「天リフ編集長突撃レポート」立て続けの更新!!第五回は「南阿蘇ルナ天文台」です!

そうだ、星見に行こう

南阿蘇ルナ天文台「星見ヶ原」からの天の川。

そうだ、星見に行こう」。ガチ派なら機材を車に積んで「いつもの場所」に出撃ですが、ライト派・トラベル派はどんな場所に行けばいいのでしょうか?「快適なベッドで寝られる」「おいしい食事を食べられる」「周辺に観光スポットがある」、そして「しっかり星空を見て楽しみたい」。そんなニーズにがっちりマッチするのが、今回ご紹介する「南阿蘇ルナ天文台・オーベルジュ森のアトリエ(以降南阿蘇ルナ天文台と表記)」なのです!



南阿蘇ルナ天文台・オーベルジュ森のアトリエ
https://www.via.co.jp

YouTubeにアップされている公式プロモーション動画。ロケーションや全体の雰囲気などがよくわかります。

「南阿蘇ルナ天文台」とは

いきなり飯テロで恐縮です。食事は阿蘇産・熊本産の素材を生かした「自然派フレンチのテーブルビュッフェ」。中央は「阿蘇あか肉のフィレステーキ」。

南阿蘇ルナ天文台は、阿蘇カルデラの内側、阿蘇五山の南の麓の自然豊かな高原にある「オーベルジュ」です。「オーベルジュ」は聞き慣れないかもしれない言葉ですが、フランス語で「主に郊外や地方にある宿泊設備を備えたレストラン」との意味。

食事はこのレストランでいただきます。木の香りのするやわらかなたたずまい。日頃のガチ遠征に疲れた体と心をいやしてくれます^^;;

南阿蘇ルナ天文台は「天文台」という名前が付いていますが、いわゆる天体観察だけを主目的とした施設ではありません。仮に天文台がなかったとしても、豊かな自然と美味しい料理、音楽を楽しみながらゆったりと休日を過ごすことができる「オーベルジュ」なのです。

「星見ヶ原」からの天の川。この日は明け方には月も沈み、完全に晴れ上がり素晴らしい星空でした!

そして、夜になれば満天の星が。この星空をさまざまな形で楽しむ体験が用意されています。南阿蘇ルナ天文台の周囲はほとんど街灯りのない山麓の高原。施設内の灯りも最小限に抑えられていて、キラキラした星空をたっぷりと楽しむことができます。

右が口径82cmの九州有数の天体望遠鏡を備えた観測ドームです。

「天文台」としての設備も半端ではありません。九州有数の口径82cmの巨大望遠鏡を備えたドーム以外にも、大小さまざまな天体望遠鏡が備えられ、初めての方でも、より深く宇宙の姿に接することができます。

「星のコンシェルジュⓇ」と様々な星空体験

これから星空ツアー開始。ロビーに参加者が集合。中央が「星のコンシェルジュⓇ」のお一人「ソノッキー」さん。

南阿蘇ルナ天文台でできる星空の体験は「大きな望遠鏡を覗く」だけではありません。それはほんの一部。風を肌で受け、木々のささやきと草の香りを感じながら、五感で感じることのできる「4つの星空ツアー」が用意されています。案内役は「星のコンシェルジュⓇ」のみなさん。

星見ヶ原

最後に寝転がって星を眺めたのはいつですか?今回実際に宿泊してみて、一番新鮮だった体験がこの「星見ヶ原」での「星空ベッド」。広場に横になれるリクライニングチェアーが並べられ、暖かい寝袋にくるまって寝転がって星を眺めることができます。

寝転がったままの状態で、コンシェルジュの星空案内を聞いているところ。うーん、なんとも非日常。あいにく少し雲があるコンディションでしたが、標高580mの高原の澄んだ空気の下の星の輝きはさすが。この日は上弦の月が夜空にありましたが、自然の中の煌々とした月もまた美しい。

3月上旬、気温は氷点下近くでしたが、ひんやりとほほを撫でる風の冷たさもまた気持ちよい。緑の濃い季節なら、木々の香りも感じられることでしょう。もういつまでも寝ていたい^^

