星ナビ2019年2月号ご紹介
アストロアーツHPで、星ナビ2019年2月号の内容が告知されています。発売は1月5日土曜日です。
目次
今月の内容は!?
友だちと星を見に行った楽しい時間を、星空ごとそのまま切り取るテクニックを紹介。「ディープな天体写真」では、星雲・星団や銀河を撮影する新しい手法を解説しています。日本人による彗星発見のレポートなど、「捜索派」にもおすすめの一冊。
アストロアーツ・月刊星ナビ 2019年2月号
http://www.astroarts.co.jp/shop/showcase/magazine/2019/02/index-j.shtml
表紙
表紙は新宿健さんの作品。新宿さんは20代の新鋭、ガチなディープスカイを撮られる「ガチ天」という印象がありましたが、今月号の記事で星空を200%楽しむ「ロマ(ンチック)天?」の素顔も明らかに!
■チャレンジ星景写真2「私的星空記念写真・星と友だち」(写真・文/新宿 健)
これは秀記事。すべての天文ファンに、すべてのほしぞら好きによんで欲しい素晴らしい内容です。「星空を見に行く」というあらゆるプロセスを楽しみ、「たいせつな思い出」として記録するという「私的星空写真」のススメ。「完成度よりも満足度」「心打たれる瞬間を逃さない」「被写体にとっての宝物をつくる」「同じ時間を共有したからこそ伝わる特別な意味」「私にとっての星見は花見に似ている」激しく共感します!
やさしい語り口とエモーショナルな表現は上質のエッセイを読んでいるようですが、撮影ガイドとしてのロジカルな手法の分析と解説も秀逸。「選者を唸らせる」にせよ「仲間に喜んでもらう」にせよ、目的を定めれば手段はそれぞれに体系化できる。このあたりはさすが「ガチ天」の血^^
天リフ的には正直「先を越されちゃった」という感想です^^ 新宿さんの記事を最初の一歩ととらえて、「星空記念写真(星空スナップ)」の援護射撃を予定しています。お楽しみに!
■Deepな天体写真「ラッキーイメージング1」(画像・解説/宇都正明)
期待の新連載、日本を代表する天体写真家のお一人である宇都正明さんの「ラッキーイメージング」講座。今月から全3回の連載だそうです。今号の記事では、ラッキーイメージングとは何か、ラッキーイメージングにおいて重要となる要素を、理論的根拠をていねいに解説しながらまとめられています。
ラッキーイメージングはディープスカイのディテールをより詳細に描出できる画期的な手法。編集部にもガイドカメラ用のASI120MMがあるのでこの記事を参考にチャレンジしてみようと思います!次回以降のより具体的な撮影と処理テクニックの解説にも期待です。
■藤川繁久氏、岩本雅之氏が独立発見 マックホルツ・藤川・岩本彗星(取材/下元繁男)
人間はもう機械に勝てない。多くの分野でそんな空気が充満している中、2人のベテランコメットハンターの快挙。香川の藤川繁久さんと徳島の岩本雅之の彗星発見記です。
ネットの噂では、PanSTARRSのような自動サーベイシステムの登場で「人間による彗星捜索は終わった」とか「自動サーベイシステムも最終的には人間が介在するのでその合間を突いてコメットハンターは活動している」などの声を聞きますが、この記事を読むと藤川さんも岩本さんもそんな外野の声とは関係なく、淡々と日々やるべき捜索を実行されている、という印象を受けました。思わず背筋の伸びるレポートです。
■新連載・GEOGRAPY OF THE MOON(撮影・解説 /白尾元理)
「大きくなった星ナビ」の特徴を最大限に生かす、「アポロ月面着陸50周年」の年にふさわしい新連載。月の地形の有名どころをドアップで毎月紹介。第一回はコペルニクスです。
「地上から望遠鏡で月を撮る時代は終わった」と一時は思っていた月の超ベテラン白尾元理さんが、CMOSカメラによる動画撮像・スタッキング技術によって月面写真に復帰され、「3巡目」となる月面解説です。その詳しいストーリーはぜひ紙面でご覧ください!
