みなさんこんにちは!

時代は「共同撮影」です!先日募集したZTF彗星(C/2022 E3)の共同撮影の提案ですが、呼びかけ人のお一人である津村光則さんのご尽力もあって、12名もの方から画像をお送りいただきました。(1/21 4:00〜が2名、1/22 4:00〜が10名)

本記事では、1:22 4:00〜の部にエントリいただいた10枚の画像を最終画像にまとめるまでの画像処理ステップについてご紹介します。



【大募集】ZTF彗星(C/2022 E3)共同撮影のご提案

 

全画像一覧

エントリされた全ての画像と詳細データです。撮影機材はガチなものが多いですが、口径・焦点距離・カメラ・視野(FOV)・露光条件はまちまちです。一つだけ16bitのtifですが、他は全て8bitのjpeg画像です。

こんなバラバラな8bit画像でも割と簡単にスタックして、1枚だけよりもはるかに高画質な結果を得ることができます。昨今の優秀な画像処理ソフトウェアを使用すれば、実は意外なほど処理は簡単。そのプロセスを順に見ていきましょう。

位置合わせ

PixInsightのStaralignmentを使う

StarAlignmentで位置合わせ後の全画像。上段左から右に、津村光則さん、伴紀美男さん、中村哲也さん、川野伴睦さん、岩瀬光博さん、下段左から右に、ももさん、下条博美さん、大堀健一さん、木谷文計さん、佐藤晃さん撮影。

位置合わせにはPixInsightの「StarAlignment」を使用しました。このプロセスでは、リファレンス画像を指定し、複数の画像の位置合わせを一括で行い、結果を出力してくれます。上の画像は位置合わせ結果の全画像。そのままPhotoshopのレイヤーに読み込んでスタックすることができます(*)。

(*)リファレス画像よりも小さな画像の場合は星のない部分は「黒」で塗りつぶされています。Photoshopでスタックするためにこの部分は選択ツールでカットして透明にしてから重ね合わせました。

細かなパラメータがいろいろありますが、使用した設定は以下の画面キャプチャをご参考に。(前回最後に使用した状態から特に何も変えずに位置合わせが成功しました)

パペットワープの限界

実は、以前は位置合わせにはPhotoshopの「パペットワープ」を使用して1枚づつ手作業で合わせていました。数枚程度の画像を重ね合わせるにはまだ簡便なのですが、このやり方は全く推奨しません。大変なだけでなく、精度良く位置合わせするのは事実上不可能に近いと思ったほうが良いでしょう。

左)パペットワープを使用 右)StarAlignmentを使用

今回も、当初は数名のエントリしかなかったため、パペットワープで合わせていたのですが、丁寧に作業したつもりでも「星がずれている部分」が残ってしまいます(*)。共同撮影ではもう二度とパペットワープは使わないと決心しました^^;

(*)パペットワープの問題は、局所的なずれの補正が大域的な補正に波及してしまうことにあります。このため、一箇所を補正しても常に全体を見直す必要があり、厳密に追い込むことを困難にしています。

フラット補正

位置合わせが済んだら、後はスタックするだけです。しかし、リファレンス画像の写野をカバーできていない画像がいくつもあるため、単純に加算平均しただけでは「境目」が目立ってしまいます。最大公約数の部分をトリミングしてもいいのですが、そうすると右上の淡いテイルや左下のアンチテイルが欠けてしまいます。

境目が目立つ原因は、それぞれの画像の輝度と色が合っていないこととが主な原因です。そこでPhotoshopのCamera rawフィルターで背景輝度と色を揃えました。また、元画像のフラット補正が不十分なものに対しては、簡易的なフラット補正(*)を施しました。

(*)やり方はいろいろあるかと思いますが、今回は、星消し画像から彗星を選択的にPhotoshopの「コンテンツに応じる」で塗りつぶし、ガウスぼかしをかけた上で元画像から減算する方法を採用しました。いわゆる「ビニングフラット補正」と同じ考え方ですが、StarXterminatorを使用すればビニングしなくても簡単に星を消すことができます。

