アストロアーツHPで星ナビ2023年3月号の内容が告知されています。発売は2月3日金曜日です。

今月の内容は!?

2019年に話題になった「べテルギウス大減光」の理由とは。「合作天体写真」や「北海道プラネ巡り」など楽しい記事が満載です。

星ナビ3月号は「ベテルギウス大減光の謎」と「みんなで合作!天体写真 後編」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12927_hoshinavi

■表紙

今回の表紙はMichael Jägerさん撮影の「1月17日のZTF彗星(C/2022 E3)」。2月1日の地球最接近を前に、太陽系を南に向けて移動中のZTF彗星をとらえた作品です。

今月の表紙は「年中ひたすら彗星を撮っている」との噂もあるオーストリアの天文家Michael Jägerさん撮影のZTF彗星(C/2022 E3)。1月17日の撮影ですが、わずか約半月後に天文雑誌の表紙を飾りました。

撮影システムはRASA11(口径279mmF2.2)にフルサイズモノクロCMOSカメラのQHY600でL画像、一眼デジカメに望遠レンズでRGB画像を撮影したLRGB合成。彗星速写システムとしてはたぶん現時点での最強構成のひとつといえるでしょう。Michael Jägerさんのそのほかの超絶な彗星画像はTwitterでも見ることができます。



■輝き続ける巨星 星になった藤井 旭先生 (写真提供/岡田好之、寄稿/阿部 昭、大野裕明、山田義弘、小椋栄一、KAGAYA)

天文ファンの偉大なる先達、藤井 旭先生が2022年12月に逝去されました。コミカルなイラストや先駆的な天体写真、『星になったチロ』をはじめとする天文書、天文イベント「星空への招待」……藤井先生に影響を受けていない天文ファンを探す方が難しいかもしれません。藤井先生と親交の深かった5名にお話を聞きました。

年末年始に日本を駆け抜けた藤井旭さんの訃報。藤井旭さんの思い出を親交の深かった5名の方々が綴る追悼の記です。

藤井旭さんはおそらく日本の天文アマチュアに最も影響を与えた人のお一人(というよりも、その中でも飛び抜けたお一人)です。ネットに「全ての天文アマチュアにとっての父」との表現もみられましたが、誇張どころか「まだ足りない」というのが率直な感想です。

天リフ編集長もその例に漏れず、藤井旭さんの著作を読んで星見にはまり、天文ガイドの記事を読んでは「藤井スタイル」に憧れたものでした。「父を失う」のは辛いことですが、自分の中にある藤井旭さんの存在をこれからも大事にしていきたいと考えています。ご冥福をお祈り申し上げます。

■脈動する紅い超巨星 ベテルギウス大減光の謎(解説/谷口大輔)

冬の星空で存在感を放つ、オリオン座のベテルギウス。そんなベテルギウスが、2019年〜2020年に突然暗くなりました。過去50年の中で最も暗くなり「超新星爆発が起こったのでは」とニュースでも話題になりましたね。天文学者たちの調査で見えてきたこととは? 気象衛星「ひまわり8号」のデータでベテルギウスを研究した天文学者・谷口大輔さんによる紹介です。

世界中の天文学者が注目し多くの論文が書かれている、2019〜2020年のベテルギウス大減光。これまでわかってきたことを東京大学の谷口大輔さんが8ページでたっぷり、やさしく解説。谷口さんらのグループは「気象衛星ひまわりの画像を用いて中間赤外線でのベテルギウスの光度変化を調べる」というユニークな研究成果を発表されています。

幸いにも我々の「太陽」はとても安定的な恒星ですが、赤色超巨星であるベテルギウスは、さまざまな点でまったく異なる存在。大きさ、温度、形状、スペクトル、ガスやダストの放射など、ベテルギウスの観測結果とそこから推測される大減光のメカニズムを知ることで、宇宙の不思議の一端に触れることができる気がします!

