星ナビ2022年3月号ご紹介
アストロアーツHPで星ナビ2022年3月号の内容が告知されています。発売は2月4日金曜日です。
目次
今月の内容は!?
星空を楽しむための月刊「星ナビ」2022年3月号は2月4日(金)発売です。ミラーレス機が主流になり、さらに手軽に撮れるようになった「都市星景」にチャレンジ。1月に観測ポイントに到着した「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」も必見です。
星ナビ3月号は「夜景も星も楽しむ都市星景」と「次世代宇宙望遠鏡JWST」
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12436_hoshinavi
■表紙
今月の表紙は、新装なった「東京駅舎に昇る冬の大三角」。きらびやかに姿を変えていく都市景観と、星空を両立させる手法が「比較明合成」。今月の特集記事に呼応した作品。左側の高層タワービルも含めて、20世紀にはなかったTOKYOの姿が出現。丸の内のこの方角にオリオンが見えるなんて、筆者は意識したこともありませんでした^^;;
■星も夜景もかなえる キラキラよくばり都市星景
これは新基軸。星ナビの連載でおなじみの「由女(ゆめ)さん」と「編集部のフジタ」さんが「都市星景」にチャレンジ。先生は中西アキオさん。
多数枚比較明合成の撮影は、撮影から後処理までけっこう「ガチ」なのですが、いくつものポイントをわかりやすく解説。この記事を読めば、初めての方でもたぶんチャレンジできるはず。何よりも、都市部にお住まいの方が日常生活の延長の中で撮れるのがイイ。
記事末の「だいぶ消耗したふたりですが」「やる気がみなぎっています」「楽しく撮って、続けていこう」。この3フレーズは、天体撮影のすべてに共通するかもしれませんね!ぜひ広いジャンルでのシリーズ化を期待したいところ^^
■ついに打ち上げ!ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡
昨年12月25日に(ようやく)打ち上げられた「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」。そのすべてを解説する8ページ特集。
JWSTは「ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の後継」と考えられがちですが、「赤外線全振り」という点で、HSTとは全く違った研究成果が期待できる望遠鏡です。宇宙開発的にも、地球周回軌道ではなく、地球から150万kmも離れた「L2」に配置される「行ったきり」。L2は不安定な平衡点なので、軌道修正用の燃料が切れたらそこで終了(とはいっても20年以上は使えるというのが現在の見通し)。
当初の計画から最終的に15年遅れ、予算規模は20倍にも膨らみ、なんと1兆円超え。望遠鏡を宇宙に展開する際に「ここを失敗したら終わり」というステップが300個もあり、結果的にその全てが成功したのも凄い。半年後と言われている本格観測で、どんな驚きの結果が出てくるのか楽しみですね!
◎天リフ独断ピックアップ
今号は1つの記事に絞らず、見どころ記事をいくつかご紹介します!
P93 DSO観望ガイドブック 改訂版
「死ぬまでに見ておきたい1540天体」を、死ぬまでに効率的に全部見る方法^^ 。Safari6日本語版に対応するなどした改訂版が発売されています!
DSO観望ガイドブック
https://hoshimiya.com/?pid=137477782
P95 札幌天文同好会会報紹介・自宅から望遠鏡を操作する
最近増えてきた「リモート天文台」。屋根の開閉、電源のON/OFF、ピント合わせ、PCのリモート操作、観測所内外の監視カメラ、インターネット接続。いくつもの課題があるのですが、色々便利になっているよというノウハウ紹介。ベランダに置いた望遠鏡にも応用が効くはず。広く参考になる情報でした!
P100 KAGAYA通信 「流星に初心忘れず」
今年のしぶんぎ群で、動画撮影中にファインダーに流星が流れた時、おもわず「おおっ!」と声の出たKAGAYAさん。「隣の方」に「声を上げるほどではない」と言われてしまったそう。 あのKAGAYAさんに・・・^^ その場をこっそりのぞき見したくなりました^^
P112 銀ノ星「犬の岬で犬の星」
飯島裕さんの連載。毎号、渋いモノクロフィルムの作品とショートエッセイを楽しみに読んでいますが、超望遠レンズ(1000mm相当)・手持ち15秒露出のシリウスの姿(*)に注目。もちろん全視野ブレブレの光跡写真になるのですが、大気分散による色の変化は、野尻抱影をして「星が裏返しになった」と言わしめた美しさそのもの。ぜひ本誌でごらんください!
