みなさんこんにちは!久しぶりの「画像処理ワンポイント」。今回は必要に迫られ^^;;センサーのゴミ対策です。

最高のロケーションに最高の星空!これは素晴らしいリザルトと勢い込んで、家に帰って画像をじっくり見てみると・・・センサーに巨大なゴミが!がっかりしますね。

素材画像

この夜に撮影した全てのコマにゴミが写り込んでしまいました。α7S 固定撮影 鳥取県大山付近

やっちゃいましたよ、その「がっかり」を。。先日撮影した画像ですが、長期間の遠征だったこともあって、いつもの儀式「カメラセンサーにシュシュシュッ」を怠ってしまいました。その結果、3個ばかり見事なゴミが・・・(後で見るとさらにもう1個・・・)



この手のゴミは「フラット補正」を行えば除去できます。これは実にキレイに除去できるのですが、ひとつ前提条件があって「同じゴミが乗った状態のフラット」を撮像しなければなりません。時間が経ってゴミを掃除してしまったり、新しいゴミが付着してからではダメなのです(*)。

(*)今回も・・・新しいさらに大きなゴミが付いていましたorz

フラットもない状態でどうやってこのゴミを消せばいいのか・・それが今回のテーマです。

塗りつぶし比較明ゴミ除去法

今回の手順は「画像処理ワンポイント」にふさわしく、とてもカンタン。

  1. 元のレイヤーを複製しておきます。
  2. 複製したレイヤーに対して、ゴミよりもすこし広めの範囲を投げ縄ツールで選択します。
  3. 「編集」「塗りつぶし」で、「コンテンツに応じる」を選んで実行します。

アラ不思議!きれいにゴミが消えましたね!

でも、これだけでは不十分です。選択した範囲の中に含まれている「星」も塗りつぶされているんですよね。

そこで、レイヤーを「比較明」で重ねます。厳密には完全に星を復元できるわけではありませんが「だいたい」のところは星を復元できます。ゴミ痕も完全にキレイにはならない(激しく強調すると修正痕が浮いてきます)のですが、やらないよりは10倍マシになります(*)。



(*)科学的な天体写真ではこのような方法は×ですが、鑑賞写真のレタッチなら許容範囲でしょう。

追記2019/12/7)

PHOTOGRAFAN・LightRoomやPhotoshopでセンサーゴミを可視化して除去する方法
https://www.photografan.com/basic-knowledge/how-to-find-and-remove-sensor-dust-in-lightroom-or-photoshop/

上のリンク先で、センサーゴミ消しのテクニックのさまざまなやり方が紹介されています。この方法で星ごとゴミを消してしまえば、後は同じように元画像と比較明合成すれば消してしまった星を復活させることができます。

応用編

天の川と人物をコラージュ合成。ゴミもレタッチで付加しています。

ではもう一つ、ゴミ消しの例を。写真はコラージュ、ゴミもレタッチで擬似的に付加しているという「誰得」な例ですが、初歩的なレタッチでゴミはクリーンにできるということを写真界に広く認識していただく意味で、あえてこの画像を準備しました。イヤミですか、いやすみません。失敗は誰にもあるもの、大事なのはリカバリです^^。

範囲選択して塗りつぶし。広めに範囲を選べば、ほぼほぼ、ゴミ痕は消えます。ただし、一部塗りつぶしによって「偽星」が浮いてくることがあります。PSの「コンテンツに応じる」の塗りつぶしは賢くて、なんとなくそれらしく背景を合わせてくれるので、星まで適宜ひっぱってきてしまうようです。

そこで「偽星」が出てきたら、範囲を絞り込んで何度か塗りつぶしを繰り返して「偽星」を消してしまいます。この例では1回だけでキレイに消すことができました。後はレイヤーを「比較明」に変更するだけ。

最終リザルト。細かく見るとゴミ痕は消えきっていないのですが、こちらの方が10倍マシですよね^^

この作例のように、濃淡の複雑な天の川中心部周辺では、意外にゴミの存在に気がつかないものですが、見る人が見ると、ゴミと本来の濃淡は一発で区別できてしまいます。でも、自分の撮った写真の前後のコマを注意深く見ることで、ゴミの存在は簡単に発見することができます。小さな注意と小さなレタッチでゴミ対策を万全にしたいものですね!

まとめ

いかがでしたか?

