(*)仕事柄、確実に使える前の環境を使う方が安心だろうという理由だったのですが、逆にSTAR BOOK TENで正しくない設定(Auto Flip DEC Output After MedirianをONにしていなかった)で使用していたことが今回判明し、もっと早く検証・移行しておくべきだったと後悔しております・・・
まず、ワイヤレスユニット(上画像左)について簡単に解説しておきます。ワイヤレスユニットは2022年3月に発売された、それまでの「STAR BOOK TEN(スターブックテン、上画像右)」に代わるビクセン赤道儀の最新のコントローラーです。最大の特徴は専用のコントローラー筐体を持たず、スマートフォン・タブレットで動作する専用アプリ「STAR BOOK Wireless」からWiFi通信で赤道儀を制御する形になったことです。
これにより、赤道儀とコントローラーの接続がシンプルになり、電源ケーブル以外の架台に接続するケーブルがなくなりました。アプリSTAR BOOK Wirelessは操作性がSTAR BOOK TENとできるだけ同じになるように設計されていて、従来のSTAR BOOK TENユーザーにとっても違和感のないものとなっています(*)。
(*)寒冷地で手袋を使用した場合など、STAR BOOK TENのキー操作が勝るケースもありますが、スマホがここまで広く普及した現在、多くのユーザーが日常で使用しているスマホで操作できるメリットを評価するべきでしょう。
前モデルのSTAR BOOK TENは生産終了となり、ビクセンの赤道儀セットも順次ワイヤレスユニットへの置き換えが進み、ローエンドモデルであるSX2赤道儀・2軸駆動対応のAP-WLマウントも、標準で自動導入対応となりました(*)。
(*)ワイヤレスユニット登場以前は、SX2・AP赤道儀には自動導入対応の「STAR BOOK TEN」ではなく、十字キー操作のみの「STAR BOOK ONE」が同梱されていました。なお、AP赤道儀の1軸駆動モデル(AP-SMマウント:STAR BOOK ONEコントローラー同梱)と手動モデル(APマウント:付属コントローラーなし)は自動導入対応ではありません。
ASIAIRは市販されている多くの赤道儀と接続が可能ですが、そのためにはASIAIRに「接続ドライバのようなもの(*)」が実装される必要があります。赤道儀によっては未対応だったり、対応までに時間を要するものもあるのですが、ビクセン赤道儀の場合STAR BOOK TENに対応したのが2019年7月、ワイヤレスユニットに対応したのは2024年の3月です。
(*)筆者は正確なソフトウェアの内部構造を把握していないので「接続ドライバのようなもの」と表記しました。この「接続ドライバのようなもの」はASIAIRの一部の機能で、ユーザーが明示的にインストールするものではありません。ワイヤレスユニット(左)とSTAR BOOK TEN(右)のセットアップ比較。ワイヤレスユニットによりケーブルが減り、よりすっきりしました。鏡筒はビクセンのSDP65SSです。
上の画像(左)はワイヤレスユニットとASIAIRを使用したセットアップイメージです。STAR BOOK TENの場合、LANケーブルでASIAIR本体とSTAR BOOK TENを接続する必要がありましたが(右)、WiFi接続となったワイヤレスユニットではそれが不要になっています。赤道儀とSTAR BOOK TENを接続する太いケーブルも不要になり、ずっとシンプルな接続となりました。
ワイヤレスユニットを使用する場合、アプリSTAR BOOK Wirelessをインストールしたスマートフォンまたはタブレットが必須です。対応OSはiPhoneまたはAndroid。アプリストアから最新バージョンのアプリをインストールしておきましょう。
アプリSTAR BOOK Wirelessの起動
ワイヤレスユニットのWiFiに接続した場合のアプリSTAR BOOK Wirelessの標準的な起動画面フロー。 ワイヤレスユニットのWiFiに接続していない場合は、軌道要素ダウンロードの画面となります。
次に、アプリSTAR BOOK Wirelessを起動します。このとき「前回の設定を使用する」を選択すると、最後にワイヤレスユニットの電源をOFFしたときの架台の向きとアライメント情報を復元することができます。これはSTAR BOOK TENでも実装されている機能です。逆に、STAR BOOK Wirelessアプリで接続せず、いきなりASIAIRから接続した場合は、初回接続時に架台が初期化(西向き水平のホームポジションに向いていることになる)されることに注意が必要です。