(*)こちらはデジカメによる撮影です。
■ネットよ今夜もありがとう
今月はbyager_cameraさんの「ASTERISM(アステリズム)」です。天リフでもおなじみ。
voyager_cameraさんは古くから小惑星観測をされていて、ブログのタイトルは師と仰ぐ故・浦田武さんが発行されていた天文回報の名前を継承されているとか。今は「観測」はされていないそうですが、筋金入りのガチ天ライフを楽しまれているようです。ぜひご一見あれ!
■星ナビギャラリー
今月のトップ下はTさんの「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のダストトレイル。「ダストトレイル」は、イオンテイルとはもちろん、ダスト「テイル」とも異なる存在です。本誌P76にもダストトレイルについての吉本勝己さんによる詳しい解説がありますが、ぜひ併せて読みたいところ。
個人的イチオシは巨匠A師の「Sh2-308ミルクポット星雲付近」。ワンショットナローバンドフィルターの威力をいかんなく発揮した「RGB+ナロー」による作品。赤と青緑のガス星雲の様子をここまで描き出すとは!ちなみに、同見開きのディープスカイ作品は、どれもが総露出4時間オーバーの力作揃いです。
■News Watch レナード彗星 年末年始のアウトバースト
年末年始の「レナード彗星劇場」。「およそ5日程度」の間隔でアウトバーストを繰り返し、見事な姿を見せてくれました。吉田誠一さんによるレナード彗星の振り返り。星ナビギャラリーの「レナード彗星特集」と併せてごらんください!
筆者も12月以降、数えてみると7回も出撃しています。本当に楽しめた彗星でしたね!
■Observer’s NAVI 67P チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の長いダストトレイル
レナード彗星と同時期に見られた、67P チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星。彗星そのものは8等級と、決して明るいものではなかったのですが、注目されたのが長く伸びる「ダストトレイル」。記事でも詳しく解説されていますが、ダストトレイルは周期彗星が放出した「太陽の輻射圧の影響をあまり受けない大きな(mmオーダー)ダスト」が、彗星とともに周回し次以降の回帰で彗星の前後に長く伸びて見える現象です。
彗星の尾には「イオンテイル」「ダストテイル」の2つがある、というのがこれまでの認識でしたが、もう一つ「ダストトレイル」の存在も、今回の67Pの回帰で再認識されたといえそうです。2月上旬に条件良く観測できる19P/ボレリ彗星も、ダストトレイルが観測されているそうです。ぜひチャレンジしてみては?
■エーゲ海の風 第27回 春の夜空にきらめくツヤ髪「かみのけ座」
みんな大好き、かみのけ座。春の星座の谷間にある微光星の星団が、かみのけ座を形作る星団「Mel 111」であることは天文ファンならみなご存じでしょう。この星団は古くから注目されていたようで、それを「かみのけ」に例えたのは、筆者は渋いセンスだと感じます(*)。
(*)「きらめくツヤ髪」というタイトルは、たぶん「キューティクル」を意識しているはず^^
今回の記事は、その「髪の毛の主」である「ベレニケ2世」という実在した古代エジプトのファラオ(女王)の生涯と、紀元前の書物に既に記述があるにもかかわらず、プトレマイオスの48星座に含まれなかった「かみのけ座」の成立の経緯の物語です。
まとめ
いかがでしたか?
3大惑星もオフシーズンで目立った大きな天文現象の少ない静かな2022年の2月ですが、年と月に同じ数字が4つ揃うのは、次は89年後の2111年1月までありません!(*) 天文界はいつも一期一会。今月も悔いなく楽しく天文ライフを過ごしましょう!
(*)前回は1999年9月。
そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、今月は4日の天文雑誌!3月号も楽しみですね!
