合わせて「むむむ、そうきたかっ」と唸る記事が満載。天文趣味界の多様性拡大に絶大なる貢献をされています^^

ベランダ天体観測の記録
http://ykwk1980.livedoor.blog

■星ナビギャラリー

2022年11月8日 皆既月食特集

2022年11月の皆既月食+天王星食は天候に恵まれ話題になりました。星ナビギャラリーにも天王星食経過や風景の中での月食などさまざまな応募をいただきましたので、急遽「皆既月食ギャラリー」ページを作成。豊富な撮影バリエーションは、次回月食の参考にもなりますね。

今回のトップ下は常連Iさんの「NGC1723付近」。茅ヶ崎のご自宅から総露光22時間、五藤の21cm反射に冷却CCDのSBIG ST-10X MEのいつものスタイル。小さな銀河をディテールにこだわって撮り続けてらっしゃいます。

個人的イチオシはAさんの「四季桜咲く秋の夜空見上げて」。明るい街灯を最大限に活用し人物を配置した絵作り、ハイライトを飛ばし空を締めたダイナミックな画像表現、巧みな画像合成処理と、星空の写真表現の多様性を感じる作品です。

■はやぶさ2ミッションレポート #20 サンプルが語るリュウグウの歴史(解説/中野太郎)

8月から12月にかけて発表されたリュウグウの分析結果を一気に紹介! 番外編として、資料の分析を行う日本原子力研究開発機構(JAEA)原子力科学研究所に突撃取材も敢行。

はやぶさ2がリュウグウから持ち帰ったサンプルの分析結果が続々と出ています。キーワードは「水」。「粘土鉱物」のような液体の水が存在していたことを間接的に示す結果だけでなく、液体の水そのものも見つかっています。「ガス成分の分析」や「即発γ線分析」など、実験室でできる「分析」の幅広さ・奥深さにも驚かされます。「リアルにサンプルを持ち帰る」ことの意義を感じさせられるレポートです。



今回の結果は「初期分析」の研究グループの一部の結果。まだまだ新しい発見が続きそうです。

■天文外史 天につながる暮らし 星になった民具たち

西洋が起源のものが多い星や星座の名前ですが、日本にも古くから伝わる星の名前があります。日本ではその星ならびを普段の生活で使う道具に例えてきました。ひとつの星ならびにこんなに名前が? 同じモノが星空のあちこちに? など驚きがいっぱいの特集です。

星座。現在、国際天文学連盟(IAU)が定めた88の星座はすべて西洋が起源。でも、西洋の「星座」が日本に伝わって広まるまでの間は、日本固有の星と星座の呼び名がありました。この記事はその伝承と成り立ちをつぶさにたどる6ページ。

「神話」や「時の権力者」などになぞらえた西洋や中国の「星座」とは違って、「身近なもの」に例えられたものが多いことと、呼称が国全体で統一されることなくそれぞれの地方で独自の呼び名が多数存在したことが、日本の「星座」の特徴だそうです。

秋期特別展「星になった民具たち」
https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/press/page02_e00001_01946.html

1月15日まで平塚市博物館では、そういった各地に伝えられてきた日本の“星座”を、特に“民具”に注目して実物とともに紹介する特別展が開催されています。「箕(み)」「鋤(すき)」「箒(ほうき)」など「星になった民具」の数々が、展示・解説されています。

■Observer’s NAVI ズィーティーエフ彗星が最接近(解説/吉本勝己)

2023年に注目の天体といえば、ズィーティエフ彗星(C/2022 E3)。1月から2月に見ごろで、2月2日地球最接近前後で5等級になると予想されています。

ズィーティーエフ彗星(C/2022 E3)が2月2日に地球に最接近し肉眼彗星に。ひょっとしたら、2023年の最大の天文イベントになるかも?記事中のグラフを見ての通り、明るさは予報通り順調に増加中で、高い確度で「5等級」程度になることが予測できます。近日点通過は1月12日、1.11天文単位とさほど太陽には接近しませんが、イオンテールの不規則な噴き出しによる短い時間での変化が期待できそうです。

