「望辞苑」の編纂を始めます。

天文リフレクションズ編集部です。

このたび【天体望遠鏡が100倍楽しくなるキーワードたち】と銘打って、「望辞苑」の編纂を始めることとしました。



かつて長焦点アクロマート屈折望遠鏡とニュートン式反射望遠鏡がそのほとんどを占めていた「天体望遠鏡」が、さまざまな新しい技術開発とユーザーの先鋭化にともなって、マニア度を年々高めてはや40年。様々な趣向と贅を凝らした天体望遠鏡が市場には溢れています。

その一方で「天体望遠鏡」の基本的・本質的な部分についての知識の体系化と大衆化は必ずしも十分ではありません。

「望辞苑」では、毎回テーマを一つのキーワードに絞り、マニアに偏らずコマーシャリズムに媚びず、独善に走らず権威に平伏することのない、平易で楽しい天体望遠鏡のコラムを目指します。

執筆の動機

「完璧なレビューなどといったものは存在しない。完璧な天体望遠鏡が存在しないようにね。」
 僕が中学生の時に知り合ったある天文雑誌編集者は僕に向かってそう言った。(*)

最近、スポンサー様にご協力をいただいて天体機材のレビューを書き始めた天リフ編集部ですが、いろいろ苦しんでいます。

特に、天体望遠鏡の評価に際して避けて通ることのできない技術的な性能論については、読者の知識レベルに非常に大きなバラツキと偏りがあります(筆者の知識レベルの問題もありますが^^;;)。これについては、古くからの良書があることはあるのですが、Web時代的に整理された決定版と言うべきコンテンツはあまり見当たらないのが現状です。

それでもやはりレビューを書くという段になると、いつも絶望的な気分に襲われることになった。僕に書くことのできる領域はあまりに限られたものだったからだ。例えば天体望遠鏡について何かが書けたとしても、天体望遠鏡使いについては何も書けないかもしれない。そういうことだ。(*)

もうひとつ、身の丈を越えたテーマではあるのですが、性能を語ったとして、それがユーザの体験にどう影響するのか、「天体望遠鏡使い」について、なんとかして語ってみたい。それを語ることが天文メディアの一つの使命なのではないか、という「野望」です。



(*)の文章は「風の歌を聴け」(C)1982 村上春樹より引用・一部改変しました。この色の文字が改変部です。

「望辞苑」が目指すもの

天体望遠鏡に関するキーワードをざっくり書き出すと、すぐに40個くらい出てきました。その半分くらいをまずカバーすることを一つの目標とします。この時点である程度方向性が見えてくることでしょう。

対象となる読者層はまずはある程度の前提知識があることを想定しますが、数式と理論には基本的にはタッチしません。そのキーワードが読者(ユーザー)にとって具体的に何に影響するかが主なテーマになります。
そのうち全くの入門者をターゲットにしたキーワードも出てくるかもしれません。このへんはやってみないと分かりません。

最終的にはインデックスを付けて一つの独立したサブサイトにしていく構想です。「望辞苑を見れば、天体望遠鏡のことはたいていわかる」ようになるのが最終目標です(すでに異様に高い目標になっています・・・^^;;;)。

また、「望辞苑」はたぶん私一人では書き上げることはできないと考えており、寄稿者様を募りたいと思います。まだ微々たる売上しかないサイトですので、報酬はお支払いできません。できたとしてもたぶん「出世払い」です。その前提で、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。(このブログの問い合わせフォームなどからお願いします)。

現在想定しているキーワード

まず「収差シリーズ」から始めます。これは天体望遠鏡のレビュー記事の補足として参照したいという目的もあります。

収差シリーズが終わったら、想定キーワードのリストを公開します。そこで読者様、寄稿者様のご意見を募っていきたいと思います。

「天リフ」を今後ともよろしくご愛読・ご声援お願い申し上げます。


補足・「球辞苑」について

ご存じの方はご存じかと思いますが、「望辞苑」の名前とコンセプトは、NHK BSで放送されている「球辞苑」から来ています。

Wikipedia 球辞苑
https://ja.wikipedia.org/wiki/球辞苑

この番組は、プロ野球のさまざまなキーワードに対して、毎回膨大なデータから抽出された分析結果と、プロのプレイヤーと野球好き芸能人のトークから構成される素晴らしい番組です。

