(2017/4/26追記あり)
「星空のある風景写真」として、「星景写真」という言葉が当時「スカイウォッチャー」誌の編集長だった川口雅也氏によって提唱されたのが1988年。

それから30年近く経った今、デジタル機材の普及とも相まって星景写真はさまざまな方向に広がっています。
今回は、その中の一つ、Yさん(*)による「小さな花」シリーズをご紹介します。

本ブログでは、SNSの記事よりご紹介する場合はたとえ公開の実名であってもブログ中ではイニシャル表示とさせていただいています。検索エンジンによる無制限なサーチの対象とならないようにするためです。
なお、本ブログではSNS記事は「埋め込みHTML」としていますので、引用記事中の語句は検索対象とはなりません。



小さな花シリーズ その6 バラだんだん花が大きくなっていますね(笑)この撮影方法を模索している初期の頃の作品です。既出かもしれません。このバラを超えるものがなかなか撮れません。リアルタイム作品も頑張りますので、宜しくお願いします。

山野 洋介さんの投稿 2017年4月24日(月)

Facebook「星空写真館」より。
Yさんは「2焦点撮影」という手法を独自に編み出され実践されています。

(2017/4/26追記)
読者の方、Yさんご本人より情報を頂戴しましたが、この手法は長野の宮坂雅博さんが「露光中ピント絞り可変法」として以前より実践されているそうです。
宮坂雅博さんのFlickr
AstroArts投稿画像ギャラリー・宮坂雅博さんの画像一覧

不覚にも編集部では宮坂様について存じ上げずYさんをご紹介しましたが、Yさんが「2焦点撮影」の手法を独自に実践されていたことには間違いはありません。

詳しい手法は「一言では書き表せない」とのことですが、一連の投稿中のコメントを察するに、「1枚撮り(別コマ合成ではない)」「星と花で焦点位置と絞り(4/26追記)を変えている」ようです。

小さな花シリーズ5このシリーズはちいさな花が無くなって来たので、ピント二カ所のシリーズをあと2枚程かな。コスモスとバラは必要に迫られて撮影していて、次第にこの撮影方法が出来上がって行った花ですね。昨夜は天の川が見えていました。いい季節になって来ました。コスモスのこの写真に銀河の中心を、、、入れられないですね(笑)

山野 洋介さんの投稿 2017年4月22日(土)

星景写真では、星が良く見える空の暗い条件下ほど、前景に光が回らなくなってしまいがちです。かといって、人工光を持参してライトアップすると逆に不自然感が出たりするものです。

Yさんの作品では、前景色を思い切ったアップにすることにより逆にライティングの自由度を確保し、高いレベルで星と風景のバランスが取れた作品に仕上げられているように伺えます。

小さな花シリーズ4 野菊 秋に撮影したもので、星は少ないですが、このバージョンを。少し、ピント二か所の写真を続けさせてください。

山野 洋介さんの投稿 2017年4月20日(木)

大胆な寄り構図であるが故に、切り取り方のバリエーションにも大きな自由度が生まれます。
この作品は、全景に花だけでなく電波塔?を入れ込むことで、ますます風景と星空の臨場感が増していますね。
引き構図ではなかなか風による動感が出ませんが、この作品では大きく揺れたような花の陰影が素敵です。



小さな花シリーズ その3 レンゲソウこのシリーズも本来は天の川まで粘ればいいのでしょうが、なかなか(笑)レンゲはなかなかいい色のものがないですね。でもまた撮りたいです。

山野 洋介さんの投稿 2017年4月16日(日)

「1枚撮りの2焦点」という手法ですが、この作品の右側の遠景の灯火が焦点の違う2列になっているところから察して、長秒での露出中に素早く焦点位置を手前側に変えて、短い時間手前側をライトで照らし、距離も照度も異なる2つの対象を一つの作品に写し込まれているのでないかと察します。

近景・中景・遠景の全てを含むこの作品の場合、中景に微妙な不連続が出てしまうのでしょうが、逆に左側の花の部分はそれが幻想的な効果をもたらしているように見えます。

小さな花シリーズ その2と行ってもこれはタンポポの綿毛と北斗七星です

山野 洋介さんの投稿 2017年4月15日(土)

小さなタンポポの綿毛と、それよりもさらに小さな北斗。
これまであまり見たことのない斬新な組み合わせですね。
栗林慧さんの「虫の目」シリーズを彷彿させます。

いかがでしょうか。
星景写真には「あるがままの姿を写し取る(ライトアップや合成はよしとしない)」方向性もありますが、一般の写真では「ライティング」は当たり前の必須の技術です。
過剰なライトアップにより他の撮影者に迷惑をかけるようなことは論外ですが、Yさんの一連の作品を拝見して、星景写真の可能性はまだまだ広いものだと感じました。