天体観測体験

もちろん解説は星のコンシェルジュ

星見ヶ原での星空体験の次は、ドームの中の口径82cmの巨大望遠鏡で天体観望。「この望遠鏡、おいくらくらいするんですか?」「ええ、ざっと1億円です」「・・・(絶句)・・・」。

シリウスやベテルギウスなどの明るい星を、この望遠鏡で見ると眩しいほどの輝きです。参加者のみなさんも満足されたご様子。

続いて隣の屋上に設置された「やや小ぶり(それでもデカイ!)」の望遠鏡で月を観察。月の全体を見るには巨大望遠鏡では大きすぎるからです。

あ、クレーターが見える!宇宙の姿に触れた体験は、記憶に深く刻まれることでしょう。

4Kプラネタリウム

https://www.via.co.jp/star プラネタリウムは上映中撮影禁止なので、ホームページの画像を拝借しました。

南阿蘇天文台には最新の4K投影機を備えたプラネタリウムもあります。太陽系の中から飛び出して、天の川銀河の中を旅して宇宙に出ていく映像はデジタルプラネタリウムの得意技。ふだん星空にはあまり興味を示さなかった筆者の家族にも妙に刺さった様子。「銀河系が渦を巻いているって、なんでわかるの?」と直球で問われてちょっと答に詰まりました^^(*)

(*)我々の銀河系の構造が解き明かされてきた過程は現代天文学の歴史でもあります。1980年代以降、人工衛星や電波などでの観測によって、その構造はかなり詳細に解明されてきています。現在では、天の川銀河は4本の「腕」を持つ「棒渦巻銀河」であると考えられています。

Wikipedia 銀河系
https://ja.wikipedia.org/wiki/銀河系

天象儀喫茶

https://www.via.co.jp/enjoy

プラネタリウムとは別に、もう一つドーム上の部屋があります。そこが「天象儀喫茶」。天井に投影された星空と星座絵の下で、飲食や昼寝!が楽しめるエリア。こちらは13:00〜16:30の間なら宿泊でなくても、予約不要でワンドリンク込1000円で楽しめるそうです。

南阿蘇ルナ天文台のこれまで

2017星空を楽しむ宿・全国一位

2017年。南阿蘇ルナ天文台は「日経なんでもランキング・星空を楽しむ宿」でなんと全国一位に。阿蘇の星空と南阿蘇天文台の知名度はいまや全国区。筆者が宿泊したのは観光的にはオフシーズンに近い平日でしたが、全国から多くのお客様が見えていました。

「望遠鏡の大きさ」だけを売りにするのではなく、ここまでご紹介してきたさまざまな「星を楽しむ」「アウトドアでの中のひとときを楽しむ」ためのサービスが評価されているのでしょう。筆者も実際に宿泊してみて、それを実感しました。

熊本地震を乗り越えて

クリックで大きくなります。

しかし、ここまでの道のりは決して平坦なモノではありませんでした。オーナーの宮本さんが南阿蘇に前身となるペンションを立ち上げられたの1986年。その10年後に、周囲から「成功するはずがない」と言われながらも1億円もの巨費を投じて天文台を建設されました。

その考えが間違っていなかったことは現在の南阿蘇ルナ天文台の人気ぶりが示してますが、大きな試練もありました。熊本地震です。

南阿蘇ルナ天文台〜震災から立ちあがれ〜
http://luna-observatory.com

この震災で天文台や宿泊施設が大きな被害を受け、宿泊者も激減。しかし、内外の多くの支援を受けながら、その苦難を乗り越えて現在があるのです。その詳細は上のリンクから見ることができます。

「第四世代天文台」構想とα-Lunaシステム

新しい公開天文台のあり方・第四世代天文台

82cm望遠鏡の前で。宮本オーナー(中央)と星のコンシェルジュのみなさん。https://net.luna-observatory.com

宿泊施設としての「オーベルジュ森のアトリエ」を運営しつつ、「日本公開天文台協会(JAPOS)」の理事も務める宮本オーナーは、「南阿蘇ルナ天文台」を、これまでにない形の「第四世代公開天文台」として運営する構想を持たれています。

