アストロアーツHPで、星ナビ2019年6月号の内容が告知されています。発売は5月2日木曜日です。

今月の内容は!?

およそ30年続いた平成の時代、どんな夜空を見上げ、どんなニュースに心揺さぶられたかを振り返ってみましょう。最後に飛び込んできた文字どおり平成最後の大ニュース「ブラックホールシャドウ」の解説もお見逃しなく。。

アストロアーツ・月刊星ナビ 2019年6月号
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10608_hoshinavi

■表紙

進化した「ステラナビゲータ11」の高精細な天の川です。オレンジの光が印象的な「ブラックホールシャドウ」は、世間的にも大ニュースとなりました。

表紙は3月に発売された「ステラナビゲータ11」による高精細な天の川の画像(*1)と、先日話題をさらった「ブラックホールシャドウ」です(*2)。



(*1)天の川の表現がすごく精細になったステラナビ11ですが、逆にこの精細度なら写っているはずの星雲が見当たらず、さそり座のアンタレス付近が暗黒であるとか、天体写真に見慣れた感覚からすると「いつもと違う」感覚にとらわれますね。

(*2)GW進行で〆切が厳しいはずなのに、直前のこの情報を盛り込むとは、星ナビ様の速報体制はすごいなといつも感心します。

 

■変わり続ける時代の中に「輝ける平成の星」(解説/浅田英夫・小林仁美)

平成が終わり令和を迎えました。技術が飛躍的に進歩し、価値観も大きく変わったこの30年余りの間で、皆さんはどんなことが印象に残っているでしょうか。「天文学」と「天文現象」のふたつのテーマで平成の出来事を振り返ります。

平成の時代を2つの切り口で振り返る6ページの特集企画。星ナビ6月号が読者の手元に届くとき、時代は令和に変わっていることでしょう。平成の30年間はまさにデジタル技術・情報技術が大きく花開いた時代でした。紙面に紹介されている数多くもたらされた天文学・物理学の成果も、多くはその恩恵によるものです。

一方で、皆既日食のように、天文現象の半分は「予定通り」に、また半分は「全く想定外」に起き、人々の感動の涙を誘い天文界を彩りました。しし座流星群の大出現の翌朝「もう死んでもいいとさえ思った」とありますが、まさに天文ファンの本心であり本懐の成就といえるでしょう。

■Deepな天体写真「都会の空で星雲を撮る1」(画像・解説/根本泰人)

都会で天体写真が撮れないのは、光害で夜空が明るいためです。特定の波長を選択的に透過させるフィルターを使って、都会で星雲を撮影するための機材の選び方、撮影方法のポイント、そして画像処理の考え方やその処理方法の一例を紹介する4回シリーズが始まります。

昨年の惑星撮影に続いて、根本泰人さんの4回連載が始まりました。昨年来、ディープな天体写真界隈でホットになっている「ワンショットナローバンド」による光害地での天体撮影の連載です。連載の第1回では、主にさまざまなフィルターと「光害源」の波長特性をひもとき、どんな特性がフィルターに求められるのかを明らかにしています。来月はより実践的な撮影方法が解説されるそうです。この先の連載も楽しみですね!

◎広告ピックアップ

「はじめての天体望遠鏡はぜひ専門店で」高橋製作所の直営ショップ、スターベースが「入門者向け」を押し出した広告を掲載しています。イラストは同店のリーフレットにも使用されているもので、リアリティ十分にタカハシの機材が描き込まれています。ネクタイをした人物のモデルは同店の若手Sさん。店長のIさんも顔写真入り^^

◎天リフ独断ピックアップ

■GEOGRAPHY OF THE MOON Files5.アペニン山脈(撮影・解説◎白尾元理)

望遠鏡で小クレーターに挑戦。あなたはアルキメデスの中にクレーターがいくつ見えますか?0個なら10cm級、4個で20cm級、10個を越えれば30cm級だそうです。直径1km以下のクレーターにチャレンジしてみませんか?

