アストロアーツHPで星ナビ2024年12月号の内容が告知されています。発売は11月5日 火曜日です。

今月の内容は!?

「紫金山・アトラス彗星」が各地で盛り上がりました。特集ではスマホで導入から撮影・観望までできる「スマート望遠鏡」最新機種を一挙に紹介。

星ナビ12月号は「紫金山・アトラス彗星」と「スマート望遠鏡最新機種」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13749_hoshinavi

■表紙

今回の表紙は渡部 剛さん作の「暁空の紫金山・アトラス彗星」(星ナビギャラリー応募作品)。靄に沈む湘南の海岸線を前景に、彗星が夜明けのグラデーションを貫いています。紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)の各地での様子をまとめた記事もあります。

スマホ・SNS時代初の大彗星、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)。薄明の空に明るい尾をなびかせた姿は、一般含め多くの方の眼とスマホで捉えられました。表紙は10月2日、富士山五合目から撮影された明け方の東空の姿です。

今回の紫金山・アトラス彗星では、「大彗星」に対する多くの知見とノウハウがもたらされたと感じています。その1つはごく低空の彗星に対する「標高」の効果です。地平高度が「数度」という超低空では、標高を上げることが圧倒的に見やすさに効いてきます。当たり前と言えば当たり前なのですが、それを痛切に実感しました。この画像は須走口五合目(標高約2000m)ですが、撮影データを元にアプリで調べると地平高度はわずか20分角(標高は0mで計算されていると思われます)。大気差(約30分角)と地平伏角(約1度38分角)の効果で、このような姿を見られることが可能になったのでしょう(*)。



参考)http://astro.starfree.jp/commons/astrometry/riseset.html

■特別付録 星空カレンダー2025

毎年恒例のカレンダーが特別付録。山岳風景、水芭蕉、天の川、コスモスなど、過去1年間の「星ナビギャラリー」掲載作から季節感あふれる9点をピックアップしました。2024年11月〜2025年12月までのカレンダーなので、11月から飾って楽しめます!

特別付録は、毎年12月号恒例の星ナビカレンダーです。今年の表紙は行方聡さんの「A Fool On The Hill」。

山も星も
http://tukinoboru.cocolog-nifty.com/blog/cat75978776/index.html

これまで何度も天リフTwitterなどでご紹介していますが、こちらのブログもご参照ください。撮影者様の「山岳天体コラボ自撮り」にかける情熱が伝わってきます。

11/12月が2回含まれていることから、表紙・裏表紙あわせて9点のセレクトです。3/4月は、いつもユニークなアイデアと緻密な作画で傑作を投稿されている村嶋さんの作品。2ヶ月分が一つになった星ナビカレンダーは、毎月のカレンダーと違って「2ヶ月間眼にしてもらえる」のが最大のご褒美かもしれません。

■機材セレクション 最強星撮りカメラ OM SYSTEM E-M1 MarkⅢ ASTRO (解説・写真/飯島 裕)

OM-SYSTEM E-M1 Mark III ASTROは、OMデジタルソリューションズから登場した天体用カメラです。豊富な星空撮影支援機能を搭載した「最強星撮りカメラ」について、作例とともに紹介していきます。

OMデジタルから登場した「純正・天体用カメラ」 E-M1 Mark III ASTRO。OM-Dのユーザーでもある写真家の飯島裕さんによって、豊富な作例とともに特徴と機能が紹介されています。

一読して感じたことは、M4/3フォーマットのカメラは星空・天体を撮影するためにじゅうぶんな性能と「M4/3ならでは」の特性を備えているということです。ソフトフィルターと光害カットフィルターも同梱されており、充分な戦闘力と汎用性を持った製品に仕上げられています。

記事で指摘されているいくつかの「改善要望」が今後解決され、天体と星空の写真の「裾野」も「頂点」も広がっていくことを期待したいですね!