その根底にあるのは、震災の時に全てのインフラが止まった中、圧倒的な存在感を持って夜空に輝いていた星空です。人間社会という存在には、まず前提として悠久の宇宙があり、その存在を人類は日々体感していたはずなのです。その本質的な感性を呼び起こす体験こそが、現代の社会に求められていることなのではないか。それを提供することが公開天文台の使命に違いないと。

第4世代型公開天文台 一家に一台望遠鏡
http://luna-observatory.com/fourth_generation/

宮本オーナーのチャレンジはこれからも続きます。

α-Lunaシステム

α-Lunaシステムを操作する「司令塔」の「星のコンシェルジュ」T.A(高野)さん。様々な映像をモニターしながらリアルタイムでネット配信が可能になります。

宮本オーナーの構想を現実のものにする取り組みの一つが「α-Lunaシステム」と名付けられた、リアルタイムの星空動画観察・配信のシステムです。このシステムは、高感度の動画カメラを複数の望遠鏡に接続し、リアルタイムの星空をリアルタイムでネット配信可能にするというもの。

おおぐま座の「M82銀河」をリアルタイム撮像中。最新のデジタル技術を駆使し、暗い星空の光もこんな形でリアルタイム動画にすることが可能になりました。取材時はテスト運用中でしたが、まもなく「星空YouTuber」が誕生することでしょう。



α-Lunaシステム
https://www.via.co.jp/starblog/29381.html

アクセス

高速なら九州道熊本ICからR57〜R325経由が最短(約40分)です。益城熊本空港ICからは一部迂回路経由で60分、熊本空港からは50分。大分道からは九重IC〜小国町〜阿蘇市経由で120分です。アクセスの詳細はこちらから。

九州以外からなら飛行機が一番速く手軽です。LCCならびっくりするくらい安い値段の設定もあります。

熊本空港には、成田からならジェットスターが1日3便、片道6000円弱〜と格安。羽田からならソラシドエアが17000円弱〜。JAL・ANAでも早割を使えば2万円を切ります。中部空港・千歳空港からも1.2万円程度から。関西空港からならジェットスターで4000円弱〜です。九州は他にも観光・撮影スポットが多数。ぜひ九州にいらっしゃいませ!!

まとめ

あ、あれが北斗七星!星空体験ツアーの一コマ。

いかがでしたか?

「本格的な星空」を五感で体験できる「日本一の泊まれる天文台」南阿蘇ルナ天文台。九州巡りのプランに組み込むもよし、ここを拠点に阿蘇・南九州をめぐるもよし。ライトな星空ファンからディープな天文マニアまで、ひと味違った「星空の旅」を経験できるところだと感じました!

「九州は遠い」そんな気になっていませんか?飛行機なら実は近くて、LCCなら実は安い九州熊本の旅、ぜひ経験してみませんか?!

