【お詫びと訂正あり】赤外改造カメラのかぶりの問題
追記1/17 22:45)
国内の複数のソースから、EOS Rで問題は発生していない旨の情報をいただきました。
本件、EOS Rの天体改造を行っておられる瀬尾様より以下の画像を頂戴しました。ISO25600の5分なのでノイズはかなり多く出ていますが、かぶりは確認できません。また、EOS Rを所有する天リフ読者様からも、問題ないとの情報をいただきました。
EOS RでライブビューOFF という設定は存在しません。
「ライブビューOFF」の件ですが、EOS Rに「ライブビューOFF」という設定はありません。
瀬尾様のサイトの記述はEOS6Dなどの「一眼レフの問題対策として、本番撮影時はライブビューをOFFにして下さい」と記述したものだそうです(EOS Rがこの記述の対象に含まれないこと明記しなかったことについて瀬尾様よりお詫びがありました)
改造方法・検証方法のさらなる確認が必要です。
「EOS Rの天体改造には問題がある」という認識は、現時点では確固たる根拠がないと判断しています。弊サイトにおいて、誤った情報を先走って発信したことについて、関係者様各位に深くお詫び申し上げます。
追記1/17:22:25)
本件ですが、瀬尾様・EOS Rユーザー様より、「現状EOS Rでは問題は発生していない」との情報をいただきました。以下内容は一旦保留とさせていただきます。
現在状況整理中です。
海外サイト「KOLAR VISON」で、赤外撮影の際に発生する「かぶり」の問題が指摘されています。
目次
IR改造カメラで発生する「赤外線LED」によるかぶり
一般にデジタルカメラでは、センサーの前に「赤外線カットフィルター」が装着されています。これはCMOSセンサーの感度が、人間の眼とは異なって700nmよりも長い波長の赤外線にも感度を持っているため。「赤外線カットフィルター」なしでは、被写体の色が変になってしまうためです。
このため、天体撮影や赤外線写真を撮りたい一部のユーザーは、センサーの前のフィルターを除去する改造を行って使用しているのが現状です。
ところが、一部のカメラは内部に赤外線を発するLEDを持っています。元記事で指摘されている「EOS R」の場合「Shutter Monitoring」のための赤外線LEDによって、高感度・長時間露出の際に「かぶり」が発生すると指摘されています。
ライブビューをOFFにすると発生しない
あのseoさんが去年10月に報告してます。ライブビューoffで撮影すれば良いらしい。
— ささやき (@Micro_whisper) January 16, 2019
実はこの問題、昨年の11月の時点で「あのseoさん(天体改造カメラの瀬尾電子工業様)」が指摘されていました。同社のHPを見ると、EOS Rの改造について、以下の注意書きがあります。
瀬尾電子工業・SEO-SP4 ・ SEO-SP4C
http://www.seo-e.co.jp/hobby/EOS300D/Price/Price.htm
ライブビューをOFFにすれば、赤外線LEDによる「かぶり」は発生しない。ここ、重要です。
EOS6Dの場合
この記事で指摘されている現象と同じなのかは不明ですが、天体改造を施したEOS6Dの場合も、ライブビュー状態で撮影すると「かぶり」が発生する場合があります。
上の画像は暗所でボディキャップをした状態で、ライブビューモードで撮影したもの。この現象は発生する個体と発生しない個体があるという情報もありますが、編集部の個体は常に発生しています。ライブビューをOFFにすると、この現象は発生しません。
EOS6Dで撮影する場合、ピント合わせのためにライブビューにした後、ライブビューを必ずOFFにしないとこの「かぶり」が画像に乗ってきます。IR改造EOS6D活用の必須条件。撮影時はライブビューをOFFにすること。
ライブビューをOFFにするにはどうすればいいのか?
EOS6Dの場合デフォルトは光学ファインダーですから、ライブビューOFFの操作を忘れることはあっても、現在の状態がライブビューモードかそうでないかを間違えることはありません。シャッターを切ったときの音も違いますし。
でも、ミラーレスのEOS Rの場合、通常の状態ではライブビューはONです。ボタン一つでOFFにできるのかもしれませんが(*)、「ライブビューの切り忘れ」には注意が必要そうです。
(*)手元にEOS Rがないので取説PDFを見てみたのですが「ライブビューをOFFにする」操作の方法を発見することができませんでした。ご存じの方がいらっしゃれば教えてください!!