(2017/4/26追記)
Yさんご自身より情報を頂きました。
以下にご紹介します。(文字色は編集部による)

鹿屋市HP
かのや『ばら』と『海』フォトコンテスト2011
(受賞コメント)
この2年間、鹿屋のバラの夜の姿を撮り続けています。デジカメの性能が良くなって、星とバラのコラボが撮れるようになりました。 このバラはひときわ優雅で、星とバラが対話しているようなイメージを狙いました。「昨年とは違う何か」を撮り続けて8年。 9年目も楽しくバラと遊べたらと思っています。

Yさんは地元鹿屋市のかのや「ばら」と「海」フォトコンテストに毎年応募されているそうです。

鹿屋市HP
かのや『ばら』と『海』フォトコンテスト2012
受賞コメント
かのや「ばら」と「海」フォトコンテスト2012のグランプリ選定ありがとうございます。 とても気持ちを入れて撮った写真でしたので、嬉しさもひと際です。 私はこのコンテストの入選が今年で9回目になります。 実はまだ、写真を良く理解していなかった頃、一度出品して落選しています。 その後9年間、様々な思いを持ってコンテストを楽しんできました。 私にとっても、息子にとっても、鹿屋のバラのフォトコンテストは2人の歴史そのものです。 フィルム、中判、デジタル、朝夕から夜へ。 こんな形で撮影した作品を見返すと、2人のその時代の動きを見る事が出来ます。
ポジフイルムを使って撮影をし、初めて入選した時は、ここまで長くこのコンテストとおつきあいするとは思えませんでした。 毎年「前の年とは違った何か」「前の年撮れなかった何か」を探しながらの9年間でした。 今年は昨年思うように撮れなかった「天の川」をしっかり写真におさめる事が出来ました。 そして今年通う中で来年の課題をさらに考えております。 写真を通して、バラを見つめる事で、恐らく普通では見る事が出来ないバラの魅力を知る事が出来ます。 それは私たちの特権ですね。 来年もさらに美しいバラ達の姿を探して表現しようと思います。 どうもありがとうございました。

写真を通してバラを見つめ、様々な工夫の実践の中から普段は見ることができないバラの新しい魅力を発見する。そのプロセスの繰り返しが父と子の歴史となってゆく。
すばらしい、そして羨ましい写真との付き合い方だと感じました。


天文リフレクションズ」では、今回のような星景写真の新しい様々なトレンド様々な楽しみ方を随時ご紹介していきたいと考えています。

(4/26追記)
10年近く前から行われていることを「新しいトレンド」としてご紹介するのも変なので「様々な楽しみ方」と変更しました^^;;;

 

 