■ネットよ今夜もありがとう

今月はIXE460さんの「お気楽、お手軽、天体写真」と玄さんの「玄の館」です。

IXE460さんはTwitterでも活発に活動されていて、天リフでも古くからお世話になっています。ハンドル名の「IXE」は、もちろん「EOS IXE」からです。実はブログの存在は気がついていませんでした^^;;

玄さんのHPは創設21年、ネット黎明期からのご活動。「お気軽お手軽」「あまり深入りしていない(つもり)」とありますが、ブログを拝見すると広い写真ジャンルで活動されているご様子。全部に深入りするスタイルかも^^

星ナビギャラリー



先月に引き続き、トップ下枠はディープスカイ。おなじみの「あの方」の超絶「引きのディープスカイ」です。黒目星雲のまわりにこんな霧が立ちこめていたなんて、びっくり。究極的には「(機材が同じなら)誰が撮っても同じ」はずのディープスカイですが、その思い込みをひっくり返す氏の作品群はいつ見ても新鮮。まだまだ天体写真には可能性が広がっていることを感じますね!

個人的イチオシは、都会の空で撮った16個の惑星状星雲群。ミューロン250CRSというかなりの大型機材を使用されていますが、45秒の30枚コンポジットと撮影は比較的お手軽。光害地でも天体写真を楽しむアプローチには前述の「ナローバンド」のほかにもう一つ、この作品のように「長焦点で高輝度の天体(主に惑星状星雲)を狙う」というものがあります。こちらの方向性も、今後広まっていくことでしょう。

■「ステラナビゲータ11発売」5年ぶりのアップグレードで宇宙を再発見(紹介/安喰 修)

天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」が、5年ぶりにバージョンアップしました。新しいステラナビゲータでは、星図の美しさや性能向上はもちろんのこと、複雑な操作なしに目的の星空を表示できる新機能「ステラパネル」を搭載しています。

5年ぶり10回目。ステラナビゲータがバージョンアップ。今回の目玉は天文衛星ガイアの恒星データから再現した「高精細の天の川」、様々な波長での宇宙が見られる「マルチバンド星図」そして「ステラパネル」によるより簡単な操作です。

30日の体験版が無料でダウンロードできるようなので、ぜひ試してみられてはいかがでしょうか。

■エーゲ海の風−星座神話の向こうに広がる古代ギリシアの天文学 第9回(水先案内人/早水 勉)

ヘルクレスは、万人の知るギリシア神話最大最強の英雄です。地中海世界を縦横無尽に駆け回り、星座神話に関わる数々の伝説を残しました。なぜヘルクレスの活躍はこれほど広範囲にわたっていて、各地で親しまれているのか、その謎にせまります。

今回は英雄ヘルクレスにまつわるお話。父が大神ゼウス、母は人間のアルクメネである「半分神」のヘルクレスはギリシャ神話のヒーロー(ヒーローの語源は「ヘラの男」)。激しく乳を吸うヘルクレスの勢いで生まれた天の川、怪物ライオン(しし座)を退治・竜のラドン(りゅう座)から黄金のリンゴを奪うなどの12の功業を成し遂げた英雄です。

しかしなぜそんな英雄ヘルクレスが、星座としては比較的地味で(でかいけど)、しかも逆さまにされているのか・・いつも不思議でなりません。先日オーストラリアに行った際に折角なので「逆立ちしていないヘルクレス(*)」を撮ってきました。

(*)でも昇り方が逆ですね。オリオンは勇ましく空に向いて昇るのに。業績的にはオリオンとヘルクレスは逆であってもいい気がします。もしそうだったら、ロッテはヘルクレシズで沖縄ではヘルクレスビールになっていたかも?

■南米皆既日食まであと2か月「気象情報とツアー動向」(解説/石井 馨)

南太平洋と南米大陸の一部で、7月2日(世界時)に皆既日食が起こります。渡航の安全や、最新の気象状況などの具体的な情報を掲載します。

あと2ヶ月。7月2日に南米で見られる皆既日食、その直前情報です。今回の日食は日本から遠いこともあって、ツアーの単価は60万円後半〜90万円後半とかなりプレミアム。逆にまだ残席のあるツアーもあるようです。

今回の日食を見送る方にとっても、2020年南米・2021年南極・2024年アメリカ・2026年欧州の情報もあり、今のうちに作戦を練るのはいかがでしょうか。

■「はやぶさ2」がリュウグウに穿った人工クレーター (報告/中野太郎)

ミッション最大の目玉である人工クレーター実験が無事成功。円錐状に飛散する物質の画像など、早くも興味深い成果が得られています。

昨日ニュースでも報道されていますが、無事人工クレーターの生成実験に成功したはやぶさ2。そのプロセスの詳細レポート。SCI(衝突装置)が放出され、リュウグウに接近していく連続写真を見ていると、「通常の3倍速い赤い奴」が飛び出してきそうな気がする編集子は昭和世代です^^

まとめ

いかがでしたか?