さらに、それでも境目が目につく場合は、画像の縁に100pxほどの幅でグラデーションマスクをかけています。

こちらが最終補正済みの画像。まだパーフェクトとはいえませんが、このくらい補正しておけば強めの強調にも耐えることができそうです。

画像の重み付けとノイズ処理

左は全画像を単純に加算平均。「位置合わせ後の単位面積当たりの光量比=口径^2×露光時間」の割合で加算平均。明らかに暗部のノイズは右の方が悪くなっています。

前出の表を見てもわかるように、エントリされた10枚の画像は口径20cmから5cmまでバラバラで、画像がもつ「シグナルとノイズの濃さ」にはバラツキがあります。それらの画像を「同じ比率」でスタックするのは適切なのか、どんな比率でスタックするのがより適切なのかという問題があります。



上の画像は全画像を単純に加算平均したもの(左)と、一つの基準として想定していた「位置合わせ後の単位面積当たりの光量比=口径^2×露光時間」の割合で加算平均したものの比較ですが、決して良くなっているとは言いがたいところがあります。

 

なんらかの合理的な配合比率を導出する方法はないかとPixInsightのSubframeSelectorにかけてみたのが上の画像。しかしSubframeSelectorの出力する「raw画像であることを前提とした指標(Fluxなど)」は強調後のノンリニア画像では(たぶん)使えないでしょうし、さてどうしたものか。

いろいろ悩みましたが、以下の方針で処理を行いました。

  1. 個々の画像への極端な重み付けは行わない。
  2. SubframeSelectorでノイズレベルが高いと判断された画像3点については、ノイズ処理を行った上でスタックする(Camera rawで色ノイズ低減、NoiseXTerminatorで輝度ノイズ低減)
  3. 「良く写っている画像」に対しては感覚的に配合比率を調整

1.については、以前に「共同撮影」を実施した際に、露光量が極端に少ない画像であっても全体の画質に貢献すること実感していました。「短秒露光画像」として、ハイライト部の階調表現に貢献するのです。今回の彗星の例でいえば、核やコマ周辺の白つぶれの軽減に貢献します。その意味では、8bitの完成画像で行う共同撮影においては、画像の重ね合わせは高輝度部と低輝度部をわけて行うのがより適切なのかもしれません。

2.については、明確な効果がありました。今回「控えめな強調」の画像と「強めな強調」の画像が混在していて、「強めな強調」の画像のノイズが最終画像に若干の悪影響を与えていましたが(*)、それが低減されています。

(*)淡いテールの部分は強く強調しないとそもそも出てこないのでノイズが乗っても仕方ないのですが、高輝度部に残るノイズが若干気になりました。

正直いって、あまり合理的な処理ではありません。単純に加算平均したものよりは改善しているとは思いますが「最適かどうか」はまったく自信がありません。このあたりは、今後の諸氏の検証・研究に期待したいと思います。

強調処理

スタック後の画像の強調では、特に変わったことはしていません。スタック直後の画像にBlurXTerminatorをデフォルトパラメータでかけたこと(*1)、トーンカーブで強調したこと、最終画像の直前で若干Camra rawの「明瞭度」を上げた(*2)くらいです。

(*1)エントリ画像の時点ですでにBlurXTerminatorを使用した画像もあったようですし、そもそも異なる光学系の画像のスタック結果に、適切なDeconvolutionを施すことが可能なのか、という疑問もあります。ただ、星が小さくなる効果は有効でしたので採用しました。

(*2)これまでの体験上、テールを強調するのに「明瞭度」は有効なのですが、今回の場合はノイズが目立つデメリットが大きく、最後に弱くかけたのみです。

作業画像のダウンロード

  1. エントリ全画像(Google Photo)
    https://photos.app.goo.gl/5cpW6PcQJpN1RVtG6
  2. 単純加算平均画像(レイヤー形式、*.psdファイル、390MB))
    https://reflexions.jp/test/C2022E30122/01.psd
  3. フラット補正後の加算平均画像(レイヤー形式、*.psdファイル、530MB)
    https://reflexions.jp/test/C2022E30122/02.psd
  4. 各種処理後の最終結果画像(*.psdファイル、133MB)
    https://reflexions.jp/test/C2022E30122/03.psd