架台に接続し星図画面が開いたら、画面をスワイプして架台が動作することを確認しておきましょう。アプリSTAR BOOK Wirelessは起動時・自動導入終了時には常に「スコープモード」になっています。
ASIAIRを使用する場合、アプリSTAR BOOK Wirelessは、ワイヤレスユニットの設定を変更・確認する場合など以外は基本的に立ち上げる必要はありませんが、最新のファームウェアアップデートのチェックや架台の設定を確認する意味でも、使用する日の最初にまずアプリSTAR BOOK Wirelessからワイヤレスユニットに接続することをオススメします。
STAR BOOK Wirelessアプリを起動したら、設定を確認しておきましょう。ASIAIRを使用しPlate Solveが使える環境の場合は、「極軸を合わせている赤道儀」に設定しておくことを推奨します。「極軸を合わせていない赤道儀」に設定すると、極軸合わせが正確でない場合でも3点以上のアライメントを行うことで、極軸のずれを考慮したより正確な自動導入が可能になりますが、ASIAIRを使用する場合はASIAIRがPlate Solveで正確に自動導入してくれるので、その必要性はほとんどなくなります。
なお、子午線越えの「強制追尾停止」と「自動導入」の設定はワイヤレスユニット本体側に記憶されているため、STAR BOOK Wirelessを一切使用せずASIAIRだけで使用する場合、最後に設定された情報で動作します(*)。
(*)「鏡筒反転メッセージ」はワイヤレスユニットではなくアプリ側で記憶される設定となります。また、アプリ1.10 ファームウェア2.31以前では、ワイヤレスユニットが記憶する子午線越え設定とアプリに表示されている子午線越え設定が一致しないことがある不具合があります。ASIAIRのAuto Meridian Flipを行うかどうかは、AutorunまたはPlanの撮影の際に指定します。星図からのGotoやpreviewで動作している際の子午線反転は架台側の設定に基づいて動作します。
(*)ローテーターを使用してない場合は、構図の傾きまでは合わせてくれません。Auto Meridian Flipの詳細設定はMountメニューの中にあります。Auto Meridian Flipの詳細設定画面。ここでは「子午線越えの何分前に撮影を停止するか」「子午線越えの何分後に東西反転するか」を指定しますが、通常は0/0で設定しておけばいいでしょう。なお、ここの設定を行ってもAutoRun/PlanでMeridianFlipをONにしないと動作しないことに注意しましょう。
STAR BOOK Wirelessのそのほかの設定は、ASIAIRで使用するならほぼ気にする必要はなく、初期値のままで基本的にOKです(*)。
メインカメラが接続されていてピントが合っていれば、Plate Solveで極めて正確な自動導入が可能になります。そのためには上の画像のように「Mount」の「Go To Auto-Center」をONにしておきます。この設定では、GoTo後に指定された露光時間でメインカメラで撮影し、Plate Solveで現在の向きを取得し対象が中央に導入されるように補正されます。
オートガイドの設定
ややこしい設定がほぼ不要なのがASIAIRのオートガイドの美点ですが、ワイヤレスユニットを含むビクセン架台で重要な設定が一つあります。それは「Auto Flip DEC Output After Medirian」のチェックをONにしておくこと。これは東西反転の際にキャリブレーション情報を「赤経も赤緯も」反転(flip)させる設定です(*)。ちなみにチェックがOFFの場合は赤経のみが反転されます。
実戦的には「設定を確認したい」ためにワイヤレスユニットのWiFiにスマホを接続した場合は「忘れずにASIAIRのWiFiに繋ぎ直せ」となります。その日の撮影の最初にSTAR BOOK Wirelessを起動して設定を確認したら、あとはASIAIRのWiFiに繋ぎなおして以降はそのままにする、というのが間違いの少ない使い方になるでしょう。
複数端末から同時接続をしない