星ナビ3月号は「夜景も星も楽しむ都市星景」と「次世代宇宙望遠鏡JWST」
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12436_hoshinavi
※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。
天文ガイドも合わせて読みたいですね!!
https://reflexions.jp/tenref/orig/2022/02/03/13384/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2022/02/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2022/02/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-150x150.jpg雑誌・書籍アストロアーツHPで星ナビ2022年3月号の内容が告知されています。発売は2月4日金曜日です。 今月の内容は!? 星空を楽しむための月刊「星ナビ」2022年3月号は2月4日(金)発売です。ミラーレス機が主流になり、さらに手軽に撮れるようになった「都市星景」にチャレンジ。1月に観測ポイントに到着した「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」も必見です。 星ナビ3月号は「夜景も星も楽しむ都市星景」と「次世代宇宙望遠鏡JWST」 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12436_hoshinavi ■表紙 今月の表紙は、新装なった「東京駅舎に昇る冬の大三角」。きらびやかに姿を変えていく都市景観と、星空を両立させる手法が「比較明合成」。今月の特集記事に呼応した作品。左側の高層タワービルも含めて、20世紀にはなかったTOKYOの姿が出現。丸の内のこの方角にオリオンが見えるなんて、筆者は意識したこともありませんでした^^;; ■星も夜景もかなえる キラキラよくばり都市星景 これは新基軸。星ナビの連載でおなじみの「由女(ゆめ)さん」と「編集部のフジタ」さんが「都市星景」にチャレンジ。先生は中西アキオさん。 多数枚比較明合成の撮影は、撮影から後処理までけっこう「ガチ」なのですが、いくつものポイントをわかりやすく解説。この記事を読めば、初めての方でもたぶんチャレンジできるはず。何よりも、都市部にお住まいの方が日常生活の延長の中で撮れるのがイイ。 記事末の「だいぶ消耗したふたりですが」「やる気がみなぎっています」「楽しく撮って、続けていこう」。この3フレーズは、天体撮影のすべてに共通するかもしれませんね!ぜひ広いジャンルでのシリーズ化を期待したいところ^^ ■ついに打ち上げ!ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 昨年12月25日に(ようやく)打ち上げられた「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」。そのすべてを解説する8ページ特集。 JWSTは「ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の後継」と考えられがちですが、「赤外線全振り」という点で、HSTとは全く違った研究成果が期待できる望遠鏡です。宇宙開発的にも、地球周回軌道ではなく、地球から150万kmも離れた「L2」に配置される「行ったきり」。L2は不安定な平衡点なので、軌道修正用の燃料が切れたらそこで終了(とはいっても20年以上は使えるというのが現在の見通し)。 当初の計画から最終的に15年遅れ、予算規模は20倍にも膨らみ、なんと1兆円超え。望遠鏡を宇宙に展開する際に「ここを失敗したら終わり」というステップが300個もあり、結果的にその全てが成功したのも凄い。半年後と言われている本格観測で、どんな驚きの結果が出てくるのか楽しみですね! ◎天リフ独断ピックアップ 今号は1つの記事に絞らず、見どころ記事をいくつかご紹介します! P93 DSO観望ガイドブック 改訂版 「死ぬまでに見ておきたい1540天体」を、死ぬまでに効率的に全部見る方法^^ 。Safari6日本語版に対応するなどした改訂版が発売されています! DSO観望ガイドブック https://hoshimiya.com/?pid=137477782 P95 札幌天文同好会会報紹介・自宅から望遠鏡を操作する 最近増えてきた「リモート天文台」。屋根の開閉、電源のON/OFF、ピント合わせ、PCのリモート操作、観測所内外の監視カメラ、インターネット接続。いくつもの課題があるのですが、色々便利になっているよというノウハウ紹介。ベランダに置いた望遠鏡にも応用が効くはず。広く参考になる情報でした! P100 KAGAYA通信 「流星に初心忘れず」 今年のしぶんぎ群で、動画撮影中にファインダーに流星が流れた時、おもわず「おおっ!」と声の出たKAGAYAさん。「隣の方」に「声を上げるほどではない」と言われてしまったそう。 