NASAのImage of the Dayで、最新のかに星雲の画像が公開されています。

(追記2017/5/13)

アストロアーツのHPでもこのニュースが取り上げられています。内容的にも負けたかなー。こっちはちゃんと訳してないし。
本来はこのアストロアーツさんの記事をご紹介することが本ブログの役割なんですが。ちょっと時間差でしたね^^;

ちなみに、この動画は必見です。

(追記2017/5/13終わり)

NASA
Image of the Day
This composite image of the Crab Nebula, a supernova remnant, was assembled by combining data from five telescopes spanning nearly the entire breadth of the electromagnetic spectrum: the Karl G. Jansky Very Large Array, the Spitzer Space Telescope, the Hubble Space Telescope, the XMM-Newton Observatory, and the Chandra X-ray Observatory.

(編集部注記)
赤:電波、中心星からの荷電粒子風
黄:赤外線、紫外線と可視光を吸収するダスト粒子の輝き
緑:可視光、熱フィラメント状構造
青:紫外線、中心星のエネルギーによる強い雲の効果
紫:X線、中心星のエネルギーによる強い雲の効果

5つの「ビッグサイエンス級」の望遠鏡による、さまざまな波長域の画像を合成したもの。
これまでにない、かに星雲のさまざまな側面が1枚の写真に描かれています。

かに星雲のフィラメント構造は可視光(特にHα)でよく写るので天体写真ファンにもおなじみですが、この写真ではX線画像による、中心星のパルサーをとりかこむ円盤とそれをつらぬくジェット流が写っているのが新鮮。

大阪大学・X線天文学グループ
X線でみたかに星雲
(画像提供:NASA/CXO)

可視光の画像とX線の画像を比べて見てください。かに星雲の姿がまったく異なって見えます。 X線画像で、リングの中心付近に白く輝く天体が、パルサーだと考えられている天体です。 白い光源からリングのようなものに垂直な方向にのびているのはポーラージェットと呼ばれ、 パルサーの極方向に噴出する、X線を放出する物質と反物質のジェットだと考えられています。 また、パルサーはかに星雲の赤道面に沿って荷電粒子を加速度運動をさせています。 それがリング上に見える白いモヤモヤとしたもので、パルサーウリンドと呼ばれています。

これがX線で見たかに星雲の画像。
パルサーを取り巻くリングとそれを垂直に貫くジェット、とりまく白いモヤモヤ。

さすがのド変態級のアマチュアでも、大半が大気に吸収されてしまうX線には手が出ません。NASAをはじめとする巨大研究機関の独壇場です。

 

ちなみに、先頭の画像を撮影した5つの望遠鏡について簡単に調べてみました。

 

the Karl G. Jansky Very Large Array
カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群
カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(カール・ジャンスキーちょうおおがたかんしょうでんぱぼうえんきょうぐん、英語:Karl G. Jansky Very Large Array, 略称VLA)はアメリカ国立電波天文台が持つ電波望遠鏡の一つであり、米国ニューメキシコ州にある。宇宙からの微弱な電波を捕らえる等するための施設である

電波担当。
1973年に設置された比較的歴史の古い電波望遠鏡群。
略称VLA。直径25mのアンテナが27機、一辺21kmのレールの上を移動します。

2012年に大幅に改良が加えられ、その時から電波天文学の創始者、「カール・ジャンスキー」の名前が冠せられたそうです。

Wikipedia
スピッツァー宇宙望遠鏡
スピッツァー宇宙望遠鏡(スピッツァーうちゅうぼうえんきょう、英語: Spitzer Space TelescopeSST)は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) が2003年8月にデルタロケットにより打ち上げた赤外線宇宙望遠鏡である。2013年8月に運用10周年を達成し、観測を継続している。打ち上げ前は、Space Infrared Telescope Facility (SIRTF)と呼ばれていた。