■みんなで合作!天体写真 後編(レポート/阿部将典、小林武嗣、永弘進一郎、丹羽雅彦、松濤誠之、渡邊尚登(星沼会))

天体写真への熱量がバラバラなメンバーが、異なる撮影機材で一つの作品を作り上げる「合作」。後編は画像処理編。好みが異なる後処理や予想外のスタック結果など、合作ならではの課題も。「質の低い画像も必ず品質の向上につながる」合作に挑戦したくなります。

「みんなで合作!」後編は怒濤の「画像処理」編。「手順が確立されている」前処理(ダーク・フラット補正、スタック、モザイク合成)は順調も(それでも随所になるほど!な工夫が)、「好みが異なる」後処理(ストレッチ)では喧喧諤諤の議論が。

「質の低い画像も必ず品質の向上につながる」という結論は、今回の合作で得られた、多くの方に有用なメッセージではないでしょうか。そしてこれまで「個人プレー」であった天体写真が、自然発生的に生まれたグループ(コミュニティ)の力で新しい可能性を拓いたという意味でも、エポックメーキングなことではないかと感じました。天体写真ファンは必読です。

◎天リフ独断ピックアップ

■広告ピックアップ・美しい星の町のシンボル 美星天文台(紹介◎松島彩)

これは新基軸。「天文王国おかやま」の美星天文台が、開館30周年を機に見開きPR記事を掲載。「天文王国からの招待状①」とありますので、このあと連続で掲載されるのでしょうか?今回の内容は、天文台の日々の活動の紹介と国際ダークスカイ協会 の「星空保護区コミュニティ部門」認定の話題。

来月以降も楽しみですね!

美星天文台
https://www.bao.city.ibara.okayama.jp/

■「由女のゆるゆる星空レポ 星の召すまま」第100回 今までを振り返りパーティ

連載100回記念の増ページ。連載開始の経緯、これまで99回の内容の円グラフ分析、印象的だった回の紹介、制作裏話と読者からの質問コーナーなど、通常とは違った切り口が満載!天リフ編集長も「ゆるゆる」精神を学びたいと思います!

由女さんの連載はマンガという性質上ピックアップが難しかったのですが、今回はこのような形でピックアップさせていただくことができました^^ ぜひ中味は本誌を手に取ってごらんください!

■ネットよ今夜もありがとう

今号は都合により休載とのことです。



■星ナビギャラリー

今回のトップ下はKさんの「放射点からの閃光」。ふたご座流星群の晩、30個以上の流星の比較明合成による作品です。どのくらいの時間をかけての撮影かは書かれておらず不明ですが、ISO感度を8000と高め設定し1コマ8秒と短めの露出時間としたのが成功要因でしょうか(*)。

(*)流星はISO感度を上げるほど・露出時間を短くするほど背景の星に対して流星が目立つ結果になります。高ISO・短秒露光による背景の星空の画質低下はスタック処理で解決できるため、このような手法においては大いに有効です。

個人的イチオシはAさんの「おおぐま座M82銀河」。ミューロン300CRSという大砲で総露光時間24.5時間の大作ですが、これまでアマチュア天体写真のレベルを押し上げてきたAさんが、また一つ記録更新といったところでしょうか。左下のKさんの「M42 オリオン大星雲」もブロードバンド天体写真の新しい仕上げ方に注目です。

■News Watch ソニーの人工衛星「EYE」が宇宙へ 打ち上げの裏側をレポート

自分で撮影ができる人工衛星「EYE」が宇宙に旅立ちました。ドキドキの打ち上げの裏側を、撮影クルー・北山輝泰さんがレポートします!

デジタルカメラを搭載した人工衛星を打ち上げて、多くの人にそこから撮影する機会を提供しようというソニーの野心的なプロジェクト「STAR SPHERE」。今年の1月3日にソニーの人工衛星「EYE」を搭載したFalcon9ロケットの打ち上げが無事成功しました。

記事はその打ち上げを現地で撮影した写真家の北山輝泰さんのレポート。STAR SPHEREプロジェクトの紹介や、緊迫の打ち上げ撮影現場の裏側などの紹介です!

ソニー・STAR SPHEREプロジェクト
https://starsphere.sony.com/ja/index.html

■星の街道をゆく プラネタリウムを巡る鉄道旅ー北海道vol.2ー (案内/中山満仁)

星と宇宙を感じる旅に出かける「星の街道をゆく」第2弾。第1弾に続き、今回も北海道のプラネタリウムを巡ります。函館・室蘭・千歳・名寄・稚内……宇宙と鉄道が大好きな中山満仁さんならではの道中記です。

シリーズ第2弾。北海道のプラネタリウム巡り、鉄道で巡る北海道の旅。なんとも贅沢なゆったりとした時間が流れるレポート。天候にあまり恵まれなかったのが残念ですが、推定「鉄分約33%」、鉄道好きならさらに5割増しで楽しめることでしょう!

まとめ

いかがでしたか?

