星ナビ2020年1月号ご紹介
アストロアーツHPで、星ナビ2020年1月号の内容が告知されています。発売は12月5日木曜日です。
目次
今月の内容は!?
星空を楽しむための月刊「星ナビ」2020年1月号は12月5日(木)発売です。2019年の天文イベントを振り返り、新しい年を迎える準備をするための一冊。綴じ込み付録の「星空ハンドブック2020」は持ち運びしやすく星見や撮影におすすめです。
星ナビ1月号は「星のゆく年くる年」と「星空ハンドブック2020」
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10986_hoshinavi
■表紙
表紙は「天リフGallery」でもおなじみの西澤政芳さん。「長秒一枚撮り」によるオリオン座と冬の大三角です。デジタルカメラになって「比較明合成」の手法が一般化しましたが、それと違って「長秒1枚撮り」には、星の光跡が豊かな色で柔らかく描写されるというメリットがあります。撮影の難易度は上がりますが、特に非光害地での光跡撮影に向いた手法といえるでしょう。西澤さんはその大家でもあります。
■綴じ込み特別付録「星空ハンドブック2020」
恒例の「星空ハンドブック」。32ページの綴じ込み付録です。今年の目玉は10月の火星「準大接近」でしょうか。6月21日の部分日食も台湾では金環、南西諸島方面ではかなり深く欠ける日食になります。土星に追いついて抜かす寸前の木星と、月・金星・火星の接近も見逃せません。
■星空トピック総まとめ2019 星の「ゆく年」(解説/谷川正夫・中野太郎・編集部・渡邉耕平)
2019年を「天文現象(4P)」「天文学・宇宙開発(3P)」「天文普及(3P)」「望遠鏡・カメラ(2P)」の視点でそれぞれ振り返る特集。皆さん自身の体験と照らし合わせながら、この一年をゆっくり振り返ってみる良い機会です。
制作側の視点で見ると、このような網羅的な振り返り記事を制作できるのは、組織力のある天文雑誌ならでは。ジャーナリズムの存在価値といえるのではないでしょうか。
■天文現象ピックアップ2020 星の「くる年」(解説/浅田英夫)
2020年の天文現象ハイライト。6/21の日食は台湾で金環日食、遠征の計画をされている方も多いのではないでしょうか。南西諸島、特に八重山諸島では石垣島で食分0.928、波照間島で同0.94とかなり深く欠ける部分日食となります。例年通りなら梅雨明けしている可能性も高く(平年は6/16)、天文ファン的には「その気にならないと見られない(*)」現象といえるでしょう。
(*)皆既・金環日食の途中の「食分0.94」と「最大食分0.94の部分日食」では見え方が全く違います。深い部分日食は、欠けた鎌状の太陽がぐるりと半回転するのです。
10月の火星接近も「大接近」とほとんど遜色のない好条件です。こちらも大いに期待したいですね!
◎広告ピックアップ
■ニコンWX双眼鏡・WXオーナーシリーズ第2回
「究極の双眼鏡」ニコンWX。オーナーインタビューシリーズ第2回は「小雲 夕」さん。実は筆者は先日、ガチ眼視マニアのスターパーティ「双望会同窓会」で、まさに小雲さん愛用のこの機材で星を見せていただきました。ここに書いてある内容には一切の誇張も嘘もありません。お値段は高いですが、WX双眼鏡は現存する双眼鏡の中で最高峰と言えると思います。
ちなみに広告中では小雲さんの愛機は「10×50」になっていますが、ナント「7×50」も追加購入されたそうです。こちらは低倍率のため手持ちでも運用でき「性格の異なる全く別の製品といってよい」とのことです。
◎天リフ独断ピックアップ
■ビジュアル天体図鑑No.180 エンゼルフィッシュ星雲
冬の王者、オリオン座の「エンゼルフィッシュ星雲」。写真撮影の対象としても人気ですが、その天文学的なプロフィールを知っていると、ますます興味深いものになります。
キーワードは「大質量星」。エンゼルフィッシュ星雲の中心部にある「オリオン座λ(ラムダ)星」は、太陽の28倍の質量、16.5万倍もの明るさ。この星(実は連星系)が放出する紫外線がエンゼルフィッシュ星雲を光らせているのです。銀河系にはこのような「大質量星」あるところ明るく輝く星雲があり、わずか数千万年のタイムスパンで生まれ、太く短く輝き、そして死んでゆきます。そんな「特別な星たち」の一生に思いを馳せつつ、エンゼルフィッシュ星雲を愛でるのも、天文趣味の醍醐味ですね!