観測の好機は、まずは月明かりの影響がなくなる1月18日以降、1月22日に新月となった後、周極星となって一晩中見ることができる1月25日以降、地球に最接近する2月2日の3つがターニングポイント。一晩中撮影を続けてイオンテールの変化を捉えるのも面白いかもしれません。

「2001 CC21」による恒星食 (解説/吉川 真、早水 勉)

2020年12月にサンプルを届けてから2年以上が経過し、現在拡張ミッションに挑戦中の「はやぶさ2」。現在「はやぶさ2」が向かっている小惑星「2001 CC21」は正確なサイズや軌道がわかっていない天体です。地球上から恒星食で観測することでどんな小惑星なのか知ることができます。みんなで挑戦しましょう。

「はやぶさ2」の次の拡張ミッション「はやぶさ2#」。次に向かう小惑星「2001 CC21」による恒星食の観測の呼びかけです。1月から3月にかけて、日本を通過する好条件の恒星食が何回も予報されています。観測に成功すれば小惑星「2001 CC21」の大きさや形状を知ることができ、2026年に予定されているフライバイ観測に向けた貴重な情報となります。

問題は食が見られる恒星食帯が700mほどしかないこと。軌道計算の誤差1σ(確率70%)の幅は20kmもあり、数多くの観測者の協力が必要になってきます。しかも減光時間もわずか0.1秒程度で、フレームレートの高い動画による観測が求められます。

しかし、今のアマチュアの機材と技術をもってすれば、間違いなく観測可能なレベルです。一つ観測に成功すれば、より正確な軌道・形状が求められ、さらに次の食の予報精度も上がることでしょう。

2023年1~3月 小惑星(98943)2001CC21 による恒星食の観測
http://www.hal-astro-lab.com/asteroid/2303_2001CC21_index.html

ご興味のある方はぜひ上記リンク先をご参照ください!

まとめ

いかがでしたか?

趣味の世界は、エッジを極めるガチな方向性と、裾野を広げるための広い間口の2つの方向性の、どちらもが重要だと個人的には考えています。そのいずれも、楽しみ方は一つではありません。それぞれの人の自分なりの指向と嗜好で生まれる多様性があってこそ、肥沃な趣味の世界が持続するのです。

何度も何度も繰り返しますが「マニアが趣味を潰す」という言説はごく限定的な事象を指しているにすぎません。星ナビ誌に「マニア」という言葉が前向きな意味でさらりと出てくる昨今、天文趣味界の「第三の黄金時代」が訪れていることを実感しました!

そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日は天文雑誌!2月号も楽しみですね!

星ナビ2月号は「マニアが集う!八ヶ岳 星と自然のフェスタ」と「みんなで合作!天体写真」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12888_hoshinavi


※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。

天文ガイドも合わせて読みたいですね!!

 

