星ナビ2021年10月号ご紹介
アストロアーツHPで星ナビ2021年10月号の内容が告知されています。発売は9月3日金曜日です。
目次
今月の内容は!?
特集では科学的な目線で「土星のリング」の謎に迫ります。さらに、見ごろを迎える土星と木星の観望ポイントを解説。
星ナビ10月号は「土星のリング」と「木星・土星観望ポイント」
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12163_hoshinavi
■表紙
今月の表紙は探査機カッシーニが撮影した土星。地球からは絶対見ることのできないアングル。北極の六角模様や半月よりも少し太った本体、無数のスジのある環が素晴らしい眺め。そして今月の特集は土星のリングです。
■Deepな天体写真 市街地で星雲写真1 光の海の底で星雲を拾う
ででん!(*)天リフ界隈ではおなじみの「あぷらなーと」さんが「Deepな天体写真」枠で星ナビデビュー。
(*)ちなみに、この決めセリフは本誌には登場しません^^;;
今月は6ページですが複数回にわっての連載となるようです。内容は本誌をごらんになってのお楽しみですが、徹底した実証精神と緻密なリザルトで光害地で撮る星雲撮影を解説。
一つだけネタバレすると、広帯域の光害カットフィルター(LPS-D1)によるS/N比向上効果を定量的に実測した事例を筆者は初めて見ました。そんな「他では見たことない」検証とアイデアが満載です。次回も楽しみ、これはもう星ナビ買うしかありませんよ^^
ついに公式発表が出たので、マル秘プロジェクトの種明かし♪
星ナビ10月号から数回分、記事を書かせていただきます。
「あぷらなーと」名義にて、DEEPな楽しみ方をご紹介します!
ぜひご覧下さいませ。https://t.co/6p8FdVJtv3
— あぷらなーと (@PG1wvzio4yvwFXW) August 30, 2021
■変化と形成・終焉のビジョン 土星のリング・ワールド
1610年、ガリレオが人類で初めて土星の「2つの耳」を見てから420年。地球上からの観測の時代から探査機カッシーニによる最新の研究まで、土星の環の科学の8ページの特集です。8月2日に衝を迎えた土星は、まさに今が観察の好機。この記事を読めば、天体望遠鏡で眺める土星の姿にさらなる感動と不思議をもたらしてくれるに違いありません。
ちなみに、カッシーニの観測で、土星の環の年齢は「1000万年〜1億年程度」と推定されていて、あと1億年後には消失してしまうのではないかと考えられています。宇宙の時間軸の広さと現象の多彩さを、ぜひ土星の姿から感じてみてください!
■太陽系の巨人木星と人気No.1の土星
惑星観測のエキスパート、阿久津富夫さんによる土星と木星の観測・撮像の8ページの解説。土星の輪の30年周期の消失、突発的に発生する土星の白斑、様々なフィルターを駆使した波長による姿の違い、衝効果、北極の六角形、衛星、土星食など、アマチュアが眼にすることのできるあらゆる土星・木星の姿が、多くの画像とともに網羅されています。惑星の撮像や観察に興味を持たれた方は、ぜひ一読をおすすめします。「こんな現象もあるのか!」という気づきがあることでしょう。
◎広告ピックアップ
■髙橋製作所・TOA645フラットナー
胎内星まつり2021で先行発表されていた、髙橋製作所のTOA130/150用の新フラットナー。イメージサークルを中判までとし高性能化を図り、中心1μm・フルサイズ最周辺3μmのSPOT径(*)。「眼視性能最強」のTOAが、設計性能ナンバーワン級の写真鏡筒に。
(*)スポット図は通常は幾何光学的な計算値です。波動光学的に生じるボケ量を表す「エアリーディスク径」は、波長530nm・F8のとき約5.2μとなるため、実際の撮影では星像径はスポット図よりも大きくなるはずです。
詳細はぜひ本誌をごらんいただきたいのですが、天体写真で必要とされる性能が「F値の明るさ」だけではないことを示す、大きな流れではないでしょうか。
◎天リフ独断ピックアップ
■これだから彗星捜索はやめられない
7月22日未明に発見された「西村彗星C/2021 O1」の発見者、西村栄男さんのインタビュー。現在72歳、天体の捜索を始めて56年。新星29個、矮新星25個、彗星1個をこれまでに発見されている大ベテランです。
人工衛星・地上からのサーベイプロジェクト全盛の昨今、アマチュアが「新彗星」を発見するのは困難な時代になりましたが、そんな中でも新天体の捜索に地道に、着実に取り組まれている西村さん。「彗星を主に探していない」そんな西村さんの観測スタイルに注目です。
■ネットよ今夜もありがとう
今月は扇本尚敏さんのFacebookと、gariさんの「我藍堂」です。
扇本尚敏さんはブログでもホームページでもなく、Facebookの個人アカウントのご紹介。これは本連載で初ではないでしょうか?筆者は扇本さんは存じ上げませんでしたが、タイムラインの星成分は約80%、ガチマニアとお見受けしました^^
gariさんは天リフブログ未登録ですが、Twitterはよく拝見させていただいています。直近のこの記事は必見。本格的に絵を描かれる方なのですが、「天文ファンが『こいつ天文ファンだな』とわかるような」ディテールに手抜きの全くない、天体撮影風景の作品です。こんな発信をされる方が増えてくると、天文界隈がますます楽しくなりますね!