■ネットよ今夜もありがとう
今月は「う〜☆彡」さんの「う〜☆彡 の 星空探訪」と早水勉さんの「HAL星研」です。
「う〜☆彡」さんのブログは初見でしたが、天文界の主力?である「元天文少年組」の方のようです。主にミューロン250CRSで撮影されたすばらしいディープスカイ作品が公開されています。
早水勉さんは星ナビの「エーゲ海の風」や小惑星食の予報でもおなじみ。筆者はまだお会いしたことがないのですが、先日のおうし座γ星の食の撮像動画をレポートさせていただきました^^
■星ナビギャラリー
今月のトップ下は巨匠・Sさんの分子雲。FS-60CBツインで総露出840分の大作です。今月も秀作ぞろいの星ナビギャラリーですが、常連だけでなく期待の若者の作品も増え、これからがますます楽しみですね。個人的イチオシは福岡のNさん(*)の土星状星雲。都市部のベランダ撮影ですが、なんとも不思議な宇宙船のような姿が神秘的です。
(*)Nさんは11月15日に急逝されました。10月の「星宴」の時はお元気だったのに残念です。ご冥福をお祈りいたします。
なお、星ナビギャラリーの規定に「表紙採用は2万円」「掲載号発売月の翌月末に現金書留」が明記されるようになっていますね。応募締め切り日もギャラリートップ横に明記されています。ちなみに今月の〆切は1月6日(月)到着分までです。
■オリンパス×星ナビ Dノ星 Siの記憶「手持ち星景で見えてくる新しい地平」(写真・解説/飯島 裕)
オリンパス・星ナビのコラボ企画記事。業界随一の手振れ補正能力(*)を持つ「E-M1X」を使用し「手持ち」による星空撮影の世界です。魚眼レンズで海辺で手持ち十秒。高速道路で走行中の助手席から、手持ちで昇るさそり座。これまで不可能だったシーンが広がります。
(*)記事中にもありますが、もう一つ「F1.2シリーズ」や「F1.8の対角魚眼」をラインナップに持っているのもオリンパスのアドバンテージです。
これ、いいですねえ。筆者は以前、遠征帰りの車の中からシリウスとオリオンが西の空に浮かんでいるのを見たとき「これが撮れたらいいなあ」と思ったことがあったのですが、実はもう実現しているということですね。
■エーゲ海の風ー第13回「世界中に散らばったパルテノンの至宝」(案内/早水 勉)
2500年前に建造されたギリシャのパルテノン神殿。戦争の歴史に翻弄されほとんど廃墟になり、数多くの彫刻などが海外に持ち出されました。その多くは大英博物館に収蔵されています。今日に至るまでのパルテノン神殿とそれにかかわる人たちの数奇な運命、今も未解決の文化財返還運動が語られます。
まとめ
いかがでしたか?
あっという間に12月。夏まで悪天候に悩まされた日本列島ですが、ようやく太平洋側では天候の安定した季節となりました。今年も1年、拙稿をごらんいただきありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします!
そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ。そして毎月5日は天文雑誌!2月号も楽しみですね!