この程度のゴミならもう恐くありませんね!レイヤーを複製して、ゴミの領域を塗りつぶして、比較明。たったそれだけでゴミが格段と目立たなくなります。ぜび覚えておきたいテクニックです。

でも・・・「ゴミを付着させない」のが基本ですよ!センサーはまめにメンテナンスするようにしましょう。そして、自分の撮った画像は注意深く、愛情をもってチェックするようにしたいですね! https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/10/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-3-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/10/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-3-150x150.jpg編集部画像処理ワンポイント画像処理みなさんこんにちは!久しぶりの「画像処理ワンポイント」。今回は必要に迫られ^^;;センサーのゴミ対策です。 最高のロケーションに最高の星空!これは素晴らしいリザルトと勢い込んで、家に帰って画像をじっくり見てみると・・・センサーに巨大なゴミが!がっかりしますね。 素材画像 やっちゃいましたよ、その「がっかり」を。。先日撮影した画像ですが、長期間の遠征だったこともあって、いつもの儀式「カメラセンサーにシュシュシュッ」を怠ってしまいました。その結果、3個ばかり見事なゴミが・・・(後で見るとさらにもう1個・・・) この手のゴミは「フラット補正」を行えば除去できます。これは実にキレイに除去できるのですが、ひとつ前提条件があって「同じゴミが乗った状態のフラット」を撮像しなければなりません。時間が経ってゴミを掃除してしまったり、新しいゴミが付着してからではダメなのです(*)。 (*)今回も・・・新しいさらに大きなゴミが付いていましたorz フラットもない状態でどうやってこのゴミを消せばいいのか・・それが今回のテーマです。 塗りつぶし比較明ゴミ除去法 今回の手順は「画像処理ワンポイント」にふさわしく、とてもカンタン。 元のレイヤーを複製しておきます。 複製したレイヤーに対して、ゴミよりもすこし広めの範囲を投げ縄ツールで選択します。 「編集」「塗りつぶし」で、「コンテンツに応じる」を選んで実行します。 アラ不思議!きれいにゴミが消えましたね! でも、これだけでは不十分です。選択した範囲の中に含まれている「星」も塗りつぶされているんですよね。 そこで、レイヤーを「比較明」で重ねます。厳密には完全に星を復元できるわけではありませんが「だいたい」のところは星を復元できます。ゴミ痕も完全にキレイにはならない(激しく強調すると修正痕が浮いてきます)のですが、やらないよりは10倍マシになります(*)。 (*)科学的な天体写真ではこのような方法は×ですが、鑑賞写真のレタッチなら許容範囲でしょう。 追記2019/12/7) PHOTOGRAFAN・LightRoomやPhotoshopでセンサーゴミを可視化して除去する方法 https://www.photografan.com/basic-knowledge/how-to-find-and-remove-sensor-dust-in-lightroom-or-photoshop/ 上のリンク先で、センサーゴミ消しのテクニックのさまざまなやり方が紹介されています。この方法で星ごとゴミを消してしまえば、後は同じように元画像と比較明合成すれば消してしまった星を復活させることができます。 応用編 ではもう一つ、ゴミ消しの例を。写真はコラージュ、ゴミもレタッチで擬似的に付加しているという「誰得」な例ですが、初歩的なレタッチでゴミはクリーンにできるということを写真界に広く認識していただく意味で、あえてこの画像を準備しました。イヤミですか、いやすみません。失敗は誰にもあるもの、大事なのはリカバリです^^。 範囲選択して塗りつぶし。広めに範囲を選べば、ほぼほぼ、ゴミ痕は消えます。ただし、一部塗りつぶしによって「偽星」が浮いてくることがあります。PSの「コンテンツに応じる」の塗りつぶしは賢くて、なんとなくそれらしく背景を合わせてくれるので、星まで適宜ひっぱってきてしまうようです。 そこで「偽星」が出てきたら、範囲を絞り込んで何度か塗りつぶしを繰り返して「偽星」を消してしまいます。この例では1回だけでキレイに消すことができました。後はレイヤーを「比較明」に変更するだけ。 最終リザルト。細かく見るとゴミ痕は消えきっていないのですが、こちらの方が10倍マシですよね^^ この作例のように、濃淡の複雑な天の川中心部周辺では、意外にゴミの存在に気がつかないものですが、見る人が見ると、ゴミと本来の濃淡は一発で区別できてしまいます。でも、自分の撮った写真の前後のコマを注意深く見ることで、ゴミの存在は簡単に発見することができます。小さな注意と小さなレタッチでゴミ対策を万全にしたいものですね! まとめ いかがでしたか? この程度のゴミならもう恐くありませんね!レイヤーを複製して、ゴミの領域を塗りつぶして、比較明。たったそれだけでゴミが格段と目立たなくなります。ぜび覚えておきたいテクニックです。 でも・・・「ゴミを付着させない」のが基本ですよ!センサーはまめにメンテナンスするようにしましょう。そして、自分の撮った画像は注意深く、愛情をもってチェックするようにしたいですね!編集部発信のオリジナルコンテンツ