■星ナビギャラリー
今月のトップ下はKさんの「届け!」。SNSでかなり話題になった作品と記憶しています。トップ下にふさわしいインパクトとストーリー性のある作品です。この作品だけでなく、この見開きには絵を透かしに入れた作品や自撮り(*)など、星景写真の新しい方向性を感じるものが選ばれています。
(*)選者コメントには「仁王立ちではなくポーズに表情が欲しい」という注文も。長秒露出ではこのポーズが一番姿勢が安定するのですが、筋力などの方面も鍛えなくてはなりませんね^^;;
筆者のイチオシは、光害地の自宅から撮影されたNさんの「鷹の爪星雲」。ナローバンドとLRGBのハイブリッドですが、Hαだけでなく淡い「反射星雲」もここまで光害地で写るのか!というできばえ。ツイン鏡筒の7時間超の露出とはいえ、光害地の限界を一つ押し上げた作品ではないでしょうか。
■大日本沿海輿地全図 伊能忠敬のあしあと
みんな大好き、伊能忠敬。酒造家に婿入りし手腕を発揮し家業を再建。並行してアマチュアとして測量や天文を勉強。隠居を機に「本業チェンジ」し、精密な日本地図作成の大事業を成し遂げたサクセスストーリーは、アマチュア天文愛好家にとっても「一つの理想の実現」として「憧れのロールモデル」であるといえるでしょう。
本記事では、そんな伊能忠敬が「いかにして高精度な測量を実現したか」にページを割いて、詳しく解説しています。地道な測量と反復で正確なディテールを、星の南中光度で緯度を・月食の時刻で経度を測定することで、大きなスケールの正確さを。当時「たまたま」磁北と真北が一致していたことや、経度測定に月食だけでなく木星の衛星を使うアイデアもあったなど、細かなエピソードも多数。読み応えのある記事です。
■Topics & Reports 1等星の知名度調査
全天で21個ある一等星。ひょんなきっかけから「知名度アンケート」をやってみたのが平塚市博物館の塚田健さん。サンプルは塚田さんが講義を担当している80人の文系大学生。あなたはどの星が一位だと予測しますか?ちなみに、プラネタリウム解説員の予測では「ベテルギウス」が多かったとか。
↑の画像を拡大したら結果は読めてしまうのですが^^;; 似たような立ち位置?のスピカとレグルスに大きな差があったり、筆者もこの名前は知らなかったケンタウルス座α(リギルケンタウルス)がリゲルより上位だったり・・ぜひ本誌でじっくり結果を検証してみてくださいね!
まとめ
いかがでしたか?
天文ファンの(たぶん)一番人気の土星ですが、みなさんが初めて土星を見たときのことをぜひ思い出してみてください。ほんの直近の10年でさえも、土星に対する人類の知見は大きく深まってきています。新たな知識を頭に入れて見る土星の姿は、初めて土星を見たときにも劣らぬ感動をもたらすに違いありません。
知識と感覚、記憶と体験の両方がバランス良くミックスされることが、「天文QOL」をアップさせる秘訣。星ナビ10月号を読んで、知識をアップデートして記憶を再構築してみましょう。そして今シーズンの新しい体験を積み重ねたいものですね!
そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ。そして今月は3日の天文雑誌!10月号も楽しみですね!
星ナビ10月号は「土星のリング」と「木星・土星観望ポイント」
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12163_hoshinavi
こちらはアストロアーツのYouTubeチャンネルにアップされた紹介動画です。なんと「あぷらなーと」さんがスペシャルゲストとして登場されています!