サイズが大きいのでご注意ください。

エントリ画像と処理過程の各種ファイルは、上記からダウンロード可能です。全てパブリックドメイン(*)ですので、ご自由に処理・公開いただいてOKです。「共同撮影」は、共同の「撮影」でもありますが、共同の「画像処理」でもあるのです。ぜひ多くの人に処理いただき、自分なりの最適解を探ってもらええると嬉しいです。よい仕上がりが得られたら、ぜひSNSや本記事へのコメントなどで共有ください。

(*)画像の著作権と利用についてはGPLに準じます。「著作権は撮影者に帰属するが」「一定の約束を満たせば自由な利用と改変を行うことが可能で」「二次制作物についても同じGPLに準じた扱いとする」のが基本です。

ただし、今回の共同撮影プロジェクトの画像であることを明示するために、本記事ないしは共同撮影告知記事へのリンクを貼っていただくようお願いします(お約束)。

【大募集】ZTF彗星(C/2022 E3)共同撮影のご提案

まとめ

本画像は海外のFacebookグループ「ICQ Comet Observations」でもシェアされました。

いかがでしたか?

日本でも「共同撮影」の試みがいくつか出てきました。チームプレイとしての新しい楽しみ方の意味もあり、今後広がってくることを期待しています。

特に、時間変化の激しい彗星に対しては「共同撮影でしか実現できない世界がある」ことを改めて感じました。今回は時刻・時間帯を決め打ちして募集しましたが、核近傍の変化を捉える目的とごく淡く遠く広がった姿を捉えるのでは、最適な露光時間帯も変わってくることでしょう。彗星の特徴や目的に応じた設定が必要そうです。

画像処理も、一つの時刻の画像だけならまだしも、経時変化を連続的に追いかけるには、ひとつひとつを手作業でやっていてはすぐに限界にぶちあたるでしょう。今回の成果を契機にして、より網羅的・効率的な「彗星の共同撮影」のあり方・やり方を提案していきたいと思っています。続報をお待ちください。

私も含めて多くの天文ファンは次の「大彗星」を待ち焦がれています。しかし、ZTF彗星(C/2022 E3)のような「中庸」な彗星であっても、最新の機材と技術をもってすれば、かつての「大彗星」と同じくらいに雄大で迫力のある姿を捉えることができます。次の「大彗星」にはもちろん期待したいですが、「ほどほどの彗星」でもじゅうぶんにスリルとロマンを味わうことができるのです。ぜひ次の彗星では、日本の天文アマチュアの総力を結集した「共同撮影」をやろうではありませんか!