◎広告ピックアップ
今月の広告はいろいろ新しくなっています。
■コニカミノルタと五藤光学のプラネタリウム
表2と表4はプラネタリウム。コニカミノルタは有楽町にオープンした注目の「プラネタリア東京」を、五藤光学は「陰翳の美が魅せる、夜空の機微」というコピーで「暗い星を淡く輝かせる」コンセプトをアピールしています。
連日満員といわれる「プラネタリア東京」ですが、美しい星空を見たいという社会の潜在ニーズは、想像を超えて大きなものになってきているのではないでしょうか。
■2つの新製品・RedCat51とQBPフィルター
今話題の2つの新製品が広告に登場しています。天文ハウスTOMITAが発売する口径51mmの4枚玉写真鏡筒「RedCat51」と、サイトロンジャパンの「Quad BP(クアッド バンドパス)」フィルター。現時点では特に「ガチ天」の注目が高いのですが「より小型軽量の機材で・遠征しなくても住んでいる場所で天体写真を楽しむ」スタイルは、今後ライト層にこそ、より広がってくることでしょう。
■ニコンWX双眼鏡とタカハシTSA-120N望遠鏡
老舗のニコンは「WX双眼鏡」をウィルタネン彗星でアピール。ベテラン天文家塩田和生さんが登場。この双眼鏡でウィルタネン見たかったなー!次に大彗星が来るときは、WXはバカ売れするに違いありません。何といっても、クラスダントツ最強の双眼鏡ですから・・
タカハシ(スターベース)からは、10周年のロングランモデルの限定版「TSA120N」。眼視マニアに特に評価の高い鏡筒で、フードを固定式にすることで低価格化したモデルです。
■第16回「星検」は3月24日
今年の星検は3月24日。会場は東京・大阪の二カ所です。
◎天リフ独断ピックアップ
KAGAYA通信vol.125は「浄土平」
誰にもある心の「聖地」。福島県浄土平は、オーバー40世代の多くの人の聖地なのではないでしょうか。KAGAYAさんもその一人。「わたしにとって星空の原点といえる」とKAGAYAさんが語ります。
ネットよ今夜もありがとう
今月は「東葛星見隊」の岸野正栄さんと「宇宙(そら)を見上げて」の笠原隆樹さんです!「東葛星見隊」はお名前は天文雑誌の入選者の欄でよくお見かけしていましたがHPはノーチェックでした!観望会活動も熱心にされているのですね。「宇宙(そら)を見上げて」は編集子もいつも拝見しているブログです。笠原さんは堂平山の天文台の望遠鏡の保守もされていて、深いご知見にはいつも勉強させていただいています。
星ナビギャラリー
今月のトップ下「最優秀枠」は、火星の連続撮影が2点。Yさんはここ最近天文雑誌に入選されまくっている新進気鋭の方。星景写真では秋らしい風景が多く選ばれています。
今月も傑作揃いですが、個人的イチオシはIさんの朧月でしょうか。「星の部分の面積が少ない」作品でも写真作品としてきちんと評価するのがさすが星ナビですね!Sさんの「スーパー’し’」も凄すぎます。
北上宣言
【速報】「星ナビ」が月・惑星写真も2019年から「北上」で掲載へ。昨今の探査機はじめ多くの画像が北上であり「見慣れるようになった」ことが理由。詳細は2月号の星ナビGalleryを参照。
— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) December 30, 2018
星ナビGalleryのトップ下で「北上宣言」がなされています。どちらである「べき」かは不毛な論争になりますが、より「見慣れている人が多い」という理由は、雑誌の立ち位置からみても妥当なものではないかと思います。
■星の都の物語〜ドイツ・後編〜「プラネタリウムの生まれた街」(案内/中山満仁)
先月はロケット、今月はプラネタリウム。カールツァイスによってプラネタリムが初めて造られた街「イエナ」です。第一次世界大戦の敗戦の後、科学による復興という国家的目標の中から生まれたプラネタリウム。第二次世界大戦の敗戦と東西分断を経てなお人口10万人の小さな街に根付くプラネタリウムの歴史。
■「はやぶさ2」ミッションレポート5(報告/中野太郎)
どんどんマニアックになるミッションレポート。太陽周回軌道にある人工衛星は、惑星同様に「合」になる。太陽がじゃまになって通信できない。その間の不測の事態を避けるため、リュウグウと衛星をふだんより遠ざけておくのが「合運用」。なるほどねぇーー。でもロケットマニアにとっては常識的な解説なのかも。同じ宇宙の話とはいえ、編集子のメイン領域のお隣にあるマニア話は、いろんな意味で勉強になります!
まとめ
いかがでしたか?「大きくなった星ナビ」、その紙面サイズを生かしてさらにビジュアルに楽しめるようになってきているように感じました。天文界にも新しい息吹を感じる新春2月号でした!
