天リフ編集長2020振り返り
今日は大晦日。天リフは年末年始は実は多忙(*)なのですが、ブログ復活記念?に2020年を振り返りたいと思います。
(*)「2020振り返り」「2021新年の所感」系の記事を漏らさず目を通しピックアップするため。
ベテルギウス超新星爆発?(1月)
突然に暗くなったベテルギウス。「すわ!超新星爆発間近か?」と盛り上がりました。まあ宇宙のことですので、そうやすやすと「その日」が来ることはないのでしょうが、妄想力を全開にして書いたのがこの記事です。
「肉眼で直視すると危険なほど明るくなる」「人類史上初の色温度1万Kの風景」「ベテルギウス出・入」「点光源パワー」「爆発後数年間で何が起きるか」など、これまであまりなかった考察も盛り込んだ記事でしたが、残念ながら超新星爆発はありませんでした^^;;;
みんなで100時間プロジェクト(1月)
露出時間100時間の夢。1人で実現するには相当な粘りと変態性が必要ですが、それなら皆で力を合わせよう!というプロジェクトです。
やってみてわかったことは、最終リザルトをコンポジットするならjpegで十分で、いろんな方向性の仕上げが混じっていても、最終的にはよい結果となることです。
今年もやります。ご応募をお待ちしています(*)。
(*)パペットワープによる位置合わせはなかなか大変なので、そろそろPIを導入しますか?!
ASI AIR PRO集中連載(2月)
天リフの活動には3つの柱があると思っていますが、その一つが機材レビュー。天文雑誌では誌面の制限で深いレビュー記事は不可能。Webメディアならではの役割と使命だといえるでしょう。
このレビュー記事は約一ヶ月間どっぷりと使い込んで毎週記事更新するという大きなものでした。アーリーバージョンによる不具合にも悩まされましたが、ZWO社の開発スピードの速さにも大いに助けられました(*)。
(*)すでに随所で記述が古くなっていて改訂をかけたいのですが・・
この手の記事は時間的にそう数多くは書けないのですが、やる以上は徹底して今後もやっていきます。「特別協賛」という形で、記事は天リフに属するという形のままでスポンサードいただいた星見屋様に深く感謝の意を表します。
ハーモニックドライブ・波動歯車装置赤道儀(3月)
星ナビには2020年は2回寄稿させていただきましたが、その一つがこれです。天リフではCRUX170HDをはじめ、ハーモニックドライブ赤道儀の記事を過去何度も掲載してきましたが、天文雑誌でもとりあげられるようになったと思うと感無量です^^
双眼鏡レビュー(4月)
賞月観星様、ヒノデ様といくつかの双眼鏡レビュー記事を書きました。
天文趣味において、ライト派ガチ派・眼視派写真派にかかわらず、双眼鏡はぜひ1台持っておきたいマストアイテムではないでしょうか。その意味で、特定のメーカー製品のレビューという形をとりつつも「双眼鏡で何を見るとどう面白いのか」「個々の双眼鏡によってその体験はどう変わってくるのか」について書いたつもりです。
この一連のレビューでは、双眼鏡という工業製品が今どういう立ち位置にあるのかについても見識を深めることができました。自分の眼と手で触れないとわからないこともあるし、あえて明らかにしない方がよい体験もあるということを学びました。
英語版とシステム環境の刷新(5〜7月)
How to enjoy the starry sky 10 times, with the “five senses” and “five desires
少し力を入れて天リフの「英語版」を作ったのですが、アクセスがほとんど伸びず、残念ながら放置状態となってしまっているのは遺憾の限りです^^;; まあこの程度の記事数でアクセスが簡単に伸びる訳もないのですが・・英語版についてはどこかで再度テコいれしようと考えています。
もう一つ、天リフのアプリ環境を大幅に更新し、サーバ環境を移転しました。約40日ほど集中してひたすらエンジニアモードでの作業となり、「(還暦近くても)まだやれる?」感とともに「さすがにもう限界か」感も楽しみましたww
実は「その先」に構想していたことに全く着手できていないのですが、これまたどこかで時間をとってバージョン「2.0」に取り組みたいと考えています。
ネオワイズ彗星(7月)
6月はシステム対応でネオワイズについて考える暇は全くなかったのですが、ちょうど切りよく終わった頃に明るくなり、天気にも恵まれたっぷりと楽しむことができました(*)。
(*)上の記事に「前半戦」とありますが、結局後半戦はあまり成果がなく「後半戦」はありません^^;;
こういう仕事(特にレビュー系)をやっていると、「自分自身が楽しむ」ことの優先度はどうしても下がってしまいます。しかし天リフの「3つの大きな使命」の一つである「星空の楽しさを読者に伝える」という意味では、「自分自身がどのくらい楽しめるか」なしでは成り立ちません。
その意味でネオワイズ彗星の到来は、初心にかえって宇宙の神秘にどっぷり触れることができた希有の機会でした。ありがとう、ネオワイズ彗星!