最後に、今回画像をご提供いただいた皆様に深く感謝申し上げます。

  https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2023/02/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1-1024x668.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2023/02/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1-150x150.jpg編集部画像処理ZTF彗星(C/2022 E3)みなさんこんにちは! 時代は「共同撮影」です!先日募集したZTF彗星(C/2022 E3)の共同撮影の提案ですが、呼びかけ人のお一人である津村光則さんのご尽力もあって、12名もの方から画像をお送りいただきました。(1/21 4:00〜が2名、1/22 4:00〜が10名) 本記事では、1:22 4:00〜の部にエントリいただいた10枚の画像を最終画像にまとめるまでの画像処理ステップについてご紹介します。 https://reflexions.jp/tenref/orig/2023/01/26/14843/   全画像一覧 エントリされた全ての画像と詳細データです。撮影機材はガチなものが多いですが、口径・焦点距離・カメラ・視野(FOV)・露光条件はまちまちです。一つだけ16bitのtifですが、他は全て8bitのjpeg画像です。 こんなバラバラな8bit画像でも割と簡単にスタックして、1枚だけよりもはるかに高画質な結果を得ることができます。昨今の優秀な画像処理ソフトウェアを使用すれば、実は意外なほど処理は簡単。そのプロセスを順に見ていきましょう。 位置合わせ PixInsightのStaralignmentを使う 位置合わせにはPixInsightの「StarAlignment」を使用しました。このプロセスでは、リファレンス画像を指定し、複数の画像の位置合わせを一括で行い、結果を出力してくれます。上の画像は位置合わせ結果の全画像。そのままPhotoshopのレイヤーに読み込んでスタックすることができます(*)。 (*)リファレス画像よりも小さな画像の場合は星のない部分は「黒」で塗りつぶされています。Photoshopでスタックするためにこの部分は選択ツールでカットして透明にしてから重ね合わせました。 細かなパラメータがいろいろありますが、使用した設定は以下の画面キャプチャをご参考に。(前回最後に使用した状態から特に何も変えずに位置合わせが成功しました) パペットワープの限界 実は、以前は位置合わせにはPhotoshopの「パペットワープ」を使用して1枚づつ手作業で合わせていました。数枚程度の画像を重ね合わせるにはまだ簡便なのですが、このやり方は全く推奨しません。大変なだけでなく、精度良く位置合わせするのは事実上不可能に近いと思ったほうが良いでしょう。 今回も、当初は数名のエントリしかなかったため、パペットワープで合わせていたのですが、丁寧に作業したつもりでも「星がずれている部分」が残ってしまいます(*)。共同撮影ではもう二度とパペットワープは使わないと決心しました^^; (*)パペットワープの問題は、局所的なずれの補正が大域的な補正に波及してしまうことにあります。このため、一箇所を補正しても常に全体を見直す必要があり、厳密に追い込むことを困難にしています。 フラット補正 位置合わせが済んだら、後はスタックするだけです。しかし、リファレンス画像の写野をカバーできていない画像がいくつもあるため、単純に加算平均しただけでは「境目」が目立ってしまいます。最大公約数の部分をトリミングしてもいいのですが、そうすると右上の淡いテイルや左下のアンチテイルが欠けてしまいます。 境目が目立つ原因は、それぞれの画像の輝度と色が合っていないこととが主な原因です。そこでPhotoshopのCamera rawフィルターで背景輝度と色を揃えました。また、元画像のフラット補正が不十分なものに対しては、簡易的なフラット補正(*)を施しました。 (*)やり方はいろいろあるかと思いますが、今回は、星消し画像から彗星を選択的にPhotoshopの「コンテンツに応じる」で塗りつぶし、ガウスぼかしをかけた上で元画像から減算する方法を採用しました。いわゆる「ビニングフラット補正」と同じ考え方ですが、StarXterminatorを使用すればビニングしなくても簡単に星を消すことができます。 さらに、それでも境目が目につく場合は、画像の縁に100pxほどの幅でグラデーションマスクをかけています。 こちらが最終補正済みの画像。まだパーフェクトとはいえませんが、このくらい補正しておけば強めの強調にも耐えることができそうです。 画像の重み付けとノイズ処理 前出の表を見てもわかるように、エントリされた10枚の画像は口径20cmから5cmまでバラバラで、画像がもつ「シグナルとノイズの濃さ」にはバラツキがあります。それらの画像を「同じ比率」でスタックするのは適切なのか、どんな比率でスタックするのがより適切なのかという問題があります。 上の画像は全画像を単純に加算平均したもの(左)と、一つの基準として想定していた「位置合わせ後の単位面積当たりの光量比=口径^2×露光時間」の割合で加算平均したものの比較ですが、決して良くなっているとは言いがたいところがあります。   なんらかの合理的な配合比率を導出する方法はないかとPixInsightのSubframeSelectorにかけてみたのが上の画像。