ワイヤレスユニットとSTAR BOOK Wirelessアプリの接続は「1:1」が原則です。実際には接続できてしまうのが悩ましいところではありますが、複数端末から同時接続して操作すると予期せぬ動作をすることがあります。別の端末からSTAR BOOK Wirelessを使用する場合は、必ずアプリを終了してから接続するようにしましょう。
なお、2台の端末で「1台はSTAR BOOK Wireless」「もう一台はASIAIR」という使い方も非推奨です。この運用でも2台のクライアントがワイヤレスユニットに接続することになるからです。
複数の赤道儀を運用する場合はそれぞれ専用端末を用意する
昨今複数の赤道儀を展開して撮影する方が増えてきました。ビクセン赤道儀にASIAIRとワイヤレスユニットの場合もしかりです。こんな複数架台運用の場合は潔く複数の端末をそれぞれ専用に用意することを推奨します。これはASIAIRアプリやSTAR BOOK Wirelessが「複数架台同時接続」を使いやすい形で実装していない以上は仕方ありません(*)。もちろん注意深くアプリとWiFiの接続先を切り替えれば使えるのですが、少なくとも筆者はその環境でうまく使える自信は全くありません。
STAR BOOK TENの時代からビクセンの赤道儀は「最後に電源OFFした時点の設定(望遠鏡の向きとアライメント情報)を復元する」機能(前回の設定を使用する)があります。これはベランダ撮影で別の日に撮影する場合などで便利な機能で、アライメントを省略できるなどのメリットがありました。
ワイヤレスユニット(STAR BOOK Wireless)でも同じ機能があり、STAR BOOK Wirelessの起動時に「前回の設定を使用するのか、赤道儀を初期化するのか」を選択することができます。ただし、STAR BOOK WirelessよりもASIAIRが先にワイヤレスユニットに接続した場合は常に初期化されます。「前回の設定を使用」したい場合は、まずSTAR BOOK Wirelessでワイヤレスユニットに接続する必要があります。
「WiFiが繫がらない(端末のWiFi設定画面でSSIDを選択しても接続エラーになる)」ことはどんな環境でも普通に起きます。繫がらなければ、リトライする。まずこれが基本です。何度やってもダメなら、接続しているソフトウェア(ASIAIR、STAR BOOK Wireless、端末のOS)を再起動してみましょう。または、WiFi側(ワイヤレスユニットやASIAIR筐体)の電源のOFF/ONを試してみましょう。それでもダメならワイヤレスユニットのチャンネルを変更してみましょう。出荷時設定は5chですが、まず変更するなら1chか11chです。
だたし、直近遠征先で「何もできなくなった」ことが一度だけあります。ワイヤレスユニットのWiFiにスマホからも接続できなくなったり、接続できてもSTAR BOOK Wirelessアプリからワイヤレスユニットに繫がらない状態が継続しました。電源OFF/ONでも繫がりません。同じ環境を自宅で再現して試したのですが、問題は起きませんでした。何か当方の使い方や環境に問題があったのかもしれないし(*)、何か潜在するものがあるのかもしれません。次に再現することがあれば徹底的に調べたいと思います。
(*)一つの案ですが、画面上に「SNEW」の文字を入れた十字キーを表示するのはどうでしょうか?(上画像右)これなら、従来通りの操作と十字キーの操作を両立させられますし、不要なら設定で非表示にすることもできるでしょう。もう一つの案は、STAR BOOK TENの操作体系から離れることになりますが、「赤緯赤経」表示の際は星図を常に「北上」に表示することです。なおSTAR BOOK TENの場合、十字キーの赤緯・赤経両方を押下すると赤緯軸・赤経軸を同時に動かすことができますが(ナナメ動作が可能)、STAR BOOK Wirelessではナナメにスワイプしてもナナメ動作にはなりません。ナナメスワイプによるナナメ動作が実現すれば、星図表示を現状のままで直感的動作になるのですが。
STAR BOOK TENと全く同じ機能と操作性を提供することがゴールではないはずです(*)。スマートフォンを使用した際にどんな操作体系がベストなのか、ユーザーの声を聞きつつ熟成されていくことを願うものです。