OMデジタルソリューションズ・E-M1 MarkⅢ ASTRO
https://jp.omsystem.com/product/astronomical/em1mk3_astro/index.html

天リフ編集長としては、本機はじめ「アストロモデル」にはいろいろ要望点があるのですが、こちらの動画でまとめています。

■スマート望遠鏡 最新機種一挙紹介 ODYSSEY PRO/Vespera Pro/DWARF 3/Seestar S50(解説/沼澤茂美)

世界を席巻している「スマート望遠鏡」は、現在10種以上が流通しています。今回の記事では最新の3機種とスマート望遠鏡の定番・Seestar S50について、使い勝手を検証しました。どれを選んでいいかわからない、スマート望遠鏡初心者にもおすすめの記事です!

「天体望遠鏡400年の歴史の中で最も革新的な出来事」とまで評されるスマート望遠鏡。その歴史の簡単な振り返りと最新の4機種の「天文の専門家」目線での解説と、「天文ファン向け」の活用例紹介です。

正直、この記事を読んでも望遠鏡にこれまで馴染みのなかった層は「やっぱり、どれを選べばいいのかよくわからない」のではないでしょうか(*)。すでに天文ファンには圧倒的な支持を得たスマート望遠鏡ですが、一般層に普及・売り込んでいくにはどうすればいいのか。これは天文業界全体の課題といってもよいかもしれません。

(*)スマート望遠鏡に限らず、光学望遠鏡においても状況は同じようなものかもしれません。

◎天リフ独断ピックアップ

■広告ピックアップ・リコー天体撮影サービス

https://indigo257803.studio.site

期間延長。リコーの天体撮影サービス。「フェラーリ級」のPlaneWave CDK20(口径51cm)の望遠鏡を、満月期なら1時間5,000円、新月期なら1時間12,000円で利用することができます。(11月より価格改定されています)

天体撮影サービスモニター利用申し込み
https://indigo257803.studio.site/

天リフ編集長も何回か撮影することができました。大口径の時短効果は抜群で、総露光時間1時間でもかなりのクオリティの画像を得ることができます。具体的には、口径125mmの望遠鏡で16時間露光分のクオリティを、わずか1/16の1時間で発揮することが可能です。

BXT、NXTなど画像処理は「アリアリ」です^^

上の画像は左がリコーの天体撮影サービス利用、総露光92分。右はチリのリモート望遠鏡(口径125mm焦点距離800mm)で総露光23時間。「口径の暴力」をリアルに体験することができました。

天体撮影サービスモニター利用申し込み
https://indigo257803.studio.site/

このサービスを、フォームから申込み手続きを行うだけで使用可能になります。これは一度はやってみるしかありませんよ!



こちらは、当サービスの利用者とリコーのプロジェクト責任者の武田さん、星ナビ編集部による座談会のライブ。不肖・天リフ編集長も出演しております。

■PhotoTopic SNS・スマホ時代の大彗星出現(解説●吉本勝己  まとめ●編集部)

大彗星となった紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)。解説は吉本勝己さん。3ページの記事ですが、宇宙空間を含む世界各地で撮影された彗星の見事な姿と、今回の彗星がもたらしたインパクト(薄明中・超低高度でもしっかり見えた、マクノート彗星以来の明るさのSOHOが捉えた彗星、各地のライブ配信やSNSでの「彗星体験の共有」、スマホで・肉眼で多くの人が目撃・撮影したこと、etc)が語られています。

記事中の画像の1日後、10月3日撮影。24mmF2.8、60秒露光。撮影)K-ASTEC川野伴睦さん

冒頭にはK-ASTECの川野伴睦さんがオーストラリアで撮影・不肖天リフ編集長が画像処理した「彗星と冬の天の川・黄道光」の作品も。ちなみに上の画像は翌日に撮影された別バージョンです。

10月2日 EOS R EF200mmF2.0 60秒露光、モザイク合成 撮影)K-ASTEC川野伴睦さん

こちらは200mmレンズで。できるだけ尾を長くとらえられるようにモザイクしたのですが、完全にはみ出してしまいました^^

天リフでも彗星のライブ配信をなんと計10回も実施しました。その中で一番視聴者数が多かったのが、悪天の中の天リフ本社から実施した上のライブ配信です。晴れているエリアからのチャットコメントでめちゃくちゃ盛り上がりました^^

■星ナビギャラリー

今月のトップ下はなんと三作品ですが、面積的?に大月さんの「外惑星マラソン」がトップ下扱いでしょうか?^^火星、木星、土星、天王星、海王星を同一機材・同一拡大率で一晩で撮影された作品です。

個人的イチオシは杉村さんの「NGC6822」。バーナードの銀河とも呼ばれる矮小銀河ですが、周囲の分子雲の中に浮かぶ姿が神秘的です。分子雲と銀河の距離関係も想像しながら見るとさらに味わい深いですね!