フィルターワーク(8月〜12月)
「モノクロHαナローバンド」をはじめ、フィルターワークは天リフならではの情報発信ができた分野だと自負しています。その総決算ともいえる「集中連載(*)」を8月から開始しました。
(*) 例によって半年近く経った今でもまだ完結できていないのですが^^;;
続々登場!ワンショットナローバンドフィルター。OptolongのL-eXtremeとL-eNhanceフィルターレビュー
さらに、上のOptolong社からサンプル提供をいただいた「L-eXtreme」と「L-eNhance」や、STC社の「アストロマルチスペクトラフィルター」についても、かなり突っ込んだレビュー記事を書くことができました。
フィルターのレビュー、特にナローバンドは露出時間も多く必要になるので記事制作は大変です。フィルターワークだけで何度遠征したことか^^;; しかし、天文ファンの撮影機会を大幅に増やしてくれるフィルターワークはとても有益なテーマです。多くの人が天体写真に「ハマって」くれることを願っています^^
動画本格デビュー(9月〜)
9月から、満を侍して?本格的な動画に取り組み始めました。10月には最新カメラ「α7SIII」を導入しさらにブースト。製作した動画はまだ6本でチャンネル登録者数も200ちょっとですが、2021年も「星空の楽しさを伝える」ような動画を製作していく予定です。
動画というメディアはテキストよりもはるかに「臨場感」を伝えることができます。しかし「YouTube生態系」の中で成功(*)するには、「数(登録者数、再生数)の壁」を越えなくてはなりません。これはなかなか大変なことなのですが、継続あるのみです。ぜひ応援のほどお願いします!
(*)チャンネル登録者数1万がむこう3年間での目標です。YouTubeとしての「収益化」はこの程度の規模では大した金額にならないのでしないつもりです。
春日白水公園カメラ講座(12月)
コロナ以降、リアルなイベントは皆無でしたが、12月に「春日市白水公園星の館」の「カメラ講座」で講師をさせていただきました。編集長自身は人前で話をすることはあまり得意な方ではないのですが、仕事の幅は広げなくてはなりません^^
やってみて、すごくよい経験・勉強となりました。次回があれば、さらにレベルアップしていきたいですね。
今日の土星と木星。タカハシ20cm屈折直焦バージョン。春日市白水公園星の家で。奇跡の晴天でバッチリ見えました!この望遠鏡、さすがにすごく良く見えます。観望会も定期的に行われているのでぜひごらんになってくださいね!#天文わず pic.twitter.com/41Idnahs8E
— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) December 22, 2020
12月22日の講座では、幸運にも木星と土星の接近を見ることができました。たぶんもう二度と見られない姿です。こんな一期一会こそ、天文趣味の醍醐味です。
2021年の抱負
2017年3月に天リフを始めてもうすぐ4年。ここまで続けてこられたのは、ひとえに読者の皆様のおかげであり、日々記事を更新されている天文系ブロガーの皆様のおかげであり、協賛頂いているスポンサー様のおかげです。経営的に見ると、家族2名の生活を維持できる目処が立ちつつあります。厚く感謝です(*)。
(*)足を向けて寝られない人が日本全国各地にいらっしゃるので、立ったままか逆立ちするか外国に行かない限り寝られませんw これこそが最高の幸せですね。
元々天リフはフィールドでの撮影仕事以外は自宅業務なので、編集長の「暮らしぶり」についてはほぼ変化はありませんでした。事業収支的にも悪影響は皆無で、逆に星まつりなどのイベント出張がほぼなくなったことにより収支は大幅に改善しました^^ 2020年度はようやく「(所得税)納税者」に復帰できそうです(*)。
(*)前年度以前の赤字通算もあるので、ちゃんと締めてみないとわかりませんが^^;;
天リフの3つの柱の最後の、そして最も重要な柱が「天文ファンのリアルな今」を発信し続けることです。天文趣味はマニアな「内向き」なものだという認識がこれまで強かったと考えていますが、ネットで物理的な障壁の多くが下がった今、状況は大きく変わりました。遠く離れた人とも「今そこにある感動」を分かち合うことができます。そのリアルな姿を発信し続けより広く届けていくこと。そのための手段としてのTwitterでのピックアップは今後も日々継続していくつもりです。
とはいえ、4年が経過した中「来年も今年と同じでいいのか」という自問自答、その答としての現状破壊をやらなくてはなりません。さてどうしたものか・・こればかりは、自分で考えて実行していくしかありませんね。
自分自身が楽しむこと
前にも少し書きましたが、天リフの仕事は自分自身の「天文QOL」を常に高い状態に維持する必要があります。天文趣味の楽しさを多くの人に伝えるためには、自分自身がたっぷり楽しめていなくてはなりません。「星を見ていて本当に良かった」と思える瞬間を日々感じること。実はこれが一番大事なことかも知れません。
そのためには、「天文趣味を楽しんでいる人」にリアルで接する機会をもっと増やしたいと考えています。コロナで先が見えないところもありますが、2021年は思い切って日本全国を回って天文ファンのリアルに触れることを考えています。
まとめ
いかがでしたか?
「振り返り」系の記事は実は初めてかもしれません。所要時間90分。今日は特別な日なので「上限15分」の縛りはなしにしました^^
この「編集長ブログ」、2021年は基本的に毎日更新で進めようと思います。2021年もよろしくお願い申し上げます。多くの人が、天文趣味をたっぷり楽しみ、来年も元気で幸せでありますように!