(*2)筆者は自宅ベランダでASIAIRを使用する際、メッシュWiFiで構築した宅内LANにASIAIRからステーションモード接続しています。STAR BOOK TENならLANケーブルでASIAIRに接続できるためこの状態で使用できるのですが、ワイヤレスユニットの場合はASIAIRのステーションモードをワイヤレスユニットで使ってしまうので、ASIAIRを宅内LANに接続できなくなります。
人工天体の追尾など、STAR BOOK TEN機能のキャッチアップ
※ビクセンのSTAR BOOK TENの人工天体追尾機能を使用した例。
STAR BOOK WirelessはSTAR BOOK TENの後継製品ですが、STAR BOOK TENに存在する機能で実装されていないものがあります。その一つが「人工衛星」の導入です。STAR BOOK TENでは、軌道要素を入力しシステムの時刻を正確に合わせることでISSの自動追尾が可能なのですが、この機能は「ほしい人はぜひほしい!」のではないでしょうか。
今回ワイヤレスユニットとSTAR BOOK Wirelessを使用して感じたことは、ソフトウェアを含むシステムとしての完成度にはまだ改善の余地があるということです。もちろん通常の動作においては一通り動作ているのですが、特殊な操作や細かい挙動において改修すべき点や仕様の詰めが必要であろう部分がありました(*)。もう少し様々な環境での動作確認や、あるべき挙動(仕様)についてのアナウンスがあれば、システムの安定性やユーザーの安心感が向上すると思われます。
https://reflexions.jp/tenref/orig/2025/08/13/18008/https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2025/07/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1-1024x576.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2025/07/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1-150x150.jpg編集部マウントマウントビクセン,ワイヤレスユニットみなさんこんにちは!ASIAIR、便利ですよね。オートガイドやフォーカサー・ローテーターなどのデバイスの制御はもちろん、「プレートソルビング機能(撮影した画像の星並びから望遠鏡の向きを自動的に検知する」や「プラン機能・オートラン機能(設定した撮影シーケンスを自動的に実行する」など、難しい天体撮影を簡単にする機能が満載で、多くの天体写真ファンに活用されています。
ところで、赤道儀は何をお使いですか?当然ですが、ビクセン赤道儀でもASIAIRが使えます。ただ、ビクセンの最新のコントローラー「ワイヤレスユニット」ではASIAIRへの対応が若干遅れたこともあって(*)、ワイヤレスユニットでASIAIRを使用することに躊躇されている方がいらっしゃるかもしれません。
(*)ワイヤレスユニットの発売が2022年3月、ASIAIRがワイヤレスユニットに対応したアップデートが2024年3月。
実は筆者もワイヤレスユニットへの移行をためらっていたところがあったのですが(*)、今回あらためてワイヤレスユニットを使用してみたところ、非常に軽快に・簡単に使用することができました。大事なことなので繰り返しますが、ビクセン赤道儀+ワイヤレスユニットでも、ASIAIRはちゃんと使えます。本記事では、その具体的な接続方法や使用上の注意点をわかりやすくまとめました。
(*)仕事柄、確実に使える前の環境を使う方が安心だろうという理由だったのですが、逆にSTAR BOOK TENで正しくない設定(Auto Flip DEC Output After MedirianをONにしていなかった)で使用していたことが今回判明し、もっと早く検証・移行しておくべきだったと後悔しております・・・
Vixen 天体望遠鏡 ワイヤレスユニットhttps://www.vixen.co.jp/product/25029_5/
ASIAIRは非常に多くの種類の架台に対応していますが、逆に架台毎に接続方法が異なったり、微妙に設定を変更しなければならないこともあります。ビクセン赤道儀をお使いの皆様とこれからビクセン赤道儀を使用される皆様が、迷うことなくASIAIRを活用できるよう、本記事を捧げたいと思います!