アストロアーツ・月刊星ナビ 2019年2月号
http://www.astroarts.co.jp/shop/showcase/magazine/2019/02/index-j.shtml
※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。
天文ガイドも合わせて読みたいですね!! https://reflexions.jp/tenref/orig/2018/12/31/7488/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/12/71tHHHT6vQL.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/12/71tHHHT6vQL-150x150.jpg雑誌・書籍アストロアーツHPで、星ナビ2019年2月号の内容が告知されています。発売は1月5日土曜日です。 今月の内容は!? 友だちと星を見に行った楽しい時間を、星空ごとそのまま切り取るテクニックを紹介。「ディープな天体写真」では、星雲・星団や銀河を撮影する新しい手法を解説しています。日本人による彗星発見のレポートなど、「捜索派」にもおすすめの一冊。 アストロアーツ・月刊星ナビ 2019年2月号 http://www.astroarts.co.jp/shop/showcase/magazine/2019/02/index-j.shtml 表紙 表紙は新宿健さんの作品。新宿さんは20代の新鋭、ガチなディープスカイを撮られる「ガチ天」という印象がありましたが、今月号の記事で星空を200%楽しむ「ロマ(ンチック)天?」の素顔も明らかに! ■チャレンジ星景写真2「私的星空記念写真・星と友だち」(写真・文/新宿 健) これは秀記事。すべての天文ファンに、すべてのほしぞら好きによんで欲しい素晴らしい内容です。「星空を見に行く」というあらゆるプロセスを楽しみ、「たいせつな思い出」として記録するという「私的星空写真」のススメ。「完成度よりも満足度」「心打たれる瞬間を逃さない」「被写体にとっての宝物をつくる」「同じ時間を共有したからこそ伝わる特別な意味」「私にとっての星見は花見に似ている」激しく共感します! やさしい語り口とエモーショナルな表現は上質のエッセイを読んでいるようですが、撮影ガイドとしてのロジカルな手法の分析と解説も秀逸。「選者を唸らせる」にせよ「仲間に喜んでもらう」にせよ、目的を定めれば手段はそれぞれに体系化できる。このあたりはさすが「ガチ天」の血^^ 天リフ的には正直「先を越されちゃった」という感想です^^ 新宿さんの記事を最初の一歩ととらえて、「星空記念写真(星空スナップ)」の援護射撃を予定しています。お楽しみに! ■Deepな天体写真「ラッキーイメージング1」(画像・解説/宇都正明) 期待の新連載、日本を代表する天体写真家のお一人である宇都正明さんの「ラッキーイメージング」講座。今月から全3回の連載だそうです。今号の記事では、ラッキーイメージングとは何か、ラッキーイメージングにおいて重要となる要素を、理論的根拠をていねいに解説しながらまとめられています。 ラッキーイメージングはディープスカイのディテールをより詳細に描出できる画期的な手法。編集部にもガイドカメラ用のASI120MMがあるのでこの記事を参考にチャレンジしてみようと思います!次回以降のより具体的な撮影と処理テクニックの解説にも期待です。 ■藤川繁久氏、岩本雅之氏が独立発見 マックホルツ・藤川・岩本彗星(取材/下元繁男) 人間はもう機械に勝てない。多くの分野でそんな空気が充満している中、2人のベテランコメットハンターの快挙。香川の藤川繁久さんと徳島の岩本雅之の彗星発見記です。 ネットの噂では、PanSTARRSのような自動サーベイシステムの登場で「人間による彗星捜索は終わった」とか「自動サーベイシステムも最終的には人間が介在するのでその合間を突いてコメットハンターは活動している」などの声を聞きますが、この記事を読むと藤川さんも岩本さんもそんな外野の声とは関係なく、淡々と日々やるべき捜索を実行されている、という印象を受けました。思わず背筋の伸びるレポートです。 ■新連載・GEOGRAPY OF THE MOON(撮影・解説 /白尾元理) 「大きくなった星ナビ」の特徴を最大限に生かす、「アポロ月面着陸50周年」の年にふさわしい新連載。月の地形の有名どころをドアップで毎月紹介。第一回はコペルニクスです。 「地上から望遠鏡で月を撮る時代は終わった」と一時は思っていた月の超ベテラン白尾元理さんが、CMOSカメラによる動画撮像・スタッキング技術によって月面写真に復帰され、「3巡目」となる月面解説です。その詳しいストーリーはぜひ紙面でご覧ください! ◎広告ピックアップ 今月の広告はいろいろ新しくなっています。 ■コニカミノルタと五藤光学のプラネタリウム 表2と表4はプラネタリウム。