フォトギャラリー

館内風景

フロント。いろいろな星空グッズがお出迎え。

大きな星座早見盤も。

レストラン。ウッディな艶が印象的。

図書室(天文ライブラリー)。天文関係の雑誌・書籍ばかりが山のように。マニアなら、ここだけでも一晩はかるく過ごせそうです。

天文雑誌も創刊号からほぼ全部揃っています。「INTERACTIVE」も全巻揃っていました。実は筆者は見たことがなかったので食い入るように読みました^^

ライブラリ横から階段を上った先が観測室。

南阿蘇の星空

星見ヶ原から。季節は初春だったので草木はまだ茶色でしたが、今は一面の緑のはず。

夜明け前、敷地を出て少し歩いたところ。明るい星は金星。

ゲストルーム

今回宿泊した別館。独立したコテージになっています。

広いリビングと吹き抜け、キッチン完備。左側がベッドルーム。

洗面・バス・トイレも広々。

α-Lunaシステム

木星状星雲。明るい惑星状星雲は電子観望システムの得意分野。

画面右上に「ふくろう星雲」が見えています。

82cm望遠鏡でもふくろう星雲を見てみました。月夜で条件はよくありませんでしたが、視野いっぱいの「でかすぎるふくろう星雲」を体験^^

82cm望遠鏡の巨大さを示す一枚。オレンジの筒はC8、その上がC11です。


  • 本記事は南阿蘇ルナ天文台様に取材協力いただき、天文リフレクションズ編集部が独自に制作したものです。出典のない写真は編集部で撮影したものです。
  • 本記事に掲載したサービス、価格など各種情報は取材時(2019/3/14)・執筆時のものです。
  • 宿泊のお問い合わせはホームページまたは各種予約サイトでお願いいたします。
  • 文中の会社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。
https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/06/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/06/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-150x150.jpg編集部編集長突撃レポート施設・企業「天リフ編集長突撃レポート」立て続けの更新!!第五回は「南阿蘇ルナ天文台」です! そうだ、星見に行こう 「そうだ、星見に行こう」。ガチ派なら機材を車に積んで「いつもの場所」に出撃ですが、ライト派・トラベル派はどんな場所に行けばいいのでしょうか?「快適なベッドで寝られる」「おいしい食事を食べられる」「周辺に観光スポットがある」、そして「しっかり星空を見て楽しみたい」。そんなニーズにがっちりマッチするのが、今回ご紹介する「南阿蘇ルナ天文台・オーベルジュ森のアトリエ(以降南阿蘇ルナ天文台と表記)」なのです! 南阿蘇ルナ天文台・オーベルジュ森のアトリエ https://www.via.co.jp https://youtu.be/dFzgPGknOq4 YouTubeにアップされている公式プロモーション動画。ロケーションや全体の雰囲気などがよくわかります。 「南阿蘇ルナ天文台」とは 南阿蘇ルナ天文台は、阿蘇カルデラの内側、阿蘇五山の南の麓の自然豊かな高原にある「オーベルジュ」です。「オーベルジュ」は聞き慣れないかもしれない言葉ですが、フランス語で「主に郊外や地方にある宿泊設備を備えたレストラン」との意味。 南阿蘇ルナ天文台は「天文台」という名前が付いていますが、いわゆる天体観察だけを主目的とした施設ではありません。仮に天文台がなかったとしても、豊かな自然と美味しい料理、音楽を楽しみながらゆったりと休日を過ごすことができる「オーベルジュ」なのです。 そして、夜になれば満天の星が。この星空をさまざまな形で楽しむ体験が用意されています。南阿蘇ルナ天文台の周囲はほとんど街灯りのない山麓の高原。施設内の灯りも最小限に抑えられていて、キラキラした星空をたっぷりと楽しむことができます。 「天文台」としての設備も半端ではありません。九州有数の口径82cmの巨大望遠鏡を備えたドーム以外にも、大小さまざまな天体望遠鏡が備えられ、初めての方でも、より深く宇宙の姿に接することができます。 「星のコンシェルジュⓇ」と様々な星空体験 南阿蘇ルナ天文台でできる星空の体験は「大きな望遠鏡を覗く」だけではありません。それはほんの一部。