平成よさようなら、令和よこんにちは。悲観主義者でなかったとしても、令和の時代が日本にとって厳しい時代の始まりになるであろうことは誰にでも予測できます。でも宇宙を眺め続ける限りは、天文ファンの「本懐」は叶うはず。いつか令和を振り返るとき、その中に1行でも多く幸せな記録を残せるようにしたいですね!

毎日一度は天文リフレクションズ。そして毎月5日(今号は2日^^)は天文雑誌!6月号も楽しみですね!

アストロアーツ・月刊星ナビ 2019年6月号
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10608_hoshinavi


※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。

天文ガイドも合わせて読みたいですね!! https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/04/1906-01-777x1024.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/04/1906-01-150x150.jpg編集部雑誌・書籍アストロアーツHPで、星ナビ2019年6月号の内容が告知されています。発売は5月2日木曜日です。 今月の内容は!? およそ30年続いた平成の時代、どんな夜空を見上げ、どんなニュースに心揺さぶられたかを振り返ってみましょう。最後に飛び込んできた文字どおり平成最後の大ニュース「ブラックホールシャドウ」の解説もお見逃しなく。。 アストロアーツ・月刊星ナビ 2019年6月号 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10608_hoshinavi ■表紙 表紙は3月に発売された「ステラナビゲータ11」による高精細な天の川の画像(*1)と、先日話題をさらった「ブラックホールシャドウ」です(*2)。 (*1)天の川の表現がすごく精細になったステラナビ11ですが、逆にこの精細度なら写っているはずの星雲が見当たらず、さそり座のアンタレス付近が暗黒であるとか、天体写真に見慣れた感覚からすると「いつもと違う」感覚にとらわれますね。 (*2)GW進行で〆切が厳しいはずなのに、直前のこの情報を盛り込むとは、星ナビ様の速報体制はすごいなといつも感心します。   ■変わり続ける時代の中に「輝ける平成の星」(解説/浅田英夫・小林仁美) 平成の時代を2つの切り口で振り返る6ページの特集企画。星ナビ6月号が読者の手元に届くとき、時代は令和に変わっていることでしょう。平成の30年間はまさにデジタル技術・情報技術が大きく花開いた時代でした。紙面に紹介されている数多くもたらされた天文学・物理学の成果も、多くはその恩恵によるものです。 一方で、皆既日食のように、天文現象の半分は「予定通り」に、また半分は「全く想定外」に起き、人々の感動の涙を誘い天文界を彩りました。しし座流星群の大出現の翌朝「もう死んでもいいとさえ思った」とありますが、まさに天文ファンの本心であり本懐の成就といえるでしょう。 ■Deepな天体写真「都会の空で星雲を撮る1」(画像・解説/根本泰人) 昨年の惑星撮影に続いて、根本泰人さんの4回連載が始まりました。昨年来、ディープな天体写真界隈でホットになっている「ワンショットナローバンド」による光害地での天体撮影の連載です。連載の第1回では、主にさまざまなフィルターと「光害源」の波長特性をひもとき、どんな特性がフィルターに求められるのかを明らかにしています。来月はより実践的な撮影方法が解説されるそうです。この先の連載も楽しみですね! ◎広告ピックアップ 「はじめての天体望遠鏡はぜひ専門店で」高橋製作所の直営ショップ、スターベースが「入門者向け」を押し出した広告を掲載しています。イラストは同店のリーフレットにも使用されているもので、リアリティ十分にタカハシの機材が描き込まれています。ネクタイをした人物のモデルは同店の若手Sさん。店長のIさんも顔写真入り^^ ◎天リフ独断ピックアップ ■GEOGRAPHY OF THE MOON Files5.アペニン山脈(撮影・解説◎白尾元理) 望遠鏡で小クレーターに挑戦。あなたはアルキメデスの中にクレーターがいくつ見えますか?0個なら10cm級、4個で20cm級、10個を越えれば30cm級だそうです。直径1km以下のクレーターにチャレンジしてみませんか? ■ネットよ今夜もありがとう 今月はIXE460さんの「お気楽、お手軽、天体写真」と玄さんの「玄の館」です。 