あのKAGAYAさんに・・・^^ その場をこっそりのぞき見したくなりました^^ P112 銀ノ星「犬の岬で犬の星」 飯島裕さんの連載。毎号、渋いモノクロフィルムの作品とショートエッセイを楽しみに読んでいますが、超望遠レンズ(1000mm相当)・手持ち15秒露出のシリウスの姿(*)に注目。もちろん全視野ブレブレの光跡写真になるのですが、大気分散による色の変化は、野尻抱影をして「星が裏返しになった」と言わしめた美しさそのもの。ぜひ本誌でごらんください! (*)こちらはデジカメによる撮影です。 ■ネットよ今夜もありがとう 今月はbyager_cameraさんの「ASTERISM(アステリズム)」です。天リフでもおなじみ。 voyager_cameraさんは古くから小惑星観測をされていて、ブログのタイトルは師と仰ぐ故・浦田武さんが発行されていた天文回報の名前を継承されているとか。今は「観測」はされていないそうですが、筋金入りのガチ天ライフを楽しまれているようです。ぜひご一見あれ! ■星ナビギャラリー 今月のトップ下はTさんの「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のダストトレイル。「ダストトレイル」は、イオンテイルとはもちろん、ダスト「テイル」とも異なる存在です。本誌P76にもダストトレイルについての吉本勝己さんによる詳しい解説がありますが、ぜひ併せて読みたいところ。 個人的イチオシは巨匠A師の「Sh2-308ミルクポット星雲付近」。ワンショットナローバンドフィルターの威力をいかんなく発揮した「RGB+ナロー」による作品。赤と青緑のガス星雲の様子をここまで描き出すとは!ちなみに、同見開きのディープスカイ作品は、どれもが総露出4時間オーバーの力作揃いです。 ■News Watch レナード彗星 年末年始のアウトバースト 年末年始の「レナード彗星劇場」。「およそ5日程度」の間隔でアウトバーストを繰り返し、見事な姿を見せてくれました。吉田誠一さんによるレナード彗星の振り返り。星ナビギャラリーの「レナード彗星特集」と併せてごらんください! 筆者も12月以降、数えてみると7回も出撃しています。本当に楽しめた彗星でしたね! ■Observer's NAVI 67P チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の長いダストトレイル レナード彗星と同時期に見られた、67P チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星。彗星そのものは8等級と、決して明るいものではなかったのですが、注目されたのが長く伸びる「ダストトレイル」。記事でも詳しく解説されていますが、ダストトレイルは周期彗星が放出した「太陽の輻射圧の影響をあまり受けない大きな(mmオーダー)ダスト」が、彗星とともに周回し次以降の回帰で彗星の前後に長く伸びて見える現象です。 彗星の尾には「イオンテイル」「ダストテイル」の2つがある、というのがこれまでの認識でしたが、もう一つ「ダストトレイル」の存在も、今回の67Pの回帰で再認識されたといえそうです。2月上旬に条件良く観測できる19P/ボレリ彗星も、ダストトレイルが観測されているそうです。ぜひチャレンジしてみては? ■エーゲ海の風 第27回 春の夜空にきらめくツヤ髪「かみのけ座」 みんな大好き、かみのけ座。春の星座の谷間にある微光星の星団が、かみのけ座を形作る星団「Mel 111」であることは天文ファンならみなご存じでしょう。この星団は古くから注目されていたようで、それを「かみのけ」に例えたのは、筆者は渋いセンスだと感じます(*)。 (*)「きらめくツヤ髪」というタイトルは、たぶん「キューティクル」を意識しているはず^^ 今回の記事は、その「髪の毛の主」である「ベレニケ2世」という実在した古代エジプトのファラオ(女王)の生涯と、紀元前の書物に既に記述があるにもかかわらず、プトレマイオスの48星座に含まれなかった「かみのけ座」の成立の経緯の物語です。 まとめ いかがでしたか? 3大惑星もオフシーズンで目立った大きな天文現象の少ない静かな2022年の2月ですが、年と月に同じ数字が4つ揃うのは、次は89年後の2111年1月までありません!(*) 天文界はいつも一期一会。今月も悔いなく楽しく天文ライフを過ごしましょう! (*)前回は1999年9月。 そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、今月は4日の天文雑誌!3月号も楽しみですね! 星ナビ3月号は「夜景も星も楽しむ都市星景」と「次世代宇宙望遠鏡JWST」 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12436_hoshinavi https://youtu.be/y8moY8mAzKU ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!! 編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
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