  https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2023/01/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2023/01/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-150x150.jpg編集部雑誌・書籍星ナビアストロアーツHPで星ナビ2023年1月号の内容が告知されています。発売は1月5日木曜日です。 今月の内容は!? 晴天に恵まれた「八ヶ岳 星と自然のフェスタ in こうみ」は天文マニアが大集合。仲間で集まって同じ天体を撮影し一枚の作品にする「みんなで合作!天体写真」は楽しさ満載です。 星ナビ2月号は「マニアが集う!八ヶ岳 星と自然のフェスタ」と「みんなで合作!天体写真」 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12888_hoshinavi ■表紙   今月の表紙は星沼会・丹羽雅彦さんによる「合作撮影」風景です。ずらりと並んだ様々な望遠鏡が同じ向きに。単に総露出時間を稼ぐだけではない「合作」の楽しさ、面白さが伝わるものになっています。 本誌記事「みんなで合作!天体写真 前編」の撮影に参加された6名の方々によるレポートもぜひじっくりお読みください! ■秋空にマニアが集う 八ヶ岳 星と自然のフェスタ in こうみ(取材レポート/飯島 裕+編集部) 5回目の開催となった星まつり「星と自然のフェスタ in こうみ2022(小海星フェス)」の詳細のレポート。近年の星まつり紹介記事の中では最大限に気合の入った濃い6ページ、天文趣味に熱中する愛好家たちの等身大の姿がたっぷりと紹介されています。 天リフ編集長は残念ながら今年は不参加だったのですが、年々盛り上がりが大きくなる「小海星フェス」。天文マニアだけでなくバードウォッチングやクラフトショップなど間口も広く、これからの星まつりのあり方を示しているのかもしれません。「秋空にマニアが集う」というリード文も天リフ的には胸熱。来年にも大いに期待したいですね! ■みんなで合作!天体写真 前編(レポート/阿部将典、小林武嗣、永弘進一郎、丹羽雅彦、松濤誠之、渡邊尚登(星沼会)) 深宇宙の天体写真の世界では、10時間を越える露光時間はザラ、30時間、100時間と、どんどん「インフレ」が進んでいます。しかし晴天率の低い日本で遠征撮影をする限りは、なかなか10時間を越えることは難しいのが現状。そこで「仲間で同じ対象を撮影して共同で作品を作り上げればいいのではないか?」という発想が生まれました。 その発想を現実に落とし込んで実行されたのがこの記事の「星沼会」様の事例。「合作は単なる露光時間稼ぎではない」「完成した作品にみんなのストーリーが加わることが最大の魅力」という言葉には、「天体写真」だけでなく「天文趣味」全てに通じる楽しみ方の提案があるように感じました。 今回はまだ「前編」。後編でさらにどんな展開と「ストーリー」が待っているのか?次号も楽しみです! ◎天リフ独断ピックアップ ■広告ピックアップ 「いつかは・・」級の名機、スワロフスキーの光学製品。日本総代理店のハクバ写真産業株式会社のご出広。上の画像は双眼タイプの「BTX 35×115」、天リフ編集長は一昨年の小海星フェスで覗かせていただきましたが、素晴らしい見え味です。11月の皆既月食×天王星食をこのフィールドスコープで見てみたかった!4月20日の金環皆既日食でいかが? スワロフスキーオプティック https://swarovskioptik-j.jp/ ■北天を駆け抜けるズィーティーエフ彗星(構成/浅田英夫(あさだ工房)+石田智) 年末年始かんむり座の近傍で、扇形のダストテールと細く長いイオンテールをたなびかせていたズィーティーエフ彗星C/2022 E3が2月2日に地球に最接近(0.284AU)します。予想光度は4等から5等。勝手な推測ですが、イオンテールは10度以上、ごく淡い部分はさらに長く伸びることでしょう。 2月6日が満月のためその前後数日は月明かりに邪魔されますが、そのころは北天の周極星となって一晩中見ることができます。短い撮影時間でもチャンスを生かせば彗星の姿を追い続けることができるでしょう。本誌P73の「Ovserber's NAVI」には1月の動きも掲載されていますので合わせてお読みください! ■ネットよ今夜もありがとう 今月はykwk さんの「ベランダ天体観測の記録」。天リフでもおなじみ、ykwk さんにはブログ開設当初からお世話になっています。「まずは試してみる精神で爆走中」とありますが、まさにその通りで小ネタ大ネタ合わせて「むむむ、そうきたかっ」と唸る記事が満載。天文趣味界の多様性拡大に絶大なる貢献をされています^^ ベランダ天体観測の記録 http://ykwk1980.livedoor.blog ■星ナビギャラリー 2022年11月8日 皆既月食特集 今回のトップ下は常連Iさんの「NGC1723付近」。茅ヶ崎のご自宅から総露光22時間、五藤の21cm反射に冷却CCDのSBIG ST-10X MEのいつものスタイル。小さな銀河をディテールにこだわって撮り続けてらっしゃいます。 個人的イチオシはAさんの「四季桜咲く秋の夜空見上げて」。