風を肌で受け、木々のささやきと草の香りを感じながら、五感で感じることのできる「4つの星空ツアー」が用意されています。案内役は「星のコンシェルジュⓇ」のみなさん。 星見ヶ原 最後に寝転がって星を眺めたのはいつですか?今回実際に宿泊してみて、一番新鮮だった体験がこの「星見ヶ原」での「星空ベッド」。広場に横になれるリクライニングチェアーが並べられ、暖かい寝袋にくるまって寝転がって星を眺めることができます。 寝転がったままの状態で、コンシェルジュの星空案内を聞いているところ。うーん、なんとも非日常。あいにく少し雲があるコンディションでしたが、標高580mの高原の澄んだ空気の下の星の輝きはさすが。この日は上弦の月が夜空にありましたが、自然の中の煌々とした月もまた美しい。 3月上旬、気温は氷点下近くでしたが、ひんやりとほほを撫でる風の冷たさもまた気持ちよい。緑の濃い季節なら、木々の香りも感じられることでしょう。もういつまでも寝ていたい^^ 天体観測体験 星見ヶ原での星空体験の次は、ドームの中の口径82cmの巨大望遠鏡で天体観望。「この望遠鏡、おいくらくらいするんですか?」「ええ、ざっと1億円です」「・・・(絶句)・・・」。 シリウスやベテルギウスなどの明るい星を、この望遠鏡で見ると眩しいほどの輝きです。参加者のみなさんも満足されたご様子。 続いて隣の屋上に設置された「やや小ぶり(それでもデカイ!)」の望遠鏡で月を観察。月の全体を見るには巨大望遠鏡では大きすぎるからです。 あ、クレーターが見える!宇宙の姿に触れた体験は、記憶に深く刻まれることでしょう。 4Kプラネタリウム 南阿蘇天文台には最新の4K投影機を備えたプラネタリウムもあります。太陽系の中から飛び出して、天の川銀河の中を旅して宇宙に出ていく映像はデジタルプラネタリウムの得意技。ふだん星空にはあまり興味を示さなかった筆者の家族にも妙に刺さった様子。「銀河系が渦を巻いているって、なんでわかるの?」と直球で問われてちょっと答に詰まりました^^(*) (*)我々の銀河系の構造が解き明かされてきた過程は現代天文学の歴史でもあります。1980年代以降、人工衛星や電波などでの観測によって、その構造はかなり詳細に解明されてきています。現在では、天の川銀河は4本の「腕」を持つ「棒渦巻銀河」であると考えられています。 Wikipedia 銀河系 https://ja.wikipedia.org/wiki/銀河系 天象儀喫茶 プラネタリウムとは別に、もう一つドーム上の部屋があります。そこが「天象儀喫茶」。天井に投影された星空と星座絵の下で、飲食や昼寝!が楽しめるエリア。こちらは13:00〜16:30の間なら宿泊でなくても、予約不要でワンドリンク込1000円で楽しめるそうです。 南阿蘇ルナ天文台のこれまで 2017星空を楽しむ宿・全国一位 2017年。南阿蘇ルナ天文台は「日経なんでもランキング・星空を楽しむ宿」でなんと全国一位に。阿蘇の星空と南阿蘇天文台の知名度はいまや全国区。筆者が宿泊したのは観光的にはオフシーズンに近い平日でしたが、全国から多くのお客様が見えていました。 「望遠鏡の大きさ」だけを売りにするのではなく、ここまでご紹介してきたさまざまな「星を楽しむ」「アウトドアでの中のひとときを楽しむ」ためのサービスが評価されているのでしょう。筆者も実際に宿泊してみて、それを実感しました。 熊本地震を乗り越えて しかし、ここまでの道のりは決して平坦なモノではありませんでした。オーナーの宮本さんが南阿蘇に前身となるペンションを立ち上げられたの1986年。その10年後に、周囲から「成功するはずがない」と言われながらも1億円もの巨費を投じて天文台を建設されました。 その考えが間違っていなかったことは現在の南阿蘇ルナ天文台の人気ぶりが示してますが、大きな試練もありました。熊本地震です。 南阿蘇ルナ天文台〜震災から立ちあがれ〜 http://luna-observatory.com この震災で天文台や宿泊施設が大きな被害を受け、宿泊者も激減。しかし、内外の多くの支援を受けながら、その苦難を乗り越えて現在があるのです。その詳細は上のリンクから見ることができます。 「第四世代天文台」構想とα-Lunaシステム 新しい公開天文台のあり方・第四世代天文台 宿泊施設としての「オーベルジュ森のアトリエ」を運営しつつ、「日本公開天文台協会(JAPOS)」の理事も務める宮本オーナーは、「南阿蘇ルナ天文台」を、これまでにない形の「第四世代公開天文台」として運営する構想を持たれています。 