IXE460さんはTwitterでも活発に活動されていて、天リフでも古くからお世話になっています。ハンドル名の「IXE」は、もちろん「EOS IXE」からです。実はブログの存在は気がついていませんでした^^;; 玄さんのHPは創設21年、ネット黎明期からのご活動。「お気軽お手軽」「あまり深入りしていない(つもり)」とありますが、ブログを拝見すると広い写真ジャンルで活動されているご様子。全部に深入りするスタイルかも^^ 星ナビギャラリー 先月に引き続き、トップ下枠はディープスカイ。おなじみの「あの方」の超絶「引きのディープスカイ」です。黒目星雲のまわりにこんな霧が立ちこめていたなんて、びっくり。究極的には「(機材が同じなら)誰が撮っても同じ」はずのディープスカイですが、その思い込みをひっくり返す氏の作品群はいつ見ても新鮮。まだまだ天体写真には可能性が広がっていることを感じますね! 個人的イチオシは、都会の空で撮った16個の惑星状星雲群。ミューロン250CRSというかなりの大型機材を使用されていますが、45秒の30枚コンポジットと撮影は比較的お手軽。光害地でも天体写真を楽しむアプローチには前述の「ナローバンド」のほかにもう一つ、この作品のように「長焦点で高輝度の天体(主に惑星状星雲)を狙う」というものがあります。こちらの方向性も、今後広まっていくことでしょう。 ■「ステラナビゲータ11発売」5年ぶりのアップグレードで宇宙を再発見(紹介/安喰 修) 5年ぶり10回目。ステラナビゲータがバージョンアップ。今回の目玉は天文衛星ガイアの恒星データから再現した「高精細の天の川」、様々な波長での宇宙が見られる「マルチバンド星図」そして「ステラパネル」によるより簡単な操作です。 30日の体験版が無料でダウンロードできるようなので、ぜひ試してみられてはいかがでしょうか。 ■エーゲ海の風−星座神話の向こうに広がる古代ギリシアの天文学 第9回(水先案内人/早水 勉) 今回は英雄ヘルクレスにまつわるお話。父が大神ゼウス、母は人間のアルクメネである「半分神」のヘルクレスはギリシャ神話のヒーロー(ヒーローの語源は「ヘラの男」)。激しく乳を吸うヘルクレスの勢いで生まれた天の川、怪物ライオン(しし座)を退治・竜のラドン(りゅう座)から黄金のリンゴを奪うなどの12の功業を成し遂げた英雄です。 しかしなぜそんな英雄ヘルクレスが、星座としては比較的地味で(でかいけど)、しかも逆さまにされているのか・・いつも不思議でなりません。先日オーストラリアに行った際に折角なので「逆立ちしていないヘルクレス(*)」を撮ってきました。 (*)でも昇り方が逆ですね。オリオンは勇ましく空に向いて昇るのに。業績的にはオリオンとヘルクレスは逆であってもいい気がします。もしそうだったら、ロッテはヘルクレシズで沖縄ではヘルクレスビールになっていたかも? ■南米皆既日食まであと2か月「気象情報とツアー動向」(解説/石井 馨) あと2ヶ月。7月2日に南米で見られる皆既日食、その直前情報です。今回の日食は日本から遠いこともあって、ツアーの単価は60万円後半〜90万円後半とかなりプレミアム。逆にまだ残席のあるツアーもあるようです。 今回の日食を見送る方にとっても、2020年南米・2021年南極・2024年アメリカ・2026年欧州の情報もあり、今のうちに作戦を練るのはいかがでしょうか。 ■「はやぶさ2」がリュウグウに穿った人工クレーター (報告/中野太郎) 昨日ニュースでも報道されていますが、無事人工クレーターの生成実験に成功したはやぶさ2。そのプロセスの詳細レポート。SCI(衝突装置)が放出され、リュウグウに接近していく連続写真を見ていると、「通常の3倍速い赤い奴」が飛び出してきそうな気がする編集子は昭和世代です^^ まとめ いかがでしたか? 平成よさようなら、令和よこんにちは。悲観主義者でなかったとしても、令和の時代が日本にとって厳しい時代の始まりになるであろうことは誰にでも予測できます。でも宇宙を眺め続ける限りは、天文ファンの「本懐」は叶うはず。いつか令和を振り返るとき、その中に1行でも多く幸せな記録を残せるようにしたいですね! 毎日一度は天文リフレクションズ。そして毎月5日(今号は2日^^)は天文雑誌!6月号も楽しみですね! アストロアーツ・月刊星ナビ 2019年6月号 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10608_hoshinavi ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!!編集部発信のオリジナルコンテンツ