藤井旭さんの訃報に接して、あらためて天文ファンにとっての「メディア」の存在の意味と役割を再認識したように思います。「星を見る楽しさ」と「具体的な楽しみ方の方法論」を生涯にわたって発信してこられた藤井旭さん。

その遺志を少しでも受け継ぎ、これからも天文趣味クラスタが発展しつづけるよう、役に立つメディアとしてあるべく天文リフレクションズは精進していきたいと考えています。僭越ながら推察しますと、この思いは星ナビ様・天文ガイド様を含め皆同じ思いではないでしょうか。

そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日は天文雑誌!3月号も楽しみですね!

星ナビ3月号は「ベテルギウス大減光の謎」と「みんなで合作!天体写真 後編」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12927_hoshinavi


※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。

天文ガイドも合わせて読みたいですね!!

 

  https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2023/02/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2023/02/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-150x150.jpg編集部雑誌・書籍星ナビアストロアーツHPで星ナビ2023年3月号の内容が告知されています。発売は2月3日金曜日です。 今月の内容は!? 2019年に話題になった「べテルギウス大減光」の理由とは。「合作天体写真」や「北海道プラネ巡り」など楽しい記事が満載です。 星ナビ3月号は「ベテルギウス大減光の謎」と「みんなで合作!天体写真 後編」 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12927_hoshinavi ■表紙 今月の表紙は「年中ひたすら彗星を撮っている」との噂もあるオーストリアの天文家Michael Jägerさん撮影のZTF彗星(C/2022 E3)。1月17日の撮影ですが、わずか約半月後に天文雑誌の表紙を飾りました。 撮影システムはRASA11(口径279mmF2.2)にフルサイズモノクロCMOSカメラのQHY600でL画像、一眼デジカメに望遠レンズでRGB画像を撮影したLRGB合成。彗星速写システムとしてはたぶん現時点での最強構成のひとつといえるでしょう。Michael Jägerさんのそのほかの超絶な彗星画像はTwitterでも見ることができます。 ■輝き続ける巨星 星になった藤井 旭先生 (写真提供/岡田好之、寄稿/阿部 昭、大野裕明、山田義弘、小椋栄一、KAGAYA) 年末年始に日本を駆け抜けた藤井旭さんの訃報。藤井旭さんの思い出を親交の深かった5名の方々が綴る追悼の記です。 藤井旭さんはおそらく日本の天文アマチュアに最も影響を与えた人のお一人(というよりも、その中でも飛び抜けたお一人)です。ネットに「全ての天文アマチュアにとっての父」との表現もみられましたが、誇張どころか「まだ足りない」というのが率直な感想です。 天リフ編集長もその例に漏れず、藤井旭さんの著作を読んで星見にはまり、天文ガイドの記事を読んでは「藤井スタイル」に憧れたものでした。「父を失う」のは辛いことですが、自分の中にある藤井旭さんの存在をこれからも大事にしていきたいと考えています。ご冥福をお祈り申し上げます。 ■脈動する紅い超巨星 ベテルギウス大減光の謎(解説/谷口大輔) 世界中の天文学者が注目し多くの論文が書かれている、2019〜2020年のベテルギウス大減光。これまでわかってきたことを東京大学の谷口大輔さんが8ページでたっぷり、やさしく解説。谷口さんらのグループは「気象衛星ひまわりの画像を用いて中間赤外線でのベテルギウスの光度変化を調べる」というユニークな研究成果を発表されています。 幸いにも我々の「太陽」はとても安定的な恒星ですが、赤色超巨星であるベテルギウスは、さまざまな点でまったく異なる存在。大きさ、温度、形状、スペクトル、ガスやダストの放射など、ベテルギウスの観測結果とそこから推測される大減光のメカニズムを知ることで、宇宙の不思議の一端に触れることができる気がします! ■みんなで合作!天体写真 後編(レポート/阿部将典、小林武嗣、永弘進一郎、丹羽雅彦、松濤誠之、渡邊尚登(星沼会)) 「みんなで合作!」後編は怒濤の「画像処理」編。「手順が確立されている」前処理(ダーク・フラット補正、スタック、モザイク合成)は順調も(それでも随所になるほど!