  編集部星景写真(2017/4/26追記あり) 「星空のある風景写真」として、「星景写真」という言葉が当時「スカイウォッチャー」誌の編集長だった川口雅也氏によって提唱されたのが1988年。 それから30年近く経った今、デジタル機材の普及とも相まって星景写真はさまざまな方向に広がっています。 今回は、その中の一つ、Yさん(*)による「小さな花」シリーズをご紹介します。 本ブログでは、SNSの記事よりご紹介する場合はたとえ公開の実名であってもブログ中ではイニシャル表示とさせていただいています。検索エンジンによる無制限なサーチの対象とならないようにするためです。 なお、本ブログではSNS記事は「埋め込みHTML」としていますので、引用記事中の語句は検索対象とはなりません。 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1183148338477398&set=gm.1912631525619660&type=3&theater Facebook「星空写真館」より。 Yさんは「2焦点撮影」という手法を独自に編み出され実践されています。 (2017/4/26追記) 読者の方、Yさんご本人より情報を頂戴しましたが、この手法は長野の宮坂雅博さんが「露光中ピント絞り可変法」として以前より実践されているそうです。 宮坂雅博さんのFlickr AstroArts投稿画像ギャラリー・宮坂雅博さんの画像一覧 不覚にも編集部では宮坂様について存じ上げずYさんをご紹介しましたが、Yさんが「2焦点撮影」の手法を独自に実践されていたことには間違いはありません。 詳しい手法は「一言では書き表せない」とのことですが、一連の投稿中のコメントを察するに、「1枚撮り(別コマ合成ではない)」「星と花で焦点位置と絞り(4/26追記)を変えている」ようです。 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1181210155337883&set=gm.1911811459035000&type=3&theater 星景写真では、星が良く見える空の暗い条件下ほど、前景に光が回らなくなってしまいがちです。かといって、人工光を持参してライトアップすると逆に不自然感が出たりするものです。 Yさんの作品では、前景色を思い切ったアップにすることにより逆にライティングの自由度を確保し、高いレベルで星と風景のバランスが取れた作品に仕上げられているように伺えます。 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1178198595639039&set=gm.1910476479168498&type=3&theater 大胆な寄り構図であるが故に、切り取り方のバリエーションにも大きな自由度が生まれます。 この作品は、全景に花だけでなく電波塔?を入れ込むことで、ますます風景と星空の臨場感が増していますね。 引き構図ではなかなか風による動感が出ませんが、この作品では大きく揺れたような花の陰影が素敵です。 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1173397149452517&set=gm.1908370379379108&type=3&theater 「1枚撮りの2焦点」という手法ですが、この作品の右側の遠景の灯火が焦点の違う2列になっているところから察して、長秒での露出中に素早く焦点位置を手前側に変えて、短い時間手前側をライトで照らし、距離も照度も異なる2つの対象を一つの作品に写し込まれているのでないかと察します。 近景・中景・遠景の全てを含むこの作品の場合、中景に微妙な不連続が出てしまうのでしょうが、逆に左側の花の部分はそれが幻想的な効果をもたらしているように見えます。 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1171996796259219&set=gm.1907726412776838&type=3&theater 小さなタンポポの綿毛と、それよりもさらに小さな北斗。 これまであまり見たことのない斬新な組み合わせですね。 栗林慧さんの「虫の目」シリーズを彷彿させます。 いかがでしょうか。 星景写真には「あるがままの姿を写し取る(ライトアップや合成はよしとしない)」方向性もありますが、一般の写真では「ライティング」は当たり前の必須の技術です。 過剰なライトアップにより他の撮影者に迷惑をかけるようなことは論外ですが、Yさんの一連の作品を拝見して、星景写真の可能性はまだまだ広いものだと感じました。 (2017/4/26追記) Yさんご自身より情報を頂きました。 以下にご紹介します。(文字色は編集部による) 鹿屋市HP かのや『ばら』と『海』フォトコンテスト2011 (受賞コメント) この2年間、鹿屋のバラの夜の姿を撮り続けています。デジカメの性能が良くなって、星とバラのコラボが撮れるようになりました。 このバラはひときわ優雅で、星とバラが対話しているようなイメージを狙いました。「昨年とは違う何か」を撮り続けて8年。 9年目も楽しくバラと遊べたらと思っています。 Yさんは地元鹿屋市のかのや「ばら」と「海」フォトコンテストに毎年応募されているそうです。 鹿屋市HP かのや『ばら』と『海』フォトコンテスト2012 受賞コメント かのや「ばら」と「海」フォトコンテスト2012のグランプリ選定ありがとうございます。 とても気持ちを入れて撮った写真でしたので、嬉しさもひと際です。 私はこのコンテストの入選が今年で9回目になります。 実はまだ、写真を良く理解していなかった頃、一度出品して落選しています。 その後9年間、様々な思いを持ってコンテストを楽しんできました。 私にとっても、息子にとっても、鹿屋のバラのフォトコンテストは2人の歴史そのものです。 フィルム、中判、デジタル、朝夕から夜へ。 こんな形で撮影した作品を見返すと、2人のその時代の動きを見る事が出来ます。 ポジフイルムを使って撮影をし、初めて入選した時は、ここまで長くこのコンテストとおつきあいするとは思えませんでした。 毎年「前の年とは違った何か」「前の年撮れなかった何か」を探しながらの9年間でした。 今年は昨年思うように撮れなかった「天の川」をしっかり写真におさめる事が出来ました。 そして今年通う中で来年の課題をさらに考えております。 写真を通して、バラを見つめる事で、恐らく普通では見る事が出来ないバラの魅力を知る事が出来ます。 それは私たちの特権ですね。 来年もさらに美しいバラ達の姿を探して表現しようと思います。 どうもありがとうございました。 写真を通してバラを見つめ、様々な工夫の実践の中から普段は見ることができないバラの新しい魅力を発見する。そのプロセスの繰り返しが父と子の歴史となってゆく。 すばらしい、そして羨ましい写真との付き合い方だと感じました。 「天文リフレクションズ」では、今回のような星景写真の新しい様々なトレンド様々な楽しみ方を随時ご紹介していきたいと考えています。 (4/26追記) 10年近く前から行われていることを「新しいトレンド」としてご紹介するのも変なので「様々な楽しみ方」と変更しました^^;;;      編集部発信のオリジナルコンテンツ