■12月8日夕刻と25日未明 細い環の土星食&きらきらスピカ食 (解説/早水 勉)

8日に日本の大部分で土星食、25日は北海道を除く日本全国でスピカ食が見られます。土星食は17年ぶりの好条件、スピカ食も日本の大部分の地域で見ることができます。自分が観望する場所でいつどのように見られるのか事前にチェックしておきましょう。

12月にはメジャー天体の月による掩蔽が2回も。12月8日の土星食、12月25日のスピカ食です。特に土星食は、月が太すぎず地平高度も低すぎず、非常に良い条件。さらに限界線が日本列島を縦断しているため、多くの地域で「接食」を見ることができるのです。「日本で夜間に見られる土星食は10年に1〜2回程度」の珍しい現象。ぜひ晴れてほしいものですね!

12月25日のスピカ食は明け方の東空ですが、こちらも好条件。「今回を逃すと次は2032年4月」なので8年先。こちらもぜひ見とどけたいものです。

■星の街道をゆく 関東甲信編 高原のパラボラと星空列車の旅(紀行/中山満仁)

山梨県の小淵沢駅と長野県の小諸駅を結ぶ小海線は、沿線に国立天文台やJAXAの観測所がある天文ファンには嬉しい路線です。夜には星空観察をするための観光列車も走っています。鉄道が大好きなプラネタリウムライターが巡ります。

シリーズ「星の街道をゆく」。今回は「宇宙県」長野県の小海線から始まる旅。小海線の「星空観察会」付きの観光列車「HIGH RAIL 1375」で移動し、聖地野辺山の宇宙電波観測所、臼田の64mアンテナ、JAXAの美笹54mアンテナを巡り、大宮で鉄道博物館、さいたま市宇宙劇場をめぐって羽田まで。

いつもながら精力的な「鉄旅」「星旅」ですね!

まとめ

いかがでしたか?

予想を上回る大彗星となった紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3 )。おそらく「史上最も多くの人に撮影された彗星」と言っても過言ではないと思います。私を含む「天文老人」の会話では、大彗星といえば百武とヘール・ボップが常に引き合いに出されますが(*)、20世紀の彗星を知らない新しい世代にも「大彗星の記憶」が刻み込まれたことが、今回の彗星の最大の成果ではないかと思っています。

(*)「百武・ヘールボップを越えない限りはワシは大彗星とは認めぬ!」がテンプレート^^

そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日は天文雑誌!今月号も楽しみですね!

星ナビ12月号は「紫金山・アトラス彗星」と「スマート望遠鏡最新機種」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13749_hoshinavi

