Askar 80ED・高コスパのフォトビジュアル鏡筒

みなさんこんにちは!Askarの高コスパのフォトビジュアル鏡筒「80ED」を使ってみませんか?!

ベランダで眼視性能をチェック中。なかなかの見え味。※画像中の接眼レンズ・正立ミラー・架台・三脚は今回の貸与機材には含まれません。
Askar 80ED鏡筒
https://www.syumitto.jp/SHOP/SHA0110.html

天体望遠鏡の原点。それは写真にも眼視にも高性能を発揮する「フォトビジュアル鏡筒」であると天リフでは考えています。昨今、写真性能に特化した非常に高性能なアストログラフの新製品(*)が数多く各社から販売されていますが、「よく見える」「(眼視用途にも)使いやすい」ことは、特に初心者向けの天体望遠鏡にとっては極めて重要な要素です。

(*)Askar社の「SQAシリーズ」などに代表される、複数枚のED/スーパーEDレンズを使用し、4枚以上のレンズ構成でそれ単体でフラットフィールドにした鏡筒。



そんな中で、今一番勢いがあるメーカー・ブランドのひとつ、「Sharpstar Optics」社の「Askar」から、意欲的な新製品「Askar 80ED鏡筒」が発売されました。

Askar 80EDのレンズ構成

Askar 80EDは、EDレンズを1枚使用した2枚玉鏡筒。 2枚のレンズ間隔をあまり離さない2枚玉光学系は、レンズ設計の自由度が限られるため、使用するガラス材とF値でほぼ設計性能が決まります(*)。

(*)Askar(SHARP STAR)では基本的に使用しているガラス材の情報を公開していませんが、おそらくFPL-51相当の「スーパーではない」EDレンズを使用しているものと推測します。F値は7とやや明るめの設定です。

このため、Askar 80EDはある意味「何の変哲もない」ノーマルED1枚の「お安めの」2枚玉アポ屈折望遠鏡、と見えてしまうかもしれません。しかし、さすがSHARP STAR社。この古典的ともいえる設計に、最新のテクノロジとパッケージングを適用し「新時代の低価格フォトビジュアル鏡筒」に生まれ変わらせたのです。その「最新のテクノロジとパッケージング」を以下見ていきましょう。

3種類の専用補正レンズ

EDレンズ採用の3枚玉

左から0.7xレデューサー、0.85xレデューサー、1.0xフラットナー。最も細い部分はドロチューブ内に深く刺さり、センサー面からかなり離れた位置に前群が位置する形になります。タカハシの「FUレデューサー」に近い設計コンセプトなのでしょうか。

Askar 80EDの他に例をあまり見ないテクノロジが「補正レンズ」。これまで低価格の2枚玉鏡筒に専用設計の補正レンズが用意されることはほとんどありませんでしたが、0.7xレデューサー、0.85xレデューサー、1.0xフラットナーと、なんと3種類もあります。直販価格はいずれも39,600円です。

Askar 80ED用 0.7xレデューサー
https://www.syumitto.jp/SHOP/SHA0111.html
Askar 80ED用 0.85xレデューサー
https://www.syumitto.jp/SHOP/SHA0112.html
Askar 80ED用 1.0xフラットナー
https://www.syumitto.jp/SHOP/SHA0113.html

しかも、いずれもEDレンズを使用した3枚玉(*)。これは期待が高まります。なお、共通の仕様としてカメラ側の接続はM48/M54、フランジバックはM48アダプタから55mm、48mmフィルターが装着可能です。

(*)特にフラットナーでEDレンズ使用の3枚玉は筆者はこれまで見たことがありません。

収差図からみるAskar 80ED

左から0.7xレデューサー、0.85xレデューサー、1.0xフラットナー。上段は球面収差図、下段がスポット図です。

収差図。2枚玉対物レンズでは、たとえフローライトやスーパーEDレンズを使用しても若干の短波長側の残存収差が一定量残ります。特にノーマルEDレンズの場合、それがやや大きくなるのが普通です。しかし球面収差図を見る限り、Askar 80EDでは、EDレンスを使用した補正レンズの効果なのか、短波長側の残存収差が少なくなっているようです(*)。

(*)本記事では掲載していませんが、他社製のノーマルEDレンズ使用の2枚玉鏡筒の収差図と比較した印象です。補正レンズを使用しない場合の球面収差図があれば、その効果を定量的に比較できるのですが。