「望辞苑」は、「球辞苑」のようなデータ分析もお笑いトークもない地味なものになるかと思いますが、「天体望遠鏡が100倍楽しくなる」を目標に、継続してきたいと考えています。

  https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/03/8f36a133ba1a27907e20a8f48965b901.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/03/8f36a133ba1a27907e20a8f48965b901-150x150.jpg編集部望辞苑「望辞苑」の編纂を始めます。 天文リフレクションズ編集部です。 このたび【天体望遠鏡が100倍楽しくなるキーワードたち】と銘打って、「望辞苑」の編纂を始めることとしました。 かつて長焦点アクロマート屈折望遠鏡とニュートン式反射望遠鏡がそのほとんどを占めていた「天体望遠鏡」が、さまざまな新しい技術開発とユーザーの先鋭化にともなって、マニア度を年々高めてはや40年。様々な趣向と贅を凝らした天体望遠鏡が市場には溢れています。 その一方で「天体望遠鏡」の基本的・本質的な部分についての知識の体系化と大衆化は必ずしも十分ではありません。 「望辞苑」では、毎回テーマを一つのキーワードに絞り、マニアに偏らずコマーシャリズムに媚びず、独善に走らず権威に平伏することのない、平易で楽しい天体望遠鏡のコラムを目指します。 執筆の動機 「完璧なレビューなどといったものは存在しない。完璧な天体望遠鏡が存在しないようにね。」  僕が中学生の時に知り合ったある天文雑誌編集者は僕に向かってそう言った。(*) 最近、スポンサー様にご協力をいただいて天体機材のレビューを書き始めた天リフ編集部ですが、いろいろ苦しんでいます。 特に、天体望遠鏡の評価に際して避けて通ることのできない技術的な性能論については、読者の知識レベルに非常に大きなバラツキと偏りがあります(筆者の知識レベルの問題もありますが^^;;)。これについては、古くからの良書があることはあるのですが、Web時代的に整理された決定版と言うべきコンテンツはあまり見当たらないのが現状です。 それでもやはりレビューを書くという段になると、いつも絶望的な気分に襲われることになった。僕に書くことのできる領域はあまりに限られたものだったからだ。例えば天体望遠鏡について何かが書けたとしても、天体望遠鏡使いについては何も書けないかもしれない。そういうことだ。(*) もうひとつ、身の丈を越えたテーマではあるのですが、性能を語ったとして、それがユーザの体験にどう影響するのか、「天体望遠鏡使い」について、なんとかして語ってみたい。それを語ることが天文メディアの一つの使命なのではないか、という「野望」です。 (*)の文章は「風の歌を聴け」(C)1982 村上春樹より引用・一部改変しました。この色の文字が改変部です。 「望辞苑」が目指すもの 天体望遠鏡に関するキーワードをざっくり書き出すと、すぐに40個くらい出てきました。その半分くらいをまずカバーすることを一つの目標とします。この時点である程度方向性が見えてくることでしょう。 対象となる読者層はまずはある程度の前提知識があることを想定しますが、数式と理論には基本的にはタッチしません。そのキーワードが読者(ユーザー)にとって具体的に何に影響するかが主なテーマになります。 そのうち全くの入門者をターゲットにしたキーワードも出てくるかもしれません。このへんはやってみないと分かりません。 最終的にはインデックスを付けて一つの独立したサブサイトにしていく構想です。「望辞苑を見れば、天体望遠鏡のことはたいていわかる」ようになるのが最終目標です(すでに異様に高い目標になっています・・・^^;;;)。 また、「望辞苑」はたぶん私一人では書き上げることはできないと考えており、寄稿者様を募りたいと思います。まだ微々たる売上しかないサイトですので、報酬はお支払いできません。できたとしてもたぶん「出世払い」です。その前提で、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。(このブログの問い合わせフォームなどからお願いします)。 現在想定しているキーワード まず「収差シリーズ」から始めます。これは天体望遠鏡のレビュー記事の補足として参照したいという目的もあります。 収差シリーズが終わったら、想定キーワードのリストを公開します。そこで読者様、寄稿者様のご意見を募っていきたいと思います。 「天リフ」を今後ともよろしくご愛読・ご声援お願い申し上げます。 補足・「球辞苑」について ご存じの方はご存じかと思いますが、「望辞苑」の名前とコンセプトは、NHK BSで放送されている「球辞苑」から来ています。 Wikipedia 球辞苑 https://ja.wikipedia.org/wiki/球辞苑 この番組は、プロ野球のさまざまなキーワードに対して、毎回膨大なデータから抽出された分析結果と、プロのプレイヤーと野球好き芸能人のトークから構成される素晴らしい番組です。 「望辞苑」は、「球辞苑」のようなデータ分析もお笑いトークもない地味なものになるかと思いますが、「天体望遠鏡が100倍楽しくなる」を目標に、継続してきたいと考えています。  編集部発信のオリジナルコンテンツ