※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。

天文ガイドも合わせて読みたいですね!! https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2024/11/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2024/11/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-150x150.jpg編集部雑誌・書籍星ナビアストロアーツHPで星ナビ2024年12月号の内容が告知されています。発売は11月5日 火曜日です。 今月の内容は!? 「紫金山・アトラス彗星」が各地で盛り上がりました。特集ではスマホで導入から撮影・観望までできる「スマート望遠鏡」最新機種を一挙に紹介。 星ナビ12月号は「紫金山・アトラス彗星」と「スマート望遠鏡最新機種」https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13749_hoshinavi ■表紙 スマホ・SNS時代初の大彗星、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)。薄明の空に明るい尾をなびかせた姿は、一般含め多くの方の眼とスマホで捉えられました。表紙は10月2日、富士山五合目から撮影された明け方の東空の姿です。 今回の紫金山・アトラス彗星では、「大彗星」に対する多くの知見とノウハウがもたらされたと感じています。その1つはごく低空の彗星に対する「標高」の効果です。地平高度が「数度」という超低空では、標高を上げることが圧倒的に見やすさに効いてきます。当たり前と言えば当たり前なのですが、それを痛切に実感しました。この画像は須走口五合目(標高約2000m)ですが、撮影データを元にアプリで調べると地平高度はわずか20分角(標高は0mで計算されていると思われます)。大気差(約30分角)と地平伏角(約1度38分角)の効果で、このような姿を見られることが可能になったのでしょう(*)。 参考)http://astro.starfree.jp/commons/astrometry/riseset.html ■特別付録 星空カレンダー2025 特別付録は、毎年12月号恒例の星ナビカレンダーです。今年の表紙は行方聡さんの「A Fool On The Hill」。 山も星もhttp://tukinoboru.cocolog-nifty.com/blog/cat75978776/index.html これまで何度も天リフTwitterなどでご紹介していますが、こちらのブログもご参照ください。撮影者様の「山岳天体コラボ自撮り」にかける情熱が伝わってきます。 11/12月が2回含まれていることから、表紙・裏表紙あわせて9点のセレクトです。3/4月は、いつもユニークなアイデアと緻密な作画で傑作を投稿されている村嶋さんの作品。2ヶ月分が一つになった星ナビカレンダーは、毎月のカレンダーと違って「2ヶ月間眼にしてもらえる」のが最大のご褒美かもしれません。 ■機材セレクション 最強星撮りカメラ OM SYSTEM E-M1 MarkⅢ ASTRO (解説・写真/飯島 裕) OMデジタルから登場した「純正・天体用カメラ」 E-M1 Mark III ASTRO。OM-Dのユーザーでもある写真家の飯島裕さんによって、豊富な作例とともに特徴と機能が紹介されています。 一読して感じたことは、M4/3フォーマットのカメラは星空・天体を撮影するためにじゅうぶんな性能と「M4/3ならでは」の特性を備えているということです。ソフトフィルターと光害カットフィルターも同梱されており、充分な戦闘力と汎用性を持った製品に仕上げられています。 記事で指摘されているいくつかの「改善要望」が今後解決され、天体と星空の写真の「裾野」も「頂点」も広がっていくことを期待したいですね! OMデジタルソリューションズ・E-M1 MarkⅢ ASTROhttps://jp.omsystem.com/product/astronomical/em1mk3_astro/index.html 天リフ編集長としては、本機はじめ「アストロモデル」にはいろいろ要望点があるのですが、こちらの動画でまとめています。 ■スマート望遠鏡 最新機種一挙紹介 ODYSSEY PRO/Vespera Pro/DWARF 3/Seestar S50(解説/沼澤茂美) 「天体望遠鏡400年の歴史の中で最も革新的な出来事」とまで評されるスマート望遠鏡。その歴史の簡単な振り返りと最新の4機種の「天文の専門家」目線での解説と、「天文ファン向け」の活用例紹介です。 正直、この記事を読んでも望遠鏡にこれまで馴染みのなかった層は「やっぱり、どれを選べばいいのかよくわからない」のではないでしょうか(*)。すでに天文ファンには圧倒的な支持を得たスマート望遠鏡ですが、一般層に普及・売り込んでいくにはどうすればいいのか。これは天文業界全体の課題といってもよいかもしれません。 (*)スマート望遠鏡に限らず、光学望遠鏡においても状況は同じようなものかもしれません。 ◎天リフ独断ピックアップ ■広告ピックアップ・リコー天体撮影サービス 期間延長。リコーの天体撮影サービス。