中心のスポット径は20μ前後で最上位機種のSQAシリーズよりは大きいですが、周辺の流れ・乱れが少ないのが特徴。公称イメージサークルはAPS-Cですが、スポット図だけを見るとフルサイズでも使えるかも(*)?というレベルでしょう。

(*)1.0xフラットナーの場合は周辺減光的にも「フルサイズでも使えるかも?」くらいの印象でした。一方で0.7xレデューサーでは、フルサイズでは周辺減光が大きくなります。

残念ながら、9月2日時点では作例実写できていないのですが、リレーレビュー開始までに撮影できれば追記したいと思います。

Askar 80ED 0.7xレデューサー Poseidon-C 180×40枚(少し薄雲あり)、総露光120分。

こちらはサイトロンジャパンの渡邉耕平さんが撮影された作例。2610万画素APS-Cフォーマットセンサーセンサー搭載の「Poseidon-C」で撮影されたアンドロメダ銀河です。暗黒帯のディテールが素晴らしいですね!

わずか2kg。小型軽量と使いやすさの実現

軽量化された鏡筒バンド

ハンドル付きの鏡筒バンド。アリガタ込みで重量は実測337g。

小型軽量設計もAskar 80EDの特徴。ハンドル付きの鏡筒バンド込みで重量は約2.0kgとクラス最軽量級です。感心したのは薄肉のパーツを使用し必要十分な重量に抑えた鏡筒バンド。実測337gで筆者所有の他社製鏡筒バンド(ハンドルなし)と比較して175gも軽量になっています。

減速装置付き、ストローク70mmの2インチ対応接眼部

ピントリングには減速装置が標準付属。本体実売価格を考えるとお得感は大。ファインダーアリガタは2カ所あります。※画像中のカメラ・マウントアダプタは今回の貸与機材には含まれません。

軽量化されているとはいっても、要所要所のパーツはきちんと剛性が確保されています。接眼部は繰り出し量が70mmもある使いやすいものですが、繰り出した状態でもガタつきは感じられません。

収納式フード

フードはひっくり返してネジ止めするタイプの収納式。ここはスライド式になってほしかったところですが、製品価格を安くする上では妥協も必要でしょう。F7と焦点距離をやや短めに設定していることと、ドロチューブの繰り出し量が大きい関係で、鏡筒は短め。フードを伸ばした状態でもさほどジャマにはなりません。普段使いでは伸ばした状態のママにし、海外遠征のような場合には短くする使い方もありでしょう。

ビジュアル(眼視観望)性能

「高コスパのフォトビジュアル鏡筒」Askar 80ED。眼視観望でもたっぷり楽しめます。うるさく言うとスーパーEDレンズを複数枚使用したハイグレードな鏡筒と比べるとスペック上の性能は一段階劣りますが、実際問題その違いはわずか。よほど天体をガチで見ている人でない限り、その違いを感じることはほぼないでしょう(*)

(*)同じ設計の光学系の場合、大口径になるほど残存収差の影響がは大きくなります。一方で「口径80mm」のような小口径の天体望遠鏡では比較的収差補正に寛容です。

「フォトビジュアル:写真も眼視も高性能」な望遠鏡を活用する上では、収差補正よりもむしろ「使いやすさ」が重要になります。たとえば、SQA85のような完全に写真用途に振った鏡筒の場合、天頂付近を観察するために必須となる「天頂ミラー(プリズム)」を光路長の関係で使用することができません。

その点、Askar 80ED鏡筒はドロチューブの繰り出し量が大きいため、光路長の長い「天頂ミラー(プリズム)」を面倒なリング交換をすることなくサクッと使用することができます。また、接眼部が2インチ対応なのも魅力(*1)。ストレスなく眼視と写真の構成を切り替えて両方楽しむことができます(*2)



(*1)大型の天頂ミラー・プリズムや、長焦点・広視界の接眼レンズを使用することができます。

(*2)補正レンズが2インチスリーブの差し込み式になるともっと簡単に切り替えられるのですが。

185倍で「串団子」のように細い土星の環を楽しめました。いやー、天体観察って本当に楽しいですね^^

本レビュー企画のねらい

Askar 80EDに対する天リフの見立ては「最高レベルのコスパのフォトビジュアル鏡筒」です。高価なフローライトやスーパーEDレンズを使わないことでコストを下げ、要求レベルのより厳しい写真撮影用途のために専用設計の補正レンズを用意する。小型軽量化のために口径は80mmに抑え、初心者でも買いやすく・使いやすく・満足できる性能を実現したといえるでしょう。

今回のリレーレビューでは、ぜひ「本当の意味での初心者(*)」の方や「初心者のキモチとニーズのわかるガチめな方」に、本鏡筒を使用いただけると嬉しいです。特に学生・学生団体のお申込を歓迎します!もちろん上記のいずれでもない方も歓迎です!