コニカミノルタは有楽町にオープンした注目の「プラネタリア東京」を、五藤光学は「陰翳の美が魅せる、夜空の機微」というコピーで「暗い星を淡く輝かせる」コンセプトをアピールしています。 連日満員といわれる「プラネタリア東京」ですが、美しい星空を見たいという社会の潜在ニーズは、想像を超えて大きなものになってきているのではないでしょうか。 ■2つの新製品・RedCat51とQBPフィルター 今話題の2つの新製品が広告に登場しています。天文ハウスTOMITAが発売する口径51mmの4枚玉写真鏡筒「RedCat51」と、サイトロンジャパンの「Quad BP(クアッド バンドパス)」フィルター。現時点では特に「ガチ天」の注目が高いのですが「より小型軽量の機材で・遠征しなくても住んでいる場所で天体写真を楽しむ」スタイルは、今後ライト層にこそ、より広がってくることでしょう。 ■ニコンWX双眼鏡とタカハシTSA-120N望遠鏡 老舗のニコンは「WX双眼鏡」をウィルタネン彗星でアピール。ベテラン天文家塩田和生さんが登場。この双眼鏡でウィルタネン見たかったなー!次に大彗星が来るときは、WXはバカ売れするに違いありません。何といっても、クラスダントツ最強の双眼鏡ですから・・ タカハシ(スターベース)からは、10周年のロングランモデルの限定版「TSA120N」。眼視マニアに特に評価の高い鏡筒で、フードを固定式にすることで低価格化したモデルです。 ■第16回「星検」は3月24日 今年の星検は3月24日。会場は東京・大阪の二カ所です。 ◎天リフ独断ピックアップ KAGAYA通信vol.125は「浄土平」 誰にもある心の「聖地」。福島県浄土平は、オーバー40世代の多くの人の聖地なのではないでしょうか。KAGAYAさんもその一人。「わたしにとって星空の原点といえる」とKAGAYAさんが語ります。 ネットよ今夜もありがとう 今月は「東葛星見隊」の岸野正栄さんと「宇宙(そら)を見上げて」の笠原隆樹さんです!「東葛星見隊」はお名前は天文雑誌の入選者の欄でよくお見かけしていましたがHPはノーチェックでした!観望会活動も熱心にされているのですね。「宇宙(そら)を見上げて」は編集子もいつも拝見しているブログです。笠原さんは堂平山の天文台の望遠鏡の保守もされていて、深いご知見にはいつも勉強させていただいています。 星ナビギャラリー 今月のトップ下「最優秀枠」は、火星の連続撮影が2点。Yさんはここ最近天文雑誌に入選されまくっている新進気鋭の方。星景写真では秋らしい風景が多く選ばれています。 今月も傑作揃いですが、個人的イチオシはIさんの朧月でしょうか。「星の部分の面積が少ない」作品でも写真作品としてきちんと評価するのがさすが星ナビですね!Sさんの「スーパー’し’」も凄すぎます。 北上宣言 https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1079203574666584064 星ナビGalleryのトップ下で「北上宣言」がなされています。どちらである「べき」かは不毛な論争になりますが、より「見慣れている人が多い」という理由は、雑誌の立ち位置からみても妥当なものではないかと思います。 ■星の都の物語〜ドイツ・後編〜「プラネタリウムの生まれた街」(案内/中山満仁) 先月はロケット、今月はプラネタリウム。カールツァイスによってプラネタリムが初めて造られた街「イエナ」です。第一次世界大戦の敗戦の後、科学による復興という国家的目標の中から生まれたプラネタリウム。第二次世界大戦の敗戦と東西分断を経てなお人口10万人の小さな街に根付くプラネタリウムの歴史。 ■「はやぶさ2」ミッションレポート5(報告/中野太郎) どんどんマニアックになるミッションレポート。太陽周回軌道にある人工衛星は、惑星同様に「合」になる。太陽がじゃまになって通信できない。その間の不測の事態を避けるため、リュウグウと衛星をふだんより遠ざけておくのが「合運用」。なるほどねぇーー。でもロケットマニアにとっては常識的な解説なのかも。同じ宇宙の話とはいえ、編集子のメイン領域のお隣にあるマニア話は、いろんな意味で勉強になります! まとめ いかがでしたか?「大きくなった星ナビ」、その紙面サイズを生かしてさらにビジュアルに楽しめるようになってきているように感じました。天文界にも新しい息吹を感じる新春2月号でした! アストロアーツ・月刊星ナビ 2019年2月号 http://www.astroarts.co.jp/shop/showcase/magazine/2019/02/index-j.shtml ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!!編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
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