※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。
天文ガイドも合わせて読みたいですね!!
https://reflexions.jp/tenref/orig/2021/09/01/12894/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2021/09/911920a53a2689cad659d711ef31fffb-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2021/09/911920a53a2689cad659d711ef31fffb-150x150.jpg雑誌・書籍アストロアーツHPで星ナビ2021年10月号の内容が告知されています。発売は9月3日金曜日です。 今月の内容は!? 特集では科学的な目線で「土星のリング」の謎に迫ります。さらに、見ごろを迎える土星と木星の観望ポイントを解説。 星ナビ10月号は「土星のリング」と「木星・土星観望ポイント」 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12163_hoshinavi ■表紙 今月の表紙は探査機カッシーニが撮影した土星。地球からは絶対見ることのできないアングル。北極の六角模様や半月よりも少し太った本体、無数のスジのある環が素晴らしい眺め。そして今月の特集は土星のリングです。 ■Deepな天体写真 市街地で星雲写真1 光の海の底で星雲を拾う ででん!(*)天リフ界隈ではおなじみの「あぷらなーと」さんが「Deepな天体写真」枠で星ナビデビュー。 (*)ちなみに、この決めセリフは本誌には登場しません^^;; 今月は6ページですが複数回にわっての連載となるようです。内容は本誌をごらんになってのお楽しみですが、徹底した実証精神と緻密なリザルトで光害地で撮る星雲撮影を解説。 一つだけネタバレすると、広帯域の光害カットフィルター(LPS-D1)によるS/N比向上効果を定量的に実測した事例を筆者は初めて見ました。そんな「他では見たことない」検証とアイデアが満載です。次回も楽しみ、これはもう星ナビ買うしかありませんよ^^ ついに公式発表が出たので、マル秘プロジェクトの種明かし♪ 星ナビ10月号から数回分、記事を書かせていただきます。 「あぷらなーと」名義にて、DEEPな楽しみ方をご紹介します! ぜひご覧下さいませ。https://t.co/6p8FdVJtv3 — あぷらなーと (@PG1wvzio4yvwFXW) August 30, 2021 ■変化と形成・終焉のビジョン 土星のリング・ワールド 1610年、ガリレオが人類で初めて土星の「2つの耳」を見てから420年。地球上からの観測の時代から探査機カッシーニによる最新の研究まで、土星の環の科学の8ページの特集です。8月2日に衝を迎えた土星は、まさに今が観察の好機。この記事を読めば、天体望遠鏡で眺める土星の姿にさらなる感動と不思議をもたらしてくれるに違いありません。 ちなみに、カッシーニの観測で、土星の環の年齢は「1000万年〜1億年程度」と推定されていて、あと1億年後には消失してしまうのではないかと考えられています。宇宙の時間軸の広さと現象の多彩さを、ぜひ土星の姿から感じてみてください! ■太陽系の巨人木星と人気No.1の土星 惑星観測のエキスパート、阿久津富夫さんによる土星と木星の観測・撮像の8ページの解説。土星の輪の30年周期の消失、突発的に発生する土星の白斑、様々なフィルターを駆使した波長による姿の違い、衝効果、北極の六角形、衛星、土星食など、アマチュアが眼にすることのできるあらゆる土星・木星の姿が、多くの画像とともに網羅されています。惑星の撮像や観察に興味を持たれた方は、ぜひ一読をおすすめします。「こんな現象もあるのか!」という気づきがあることでしょう。 ◎広告ピックアップ ■髙橋製作所・TOA645フラットナー 胎内星まつり2021で先行発表されていた、髙橋製作所のTOA130/150用の新フラットナー。イメージサークルを中判までとし高性能化を図り、中心1μm・フルサイズ最周辺3μmのSPOT径(*)。「眼視性能最強」のTOAが、設計性能ナンバーワン級の写真鏡筒に。 (*)スポット図は通常は幾何光学的な計算値です。波動光学的に生じるボケ量を表す「エアリーディスク径」は、波長530nm・F8のとき約5.2μとなるため、実際の撮影では星像径はスポット図よりも大きくなるはずです。 詳細はぜひ本誌をごらんいただきたいのですが、天体写真で必要とされる性能が「F値の明るさ」だけではないことを示す、大きな流れではないでしょうか。 ◎天リフ独断ピックアップ ■これだから彗星捜索はやめられない 7月22日未明に発見された「西村彗星C/2021 O1」の発見者、西村栄男さんのインタビュー。現在72歳、天体の捜索を始めて56年。新星29個、矮新星25個、彗星1個をこれまでに発見されている大ベテランです。 