(*)天リフがリーチするクラスタ内では、自称「初心者」のガチめな方が多いためこのような表現となりました^^

リレーレビュー募集要項

【応募資格】

  • 日本に在住する20歳以上の個人
  • Askar 80ED鏡筒」を使用し、その体験をSNS、ブログ等で発信いただけること
  • 天リフ本社(福岡市)からの片道送料をご負担いただけること(学生および学生団体の場合は送料は無料です)。

【貸与物】

  • Askar 80ED鏡筒」本体および付属品一式(鏡筒バンド、45mm幅アリガタ含む。鏡筒ケースは付属しません。)
  • Askar 80ED用補正レンズ3点(1.0xフラットナー、0.85xレデューサー、0.7xレデューサー)、M48カメラアダプタ(EFマウント用)
  • 天頂ミラー、延長筒、接眼レンズ2点(10mm、23mm)、ドットファインダー(画像下)

Askar 80ED 鏡筒 アイピース・接眼部セット
https://www.syumitto.jp/SHOP/SHA0110-SET03.html

こちらと同じものとなります。

【ご使用における注意点】

  • カメラ本体、電動フォーカサーなど上記以外のオプションパーツは含まれません。
  • EFマウント以外のカメラを使用する場合の接続リングなどはレビューアー様でご用意ください。
  • 2インチ接眼レンズを使用する場合の正立ミラー・プリズムなどはレビューアー様でご用意ください。
  • 大切にご使用いただき、故意ないしは重大な過失による破損紛失においては一定のご負担をいただくことについての同意書へのご署名をお願いいたします。

【貸与期間】

2025年10月上旬から1月下旬までの期間中、お一人3週間程度。詳細はレビューアー様決定時に調整します。

リレーレビュー参加ご希望の方は、下記フォームよりエントリください。初回レビューアー様(10月上旬から10月中旬)の〆切は9月21日(日)です。応募者多数の場合は、天リフ編集部で選考・決定させていただきます。あしからずご了承ください。

Askar 80ED鏡筒リレーレビューエントリーフォーム

応募者様には個別にレビュー期間など詳細をご連絡・調整させていただきます。

まとめ

Askar 80ED鏡筒(上)と筆者所有のタカハシFC-76DCU鏡筒(下)。天体望遠鏡の性能ヒエラルキー的には1段違うのですが、コスパも含めたユーザー満足度はどう違うか?

いかがでしたか?

筆者はAskar 80EDを見るまでは、2枚玉屈折望遠鏡は設計性能という意味では、もうほとんどメーカーの独自性や工夫を活かす余地はないのでは?と思っていましたが、その認識は(たぶん)正しくありませんでした。まだまだ工夫の余地はあるし、低価格以外の「ウリ」を打ち出せるのです。

もちろんAskar 80EDは、鏡筒バンド・アリガタ込みで62,700円というクラス最安レベルの価格帯の商品ですから、より上位のモデルと「まったく同じ」レベルの性能や高級感は望めません。しかし、大半のユーザーのニーズはAskar 80EDで満たされるのではないか?という気がします。

(*)現時点では充分な検証ができていない状態なので、まだ「断言」はできないのですが。

業界最高レベルの(*)ハイコスパ・フォトビジュアル鏡筒、Askar 80EDみなさんのその眼で、その性能とコスパを確かめてみませんか?