星ナビ1月号は「星のゆく年くる年」と「星空ハンドブック2020」
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10986_hoshinavi
※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。
天文ガイドも合わせて読みたいですね!! https://reflexions.jp/tenref/orig/2019/12/04/9980/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/12/71zwr0LAuFL-776x1024.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/12/71zwr0LAuFL-150x150.jpg雑誌・書籍アストロアーツHPで、星ナビ2020年1月号の内容が告知されています。発売は12月5日木曜日です。 今月の内容は!? 星空を楽しむための月刊「星ナビ」2020年1月号は12月5日(木)発売です。2019年の天文イベントを振り返り、新しい年を迎える準備をするための一冊。綴じ込み付録の「星空ハンドブック2020」は持ち運びしやすく星見や撮影におすすめです。 星ナビ1月号は「星のゆく年くる年」と「星空ハンドブック2020」 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10986_hoshinavi ■表紙 表紙は「天リフGallery」でもおなじみの西澤政芳さん。「長秒一枚撮り」によるオリオン座と冬の大三角です。デジタルカメラになって「比較明合成」の手法が一般化しましたが、それと違って「長秒1枚撮り」には、星の光跡が豊かな色で柔らかく描写されるというメリットがあります。撮影の難易度は上がりますが、特に非光害地での光跡撮影に向いた手法といえるでしょう。西澤さんはその大家でもあります。 ■綴じ込み特別付録「星空ハンドブック2020」 恒例の「星空ハンドブック」。32ページの綴じ込み付録です。今年の目玉は10月の火星「準大接近」でしょうか。6月21日の部分日食も台湾では金環、南西諸島方面ではかなり深く欠ける日食になります。土星に追いついて抜かす寸前の木星と、月・金星・火星の接近も見逃せません。 ■星空トピック総まとめ2019 星の「ゆく年」(解説/谷川正夫・中野太郎・編集部・渡邉耕平) 2019年を「天文現象(4P)」「天文学・宇宙開発(3P)」「天文普及(3P)」「望遠鏡・カメラ(2P)」の視点でそれぞれ振り返る特集。皆さん自身の体験と照らし合わせながら、この一年をゆっくり振り返ってみる良い機会です。 制作側の視点で見ると、このような網羅的な振り返り記事を制作できるのは、組織力のある天文雑誌ならでは。ジャーナリズムの存在価値といえるのではないでしょうか。 ■天文現象ピックアップ2020 星の「くる年」(解説/浅田英夫) 2020年の天文現象ハイライト。6/21の日食は台湾で金環日食、遠征の計画をされている方も多いのではないでしょうか。南西諸島、特に八重山諸島では石垣島で食分0.928、波照間島で同0.94とかなり深く欠ける部分日食となります。例年通りなら梅雨明けしている可能性も高く(平年は6/16)、天文ファン的には「その気にならないと見られない(*)」現象といえるでしょう。 (*)皆既・金環日食の途中の「食分0.94」と「最大食分0.94の部分日食」では見え方が全く違います。深い部分日食は、欠けた鎌状の太陽がぐるりと半回転するのです。 10月の火星接近も「大接近」とほとんど遜色のない好条件です。こちらも大いに期待したいですね! ◎広告ピックアップ ■ニコンWX双眼鏡・WXオーナーシリーズ第2回 「究極の双眼鏡」ニコンWX。オーナーインタビューシリーズ第2回は「小雲 夕」さん。実は筆者は先日、ガチ眼視マニアのスターパーティ「双望会同窓会」で、まさに小雲さん愛用のこの機材で星を見せていただきました。ここに書いてある内容には一切の誇張も嘘もありません。お値段は高いですが、WX双眼鏡は現存する双眼鏡の中で最高峰と言えると思います。 ちなみに広告中では小雲さんの愛機は「10×50」になっていますが、ナント「7×50」も追加購入されたそうです。こちらは低倍率のため手持ちでも運用でき「性格の異なる全く別の製品といってよい」とのことです。 ◎天リフ独断ピックアップ ■ビジュアル天体図鑑No.180 エンゼルフィッシュ星雲 冬の王者、オリオン座の「エンゼルフィッシュ星雲」。写真撮影の対象としても人気ですが、その天文学的なプロフィールを知っていると、ますます興味深いものになります。 キーワードは「大質量星」。エンゼルフィッシュ星雲の中心部にある「オリオン座λ(ラムダ)星」は、太陽の28倍の質量、16.5万倍もの明るさ。この星(実は連星系)が放出する紫外線がエンゼルフィッシュ星雲を光らせているのです。銀河系にはこのような「大質量星」あるところ明るく輝く星雲があり、わずか数千万年のタイムスパンで生まれ、太く短く輝き、そして死んでゆきます。そんな「特別な星たち」の一生に思いを馳せつつ、エンゼルフィッシュ星雲を愛でるのも、天文趣味の醍醐味ですね! ■ネットよ今夜もありがとう 今月は「う〜☆彡」さんの「う〜☆彡 の 星空探訪」と早水勉さんの「HAL星研」です。 「う〜☆彡」さんのブログは初見でしたが、天文界の主力?である「元天文少年組」の方のようです。主にミューロン250CRSで撮影されたすばらしいディープスカイ作品が公開されています。 早水勉さんは星ナビの「エーゲ海の風」や小惑星食の予報でもおなじみ。筆者はまだお会いしたことがないのですが、先日のおうし座γ星の食の撮像動画をレポートさせていただきました^^ ■星ナビギャラリー 今月のトップ下は巨匠・Sさんの分子雲。FS-60CBツインで総露出840分の大作です。今月も秀作ぞろいの星ナビギャラリーですが、常連だけでなく期待の若者の作品も増え、これからがますます楽しみですね。個人的イチオシは福岡のNさん(*)の土星状星雲。都市部のベランダ撮影ですが、なんとも不思議な宇宙船のような姿が神秘的です。 (*)Nさんは11月15日に急逝されました。10月の「星宴」の時はお元気だったのに残念です。ご冥福をお祈りいたします。 なお、星ナビギャラリーの規定に「表紙採用は2万円」「掲載号発売月の翌月末に現金書留」が明記されるようになっていますね。応募締め切り日もギャラリートップ横に明記されています。ちなみに今月の〆切は1月6日(月)到着分までです。 ■オリンパス×星ナビ Dノ星 Siの記憶「手持ち星景で見えてくる新しい地平」(写真・解説/飯島 裕) オリンパス・星ナビのコラボ企画記事。業界随一の手振れ補正能力(*)を持つ「E-M1X」を使用し「手持ち」による星空撮影の世界です。魚眼レンズで海辺で手持ち十秒。高速道路で走行中の助手席から、手持ちで昇るさそり座。これまで不可能だったシーンが広がります。 (*)記事中にもありますが、もう一つ「F1.2シリーズ」や「F1.8の対角魚眼」をラインナップに持っているのもオリンパスのアドバンテージです。 これ、いいですねえ。筆者は以前、遠征帰りの車の中からシリウスとオリオンが西の空に浮かんでいるのを見たとき「これが撮れたらいいなあ」と思ったことがあったのですが、実はもう実現しているということですね。 ■エーゲ海の風ー第13回「世界中に散らばったパルテノンの至宝」(案内/早水 勉) 2500年前に建造されたギリシャのパルテノン神殿。戦争の歴史に翻弄されほとんど廃墟になり、数多くの彫刻などが海外に持ち出されました。その多くは大英博物館に収蔵されています。今日に至るまでのパルテノン神殿とそれにかかわる人たちの数奇な運命、今も未解決の文化財返還運動が語られます。 まとめ いかがでしたか? あっという間に12月。夏まで悪天候に悩まされた日本列島ですが、ようやく太平洋側では天候の安定した季節となりました。今年も1年、拙稿をごらんいただきありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします! そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ。そして毎月5日は天文雑誌!2月号も楽しみですね! 星ナビ1月号は「星のゆく年くる年」と「星空ハンドブック2020」 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10986_hoshinavi ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!!編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
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