ビクセン赤道儀とワイヤレスユニット、そしてASIAIR
最新の赤道儀コントローラー「ワイヤレスユニット」
Vixen 天体望遠鏡 ワイヤレスユニットhttps://www.vixen.co.jp/product/25029_5/
まず、ワイヤレスユニット(上画像左)について簡単に解説しておきます。ワイヤレスユニットは2022年3月に発売された、それまでの「STAR BOOK TEN(スターブックテン、上画像右)」に代わるビクセン赤道儀の最新のコントローラーです。最大の特徴は専用のコントローラー筐体を持たず、スマートフォン・タブレットで動作する専用アプリ「STAR BOOK Wireless」からWiFi通信で赤道儀を制御する形になったことです。
これにより、赤道儀とコントローラーの接続がシンプルになり、電源ケーブル以外の架台に接続するケーブルがなくなりました。アプリSTAR BOOK Wirelessは操作性がSTAR BOOK TENとできるだけ同じになるように設計されていて、従来のSTAR BOOK TENユーザーにとっても違和感のないものとなっています(*)。
(*)寒冷地で手袋を使用した場合など、STAR BOOK TENのキー操作が勝るケースもありますが、スマホがここまで広く普及した現在、多くのユーザーが日常で使用しているスマホで操作できるメリットを評価するべきでしょう。
前モデルのSTAR BOOK TENは生産終了となり、ビクセンの赤道儀セットも順次ワイヤレスユニットへの置き換えが進み、ローエンドモデルであるSX2赤道儀・2軸駆動対応のAP-WLマウントも、標準で自動導入対応となりました(*)。
(*)ワイヤレスユニット登場以前は、SX2・AP赤道儀には自動導入対応の「STAR BOOK TEN」ではなく、十字キー操作のみの「STAR BOOK ONE」が同梱されていました。なお、AP赤道儀の1軸駆動モデル(AP-SMマウント:STAR BOOK ONEコントローラー同梱)と手動モデル(APマウント:付属コントローラーなし)は自動導入対応ではありません。
2025年6月に最上位モデルのAXD2が「WL」モデルとなったことで、ビクセン製の2軸駆動赤道儀の全てがワイヤレスユニット版となりました。
ASIAIRとビクセン赤道儀
「ASIAIR」は中国のZWO社が開発・販売している、天体撮影用の統合制御デバイスです。2018年の発売以来年々進化を続けていて、カメラ・赤道儀だけでなく、フィルターホイールやフォーカサー、ローテーターなどの様々な周辺デバイスをコントロール可能で、天体写真ファンにとってなくてはならないツールの一つになっています。
ASIAIRは市販されている多くの赤道儀と接続が可能ですが、そのためにはASIAIRに「接続ドライバのようなもの(*)」が実装される必要があります。赤道儀によっては未対応だったり、対応までに時間を要するものもあるのですが、ビクセン赤道儀の場合STAR BOOK TENに対応したのが2019年7月、ワイヤレスユニットに対応したのは2024年の3月です。
(*)筆者は正確なソフトウェアの内部構造を把握していないので「接続ドライバのようなもの」と表記しました。この「接続ドライバのようなもの」はASIAIRの一部の機能で、ユーザーが明示的にインストールするものではありません。
上の画像(左)はワイヤレスユニットとASIAIRを使用したセットアップイメージです。STAR BOOK TENの場合、LANケーブルでASIAIR本体とSTAR BOOK TENを接続する必要がありましたが(右)、WiFi接続となったワイヤレスユニットではそれが不要になっています。赤道儀とSTAR BOOK TENを接続する太いケーブルも不要になり、ずっとシンプルな接続となりました。
なお、ASIAIRを使用してオートガイドを行う場合(*)、ワイヤレスユニットのST4端子にケーブルを接続する必要はありません。
(*)ASIAIRの接続先架台を「Vixen Wireless Unit」にした場合。「on camera ST4」を指定した場合はケーブル接続が必要ですが、この場合は自動導入に対応しないため、この方法をあえて使用するメリットはほとんどないでしょう。
ワイヤレスユニットの起動と設定
ワイヤレスユニットの電源ON
ワイヤレスユニットを赤道儀のコネクタに接続したら電源をONしてみましょう。上の画像中のように「無線接続インジケーター」が点灯していればWiFi接続可能な状態です。
ワイヤレスユニットのWiFiに接続する
次に、端末(スマートフォンまたはタブレット)の設定画面から、ワイヤレスユニットのWiFiネットワークに接続します。上の画像左のように「VixenWirelessUnitNNNN(Nは数字)」のように表示されているのがワイヤレスユニットのWiFiです。
選択すると初回接続時にはWiFiのパスワードを訊いてきます。初期パスワードは「1234567890」ですので、それを入力します。上の画像右のようになっていれば接続OKです。
アプリSTAR BOOK Wirelessのインストール
ワイヤレスユニットを使用する場合、アプリSTAR BOOK Wirelessをインストールしたスマートフォンまたはタブレットが必須です。対応OSはiPhoneまたはAndroid。アプリストアから最新バージョンのアプリをインストールしておきましょう。
アプリSTAR BOOK...編集部山口千宗kojiro7inukai@gmail.comAdministrator天文リフレクションズ編集長です。天リフOriginal
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