(*)2025年9月時点での天リフ独自推測です。くどいようですが^^;;


  • 本記事は(株)サイトロンジャパンより協賛および機材貸与を受け、天文リフレクションズ編集部が独自の判断で作成したものです。文責は全て天文リフレクションズ編集部にあります。
  • 記事に関するご質問・お問い合わせなどは天文リフレクションズ編集部宛にお願いいたします。
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  • 本記事によって読者様に発生した事象については、その一切について編集部では責任を取りかねますことをご了承ください。
  • 特に注記のない画像は編集部で撮影したものです。
  • 記事中の製品仕様および価格は注記のないものを除き執筆時(2025年9月)のものです。
  • 記事中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。

  https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2025/09/b46a0dac2d3d1b8c72fc60965043cff2-1024x576.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2025/09/b46a0dac2d3d1b8c72fc60965043cff2-150x150.jpg編集部望遠鏡望遠鏡Askar,SHARPSTARAskar 80ED・高コスパのフォトビジュアル鏡筒 みなさんこんにちは!Askarの高コスパのフォトビジュアル鏡筒「80ED」を使ってみませんか?! Askar 80ED鏡筒https://www.syumitto.jp/SHOP/SHA0110.html 天体望遠鏡の原点。それは写真にも眼視にも高性能を発揮する「フォトビジュアル鏡筒」であると天リフでは考えています。昨今、写真性能に特化した非常に高性能なアストログラフの新製品(*)が数多く各社から販売されていますが、「よく見える」「(眼視用途にも)使いやすい」ことは、特に初心者向けの天体望遠鏡にとっては極めて重要な要素です。 (*)Askar社の「SQAシリーズ」などに代表される、複数枚のED/スーパーEDレンズを使用し、4枚以上のレンズ構成でそれ単体でフラットフィールドにした鏡筒。 そんな中で、今一番勢いがあるメーカー・ブランドのひとつ、「Sharpstar Optics」社の「Askar」から、意欲的な新製品「Askar 80ED鏡筒」が発売されました。 Askar 80EDは、EDレンズを1枚使用した2枚玉鏡筒。 2枚のレンズ間隔をあまり離さない2枚玉光学系は、レンズ設計の自由度が限られるため、使用するガラス材とF値でほぼ設計性能が決まります(*)。 (*)Askar(SHARP STAR)では基本的に使用しているガラス材の情報を公開していませんが、おそらくFPL-51相当の「スーパーではない」EDレンズを使用しているものと推測します。F値は7とやや明るめの設定です。 このため、Askar 80EDはある意味「何の変哲もない」ノーマルED1枚の「お安めの」2枚玉アポ屈折望遠鏡、と見えてしまうかもしれません。しかし、さすがSHARP STAR社。この古典的ともいえる設計に、最新のテクノロジとパッケージングを適用し「新時代の低価格フォトビジュアル鏡筒」に生まれ変わらせたのです。その「最新のテクノロジとパッケージング」を以下見ていきましょう。 3種類の専用補正レンズ EDレンズ採用の3枚玉 Askar 80EDの他に例をあまり見ないテクノロジが「補正レンズ」。これまで低価格の2枚玉鏡筒に専用設計の補正レンズが用意されることはほとんどありませんでしたが、0.7xレデューサー、0.85xレデューサー、1.0xフラットナーと、なんと3種類もあります。直販価格はいずれも39,600円です。 Askar 80ED用 0.7xレデューサーhttps://www.syumitto.jp/SHOP/SHA0111.html Askar 80ED用 0.85xレデューサーhttps://www.syumitto.jp/SHOP/SHA0112.html Askar 80ED用 1.0xフラットナーhttps://www.syumitto.jp/SHOP/SHA0113.html しかも、いずれもEDレンズを使用した3枚玉(*)。これは期待が高まります。なお、共通の仕様としてカメラ側の接続はM48/M54、フランジバックはM48アダプタから55mm、48mmフィルターが装着可能です。 (*)特にフラットナーでEDレンズ使用の3枚玉は筆者はこれまで見たことがありません。 収差図からみるAskar 80ED 収差図。