な工夫が)、「好みが異なる」後処理(ストレッチ)では喧喧諤諤の議論が。 「質の低い画像も必ず品質の向上につながる」という結論は、今回の合作で得られた、多くの方に有用なメッセージではないでしょうか。そしてこれまで「個人プレー」であった天体写真が、自然発生的に生まれたグループ(コミュニティ)の力で新しい可能性を拓いたという意味でも、エポックメーキングなことではないかと感じました。天体写真ファンは必読です。 ◎天リフ独断ピックアップ ■広告ピックアップ・美しい星の町のシンボル 美星天文台(紹介◎松島彩) これは新基軸。「天文王国おかやま」の美星天文台が、開館30周年を機に見開きPR記事を掲載。「天文王国からの招待状①」とありますので、このあと連続で掲載されるのでしょうか?今回の内容は、天文台の日々の活動の紹介と国際ダークスカイ協会 の「星空保護区コミュニティ部門」認定の話題。 来月以降も楽しみですね! 美星天文台 https://www.bao.city.ibara.okayama.jp/ ■「由女のゆるゆる星空レポ 星の召すまま」第100回 今までを振り返りパーティ 連載100回記念の増ページ。連載開始の経緯、これまで99回の内容の円グラフ分析、印象的だった回の紹介、制作裏話と読者からの質問コーナーなど、通常とは違った切り口が満載!天リフ編集長も「ゆるゆる」精神を学びたいと思います! 由女さんの連載はマンガという性質上ピックアップが難しかったのですが、今回はこのような形でピックアップさせていただくことができました^^ ぜひ中味は本誌を手に取ってごらんください! ■ネットよ今夜もありがとう 今号は都合により休載とのことです。 ■星ナビギャラリー 今回のトップ下はKさんの「放射点からの閃光」。ふたご座流星群の晩、30個以上の流星の比較明合成による作品です。どのくらいの時間をかけての撮影かは書かれておらず不明ですが、ISO感度を8000と高め設定し1コマ8秒と短めの露出時間としたのが成功要因でしょうか(*)。 (*)流星はISO感度を上げるほど・露出時間を短くするほど背景の星に対して流星が目立つ結果になります。高ISO・短秒露光による背景の星空の画質低下はスタック処理で解決できるため、このような手法においては大いに有効です。 個人的イチオシはAさんの「おおぐま座M82銀河」。ミューロン300CRSという大砲で総露光時間24.5時間の大作ですが、これまでアマチュア天体写真のレベルを押し上げてきたAさんが、また一つ記録更新といったところでしょうか。左下のKさんの「M42 オリオン大星雲」もブロードバンド天体写真の新しい仕上げ方に注目です。 ■News Watch ソニーの人工衛星「EYE」が宇宙へ 打ち上げの裏側をレポート デジタルカメラを搭載した人工衛星を打ち上げて、多くの人にそこから撮影する機会を提供しようというソニーの野心的なプロジェクト「STAR SPHERE」。今年の1月3日にソニーの人工衛星「EYE」を搭載したFalcon9ロケットの打ち上げが無事成功しました。 記事はその打ち上げを現地で撮影した写真家の北山輝泰さんのレポート。STAR SPHEREプロジェクトの紹介や、緊迫の打ち上げ撮影現場の裏側などの紹介です! ソニー・STAR SPHEREプロジェクト https://starsphere.sony.com/ja/index.html ■星の街道をゆく プラネタリウムを巡る鉄道旅ー北海道vol.2ー (案内/中山満仁) シリーズ第2弾。北海道のプラネタリウム巡り、鉄道で巡る北海道の旅。なんとも贅沢なゆったりとした時間が流れるレポート。天候にあまり恵まれなかったのが残念ですが、推定「鉄分約33%」、鉄道好きならさらに5割増しで楽しめることでしょう! まとめ いかがでしたか? 藤井旭さんの訃報に接して、あらためて天文ファンにとっての「メディア」の存在の意味と役割を再認識したように思います。「星を見る楽しさ」と「具体的な楽しみ方の方法論」を生涯にわたって発信してこられた藤井旭さん。 その遺志を少しでも受け継ぎ、これからも天文趣味クラスタが発展しつづけるよう、役に立つメディアとしてあるべく天文リフレクションズは精進していきたいと考えています。僭越ながら推察しますと、この思いは星ナビ様・天文ガイド様を含め皆同じ思いではないでしょうか。 そんな中でも毎日一度は天文リフレクションズ、毎月5日は天文雑誌!3月号も楽しみですね! 星ナビ3月号は「ベテルギウス大減光の謎」と「みんなで合作!天体写真 後編」 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12927_hoshinavi ※アストロアーツ様より告知文・内容サンプル画像の転載許可をいただいています。 天文ガイドも合わせて読みたいですね!!    編集部発信のオリジナルコンテンツ