念のため繰り返しますが、この「かぶり」の問題が発生するのは「IR改造」を行った場合のみです。純正の状態では発生しません。メーカー保証外の範囲であることを明記しておきます。
ニコンZの場合
ちなみにニコンZではこのようなLEDは存在していないらしい。https://t.co/Et3EcuqcCY
— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) January 15, 2019
「KOLAR VISON」によると、ニコンZシリーズではこのようなLEDは存在せず、かぶりは発生しないようです。
まとめ
「EOS R」を天体改造する場合は「ライブビューモード」でのかぶりには要注意です。また「ライブビューOFFの操作」がどのくらい簡単なのかによっては、大きく使い勝手に影響する可能性があります(*)。
(*)ピントを合わせて構図を決めても、すぐシャッターを押してはだめで、ライブビューOFFという操作が増えることになります。星景撮影ではかなり煩雑にかもしれません。
ミラーレス機の天体改造は実績も少なく、わかっていないことがまだあるかもしれません。新しいの情報があれば追記していく予定です。
https://reflexions.jp/tenref/orig/2019/01/17/7722/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/01/726A8605-1024x683.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/01/726A8605-150x150.jpgデジタルカメラ追記1/17 22:45) 国内の複数のソースから、EOS Rで問題は発生していない旨の情報をいただきました。 本件、EOS Rの天体改造を行っておられる瀬尾様より以下の画像を頂戴しました。ISO25600の5分なのでノイズはかなり多く出ていますが、かぶりは確認できません。また、EOS Rを所有する天リフ読者様からも、問題ないとの情報をいただきました。 EOS RでライブビューOFF という設定は存在しません。 「ライブビューOFF」の件ですが、EOS Rに「ライブビューOFF」という設定はありません。 瀬尾様のサイトの記述はEOS6Dなどの「一眼レフの問題対策として、本番撮影時はライブビューをOFFにして下さい」と記述したものだそうです(EOS Rがこの記述の対象に含まれないこと明記しなかったことについて瀬尾様よりお詫びがありました) 改造方法・検証方法のさらなる確認が必要です。 「EOS Rの天体改造には問題がある」という認識は、現時点では確固たる根拠がないと判断しています。弊サイトにおいて、誤った情報を先走って発信したことについて、関係者様各位に深くお詫び申し上げます。 追記1/17:22:25) 本件ですが、瀬尾様・EOS Rユーザー様より、「現状EOS Rでは問題は発生していない」との情報をいただきました。以下内容は一旦保留とさせていただきます。 現在状況整理中です。 海外サイト「KOLAR VISON」で、赤外撮影の際に発生する「かぶり」の問題が指摘されています。 https://kolarivision.com/canon-eos-r-infrared-photography-review/ IR改造カメラで発生する「赤外線LED」によるかぶり 一般にデジタルカメラでは、センサーの前に「赤外線カットフィルター」が装着されています。これはCMOSセンサーの感度が、人間の眼とは異なって700nmよりも長い波長の赤外線にも感度を持っているため。「赤外線カットフィルター」なしでは、被写体の色が変になってしまうためです。 このため、天体撮影や赤外線写真を撮りたい一部のユーザーは、センサーの前のフィルターを除去する改造を行って使用しているのが現状です。 ところが、一部のカメラは内部に赤外線を発するLEDを持っています。元記事で指摘されている「EOS R」の場合「Shutter Monitoring」のための赤外線LEDによって、高感度・長時間露出の際に「かぶり」が発生すると指摘されています。 ライブビューをOFFにすると発生しない https://twitter.com/Micro_whisper/status/1085546363301949440 実はこの問題、昨年の11月の時点で「あのseoさん(天体改造カメラの瀬尾電子工業様)」が指摘されていました。同社のHPを見ると、EOS Rの改造について、以下の注意書きがあります。 瀬尾電子工業・SEO-SP4 ・ SEO-SP4C http://www.seo-e.co.jp/hobby/EOS300D/Price/Price.htm ライブビューをOFFにすれば、赤外線LEDによる「かぶり」は発生しない。ここ、重要です。 EOS6Dの場合 この記事で指摘されている現象と同じなのかは不明ですが、天体改造を施したEOS6Dの場合も、ライブビュー状態で撮影すると「かぶり」が発生する場合があります。 上の画像は暗所でボディキャップをした状態で、ライブビューモードで撮影したもの。この現象は発生する個体と発生しない個体があるという情報もありますが、編集部の個体は常に発生しています。ライブビューをOFFにすると、この現象は発生しません。 EOS6Dで撮影する場合、ピント合わせのためにライブビューにした後、ライブビューを必ずOFFにしないとこの「かぶり」が画像に乗ってきます。IR改造EOS6D活用の必須条件。撮影時はライブビューをOFFにすること。 ライブビューをOFFにするにはどうすればいいのか? EOS6Dの場合デフォルトは光学ファインダーですから、ライブビューOFFの操作を忘れることはあっても、現在の状態がライブビューモードかそうでないかを間違えることはありません。シャッターを切ったときの音も違いますし。 でも、ミラーレスのEOS Rの場合、通常の状態ではライブビューはONです。ボタン一つでOFFにできるのかもしれませんが(*)、「ライブビューの切り忘れ」には注意が必要そうです。 (*)手元にEOS Rがないので取説PDFを見てみたのですが「ライブビューをOFFにする」操作の方法を発見することができませんでした。ご存じの方がいらっしゃれば教えてください!! 念のため繰り返しますが、この「かぶり」の問題が発生するのは「IR改造」を行った場合のみです。純正の状態では発生しません。メーカー保証外の範囲であることを明記しておきます。 ニコンZの場合 https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1085134600467173376 「KOLAR VISON」によると、ニコンZシリーズではこのようなLEDは存在せず、かぶりは発生しないようです。 まとめ 「EOS R」を天体改造する場合は「ライブビューモード」でのかぶりには要注意です。また「ライブビューOFFの操作」がどのくらい簡単なのかによっては、大きく使い勝手に影響する可能性があります(*)。 (*)ピントを合わせて構図を決めても、すぐシャッターを押してはだめで、ライブビューOFFという操作が増えることになります。星景撮影ではかなり煩雑にかもしれません。 ミラーレス機の天体改造は実績も少なく、わかっていないことがまだあるかもしれません。新しいの情報があれば追記していく予定です。 編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
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