2枚玉対物レンズでは、たとえフローライトやスーパーEDレンズを使用しても若干の短波長側の残存収差が一定量残ります。特にノーマルEDレンズの場合、それがやや大きくなるのが普通です。しかし球面収差図を見る限り、Askar 80EDでは、EDレンスを使用した補正レンズの効果なのか、短波長側の残存収差が少なくなっているようです(*)。 (*)本記事では掲載していませんが、他社製のノーマルEDレンズ使用の2枚玉鏡筒の収差図と比較した印象です。補正レンズを使用しない場合の球面収差図があれば、その効果を定量的に比較できるのですが。 中心のスポット径は20μ前後で最上位機種のSQAシリーズよりは大きいですが、周辺の流れ・乱れが少ないのが特徴。公称イメージサークルはAPS-Cですが、スポット図だけを見るとフルサイズでも使えるかも(*)?というレベルでしょう。 (*)1.0xフラットナーの場合は周辺減光的にも「フルサイズでも使えるかも?」くらいの印象でした。一方で0.7xレデューサーでは、フルサイズでは周辺減光が大きくなります。 残念ながら、9月2日時点では作例実写できていないのですが、リレーレビュー開始までに撮影できれば追記したいと思います。 こちらはサイトロンジャパンの渡邉耕平さんが撮影された作例。2610万画素APS-Cフォーマットセンサーセンサー搭載の「Poseidon-C」で撮影されたアンドロメダ銀河です。暗黒帯のディテールが素晴らしいですね! わずか2kg。小型軽量と使いやすさの実現 軽量化された鏡筒バンド 小型軽量設計もAskar 80EDの特徴。ハンドル付きの鏡筒バンド込みで重量は約2.0kgとクラス最軽量級です。感心したのは薄肉のパーツを使用し必要十分な重量に抑えた鏡筒バンド。実測337gで筆者所有の他社製鏡筒バンド(ハンドルなし)と比較して175gも軽量になっています。 減速装置付き、ストローク70mmの2インチ対応接眼部 軽量化されているとはいっても、要所要所のパーツはきちんと剛性が確保されています。接眼部は繰り出し量が70mmもある使いやすいものですが、繰り出した状態でもガタつきは感じられません。 収納式フード フードはひっくり返してネジ止めするタイプの収納式。ここはスライド式になってほしかったところですが、製品価格を安くする上では妥協も必要でしょう。F7と焦点距離をやや短めに設定していることと、ドロチューブの繰り出し量が大きい関係で、鏡筒は短め。フードを伸ばした状態でもさほどジャマにはなりません。普段使いでは伸ばした状態のママにし、海外遠征のような場合には短くする使い方もありでしょう。 ビジュアル(眼視観望)性能 ベランダでAskar 80EDとFC76対決。自分のポンコツ目玉👁️では違いがわかりません、、クソ暑いのもあるけど^_^;;;ただし接岸部が2インチ対応、ドロチューブストロークの大きさ、デュアルスピードフォーカサー装備のユーティリティ面ではAskar 80EDに軍配。 pic.twitter.com/n17iLNwY21 — 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) September 2, 2025 「高コスパのフォトビジュアル鏡筒」Askar 80ED。眼視観望でもたっぷり楽しめます。うるさく言うとスーパーEDレンズを複数枚使用したハイグレードな鏡筒と比べるとスペック上の性能は一段階劣りますが、実際問題その違いはわずか。よほど天体をガチで見ている人でない限り、その違いを感じることはほぼないでしょう(*)。 (*)同じ設計の光学系の場合、大口径になるほど残存収差の影響がは大きくなります。一方で「口径80mm」のような小口径の天体望遠鏡では比較的収差補正に寛容です。 「フォトビジュアル:写真も眼視も高性能」な望遠鏡を活用する上では、収差補正よりもむしろ「使いやすさ」が重要になります。たとえば、SQA85のような完全に写真用途に振った鏡筒の場合、天頂付近を観察するために必須となる「天頂ミラー(プリズム)」を光路長の関係で使用することができません。 その点、Askar 80ED鏡筒はドロチューブの繰り出し量が大きいため、光路長の長い「天頂ミラー(プリズム)」を面倒なリング交換をすることなくサクッと使用することができます。また、接眼部が2インチ対応なのも魅力(*1)。ストレスなく眼視と写真の構成を切り替えて両方楽しむことができます(*2)。 (*1)大型の天頂ミラー・プリズムや、長焦点・広視界の接眼レンズを使用することができます。 (*2)補正レンズが2インチスリーブの差し込み式になるともっと簡単に切り替えられるのですが。 イマ土星。Askar80ED、185倍。手持ちスマホ撮影。まさに串ダンゴ🍡#天文なう pic.twitter.com/Eb4OEJbavf — 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) September 1, 2025 185倍で「串団子」のように細い土星の環を楽しめました。