赤外線(波長3〜180μ)担当。
2003年打ち上げ。
液体ヘリウムを使用して5.5Kまで冷却して運用されていましたが、今はそれが底をつき30Kまで暖まってしまい、長波長域での観測は使用できなくなっているとのこと。

また、地球からの熱を避けるために、地表周回軌道ではなく、地球のから少し離れた太陽周回軌道を飛行しているそうです。

wikipedia
ハッブル宇宙望遠鏡
ハッブル宇宙望遠鏡(ハッブルうちゅうぼうえんきょう、英語:Hubble Space Telescope、略称:HST)は、地上約600km上空の軌道上を周回する宇宙望遠鏡であり、グレートオブザバトリー計画の一環として打ち上げられた。名称は宇宙の膨張を発見した天文学者エドウィン・ハッブルに因む。長さ13.1メートル、重さ11トンの筒型で、内側に反射望遠鏡を収めており、主鏡の直径2.4メートルのいわば宇宙の天文台である。大気や天候による影響を受けないため、地上からでは困難な高い精度での天体観測が可能。

可視光担当。
おなじみ、ハッブル宇宙望遠鏡。1990年打ち上げ。
口径2.5m、地上600kmを周回しています。
主に可視光線ですが紫外線から近赤外でも観測可能。
歴史上最も成功した宇宙望遠鏡と言われています。

wikipedia
XMM-Newton
XMM-Newton (X‐ray Multi-Mirror Mission ‐ Newton) は、欧州宇宙機関 (ESA) のX線観測衛星である。名前はアイザック・ニュートンから来ている。

紫外線担当。
1999年打ち上げ。こちらはNASAではなく欧州宇宙機関(ESA)の運営です。
メインはX線の観測衛星ですが、紫外線望遠鏡も搭載していて、先頭の画像ではそれが使用されています。

wikipedia
チャンドラX線観測衛星
チャンドラX線観測衛星(チャンドラエックスせんかんそくえいせい、英語: Chandra X-ray Observatory)は、1999年7月23日にNASAによって打ち上げられた人工衛星である。スペースシャトルコロンビアによって放出された。

X線担当。1999年打ち上げ。解像度0.5秒角。
軌道の大半がヴァン・アレン帯の外側にあり、高度1万キロメートルから14万キロメートルと、HSTよりもはるかに高高度を周回しています。
「チャンドラ」の名前は、白色矮星の質量の限界を理論的に示したノーベル賞学者、チャンドラセカールに由来しています。

X線は大気によってほとんどが吸収されてしまうため地上では観測できなかったのですが、この衛星の打ち上げによってX線天文学は大きな進展を遂げました。


いかがでしたか?
現代天文学を革命的に発展させてきた5つの望遠鏡の協力によって得られたこのかに星雲の画像は、現代天文学の歴史と努力の結晶とも言えますね。

かに星雲もまた、西暦1054年に出現した超新星の残骸であり、その観測の歴史は天文学の歴史の中の大きな存在です。

かに星雲のあるおうし座はもうシーズンオフですが、次のシーズンにはぜひ肉眼でナマの光を体験し、宇宙の神秘と人間の探求心に心を馳せてみられてはいかがでしょうか。

編集部ピックアップサイエンス  NASAのImage of the Dayで、最新のかに星雲の画像が公開されています。 (追記2017/5/13) アストロアーツのHPでもこのニュースが取り上げられています。内容的にも負けたかなー。こっちはちゃんと訳してないし。 本来はこのアストロアーツさんの記事をご紹介することが本ブログの役割なんですが。ちょっと時間差でしたね^^; ちなみに、この動画は必見です。 (追記2017/5/13終わり) NASA Image of the Day This composite image of the Crab Nebula, a supernova remnant, was assembled by combining data from five telescopes spanning nearly the entire breadth of the electromagnetic spectrum: the Karl G. Jansky Very Large Array, the Spitzer Space Telescope, the Hubble Space Telescope, the...編集部発信のオリジナルコンテンツ