その根底にあるのは、震災の時に全てのインフラが止まった中、圧倒的な存在感を持って夜空に輝いていた星空です。人間社会という存在には、まず前提として悠久の宇宙があり、その存在を人類は日々体感していたはずなのです。その本質的な感性を呼び起こす体験こそが、現代の社会に求められていることなのではないか。それを提供することが公開天文台の使命に違いないと。 第4世代型公開天文台 一家に一台望遠鏡 http://luna-observatory.com/fourth_generation/ 宮本オーナーのチャレンジはこれからも続きます。 α-Lunaシステム 宮本オーナーの構想を現実のものにする取り組みの一つが「α-Lunaシステム」と名付けられた、リアルタイムの星空動画観察・配信のシステムです。このシステムは、高感度の動画カメラを複数の望遠鏡に接続し、リアルタイムの星空をリアルタイムでネット配信可能にするというもの。 おおぐま座の「M82銀河」をリアルタイム撮像中。最新のデジタル技術を駆使し、暗い星空の光もこんな形でリアルタイム動画にすることが可能になりました。取材時はテスト運用中でしたが、まもなく「星空YouTuber」が誕生することでしょう。 α-Lunaシステム https://www.via.co.jp/starblog/29381.html アクセス 高速なら九州道熊本ICからR57〜R325経由が最短(約40分)です。益城熊本空港ICからは一部迂回路経由で60分、熊本空港からは50分。大分道からは九重IC〜小国町〜阿蘇市経由で120分です。アクセスの詳細はこちらから。 九州以外からなら飛行機が一番速く手軽です。LCCならびっくりするくらい安い値段の設定もあります。 熊本空港には、成田からならジェットスターが1日3便、片道6000円弱〜と格安。羽田からならソラシドエアが17000円弱〜。JAL・ANAでも早割を使えば2万円を切ります。中部空港・千歳空港からも1.2万円程度から。関西空港からならジェットスターで4000円弱〜です。九州は他にも観光・撮影スポットが多数。ぜひ九州にいらっしゃいませ!! まとめ いかがでしたか? 「本格的な星空」を五感で体験できる「日本一の泊まれる天文台」南阿蘇ルナ天文台。九州巡りのプランに組み込むもよし、ここを拠点に阿蘇・南九州をめぐるもよし。ライトな星空ファンからディープな天文マニアまで、ひと味違った「星空の旅」を経験できるところだと感じました! 「九州は遠い」そんな気になっていませんか?飛行機なら実は近くて、LCCなら実は安い九州熊本の旅、ぜひ経験してみませんか?! フォトギャラリー 館内風景 フロント。いろいろな星空グッズがお出迎え。 大きな星座早見盤も。 レストラン。ウッディな艶が印象的。 図書室(天文ライブラリー)。天文関係の雑誌・書籍ばかりが山のように。マニアなら、ここだけでも一晩はかるく過ごせそうです。 天文雑誌も創刊号からほぼ全部揃っています。「INTERACTIVE」も全巻揃っていました。実は筆者は見たことがなかったので食い入るように読みました^^ ライブラリ横から階段を上った先が観測室。 南阿蘇の星空 星見ヶ原から。季節は初春だったので草木はまだ茶色でしたが、今は一面の緑のはず。 夜明け前、敷地を出て少し歩いたところ。明るい星は金星。 ゲストルーム 今回宿泊した別館。独立したコテージになっています。 広いリビングと吹き抜け、キッチン完備。左側がベッドルーム。 洗面・バス・トイレも広々。 α-Lunaシステム 木星状星雲。明るい惑星状星雲は電子観望システムの得意分野。 画面右上に「ふくろう星雲」が見えています。 82cm望遠鏡でもふくろう星雲を見てみました。月夜で条件はよくありませんでしたが、視野いっぱいの「でかすぎるふくろう星雲」を体験^^ 82cm望遠鏡の巨大さを示す一枚。オレンジの筒はC8、その上がC11です。 本記事は南阿蘇ルナ天文台様に取材協力いただき、天文リフレクションズ編集部が独自に制作したものです。出典のない写真は編集部で撮影したものです。 本記事に掲載したサービス、価格など各種情報は取材時(2019/3/14)・執筆時のものです。 宿泊のお問い合わせはホームページまたは各種予約サイトでお願いいたします。 文中の会社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。編集部発信のオリジナルコンテンツ