いやー、天体観察って本当に楽しいですね^^ 本レビュー企画のねらい Askar 80EDに対する天リフの見立ては「最高レベルのコスパのフォトビジュアル鏡筒」です。高価なフローライトやスーパーEDレンズを使わないことでコストを下げ、要求レベルのより厳しい写真撮影用途のために専用設計の補正レンズを用意する。小型軽量化のために口径は80mmに抑え、初心者でも買いやすく・使いやすく・満足できる性能を実現したといえるでしょう。 今回のリレーレビューでは、ぜひ「本当の意味での初心者(*)」の方や「初心者のキモチとニーズのわかるガチめな方」に、本鏡筒を使用いただけると嬉しいです。特に学生・学生団体のお申込を歓迎します!もちろん上記のいずれでもない方も歓迎です! (*)天リフがリーチするクラスタ内では、自称「初心者」のガチめな方が多いためこのような表現となりました^^ リレーレビュー募集要項 【応募資格】 日本に在住する20歳以上の個人 「Askar 80ED鏡筒」を使用し、その体験をSNS、ブログ等で発信いただけること 天リフ本社(福岡市)からの片道送料をご負担いただけること(学生および学生団体の場合は送料は無料です)。 【貸与物】 「Askar 80ED鏡筒」本体および付属品一式(鏡筒バンド、45mm幅アリガタ含む。鏡筒ケースは付属しません。) Askar 80ED用補正レンズ3点(1.0xフラットナー、0.85xレデューサー、0.7xレデューサー)、M48カメラアダプタ(EFマウント用) 天頂ミラー、延長筒、接眼レンズ2点(10mm、23mm)、ドットファインダー(画像下) Askar 80ED 鏡筒 アイピース・接眼部セットhttps://www.syumitto.jp/SHOP/SHA0110-SET03.html こちらと同じものとなります。 【ご使用における注意点】 カメラ本体、電動フォーカサーなど上記以外のオプションパーツは含まれません。 EFマウント以外のカメラを使用する場合の接続リングなどはレビューアー様でご用意ください。 2インチ接眼レンズを使用する場合の正立ミラー・プリズムなどはレビューアー様でご用意ください。 大切にご使用いただき、故意ないしは重大な過失による破損紛失においては一定のご負担をいただくことについての同意書へのご署名をお願いいたします。 【貸与期間】 2025年10月上旬から1月下旬までの期間中、お一人3週間程度。詳細はレビューアー様決定時に調整します。 リレーレビュー参加ご希望の方は、下記フォームよりエントリください。初回レビューアー様(10月上旬から10月中旬)の〆切は9月21日(日)です。応募者多数の場合は、天リフ編集部で選考・決定させていただきます。あしからずご了承ください。 Askar 80ED鏡筒リレーレビューエントリーフォーム 応募者様には個別にレビュー期間など詳細をご連絡・調整させていただきます。 まとめ いかがでしたか? 筆者はAskar 80EDを見るまでは、2枚玉屈折望遠鏡は設計性能という意味では、もうほとんどメーカーの独自性や工夫を活かす余地はないのでは?と思っていましたが、その認識は(たぶん)正しくありませんでした。まだまだ工夫の余地はあるし、低価格以外の「ウリ」を打ち出せるのです。 もちろんAskar 80EDは、鏡筒バンド・アリガタ込みで62,700円というクラス最安レベルの価格帯の商品ですから、より上位のモデルと「まったく同じ」レベルの性能や高級感は望めません。しかし、大半のユーザーのニーズはAskar 80EDで満たされるのではないか?という気がします。 (*)現時点では充分な検証ができていない状態なので、まだ「断言」はできないのですが。 業界最高レベルの(*)ハイコスパ・フォトビジュアル鏡筒、Askar 80ED。みなさんのその眼で、その性能とコスパを確かめてみませんか? (*)2025年9月時点での天リフ独自推測です。くどいようですが^^;; 本記事は(株)サイトロンジャパンより協賛および機材貸与を受け、天文リフレクションズ編集部が独自の判断で作成したものです。文責は全て天文リフレクションズ編集部にあります。 記事に関するご質問・お問い合わせなどは天文リフレクションズ編集部宛にお願いいたします。 製品の購入およびお問い合わせはメーカー様・販売店様にお願いいたします。 本記事によって読者様に発生した事象については、その一切について編集部では責任を取りかねますことをご了承ください。 特に注記のない画像は編集部で撮影したものです。 記事中の製品仕様および価格は注記のないものを除き執筆時(2025年9月)のものです。 記事中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。  編集部発信のオリジナルコンテンツ