明るい街灯を最大限に活用し人物を配置した絵作り、ハイライトを飛ばし空を締めたダイナミックな画像表現、巧みな画像合成処理と、星空の写真表現の多様性を感じる作品です。 ■はやぶさ2ミッションレポート #20 サンプルが語るリュウグウの歴史(解説/中野太郎) はやぶさ2がリュウグウから持ち帰ったサンプルの分析結果が続々と出ています。キーワードは「水」。「粘土鉱物」のような液体の水が存在していたことを間接的に示す結果だけでなく、液体の水そのものも見つかっています。「ガス成分の分析」や「即発γ線分析」など、実験室でできる「分析」の幅広さ・奥深さにも驚かされます。「リアルにサンプルを持ち帰る」ことの意義を感じさせられるレポートです。 今回の結果は「初期分析」の研究グループの一部の結果。まだまだ新しい発見が続きそうです。 ■天文外史 天につながる暮らし 星になった民具たち 星座。現在、国際天文学連盟(IAU)が定めた88の星座はすべて西洋が起源。でも、西洋の「星座」が日本に伝わって広まるまでの間は、日本固有の星と星座の呼び名がありました。この記事はその伝承と成り立ちをつぶさにたどる6ページ。 「神話」や「時の権力者」などになぞらえた西洋や中国の「星座」とは違って、「身近なもの」に例えられたものが多いことと、呼称が国全体で統一されることなくそれぞれの地方で独自の呼び名が多数存在したことが、日本の「星座」の特徴だそうです。 秋期特別展「星になった民具たち」 https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/press/page02_e00001_01946.html 1月15日まで平塚市博物館では、そういった各地に伝えられてきた日本の“星座”を、特に“民具”に注目して実物とともに紹介する特別展が開催されています。「箕(み)」「鋤(すき)」「箒(ほうき)」など「星になった民具」の数々が、展示・解説されています。 ■Observer's NAVI ズィーティーエフ彗星が最接近(解説/吉本勝己) ズィーティーエフ彗星(C/2022 E3)が2月2日に地球に最接近し肉眼彗星に。ひょっとしたら、2023年の最大の天文イベントになるかも?記事中のグラフを見ての通り、明るさは予報通り順調に増加中で、高い確度で「5等級」程度になることが予測できます。近日点通過は1月12日、1.11天文単位とさほど太陽には接近しませんが、イオンテールの不規則な噴き出しによる短い時間での変化が期待できそうです。 観測の好機は、まずは月明かりの影響がなくなる1月18日以降、1月22日に新月となった後、周極星となって一晩中見ることができる1月25日以降、地球に最接近する2月2日の3つがターニングポイント。一晩中撮影を続けてイオンテールの変化を捉えるのも面白いかもしれません。 「2001 CC21」による恒星食 (解説/吉川 真、早水 勉) 「はやぶさ2」の次の拡張ミッション「はやぶさ2#」。次に向かう小惑星「2001 CC21」による恒星食の観測の呼びかけです。1月から3月にかけて、日本を通過する好条件の恒星食が何回も予報されています。観測に成功すれば小惑星「2001 CC21」の大きさや形状を知ることができ、2026年に予定されているフライバイ観測に向けた貴重な情報となります。 問題は食が見られる恒星食帯が700mほどしかないこと。軌道計算の誤差1σ(確率70%)の幅は20kmもあり、数多くの観測者の協力が必要になってきます。しかも減光時間もわずか0.1秒程度で、フレームレートの高い動画による観測が求められます。 しかし、今のアマチュアの機材と技術をもってすれば、間違いなく観測可能なレベルです。一つ観測に成功すれば、より正確な軌道・形状が求められ、さらに次の食の予報精度も上がることでしょう。 2023年1~3月 小惑星(98943)2001CC21 による恒星食の観測 http://www.hal-astro-lab.com/asteroid/2303_2001CC21_index.html ご興味のある方はぜひ上記リンク先をご参照ください! まとめ いかがでしたか? 趣味の世界は、エッジを極めるガチな方向性と、裾野を広げるための広い間口の2つの方向性の、どちらもが重要だと個人的には考えています。そのいずれも、楽しみ方は一つではありません。それぞれの人の自分なりの指向と嗜好で生まれる多様性があってこそ、肥沃な趣味の世界が持続するのです。 何度も何度も繰り返しますが「マニアが趣味を潰す」という言説はごく限定的な事象を指しているにすぎません。星ナビ誌に「マニア」という言葉が前向きな意味でさらりと出てくる昨今、天文趣味界の「第三の黄金時代」が訪れていることを実感しました! そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日は天文雑誌!2月号も楽しみですね! 星ナビ2月号は「マニアが集う!八ヶ岳 星と自然のフェスタ」と「みんなで合作!天体写真」 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12888_hoshinavi ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!!    編集部発信のオリジナルコンテンツ