しかしSubframeSelectorの出力する「raw画像であることを前提とした指標(Fluxなど)」は強調後のノンリニア画像では(たぶん)使えないでしょうし、さてどうしたものか。 いろいろ悩みましたが、以下の方針で処理を行いました。 個々の画像への極端な重み付けは行わない。 SubframeSelectorでノイズレベルが高いと判断された画像3点については、ノイズ処理を行った上でスタックする(Camera rawで色ノイズ低減、NoiseXTerminatorで輝度ノイズ低減) 「良く写っている画像」に対しては感覚的に配合比率を調整 1.については、以前に「共同撮影」を実施した際に、露光量が極端に少ない画像であっても全体の画質に貢献すること実感していました。「短秒露光画像」として、ハイライト部の階調表現に貢献するのです。今回の彗星の例でいえば、核やコマ周辺の白つぶれの軽減に貢献します。その意味では、8bitの完成画像で行う共同撮影においては、画像の重ね合わせは高輝度部と低輝度部をわけて行うのがより適切なのかもしれません。 2.については、明確な効果がありました。今回「控えめな強調」の画像と「強めな強調」の画像が混在していて、「強めな強調」の画像のノイズが最終画像に若干の悪影響を与えていましたが(*)、それが低減されています。 (*)淡いテールの部分は強く強調しないとそもそも出てこないのでノイズが乗っても仕方ないのですが、高輝度部に残るノイズが若干気になりました。 正直いって、あまり合理的な処理ではありません。単純に加算平均したものよりは改善しているとは思いますが「最適かどうか」はまったく自信がありません。このあたりは、今後の諸氏の検証・研究に期待したいと思います。 強調処理 スタック後の画像の強調では、特に変わったことはしていません。スタック直後の画像にBlurXTerminatorをデフォルトパラメータでかけたこと(*1)、トーンカーブで強調したこと、最終画像の直前で若干Camra rawの「明瞭度」を上げた(*2)くらいです。 (*1)エントリ画像の時点ですでにBlurXTerminatorを使用した画像もあったようですし、そもそも異なる光学系の画像のスタック結果に、適切なDeconvolutionを施すことが可能なのか、という疑問もあります。ただ、星が小さくなる効果は有効でしたので採用しました。 (*2)これまでの体験上、テールを強調するのに「明瞭度」は有効なのですが、今回の場合はノイズが目立つデメリットが大きく、最後に弱くかけたのみです。 作業画像のダウンロード エントリ全画像(Google Photo) https://photos.app.goo.gl/5cpW6PcQJpN1RVtG6 単純加算平均画像(レイヤー形式、*.psdファイル、390MB)) https://reflexions.jp/test/C2022E30122/01.psd フラット補正後の加算平均画像(レイヤー形式、*.psdファイル、530MB) https://reflexions.jp/test/C2022E30122/02.psd 各種処理後の最終結果画像(*.psdファイル、133MB) https://reflexions.jp/test/C2022E30122/03.psd サイズが大きいのでご注意ください。 エントリ画像と処理過程の各種ファイルは、上記からダウンロード可能です。全てパブリックドメイン(*)ですので、ご自由に処理・公開いただいてOKです。「共同撮影」は、共同の「撮影」でもありますが、共同の「画像処理」でもあるのです。ぜひ多くの人に処理いただき、自分なりの最適解を探ってもらええると嬉しいです。よい仕上がりが得られたら、ぜひSNSや本記事へのコメントなどで共有ください。 (*)画像の著作権と利用についてはGPLに準じます。「著作権は撮影者に帰属するが」「一定の約束を満たせば自由な利用と改変を行うことが可能で」「二次制作物についても同じGPLに準じた扱いとする」のが基本です。 ただし、今回の共同撮影プロジェクトの画像であることを明示するために、本記事ないしは共同撮影告知記事へのリンクを貼っていただくようお願いします(お約束)。 https://reflexions.jp/tenref/orig/2023/01/26/14843/ まとめ いかがでしたか? 日本でも「共同撮影」の試みがいくつか出てきました。チームプレイとしての新しい楽しみ方の意味もあり、今後広がってくることを期待しています。 特に、時間変化の激しい彗星に対しては「共同撮影でしか実現できない世界がある」ことを改めて感じました。今回は時刻・時間帯を決め打ちして募集しましたが、核近傍の変化を捉える目的とごく淡く遠く広がった姿を捉えるのでは、最適な露光時間帯も変わってくることでしょう。彗星の特徴や目的に応じた設定が必要そうです。 画像処理も、一つの時刻の画像だけならまだしも、経時変化を連続的に追いかけるには、ひとつひとつを手作業でやっていてはすぐに限界にぶちあたるでしょう。今回の成果を契機にして、より網羅的・効率的な「彗星の共同撮影」のあり方・やり方を提案していきたいと思っています。続報をお待ちください。 私も含めて多くの天文ファンは次の「大彗星」を待ち焦がれています。しかし、ZTF彗星(C/2022 E3)のような「中庸」な彗星であっても、最新の機材と技術をもってすれば、かつての「大彗星」と同じくらいに雄大で迫力のある姿を捉えることができます。次の「大彗星」にはもちろん期待したいですが、「ほどほどの彗星」でもじゅうぶんにスリルとロマンを味わうことができるのです。ぜひ次の彗星では、日本の天文アマチュアの総力を結集した「共同撮影」をやろうではありませんか! 最後に、今回画像をご提供いただいた皆様に深く感謝申し上げます。  編集部発信のオリジナルコンテンツ