「フェラーリ級」のPlaneWave CDK20(口径51cm)の望遠鏡を、満月期なら1時間5,000円、新月期なら1時間12,000円で利用することができます。(11月より価格改定されています) 天体撮影サービスモニター利用申し込みhttps://indigo257803.studio.site/ 天リフ編集長も何回か撮影することができました。大口径の時短効果は抜群で、総露光時間1時間でもかなりのクオリティの画像を得ることができます。具体的には、口径125mmの望遠鏡で16時間露光分のクオリティを、わずか1/16の1時間で発揮することが可能です。 上の画像は左がリコーの天体撮影サービス利用、総露光92分。右はチリのリモート望遠鏡(口径125mm焦点距離800mm)で総露光23時間。「口径の暴力」をリアルに体験することができました。 天体撮影サービスモニター利用申し込みhttps://indigo257803.studio.site/ このサービスを、フォームから申込み手続きを行うだけで使用可能になります。これは一度はやってみるしかありませんよ! こちらは、当サービスの利用者とリコーのプロジェクト責任者の武田さん、星ナビ編集部による座談会のライブ。不肖・天リフ編集長も出演しております。 ■PhotoTopic SNS・スマホ時代の大彗星出現(解説●吉本勝己  まとめ●編集部) 大彗星となった紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)。解説は吉本勝己さん。3ページの記事ですが、宇宙空間を含む世界各地で撮影された彗星の見事な姿と、今回の彗星がもたらしたインパクト(薄明中・超低高度でもしっかり見えた、マクノート彗星以来の明るさのSOHOが捉えた彗星、各地のライブ配信やSNSでの「彗星体験の共有」、スマホで・肉眼で多くの人が目撃・撮影したこと、etc)が語られています。 冒頭にはK-ASTECの川野伴睦さんがオーストラリアで撮影・不肖天リフ編集長が画像処理した「彗星と冬の天の川・黄道光」の作品も。ちなみに上の画像は翌日に撮影された別バージョンです。 こちらは200mmレンズで。できるだけ尾を長くとらえられるようにモザイクしたのですが、完全にはみ出してしまいました^^ 天リフでも彗星のライブ配信をなんと計10回も実施しました。その中で一番視聴者数が多かったのが、悪天の中の天リフ本社から実施した上のライブ配信です。晴れているエリアからのチャットコメントでめちゃくちゃ盛り上がりました^^ ■星ナビギャラリー 今月のトップ下はなんと三作品ですが、面積的?に大月さんの「外惑星マラソン」がトップ下扱いでしょうか?^^火星、木星、土星、天王星、海王星を同一機材・同一拡大率で一晩で撮影された作品です。 個人的イチオシは杉村さんの「NGC6822」。バーナードの銀河とも呼ばれる矮小銀河ですが、周囲の分子雲の中に浮かぶ姿が神秘的です。分子雲と銀河の距離関係も想像しながら見るとさらに味わい深いですね! ■12月8日夕刻と25日未明 細い環の土星食&きらきらスピカ食 (解説/早水 勉) 12月にはメジャー天体の月による掩蔽が2回も。12月8日の土星食、12月25日のスピカ食です。特に土星食は、月が太すぎず地平高度も低すぎず、非常に良い条件。さらに限界線が日本列島を縦断しているため、多くの地域で「接食」を見ることができるのです。「日本で夜間に見られる土星食は10年に1〜2回程度」の珍しい現象。ぜひ晴れてほしいものですね! 12月25日のスピカ食は明け方の東空ですが、こちらも好条件。「今回を逃すと次は2032年4月」なので8年先。こちらもぜひ見とどけたいものです。 ■星の街道をゆく 関東甲信編 高原のパラボラと星空列車の旅(紀行/中山満仁) シリーズ「星の街道をゆく」。今回は「宇宙県」長野県の小海線から始まる旅。小海線の「星空観察会」付きの観光列車「HIGH RAIL 1375」で移動し、聖地野辺山の宇宙電波観測所、臼田の64mアンテナ、JAXAの美笹54mアンテナを巡り、大宮で鉄道博物館、さいたま市宇宙劇場をめぐって羽田まで。 いつもながら精力的な「鉄旅」「星旅」ですね! まとめ いかがでしたか? 予想を上回る大彗星となった紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3 )。おそらく「史上最も多くの人に撮影された彗星」と言っても過言ではないと思います。私を含む「天文老人」の会話では、大彗星といえば百武とヘール・ボップが常に引き合いに出されますが(*)、20世紀の彗星を知らない新しい世代にも「大彗星の記憶」が刻み込まれたことが、今回の彗星の最大の成果ではないかと思っています。 (*)「百武・ヘールボップを越えない限りはワシは大彗星とは認めぬ!」がテンプレート^^ そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日は天文雑誌!今月号も楽しみですね! 星ナビ12月号は「紫金山・アトラス彗星」と「スマート望遠鏡最新機種」https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13749_hoshinavi ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!!編集部発信のオリジナルコンテンツ