天体撮影におけるデジカメの最適なISO感度とは
PixInsightの解説記事を数多く発信されている蒼月城さんが、Google+にデジカメのISO感度設定による画質の違いについての検証記事を投稿されています。
天体写真の画像処理のポイント(その3)- ISO Invariance
https://plus.google.com/+蒼月城/posts/jfojE5W7RSy
いずれにしても、ISO感度を上げてもそのデータがカメラ内で増幅されただけのデータであるなら、「どんなISO感度で撮影しても、そのデータをPCに吸い上げて、PCで適当に増幅させれば結局同じなんじゃね?」てことになりますよね。カメラ内で増幅させるか、PCで増幅させるかだけの違いです。近年、こうしたことが ISO invariance(ISO不変性)あるいは ISO invariancy と呼ばれて認識されるようになってきています。
非常に興味深い検証。デジカメの「ISO感度」は低照度域では意味がないどころか、スイートスポットを外すと悪い結果に。EOS6Dの場合、800 ~ 3200以外では画像の劣化が。
Google+「蒼月城Image Processing Tips」よりピックアップ。https://t.co/SyZvB3K0LZ蒼月城/posts/jfojE5W7RSy— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) August 23, 2018
平たくいえば、カメラの「ISO感度」は結局センサーが得た信号を「増幅」しているだけ。天体のような暗い対象の場合は、総露出時間の多寡のみがS/Nを支配するはず、という理屈です。
むしろ、この「増幅」のプロセスによっては、天体写真には有害な「余計な」ノイズ処理などが介在してしまい、複数枚コンポジットした際のS/N向上が期待通りに得られない可能性もあります。
今回の検証結果を見る限り、EOS 6D は「全ISO感度にわたって ISO invariant」な機種ではないと言って良いでしょう。そして、これを天体写真撮影に使う場合には、ISO感度について以下のことが言えそうです。
・ISO100~400は避けるべき
・ISO3200付近にスイートスポットがありそう
・あまり高感度にし過ぎると色合いに問題が生じそうだが、6400くらいまでなら良さそう
元記事ではこの事象を具体的に「EOS 6D」で検証されていて、「ISO800〜3200の範囲ではどのISO値で使用しても結果は同じ= ISO invariant である」との結果になっています。これよりもISOが低くても、高くても、画質に何らかの悪化ないしは変化がある、とのことです。
なお、これは CANON EOS 6D についての結果です。他社製のカメラの場合にはまったく異なる結果になるでしょう。
「ISO invariantであるかどうか」は、メーカー・機種によって異なるそうです。ご自分で検証してみたい場合は、元記事に具体的な方法が書かれていますので試してみてはいかがでしょうか。
追記)HIROPONさんより情報提供。「みな、銀塩写真の頃の常識に引っ張られすぎのように思います。」
この件については、PHDの作者として有名なClaig Stark博士が過去に論説文を書いてます(英語ですが)。少なくとも、過度の高感度設定はいい結果を生まないというのは経験的に言っても間違いないところかと。みな、銀塩写真の頃の常識に引っ張られすぎのように思います。 https://t.co/Vovwk3WG8q
— HIROPON (@hiropon_hp2) August 23, 2018
https://reflexions.jp/tenref/orig/2018/08/23/6096/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/08/ac7f51313e737891a55eb3c71020e664.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/08/ac7f51313e737891a55eb3c71020e664-150x150.jpg画像処理 PixInsightの解説記事を数多く発信されている蒼月城さんが、Google+にデジカメのISO感度設定による画質の違いについての検証記事を投稿されています。 天体写真の画像処理のポイント(その3)- ISO Invariance https://plus.google.com/+蒼月城/posts/jfojE5W7RSy いずれにしても、ISO感度を上げてもそのデータがカメラ内で増幅されただけのデータであるなら、「どんなISO感度で撮影しても、そのデータをPCに吸い上げて、PCで適当に増幅させれば結局同じなんじゃね?」てことになりますよね。カメラ内で増幅させるか、PCで増幅させるかだけの違いです。近年、こうしたことが ISO invariance(ISO不変性)あるいは ISO invariancy と呼ばれて認識されるようになってきています。 https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1032424515526000641 平たくいえば、カメラの「ISO感度」は結局センサーが得た信号を「増幅」しているだけ。天体のような暗い対象の場合は、総露出時間の多寡のみがS/Nを支配するはず、という理屈です。 むしろ、この「増幅」のプロセスによっては、天体写真には有害な「余計な」ノイズ処理などが介在してしまい、複数枚コンポジットした際のS/N向上が期待通りに得られない可能性もあります。 今回の検証結果を見る限り、EOS 6D は「全ISO感度にわたって ISO invariant」な機種ではないと言って良いでしょう。そして、これを天体写真撮影に使う場合には、ISO感度について以下のことが言えそうです。 ・ISO100~400は避けるべき ・ISO3200付近にスイートスポットがありそう ・あまり高感度にし過ぎると色合いに問題が生じそうだが、6400くらいまでなら良さそう 元記事ではこの事象を具体的に「EOS 6D」で検証されていて、「ISO800〜3200の範囲ではどのISO値で使用しても結果は同じ= ISO invariant である」との結果になっています。これよりもISOが低くても、高くても、画質に何らかの悪化ないしは変化がある、とのことです。 なお、これは CANON EOS 6D についての結果です。他社製のカメラの場合にはまったく異なる結果になるでしょう。 「ISO invariantであるかどうか」は、メーカー・機種によって異なるそうです。ご自分で検証してみたい場合は、元記事に具体的な方法が書かれていますので試してみてはいかがでしょうか。 追記)HIROPONさんより情報提供。「みな、銀塩写真の頃の常識に引っ張られすぎのように思います。」 https://twitter.com/hiropon_hp2/status/1032513045392576512 編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
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