人工衛星・地上からのサーベイプロジェクト全盛の昨今、アマチュアが「新彗星」を発見するのは困難な時代になりましたが、そんな中でも新天体の捜索に地道に、着実に取り組まれている西村さん。「彗星を主に探していない」そんな西村さんの観測スタイルに注目です。 ■ネットよ今夜もありがとう 今月は扇本尚敏さんのFacebookと、gariさんの「我藍堂」です。 扇本尚敏さんはブログでもホームページでもなく、Facebookの個人アカウントのご紹介。これは本連載で初ではないでしょうか?筆者は扇本さんは存じ上げませんでしたが、タイムラインの星成分は約80%、ガチマニアとお見受けしました^^ gariさんは天リフブログ未登録ですが、Twitterはよく拝見させていただいています。直近のこの記事は必見。本格的に絵を描かれる方なのですが、「天文ファンが『こいつ天文ファンだな』とわかるような」ディテールに手抜きの全くない、天体撮影風景の作品です。こんな発信をされる方が増えてくると、天文界隈がますます楽しくなりますね! ■星ナビギャラリー 今月のトップ下はKさんの「届け!」。SNSでかなり話題になった作品と記憶しています。トップ下にふさわしいインパクトとストーリー性のある作品です。この作品だけでなく、この見開きには絵を透かしに入れた作品や自撮り(*)など、星景写真の新しい方向性を感じるものが選ばれています。 (*)選者コメントには「仁王立ちではなくポーズに表情が欲しい」という注文も。長秒露出ではこのポーズが一番姿勢が安定するのですが、筋力などの方面も鍛えなくてはなりませんね^^;; 筆者のイチオシは、光害地の自宅から撮影されたNさんの「鷹の爪星雲」。ナローバンドとLRGBのハイブリッドですが、Hαだけでなく淡い「反射星雲」もここまで光害地で写るのか!というできばえ。ツイン鏡筒の7時間超の露出とはいえ、光害地の限界を一つ押し上げた作品ではないでしょうか。 ■大日本沿海輿地全図 伊能忠敬のあしあと みんな大好き、伊能忠敬。酒造家に婿入りし手腕を発揮し家業を再建。並行してアマチュアとして測量や天文を勉強。隠居を機に「本業チェンジ」し、精密な日本地図作成の大事業を成し遂げたサクセスストーリーは、アマチュア天文愛好家にとっても「一つの理想の実現」として「憧れのロールモデル」であるといえるでしょう。 本記事では、そんな伊能忠敬が「いかにして高精度な測量を実現したか」にページを割いて、詳しく解説しています。地道な測量と反復で正確なディテールを、星の南中光度で緯度を・月食の時刻で経度を測定することで、大きなスケールの正確さを。当時「たまたま」磁北と真北が一致していたことや、経度測定に月食だけでなく木星の衛星を使うアイデアもあったなど、細かなエピソードも多数。読み応えのある記事です。 ■Topics & Reports 1等星の知名度調査 全天で21個ある一等星。ひょんなきっかけから「知名度アンケート」をやってみたのが平塚市博物館の塚田健さん。サンプルは塚田さんが講義を担当している80人の文系大学生。あなたはどの星が一位だと予測しますか?ちなみに、プラネタリウム解説員の予測では「ベテルギウス」が多かったとか。 ↑の画像を拡大したら結果は読めてしまうのですが^^;; 似たような立ち位置?のスピカとレグルスに大きな差があったり、筆者もこの名前は知らなかったケンタウルス座α(リギルケンタウルス)がリゲルより上位だったり・・ぜひ本誌でじっくり結果を検証してみてくださいね! まとめ いかがでしたか? 天文ファンの(たぶん)一番人気の土星ですが、みなさんが初めて土星を見たときのことをぜひ思い出してみてください。ほんの直近の10年でさえも、土星に対する人類の知見は大きく深まってきています。新たな知識を頭に入れて見る土星の姿は、初めて土星を見たときにも劣らぬ感動をもたらすに違いありません。 知識と感覚、記憶と体験の両方がバランス良くミックスされることが、「天文QOL」をアップさせる秘訣。星ナビ10月号を読んで、知識をアップデートして記憶を再構築してみましょう。そして今シーズンの新しい体験を積み重ねたいものですね! そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ。そして今月は3日の天文雑誌!10月号も楽しみですね! 星ナビ10月号は「土星のリング」と「木星・土星観望ポイント」 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12163_hoshinavi https://youtu.be/LRCbc3ep_FY こちらはアストロアーツのYouTubeチャンネルにアップされた紹介動画です。なんと「あぷらなーと」さんがスペシャルゲストとして登場されています! ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!! 編集部山口 千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
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